« 2008年04月 | メイン | 2008年06月 »

2008年05月31日

エコライフのすすめ~環境に優しい買い物のポイント

  少し前に3つのR(Reduce減らす・Reuse再使用する・Recycle資源化する)について話しましたが、このうち環境にとって最も効果的なものは〝Reduce〟です。ゴミを減らすためには、「物を買うとき」と「物を捨てるとき」がポイントになりますが、今回は「物を買うとき」に心がけなければならないことについて取り上げてみたいと思います。
  まず大切なことは将来ゴミになりそうな物を家に持ち込まないことです。例えば、お菓子の入った箱はお菓子がある場合にはゴミではありませんが、食べ終わった途端に不用なゴミになってしまいます。また、使い捨ての容器は必ずゴミになります。こういったことを頭に入れて買い物をすることが、環境悪化を防止することになるのです。私の家庭でも行なっている代表的なものを次に紹介すると、
    ①魚や肉、野菜や果物等はトレイにパックされた物より、
      バラ売りになっている物を選ぶ
    ②安売りということで必要以上の物を買わない
    ③ハンド・ソープやシャンプー等は詰め替え商品を選ぶ
    ④過剰包装や本のカバーなど不必要だと思われるものは断る
    ⑤レジ袋はできるだけ受け取らないようにする等、です。
  最近、マイバッグを持つ人が増えてきましたが、現在日本で使われているレジ袋はどれくらいの枚数でしょうか。次回はレジ袋について取り上げてみたいと思っています。

エコカード.jpg


2008年05月30日

環境宣言について

  昨日、枝廣淳子氏の基調講演を受けて、パワーポイントを使って環境宣言を行いましたが、その内容は次のとおりです。
  ①私達が住む青い星、地球。この地球が今悲鳴を上げています。
  ②温暖化、自然環境の破壊、大気汚染、オゾン層の破壊、水・土壌の汚染等のさまざまな環境問題が生じてきています。
  ③この大きな原因は急激な人口の増加です。地球の人口は1800年には10億人、1900年には17億人でしたが、現在は66億人になっています。実にこの100年少しの間に4倍近くになりました。そして、今後も増え続け2050年には91億人になることが予測されます。そして、発展途上国の人達が豊かな暮らしを求めるようになってきます。
  ④このままの状況を放置しておくと、地球の環境はますます悪化していきます。
  ⑤我々がしっかりと認識しておかなければならないのは、〝人間の活動が環境問題を引き起こしている〟ということです。言い換えると『環境問題は人間の問題』なのです。
  ⑥京都議定書でわが国は「2008年~2012年の5年間に、1990年に比べて温室効果ガスの6%削減を世界に約束しました。既に2桁の削減を実現している国もある中で、逆に日本は6%以上も増加しています。
  ⑦温室効果ガスの大部分を占める二酸化炭素の排出は、産業界から40%、運輸部門で20%、その他家庭や学校等で40%になっています。
  ⑧大切なのは一人ひとりが身近なすぐできることから始めることです。食料、エネルギー、水、ゴミ等取り組むべきことは数多くあります。忘れてはならないのは、すべてのものには限りがあるということです。
  ⑨環境教育においては、単に環境についての知識を持っていることでは不十分であり、勉強すればそれでお終いということではありません。自ら学ぶ、自ら考える、そして自ら行動することが大切です。
  ⑩「個人で」「学校で」「家庭で」「仲間で」「地域で」すべきことは無数にあります。
  ⑪学校全体ですることは、サントリーの支援をいただいて開設したこの『環境講座』『環境に配慮した高校新校舎の建設』、『環境月間の新設』『ゴミの分別収集』『節電・節水』です。
環境講座については、中学の各学年において学校行事とも関連付けて実施していきます。
  ⑫皆さんがやれることはいくらでもあります。個人で、仲間で、家族で、地域で取り組めるものを考え、実行に移しましょう。
  ⑬環境問題は即ち人間の問題です。環境への配慮は人間に対する優しさや思いやりに繋がります。
  本校は「人間教育の充実」と「学力の向上」の両立を目指していますが、環境教育を通じて「人間教育」を進めていきたいと思います。
  最後に、◇かけがえのない美しい地球を守ろう
       ◇そのために〝後の世代に今、私達が何を残せるか〟を考えよう
       ◇まず、身近なことから行動に起こそう
       ◇5月29日を『環境の日』に制定し、環境活動を推進していこう

2008年05月29日

環境教育宣言の日にあたって

H20.5.29kankyou.jpg H20.5.29kankyou_03.jpg H20.5.29kankyou_02.jpg kankyo_2.JPG

  5月29日(木)、環境ジャーナリストの枝廣淳子氏にお越しいただき、「不都合な真実を超えて」というテーマで講演をいただきました。
  枝廣氏はアメリカ元副大統領アル・ゴア氏の『不都合な真実』の翻訳者であり、現在わが国の環境問題に関する多くの会合の委員として、幅広く活躍されています。
  本日は、中学1年~中学3年が対象でしたが、保護者、地域の皆さん、塾関係の方もお見えになり、約1時間半にわたり、パワーポイントを使って、環境問題について実に解りやすくお話していただきました。冒頭〝好き×得意×大事=天職〟という『エダヒロの天職公式』や、やっていることは、ただ一つ〝伝えることとつなぐことでうねりを起こすことである〟という紹介をされました。
  次いで、現在地球では72億トンの二酸化炭素が排出されているが、吸収されているのは森林の9億トンと海の22億トンの計31億トンであり、残りが地球の温暖化をもたらす温室効果ガスになっていること、これまで経済を大きくすることに注力してきたが、現状のままでは1.4倍の大きさの地球がいること、地球は一つしかないし大きくすることもできないこと、そのためには「奨励すべき成長」と「抑えるべき成長」を区分することが必要であること、ビジョンを描き、全体像を把握し、仕組みをつくり、行動すること、また温暖化は最大のチャンスであること等を興味深い事例をまじえながらお話いただきました。講演後は多くの生徒達が色々な質問をしましたが、丁寧に答えていただき、大きな拍手で講演は終了しました。
  続いて、本日(5月29日)を環境の日に制定するという環境宣言、最後に、生徒代表による宣誓を行ない、すべてのスケジュールが終了しました。
  一連の行事を通じて、生徒達の環境に対する認識が深まってきているように感じています。これから環境教育を本格的にスタートさせていきますが、環境宣言の中身については、後日紹介していきたいと思っています。

