11月18・19日に行われた第43回近畿総合文化祭将棋部門個人戦の男子S級において、本校が優勝を飾りました。大会の様子を振り返ります。

今回の開催地は三重県津市です。近畿10府県の各代表選手が集まり対局します。本校からはS級（最高クラス）で高校１年生が出場しました。Sクラスは20名で優勝を争います。開会式前、部員は小学校時代の道場仲間に声をかけられました。疎遠になっても将棋を通して大舞台で再会することはよくあることです。予選ブロックは２勝が勝ち抜けの条件です。１回戦は京都府立城南菱創高校２年生と対局、居飛車と三間飛車の対抗型になりますが、中盤でポイントを稼ぎ、優勢に進めて勝利します。２回戦は和歌山県立桐蔭高校の３年生、相居飛車の将棋となるも、相手の弱点をしっかりと突き勝利。決勝トーナメントに進みました。くじの結果シード権を得たことからこの日の対局は終了。澤田真吾七段に指導対局をしていただき、宿舎に帰ります。

日曜日の決勝トーナメントは午前９時から始まりました。準々決勝の相手は、かつて道場仲間であった大阪代表関西大倉高校１年生。この対局が最も厳しい戦いになりました。相居飛車の戦型となりますが、中盤では両者１手のミスが大きく響く盤面が続きます。先に仕掛けた相手がやや優勢に進め、終盤では劣勢に。何度も詰めろをかけられますが、部員はしっかり受けきって最後は逆転勝ち。とても素晴らしい白熱した将棋でした。

準決勝の和歌山県開智高校戦も１手差の大熱戦。しっかり自玉に詰みがないことを読み切って指しこなし、勝利します。あまりの強さに感動しました。決勝の相手もまたかつての道場仲間だった大阪府明星高校の１年生です。試合前も後も３人でよく一緒にいました。対局では真剣勝負です。本局は居飛車ｖｓゴキゲン中飛車になりました。実はゴキ中は大会前にしっかり対策をしていたようで、序盤をしっかりと指しこなしていきます。中盤からは美濃囲いの弱点を突く攻めと厳しい寄せを繰り出していきます。攻め合いになりますが見事に勝利し、大会優勝を飾りました。最後まで非常に強かったです。

兵庫県勢では他に男子団体戦で灘高校が準優勝、女子S級個人戦でも尼崎稲園が３位とそれぞれ活躍しました。対局後、決勝戦の大盤解説を澤田七段、島本五段、藤井奈々女流にしていただきました。いつも他校生徒の解説を見る側でしたので、とても不思議な感覚でした。

生徒は今とても勢いがあるように思います。近畿大会優勝という大快挙を達成した生徒を労いたいと思います。そして来年は熾烈な兵庫県予選を勝ち上がり、全国大会に行きましょう。関係の三重県の先生方、大変お世話になりました。ありがとうございました。