学校ブログ

校長通信

~節 第49号

2021/08/26

カリキュラム

「~節」という独特の言い回しや姿勢がぴったり来る先生が何人かいます。
先生と初めて出会ったのは2012年。先生は公立校の指導教諭、文理学科長でした。『良い授業とは何か』『古文授業の作り方』『入試現代文の読解法』など、研究活動や講師としてご活躍でした。人を介さず、私一人でお目にかかり、授業や教師教育、進学、学校について話したように思います。50歳にもならない若輩教頭の話しを聞いてくれました。私は教頭職務が大きく忙殺気味、担当授業時数が少なくなってきていました。「教師は授業で勝負する」は真理ですが、教員の授業力をあげるにはどうすれば良いのか、いい授業、生き方に迫る授業はどんなものか、答えが見つからず悩んでいたのかもしれません。そんな時「浪速のスーパーティーチャー」から独特の「~節」でアドバイスをいただきました。これまでにない豊潤な時間が流れ気づきがありました。
その後、ご一緒にお仕事をすることになり、まさしく先生は自ら体現され、示されました。「授業メインで」「教員育成を」と約束したのに、学年や学校経営に関わり、私の相談にものってくれました。たくさんの場面で助けていただき、感謝は言い尽くせません。

先生が卒業生に向けて出された文章「当事者」をずっと心に留めておりました。申し訳ありませんが抜粋して紹介させていただきます。

君たちは常に「当事者」として行事や授業に真摯に取り組んでいたと思います。この「当事者」というのはそう簡単にできることではありません。高校生という多感な時期は、ともすれば、現実から目を背け、斜めから文句と不平を言う「傍観者」になる人も見受けられるからです。・・・(中略)・・・
実は、「当事者」として、生の現実に向き合うことこそが、成長につながっているのです。インターネットでの交流を考えてください。そこには傍観者としての意見が飛び交っています。都合が悪ければ、リセットできる。人は傷つけても、自分は傷つかない都合の良い、責任のない空間です。ネットでなくても傍観者的な生き方には、人間的な成長は多分ないでしょうね。人と人とが直接結ばれていく現実に、当事者としてかかわる。温かみもあれば痛みもある現実、そこでの経験こそがいろいろな発見をもたらし、それが充実感となって成長をもたらすのです。
これからは、もっといろいろな人に出会い、いろいろな経験をすることになるわけですが、高校時代のように、常に「当事者」として成長していく姿をみせてほしいと思います。・・・(中略)・・・
これからも君たちを見続け、応援しています。

高校3年生の卒業アルバムの写真撮影が行われています。

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