  

2008年05月28日

環境月間に向けて

H20.5.27eigakai_02.jpg
  昨日の『不都合な真実』の映画鑑賞の後、中学1年生~3年生の全生徒にクイズ形式になっている感想文を作成していただきました。生徒達がどのような印象を受けたのかをつかむために全数に目を通しましたが、多くの生徒達にとって地球の温暖化がここまで深刻な状況になっているとは知らなかったようです。また、自分達が環境を守るために何らかの取り組みをしていかなければならないということを感じてくれたようで、具体的に〝節電する〟〝車に乗らないようにする〟〝省エネ商品を購入する〟〝家族で話し合う〟といったことを書いていた人もありました。これらの感想文を見る限り、少なくとも環境に対する認識は深まってきたのは間違いありません。しかし、このままでは具体的な行動に結びつかずに「ただ大変だなあ」ということだけで終わってしまうかも知れません。
  本日は、全校朝礼において先週に引き続き環境に対する取り組みについての話をしました。
「現在、日本において地球温暖化をもたらす二酸化炭素がどこから出るのかを見ると、40%は産業界、20%は運輸部門から排出されているが、残りの40%は家庭やその他の部門から排出されている。環境問題については食糧、水、エネルギー、ゴミ等さまざまなものが挙げられるが、難しく考えないで我々の身近なことを見直すということが大切である。6月・7月は学校の環境推進月間として〝不用な電気を切る〟〝ゴミを分別する〟〝水を節約する〟といったことから始めていきたい。ゴミを例にとると、日本では1人1日たり、1.1kgのゴミを出している。トップのアメリカは約2kgのゴミを出しているが、国土が日本の2.5倍と広いため大半が埋め立てられている。これに対して埋め立てる土地の少ない日本では仕方なく、ゴミの体積を10分の1~20分の1にするために焼却というやり方をとっているが、しっかりと分別しないとダイオキシンの発生に繋がることになる。」等です。
  その後、生徒会長から「推進月間にあたって、ポスターの募集を行なう。また、文化祭のテーマも《環境》を中心にしたい。」という発表がありました。
  これから全校朝礼では、さまざまな角度から『環境』というテーマで話を続けていくこととし、環境推進の取り組みの輪を広げていきたいと思っています。

2008年05月27日

『不都合な真実』映画鑑賞を終えて

H20.5.27eigakai_01.jpg H20.5.27eigakai.JPG  
  5月27日(火)、中学1年生~3年生を対象に、前アメリカ合衆国の副大統領であったアルバート・ゴア氏の『不都合な真実』という映画の鑑賞会を行ないました。思えば昨年の1月に、友人からこの映画の紹介と共に「是非、生徒達に環境の大切さを訴えて欲しい」という便りをいただきました。早速スケジュールを調整して放課後映画館に直行し、この映画を鑑賞しましたが、正直なところ私自身これほど地球環境の破壊が起こっているということは認識しておらず、大きな衝撃を受けました。
この日以降、環境について色々と調べ、これまでこの校長通信で何度も自然環境や食糧、水、エネルギー等について紹介してきました。その後、サントリー株式会社からの全面的な支援のもと、環境教育に取り組むことになり、この度やっと本格的なスタートを切れるところまでになりました。

  わが国では最近になって主要国環境相会合が開催される等、7月の洞爺湖サミットの開催に向けての動きが活発化し、環境問題についての関心が一挙に高まってきました。しかし、京都議定書で《2008年度から2012年にかけて温室効果ガスの1990年比6%の削減》を約束していながら、これまで国全体としての強力な推進体制は確立していなかったように感じます。

 本日の映画鑑賞を通じて、生徒達は「カトリーヌに代表される超大型の台風の発生、局地的な豪雨と旱魃の発生、南極やグリーンランド、北極海の氷の融解、ヒマラヤ、アルプス、ロッキー、キリマンジャロといった氷河の消滅、海水温の上昇による珊瑚礁の死滅とこれに伴う魚介類への影響、マラリアをはじめとする熱帯性伝染病の地域拡大等のさまざまな環境問題が起こってきていること。そしてこれらの大きな原因はまさに人間が作り出した地球の温暖化にあること。また、地球人口が増加する中にあって、このまま何の対策も講じなければ、海面が実に6メートルも上昇し、地球上の多くの陸地が水没する。」等の衝撃的な事実を知って地球環境の大切さを痛感したのではないかと思います。
  映画鑑賞後の感想文やアンケートにも、〝まず自分達でやれる身近なことから始めたい〟ということが数多く書かれていました。この29日には、いよいよ枝廣淳子氏の講演の後、環境宣言を行ないますが、生徒達がこれを機に環境の大切さについて、自ら考え行動してくれることを心より願っています。

