学校ブログ

校長通信

私立学校の特質 第64号

2020/10/05

学校経営

今回も初代校長板倉操平先生の『わが心の自叙伝』からです。私の学校経営を支えるありがたい言葉です。

「私立学校は公立学校の代用ではない。公立学校で出来ぬことを私立学校でやり得る所に、私立学校の存在価値がある。」

学校説明会でも使わせていただいています。

「公立学校は一定の規範に従ってやらねばならぬ。例えば国立学校であれば文部省、県立学校であれば県の教育委員会・・・(中略)・・・私立学校で有っても勿論一応の規定には従わねばならぬが、学校当局の考えにより、学校創設精神によって、規定を守りながら、実施方法は色々のやり方を異にすることが出来る。」

若い時にはこの言葉がよくわかりませんでした。長くこの学園にいるともっとわかりませんでした。幸いなことに、知らないうちに公立学校では経験できないことをさせていただいていました。中高生両方教えるのもそうです。しかし、ある時期に出身大学の関係の先生に「この学校でこそ得たものもあるが、失ったものもある。」と言われショックを受けました。自分の力を試したいと考えたのもこの時期です。今、先生方には自由度の高い私学で思い切ってやってみようと話しています。

・・・(戻ります)・・・「米国も、英国同様、ハーバード、エイル、コロンビヤ等有数の大学は私立である。戦前の日本の教育は国家中心主義であり、所謂日本精神一本で固まっていたが、戦後民主主義時代に入って、多様性の特色ある教育、英国風の私立学校の存在が必要ではないか、然し教育は飽くまで健全なる日本国民の養成であり、多即一、各種の方法は分れて居るが、国のために帰一する点は忘れてはならぬ。」

日本でも公立私立の垣根がなくなり、新たな教育が進むと言われつつも、まだまだ大きな溝、保護者には大きな学費負担、私学には財政的ビハインドがあります。板倉校長はこの言葉を進言されました。この国の教育行政を差配する人たちにも知っていただきたいです。われわれ私学人はこの言葉に応えるべく公立学校に負けない人財育成をしていきたいです。


生徒会室前掲示板の「校長先生より」の掲示を10月用にしました。

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