学校ブログ

校長通信

2010年3月11日 第114号

2021/03/11

行事

東日本大震災から10年です。先日の避難訓練の時に、映像とともに私から講話をさせていただきました。「10年ひと昔」という言葉があって、10年は1つの区切り、長い年月という意味でもあります。10年の月日が経つと人々の記憶も薄れはじめます。大災害の復興をどのようにしていくかももちろん重要な課題ですが、災害をどのように伝えていくかも大切だと思います。

江戸時代の人々は自然災害を後世に伝えようと絵図を残しました。調べてみますと、大学の研究室や美術館、博物館にも数多く保存されています。それだけたくさんの災害が起き、人々は大事なことだと思ったのでしょう。国立国会図書館のデジタルコレクションの江戸大地震の絵図、日本損害保険協会の災害絵図ミュージアム、消防防災博物館(インターネット上の仮想博物館)などで、たくさんの種類の絵図を観ることができます。また、防災についても学ぶことができます。そういえば、大学時代に絵図や古地図を読んで災害を知る授業があったような?でも40年前には防災教育という言葉も知らず、災害にあまり興味がなかったです。大学の先生も、トンネルを掘る地層についてを力説されていたような気がします。

復興庁のホームページにも、復興の取り組み進捗状況が示されていました。昨年、一昨年と東北を訪れましたが、街づくりや道路などは新しくなっているように感じました。復興庁は「一刻も早い東日本大震災からの復興を成し遂げられるよう、被災地に寄り添いながら、前例にとらわれず、果断に復興事業を実施するための組織として、内閣に設置された組織です。」と説明されていました。   復興庁は(1)復興に関する国の施策の企画、調整及び実施、(2)地方公共団体への一元的な窓口と支援等を担っています。

現在では、映像技術、ICTによってたくさんの情報を伝えることができます。しかし、それだけでなく、自分の目や耳で災害の状況を知ることも大事だと思います。何より関心を持つことです。この10年の間に日本でも多くの災害が起き、多くの被害がありました。日々の生活の中では忘れがちになってしまいますが、当事者意識を持って「思いを馳せる」ことができるように意識したいと改めて思います。

pagetop