2008年05月26日

教科の力を高める公開授業

H20.5.26koukaizyugyou.jpg H20.5.26koukaizyugyou_01.jpg
  先週月曜日(19日)から公開授業旬間がスタートしましたが、この期間には、教科を中心にお互いの授業を参観することになっています。本校では例年5月末のこの時期に〝授業力を高める〟という趣旨で、教務部が主催しお互いの授業を公開することにしています。
  まず、各先生は事前に自分が公開する授業についての「課題・目標」をカードに記入し職員室に掲示します。これを見て参観を希望する先生は自分が見たい授業に名前を記入し、授業参観後はコメント・カードに感想や質問を記入し授業者に手渡すことになっています。公開授業が終わると、授業を行なった先生はこの質問についての回答を参観者にフィードバックすることになっています。
  そして、この公開授業旬間中には「最低一人一回は他の先生の授業を見に行く。一人一回は他の先生に授業を見てもらう」ということにしていますが、実際はなかなか時間がとれずに、多くの先生が数多くの授業を見るということがなかなかできにくい状況になっています。このため、教科の中にはあえて研究授業を設定し、教科の先生全員で授業を参観した後、教科会議を開き教科としての授業力を高めるための取り組みを検討するという動きも出てきました。
  先生にとってはまさに〝授業は命〟です。他人の良いところは積極的に取り入れ「自らの授業を磨く」という姿勢で取り組むと共に、「授業アンケート」や「模試結果」等をしっかりと分析することにより、教科としての授業力の向上をはかっていくことが大切です。
  私も新学期になって、既に何人かの先生の授業を参観しましたが、今のところ、すべての先生の授業を見切れているわけではありません。この公開授業旬間終了後も、引き続いて多くの先生方の授業を見学していきたいと思っています。

2008年05月25日

ユーデック主催学校見学会の開催

H20.5.24kengakukai.jpg
  5月24日(土)、『総合教育ユーデック主催の学校見学会』が行なわれました。土曜日ということもあって、100名を超える保護者や児童の方にお越しいただきました。来年度中学受験を控えておられる小学校6年生だけではなく、5年生以下の保護者の方も出席していただいていたようです。
  小学校6年生も来年4月には中学生、4年後には高校生、7年後には大半の人が大学生、11年後には大学を卒業することになります。そして、社会人として色々な分野に進んでいくことになっていきます。その時に必要になるのは、〝最終的にどの大学を出たか〟ということではなく、〝何ができるか、何をしてきたのか〟ということになります。そのためには、学力と人間力の両方を身につけていくことが必要です。保護者の皆さんは、是非このことを頭に入れて、子どもさんにあった学校を選んであげて欲しいと思っています。

  今は、「マウス・イヤー」という言葉に代表されるように、世の中は急激に変化してきていますが、この動きは今後ますます大きくなってくるのは間違いありません。好むと好まざるにかかわらず、グローバル化が進み、新技術が生まれ、新たな仕事やシステムが創出されてくると思います。そして、世界の多くの人達と一緒に活動していくことがあたり前になってきます。
  このように考えると、我々大人が時代のトレンドをしっかりと把握し、子ども達が将来社会で活躍できるように指導していくことが大切です。
「教えることは学ぶこと」という言葉がありますが、私自身、まだまだ勉強していかなければならないことが多いと感じている昨今です。

2008年05月24日

慶應義塾大学 第1回連携講座の開催

H20.5.24慶応連携講座.bmp

 5月24日(土)午後、慶応義塾大学SFC総合政策学部・環境情報学部との第1回連携講座を開催しました。この講座は2004年に開設され今年で5年目となりますが、これまで両学部の学部長や教授に来校いただき生徒達に講義をしていただいています。SFCというのは湘南藤沢キャンパスの略称ですが、1990年に新しい時代を見据えてこの地に総合政策、環境情報の二つの学部が新設され、今日に至っています。また、両学部は日本で初めてAO入試を導入したことでも知られており、ここを巣立った卒業生は現在社会の幅広い分野で活躍されています。
  本日は、高校3年生から1年生と保護者の皆さんの参加のもと、総合政策学部の阿川尚之学部長、環境情報学部の徳田英幸学部長から慶應義塾大学の歴史や創立者である福沢諭吉氏の教育に対する考え方、両学部の概要や教育内容の紹介をしていただきました。受講した生徒達はSFCにおいて「自分の頭で物を考える力を養い、一生自分に役立つ勉強の仕方を学んで欲しい。」というお二人の話に熱心に耳を傾けていました。また、講演後も数多くの質問が出され、予定の2時間をかなりオーバーして終了しました。
  この講座はこれから7月までに2回開催されることになっていますが、自分なりのしっかりとした思いを持って、積極的に受講して欲しいと思っています。
  ご多用中にもかかわらず、本連携講座のために遠路お越しいただきました阿川、徳田両学部長に心より感謝を申し上げます。

2008年05月23日

環境フェアin KOBE

tusin016_kankyo1.jpg tusin017_kankyo2.jpg
  5月23日(金)、本日から26日(月)まで開催されている『環境フェアin KOBE』を見学しました。この催しは、本年7月の北海道洞爺湖サミットに先立ち、G8環境大臣の会合が神戸で持たれるのに合わせて開催されています。会場の神戸市立中央体育館には90を超える企業や各種団体が参加し、ブース形式でそれぞれの環境に対する取り組みや提案を紹介しています。テーマは〝環境を見て聞いて体験して学んでみよう!〟というもので、気候変動、生物の多様性、3Rのジャンルに分かれて展示されています。
  これらのブースの展示内容を見ると、地球温暖化防止を支える環境技術や自然環境に対応した環境技術、「3R」技術・ノウハウ等世界をリードする数多くの素晴らしい技術があることが解ります。しかし、2050年までに温室効果ガス排出を半分以上にするという大きな目標を達成していくためには、単に個々の企業や団体の取り組みに頼るのではなく、政府が中心となり国をあげて施策を打ち出していくことが大切であると痛感しました。
  〝変化はチャンス〟という言葉がありますが、地球温暖化という危機的な状況は、日本にとって環境面において世界をリードしていく絶好のチャンスではないかと思っています。

