学校ブログ

校長通信

頑張った君へ 第96号

2022/01/19

入試

第一志望校に合格できなかった君へ
今まで遊びたい気持ちを抑え、頑張ってきた君は、今はどうしようもなく悔しい気持ちでいっぱいだと思います。やさしい君は、自分のことよりも、応援し期待してくれていた家族やまわりの人のことを気にしているのかもしれません。今は難しいかもしれませんが、気持ちが落ち着いたら思い出してください。それは「中学受験が最終の目的ではない」「あなたが選んだ学校に自信を持って入学しなさい」ということです。
挫折のない人なんておらず、挫折のあとに新たな目標に向かってチャレンジすることが大切だと私たち大人は知っています。君のまわりの人たちもそれを知って、君をしっかり見守っています。

複数の学校に合格した君へ
どちらの学校に入学するかを迷う人もあると聞きます。決め手は、自分を振り返ってみて「楽しい学校生活」が送れ、「自分に合う学校」かどうかだと思います。ランキングや偏差値は入試の難易度を示すものであり、その学校の価値を示すものではありません。私は雲雀丘でしか働いたことがありませんが、全国のたくさんの私立・国公立中高校を見て研究し、私学のすばらしい先生方とたくさん出会いました。本校を含め、兵庫・大阪の私学にはいい先生がおり、いい学校がたくさんありますから、自分を成長させる学校を自信を持って選んでもらって大丈夫です。君の成長と幸せを願っている家族とも相談して、最後は自分自身が決めて下さい。

これからの人生においては、今回の中学入試だけではなく、高校、大学、就職、その他の資格などさまざまな入試や選抜試験が行われることになります。そして、どのような試験においても合格者がいる一方で、不合格者が出ることは避けられません。そのため、学校の選択にあたっては、必ずしも全員が希望通りになるとは限らず、第一志望とは異なる学校やコースに進むというケースも出てきます。いずれにせよ、中学入試で人生が決まってしまうということなどありえません。ここでいずれの結果にせよ応援してもらった方への感謝の気持ちを忘れては受験勉強において成長したことになりません。

「君はよく頑張った!お世話になった方にはありがとう。これからが真のやってみなはれ!」


昨年の高校卒業式式辞「わらしべ長者」の話しを記しておきます。もし気が向けば読んでください。
「わらしべ長者」の話を、単に運のいい人のお話と読むのではなく、人が成長する話として読んでみることにしました。「わらしべ長者」の話は、男が石につまずいて転ぶところから始まります。ここが大事です。「転ぶ」すなわち失敗することが成長の始まりになります。
1つ目の学びは、「失敗した時、つかんだものを大切にせよ」です。「わらしべ長者」の男がつかんだわらしべは、価値があるかどうかわからないものです。みなさんも失敗した時、つかんだものを、それが大したものと思えなくても大切にしてください。
2つ目の学びは、「大切にしているものを人のために与えなさい」です。男は、大切にしていたわらしべを子どもにあげてしまいます。みかんも、反物も、馬も、先に与えてしまいます。見返りがあるから差し上げたのではなく、差し上げたところ、お礼をもらうのです。自分が頑張ったことによって得たものを活かして、それを人に提供する。価値のあるものにしようと、自分の技術なり、知識なりを磨く。それをまた人に提供する。そうした繰り返しのなかで人間は成長し、よりすばらしいものや人と出会います。
3つ目の学びは、「出会いを大切にしなさい」です。男は、様々な境遇の人々と出会ったとき、素っ気ない態度や欲張りな態度を取りません。泣いている子ども、苦しんでいる商人、弱った馬を連れた侍、旅に出る屋敷の主人と、いろいろな状況の人々との出会いを大切にしていました。どの出会いも軽く扱わず、謙虚に、誠実に対応しています。


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