2008年05月22日

JICAとの交流研修

H20,5,21JICA.jpg H20,5,21JICA_01.jpg H20,5,21JICA_02.jpg H20.5.21JICA_04.jpg

  5月21日(水)、JICA:研修生との交流授業を実施しました。 来校されたのは12カ国(アルゼンチン・アルメニア・ドミニカ・インドネシア、カザフスタン、メキシコ、ネパール、パプアニューギニア、タイ、マケドニア、ウクライナベトナム)からの研修生15名で、現在兵庫県内で貿易について学んでいます。今回は、高校1年生の理科の授業の中での交流となりました。生徒達は世界地図と電子辞書を片手に、研修生徒達と英語を使ってのコミュニケーション、折り紙、書道、生徒の案内による学校見学等を行ないました。私も授業を見学しましたが、身振り手振りに加えて筆談も交えながら思いを伝えようと必死になっている姿が印象的でした。生徒達の中にはこれらの国がどこにあるのかも知らないケースもあったようですが、時間が経つにつれて、お互いにうちとけた表情になり、授業終了時にはお互いの国の理解が深まったように感じました。
  本校においては、15年前から国際科を中心に、生徒に異文化への理解を深めると共に語学力の向上をはかることを目的として、神戸市のJICA 兵庫国際センターとの交流を行なっています。
JICAというのはJapan International Cooperation Agencyの略で「独立行政法人 国際協力機構」のことで、理事長は緒方貞子氏です。JICAでは、〝貧困、紛争、環境破壊、感染症の蔓延、食糧危機等 地球規模で取り組んでいかなければならない問題に対して世界の国々と協調しながら解決の道を探りながら、平和で豊かな世界の実現を目指しておられます。マスコミの報道を通じて、ご存知の方も多いと思いますが、今回の中国西部大地震被害に対しても、既に23名にわたる国際緊急援助隊・医療チームの派遣を実施しています。
  これからますます国際化が進展する中で、世界の人々から信頼され、期待される国になるためには国際協力を日本の文化としていくことが大切ですが、その核となるのはグローバル人材の育成です。このような機会を通じて、生徒達が相手の立場を理解する「共生」の考え方やグローバルな視野を身につけて欲しいと思っています。

2008年05月21日

全校朝礼で環境問題について語る

  5月21日(水)、澄み切った青空の下で、全校朝礼を行ないました。剣道部、硬式テニス部の表彰の後、中国やミャンマーで被災された人達のことに触れ、温暖化への対応について話をしました。
  ミャンマーは、以前ビルマと呼ばれていましたが、戦後日本からも技術を中心にした復興支援のため、松下電器からも責任者の団長を派遣していたこともあり、私にとっても思いで深い国の一つです。
  その国が今、未曾有のサイクロン被災で10万人を超す死者が出るのではないかと言われています。
  サイクロンというのは聞きなれない名前かも知れませんが、要はインド洋で発生する台風であり、カリブ海で発生するものは、ハリケーンと呼ばれています。
  それでは、何故このような巨大な台風が発生するのでしょうか。その最大の原因は地球の温暖化なのです。地球の海水温度は、この100年間で0.5℃上昇してきていますが、日本の南方海域ではこれを上回る0.7 ℃~1.3℃の温度上昇が見られています。そして、海水温度が高いほど大量の水蒸気が発生し、上昇気流で積乱雲が発生し、地球の自転で渦が発生し、周りの空気が集まって気圧が下がり熱帯低気圧になります。そして、最大風速が17メートルを超えると台風と呼ばれるようになるのです。

cyclone1.JPG landslide1.JPG glacier.JPG

  地球温暖化は、この他にもさまざまな問題事象を発生させています。北極海の氷が溶ける、氷河が減少する、海面が上昇する、生態系が変わる、熱帯病が発生する等です。このような温暖化を防ぐために我々がどのようなことができるのかを考え、行動に移していきたいものです。

2008年05月20日

エコライフのすすめ~3つのR

3R.JPG

  これまで、日本をはじめとする先進諸国では、経済の発展に伴って「大量生産」、「大量消費」、「大量廃棄」のライフスタイルが定着してきました。私達の生活も、これまでとは比較にならないほど物質的には豊かになってきました。しかし、どのような資源も無尽蔵にある訳ではありませんし、いずれは枯渇してしまうことになります。また、廃棄するゴミが増えることによって、新たな環境問題が起こってきています。
  今、環境問題の中で、ゴミと資源に関わる問題を解決していこうというのが、『3R』の取り組みです。これは、「Reduce」「Reuse」「Recycle」の頭文字を取ったものです。
    「Reduce」というのは〝使い切った後に出るゴミの量を少なくする〟
    「Reuse」というのは〝一度使ったものをゴミにしないで何度も使う〟
    「Recycle」というのは〝使い終わったものをもう一度資源に戻して製品をつくる〟ということです。  これらを一言で解りやすく表現すると、「減らす」「再び使う」「再資源化」ということになります。
この3つのうちで一番大切なのは「Reduce」です。ゴミを減らす取り組みとして、どのようなことが考えられるのか、次回以降取り上げていきたいと思っています。

2008年05月19日

エコライフのすすめ~ライフスタイルのチェック

  これまで何回かにわたってエコライフについてお話しさせていただいていますが、自分ではエコライフを実践していると思っていても、案外できていないことが多いようです。
日常生活の中にはほんのちょっとした気遣いや努力によってやれることが数多くあります。例えば、家の中でやれることとしては、テレビをつけたまま他の用事をしない、人のいない部屋の消灯を心がける、洗濯や食器洗いをまとめて行なう、過度な冷暖房を行なわず衣類や布団で温度を調整する、家電や蛍光灯を買うときには省エネタイプのものを選ぶ、使わない家電はこまめにプラグを抜き待機消費電力を少なくする、シャワーのお湯を流しっぱなしにしない、等があげられます。

water.JPG E.JPG light.JPG

  また、車を運転する時も、アイドリングを少なくしたり、無駄な荷物を減らしたり、空気圧を安定させるだけでも、ガソリンの消費を抑えることになります。
  財団法人省エネルギーセンターでは、「リビング」「キッチン」「浴室・洗面所」
「車」といったジャンルにわたって、上記の例に代表されるような25のライフスタイルを取り上げています。そして、これらは同センターのホームページに『ライフスタイルチェック25』という形で、チェック・リストが掲載されています。
  私もエコライフを心がけているつもりでしたが、結果は残念ながら70点台の得点でした。皆さんも興味があれば一度試してみてください。
  これらのライフスタイルは環境に優しいだけだはなく「家計の節約」ということにも繋がりますので、まさに一石二鳥です。
  身近なできることから一つずつ行なう、ということを常に心がけていきたいものです。

2008年05月17日

森を守る取り組み

tusin012_edauchi1.jpg tusin009_edauchi.jpg
  大山は中国山地の最高峰で標高1709mですが、以前は火山で180万年前から50万年前までは大規模な噴火を繰り返していたようです。最後の噴火が確認されているのは約1万年前で、地層は火成岩が主体です。そして、奥大山一帯は広大なブナの森が生い茂っており、永い間にブナの落ち葉が積み重なってできた腐葉土で覆われています。この大山に降った雨や雪は、ブナの葉で集められ、幹を伝って腐葉土の中を通るので、ミネラルを主体とした栄養分をたっぷりと含んだ地下水として、蓄えられるのです。
ところが、ブナは余りにも身近で多くあったため、漢字でも「木偏に無い」と書くように大切に扱われず、伐採して杉や檜を植えたり、パルプの材料とされてきました。しかし、西洋では〝森の聖母〟と呼ばれるように、ブナの森のあるところには例外なく名水と言われる美味しい水が湧き出ているのです。
  サントリーでは、工場の周りにある147haの森林を「天然水の森 奥大山」として、水源涵養活動を行なっていく計画を持っておられます。今回の訪問では、サントリーの皆さんのグループに入れていただき、ブナやミズナラ・コナラの生い茂った森の中に深く分け入りましたが、土は落ち葉のためフカフカでまるでスポンジの上を歩いているような感じです。また、ブナの幹は白っぽい色をしていて、表面には緑色の苔が張り付いています。20分ほど歩いたところで、植林された杉の枝打ちを行ないました。ヘルメットをかぶり、ゴーグルをかけ、長く延長できるノコギリを使って、高いところにある小枝を切り落としました。約1時間余りの短い時間でしたが、杉の小枝がすっかり取り除かれ終了した後は太陽の日差しが根元まで差し込んでいました。
  現在、日本の森林はこのような枝打ちや下草を刈るということをやる人が少なくなり、折角植林した森が荒廃してきています。農業や漁業と共に森林を蘇らせるための林業のあり方を抜本的に考え直していかなければならないと感じています。

奥大山ブナの森工場を訪問

tusin008_koujou.jpg tusin007_daisen.jpg
  5月17日(土)林間学舎の下見のため、鳥取県にあるサントリー天然水(株)奥大山ブナの森工場を訪問しました。この工場は山梨県・白州(はくしゅう)、熊本県・阿蘇に続く天然水第3の工場で、今月稼動を始めたばかりです。
  本校では中学2年生が、昭和56年(1981)以降毎年7月に大山登山を中心とした『林間学舎』を行なっています。また本年度よりサントリー(株)から支援をいただき、中学生を対象に環境教育をスタートさせますが、この環境教育については、学年毎にテーマを設けています。このうち中学2年生はこの林間学舎と連携させ、〝自然環境の水に学ぶ〟ということにし、大山登山の前にブナの森工場を見学させていただき、併せてブナやミズナラの森での自然体験を行なう予定です。
  この工場のコンセプトは「水を育む森や環境を大切にするという自然との共生をめざす」というものです。そのため、環境に優しい液化天然ガスを使用し、奥大山の地に降る大量の雪を冬場のうちに雪室に貯蔵し、その冷たいエネルギーを夏場の空調や生産設備の冷熱減に利用し、更に生産工程で出る廃熱を集めて空調に利用する蓄熱システムを採用しています。

  本日は、サントリーの環境部や水科学研究所の皆さん約80名がお越しになっており、一緒に工場見学させていただいた後、記念植樹を行ないました。これらが成木になるのは約30年後とのことなので、植林をした人がその姿を見ることはできないかも知れません。しかし、将来のことを考えて、このような地道な取り組みを行なっていることが、何よりも大切であると感じました。

2008年05月16日

エコライフのすすめ~ゆきすぎた便利さからの脱却

4.jpg

  前回で述べたように、かつての日本においては「勿体ない」という言葉に代表されるように、〝物を大切にする〟というのが美徳でした。また、戦後においても、食べ物をはじめとする生活物資が不足するという状況が長い間続いたため、「勿体ない精神」は引き継がれていたように思います。
  しかし、その後、敗戦国でありながら奇跡とも言える経済発展を遂げ、われわれの周りには物が溢れ、お金があれば何でも買えるということになってきました。そして、自動車や電機に代表される工業製品の輸出が急増する一方で、世界各国からの食糧の輸入が増え農林・漁業のウェイトが低下し、衰退してきています。我々の日常生活を見ても、テレビや冷蔵庫、洗濯機、炊飯器、掃除機、冷暖房機器、給湯器等の電化製品をはじめ、自動車を保有しているというのは、ごく当たり前になってきました。また、スーパー等の食品売り場には、豊富な食材が〝ところ狭し〟と並べられ、いたるところに24時間営業のコンビニエンス・ストアや自動販売機があり、いつでも食料や飲料が入手できるという状況です。
  現在は60年前と比べると夢のような暮らしになってきていますが、このライフスタイルが非常に大きな無駄を生み、環境問題と密接にかかわってきているのです。今一度、自分自身の生活パターンを見直し、ゆきすぎた便利さからの脱却をはかっていかなければならないのではないでしょうか。

2008年05月15日

エコライフのすすめ ~「勿体ない」という気持ち

  皆さんは、ケニアの環境副大臣でノーベル平和賞受賞者のワンガリ・マータイ氏がしばしば口にしたことで世界的に注目されるようになった日本の言葉を知っていますか?それは「勿体ない」という言葉です。
  かつて同氏が来日された際、小泉元首相が「勿体ない」というのは「もともと食糧不足の時代に、親が子どもに『つくった人の身になって大事に食べなさい』と諭した言葉である。」と説明したところ、彼女は一言ですべてを言い尽くすこの言葉に大いに心を動かされたそうです。ところがこの「勿体ない」という気持ちを表す言葉は日本語独自のものであり、外国語の訳語はほとんど見当たりませんでした。そのため、マータイ氏は日本語の「MOTTAINAI」を「地球環境の大切さを訴える言葉として世界に広げたい」との思いで、さまざまな国際会議の席などで紹介しました。
  この「勿体ない」という言葉は、かつて日本人なら誰もが日常生活の場において、『感謝』と『自戒』を示す言葉として用いていましたが、急速な資本主義経済の発展に伴い、大量生産・大量消費が一般的になり、次第に死語となりつつあります。昨今は食べ物を残す、電気をつけ放す、水道水を流し放す、まだ着られる服を粗末にする、十分使えるのに買い換える、といった無駄がいたるところで見受けられます。また、同時に、日本人の長所であった『謙虚さ』も失われようとしているように思います。
  無駄をなくすというと、すぐに金銭的にケチだと思われますが、今後の社会の発展のためには、ごみを減らす、リサイクルを進めるなど環境負荷を少なくし、持続可能な循環型社会を構築していくということが極めて大切です。
  現在、特にヨーロッパ諸国においては今後の経済のリーダーシップをとっていくためにも、環境問題に関して真正面から強力に取り組んでいます。そして、CO2の削減目標を京都議定書で定めた8%をはるかに上回る40%、60%、80%に引き上げ、互いにしのぎを削っています。このことから見ても、日本の環境問題に対する危機意識は、海外に比べて余りにも低いと言わざるを得ません。
  今後、日本が世界から取り残されないためには、環境に対する課題をしっかりと認識し、強力に取り組んでいくことが必要であると思っています。

2008年05月14日

地球カレンダーから見た環境問題

5.JPG

  地球が誕生したのは、46億年前ですが、人類が地上に現れたのは400万年~500万年ほど前だと言われています。100万年のスパンと言うと想像もできない位長い時間ですが、地球の歴史から見るとごくわずかな期間にしかすぎません。
  わかりやすいように地球の誕生を1月として1年のカレンダーに置き換えてみると、生命が誕生したのは2月、シアノバクテリアが酸素を作り出したのは7月、多細胞の生物が現れたのは8月、植物が海から地上に上がったのは11月で、脊椎動物が上陸したのは12月3日ということになります。その後、これらの脊椎動物が爬虫類や恐竜、哺乳類、鳥類と進化していきます。恐竜の誕生は12月13日で、絶滅したのが26日です。
そして人類が誕生したのは何と12月31日の10時40分、我々現代人の祖先であるホモサピエンスの誕生は23時37分です。このように地球カレンダーで見ると人間は誕生してわずか23分しか経っていないことになり、恐竜の歴史のほうがずっと長いことがわかります。
  人間が農耕を始めたのは約1万年前ですが、生活の安定と共に人口が増加しはじめました。それでもBC8000年頃の地球の人口は100万人、BC2500年で1億人、BC0年で2億人位であったと推計されています。その後人口はゆるやかに増加しますが18世紀初頭でも約10億人、19世紀初頭でも17億人にすぎません。ところが20世紀に入って人口は爆発的に増え1999年にはついに60億人を突破、現在では66億7400万人となりました。
  この100年間における人口爆発が環境問題の最大の原因です。つまり地球の歴史から見るとごく小さな点にしかすぎない期間で、深刻な地球環境の悪化が起こってきているということを知っておく必要があると思います。

2008年05月13日

エコライフのすすめ~チーム・マイナス6%

-6%.gif

  『チーム・マイナス6%』という名前を聞かれたことはありますか?
正直なところ、私もこの名前を知ったのはごく最近のことですし、尋ねても知らない人が多いようです。
これは、環境省が地球温暖化防止のために行なっている国民的プロジェクトの愛称であり、2005年に京都議定書において取り決められた日本の温室効果ガス6%削減に因んで〝みんなで止めよう温暖化〟を合言葉に結成されました。
  即ち、チーム・マイナス6%プロジェクトの目的は、地球温暖化の状況を広く国民に知らせ、温暖化防止のアクションを促すことであり、次の具体的な6つのことを提案しています。
    ① 温度の調節で減らそう・・・・冷房は28℃、暖房は20℃に設定する
    ② 水道の使い方で減らそう・・・蛇口はこまめに閉める
    ③ 自動車の使い方で減らそう・・アドリング・ストップを行なう
    ④ 商品の選び方で減らそう・・・エコ(省エネ)商品を購入する
    ⑤ 買い物とゴミで減らそう・・・ゴミになりそうな過剰包装を断る
    ⑥ 電気の使い方で減らそう・・・コンセントをこまめに抜く
  これらは、一人ひとりが意識しておれば、そう難しいことではありません。一人ではごく小さな削減にしかなりませんが、チーム全員が実施するとなると確実に大きな削減効果が期待できることになります。そして、今、チームとしてこの運動に参加する企業や諸団体が増えてきています。
  温室効果ガスの6%削減は、全世界に対する日本としての約束事であり、これが達成できないということは、国際社会における信用失墜に繋がるのは間違いありませんが、この目標の達成はそう簡単ではないと思います。多くの国民が参加する大衆運動にまで広げていくことが大切です。
  本校の環境改善の取り組みを、個人のレベルを超えたチームとしてのレベルにまで高めていくことが必要ではないかと思っています。

2008年05月12日

20年度体育大会を終えて

H20.5.12_00.jpg H20.5.12_06.jpg
  5月12日(月)、5月10日が雨のため順延になった「20年度体育大会」を開催しました。まず、8時30分丁度に、全校生が、クラス毎にプラカードと工夫を凝らした旗を先頭に元気よく入場行進を行ない、運動場一杯に整列しました。32クラス、1200名を超える生徒達が、整列する姿は壮観そのものです。先週木曜日の予行時には若干不揃いなところも見られましたが、その反省を踏まえて本番では随所に改善が加えられており、引き締まった入場行進になりました。
  開会式の後、中学一年生全員によるフレッシュマンレースから競技がスタートし、大玉はこび、大玉流し、大縄跳び、二人三脚リレー、綱引き、玉入れ、棒倒し、棒引き、騎馬戦等それぞれに熱戦が繰り広げられました。新学期がスタートし、新しいクラスになってまだ1ヶ月少ししか経っていない中での体育大会でしたが、競技が進むに連れて応援の方もヒートアップし、次第にクラスが一つになっていくように感じました。
H20.5.12_02.jpg H20.5.12_05.jpg
  また、午前の最後には、高校3年生によるエンカレッジメントパフォーマンスが行なわれました。3年生にとっては最後の体育大会ですが、それぞれのクラスが衣装や振り付けに創意工夫を凝らし、観客を魅了するパフォーマンスを披露しました。早朝や放課後等の時間を使って準備を進めてきたようですが、きっと学校生活の思い出に残る演技になったことでしょう。
  最後に、中高男女によるクラス対抗リレーの決勝が行なわれ、大歓声の中ですべての種目を終了しました。今年は、高校・中学共3年生のクラスが豊かな経験を生かして総合優勝しましたが、どのクラスの生徒達も全力を出し切ったのではないかと思っています。閉会式では、表彰の後、温かく見守っていただいた保護者の皆さんに全員で「有難うございました。」とお礼を述べ、感動の体育大会の幕を閉じました。
  今回の体育大会を通じて、生徒達は多くのことを学んでくれたのではないかと思います。これらを今後の学校生活に大いに生かし、一段と成長してくれることを心より願っています。

2008年05月11日

エコライフのすすめ~京都議定書の取り決め

Earth1.JPG

  地球規模での環境問題は年々深刻さを増してきていますが、この底流にあるのは人口の爆発的な増加です。二十世紀の初頭に20億人に満たなかった世界の人口は、1960年には30億人、1974年には40億人、1987年に50億人、そして1999年に60億人を超えました。最後の10億人が増加するのにわずか12年間しかかかりませんでした。そして、これからもアジアとアフリカを中心に人口は増え続け、2050年には91億人になることが予測されています。
  こうした事態を受けて、1992年にリオ・デジャネイロで「環境と開発に関する国際会議(地球サミット)」が開催されました。また、2005年2月16日には、二酸化炭素など6つの温室効果ガスの排出削減義務などを定めた「京都議定書」が発効されました。
  この取り決めによると、2008年~2012年の5年間に、日本は温室効果ガスを1990年比6%削減、EU(欧州連合)は8%削減ということになっています。
  現在、EU諸国の中には、政府の強力なリーダーシップの下で、既に環境改善に着手し大きな成果をあげているところもありますが、日本の現状は2006年時点で逆に6.4%の増加になっており、このままでは削減目標の達成は極めて難しい状況にあると言わざるを得ません。
  我々が豊かな生活を送るためには、さまざまな資源を利用していくことになりますが、次の世代に負の遺産を引き継ぐことは絶対に避けなければなりません。
  環境を改善するために「我々一人ひとりができること」は数多くあります。日常生活の中で、どのようなことから始めていけばよいのかをこれから紹介していきたいと思っています。

2008年05月10日

エコライフのすすめ~環境問題のとらえ方

IMG_0641.JPG

  今、地球の温暖化をはじめとする環境問題については、国境を超えた全人類の共通の課題として座視できない状況にあるのは間違いありません。
  既に、お知らせしていますが、本校では本年度より、サントリー株式会社の支援をいただき、環境教育を教育の一つの大きな柱にして取り組んでいきたいと考えています。しかし、環境に関しては、単に座学として勉強すればそれでおしまいというものではありませんし、いくら環境に対する豊富な知識を習得したとしても、その後の行動が続かなければ、良い方向に変わっていくことはできません。生徒達が環境問題を自分達のこととして考え、自主的に生活の改善をはかっていって欲しいと思っています。

  昨今、マスコミ等では連日のように、地球温暖化、オゾン層の保護、大気環境の全、水環境、土壌環境、地盤環境、廃棄物対策、化学物質対策、森林保全、自然環境保全等といったことが取り上げられています。しかし、大上段に構えて、環境という問題に取り組もうとすると、恐らく話が大き過ぎて立ちどまってしまうことになってしまいます。大切なのは「人間の行動そのものが環境に問題を引き起こしている」というようにとらえることではないかと思います。
  つまり、「環境問題というのは人間問題である」と受け止め、ごく身近な易しいことから行動に起こしていくことが何よりも必要なのです。我々のまわりには、これまで意識せずに環境を悪化させてきたことがたくさんあります。
  これから、何回かにわたり、これらのものを取り上げていきたいと考えています。

2008年05月09日

秒速2メートルで泳ぐ

H20.5.7toudai.jpg
  この度、東京大学海洋研究所 国際沿岸海洋研究センターの佐藤克文准教授より次のようなお手紙と本人の署名の入った著書をいただきました。
〝突然お手紙を差し上げます。佐藤克文と申します。先日、ふとしたことから拙著『ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ』(光文社新書)の一部が高等部入学試験に用いられている事を知り、驚くとともに、とてもうれしく思いお手紙を差し上げた次第です。
  本に記しましたとおり、私は海で暮らす様々な動物の生態を研究しております。この素晴らしい世界を少しでも多くの人に知ってもらい、興味のある若者にこの道に進んで欲しくてあの本を記しました。入学試験に登場し、また受験生用の赤本に掲載されたことによって、今後雲雀丘学園高等学校に進学する学生の何割かがあの本の存在を知るのではないかと想像しています。興味ある生徒には、是非本を読んでもらいたく、また、将来東京大学に進学して私の研究室で動物の研究をしたいと言ってくれる生徒が出てくることを願って、一冊謹呈したく思います。図書館にでも納めていただければ幸いです。〟そして、   表紙の裏には、「雲雀丘学園高等学校の皆様、東大で待っています。」という言葉が添えられていました。
  早速、いただいた本に目を通しましたが、「体重30トンのクジラから、500グラムの海鳥まで、みな秒速1メートルから2メートルで海の中を泳いでいた!」という書き出しの著書には、興味深い研究結果が紹介されています。
  私も今回はじめて、〝陸上の動物においては、100年も前に知られているような基本的なことが、海洋動物では解らないことが数多くあった。しかし、日本発のハイテク機器「データロガー」を動物にとりつけることによって、水中動物について色々な調査を行なえるようになり、今まで見えなかった水中の世界が見えるようになって来た。そして、「バイオロギングサイエンス」という新しい研究分野が注目されてきている。〟ということを知りました。
関心のある人は図書館においておきますので、是非、一読ください。
  佐藤様、どうも有難うございました。心より感謝申し上げます。

2008年05月08日

体育大会に向けて

H20.5.7asaren01.jpg H20.5.7asaren02.jpg
  体育大会に向けて、生徒達は連休前から早朝や昼休みに行進や大縄跳び、リレー、エンカレッジパフォーマンス等の練習を行なってきており、日毎に本番に向けてのムードが高まりつつあります。いよいよ本番が明後日に迫った5月8日(木)、体育大会の予行を実施しました。昨年は生憎途中で降り出した雨のために、十分な予行演習ができませんでしたが、本日は汗ばむくらいの好天に恵まれ、当日のプログラムに従って実施することができました。生徒達は8時過ぎから運動靴に履き替え、体操服姿でそれぞれ教室から椅子を持ってグランドに集合し、それぞれのクラスのテント内に搬入しました。
そして、司会の指示に従い、8時20分より中学3年~中学1年、高校1年~高校3年の順に、クラス別の入場行進を行ないました。行進のスタイルはそれぞれのクラスの特色が出て興味深く感じましたが、高校生の入場行進には一日の長があるように感じました。行進後は1200名を超える生徒がグランドに整列し、開会式の予行を行ないましたが、さすがにこれだけの人数生徒が「前に進め」という合図に従って一斉に前進する姿は勇壮そのものです。
H20.5.8yokou02.jpg H20.5.8yokou01.jpg
  私は本番に備えて、生徒達に二つのことをお願いしました。一つ目は、大きな声で挨拶するようにしよう。二つ目は今日の予行演習で、足りない点を見つけ、本番までに修正しよう。ということです。
  その後、全員で準備体操をし、当日のプログラムに沿って各種競技のリハーサルを行ないました。11時半から1時間の昼食休憩を挟み、午後からはクラブ対抗リレーの予選等を行ない、14時過ぎにすべての予行を終了しましたが、この後も学校に残って応援のウチワを作ったり、校庭で練習をする生徒の姿が見られました。新しいクラスがスタートして1ヵ月余りが経過しましたが、この体育大会という行事を通じて、クラスの絆が次第に強くなっていくように感じています。
  体育大会本番は土曜日です。保護者の皆様は是非ご来場いただき、逞しく成長した子どもさんの姿を見てあげてください。

2008年05月07日

あいさつ推進月間を終えて

  5月7日(水)、4日間の連休を終えて生徒達が元気に登校してきました。それぞれ普段できない有意義な経験をしてきたのではないかと思います。本日は、水曜日であったため全校朝礼を行ないました。
各クラブに対する賞状伝達を行なった後、次のような話をしました。
  〝4月であいさつ推進月間は修了したが、是非これからも挨拶は続けていって欲しい。以前、挨拶を大切にされている会社の社長さんから、ある一人のセールスマンがしっかりした挨拶ができないということで、「これからは出入り禁止にする(あなたの会社とは商売をしない)」と強く叱責され、途方にくれたというエピソードを紹介し、民間では挨拶に始まり挨拶に終わるという言葉があるくらい挨拶を大切にしている。また、夜に商売をされている方は、夕方に会っても「おはようございます」、24時間の交替制勤務体制を採っている鉄鋼メーカーにおいては、工場内でいつ会っても「ご安全に」という挨拶をしている。 さて、いよいよ今週末には体育大会が開催される。感動溢れる思い出に残る体育大会にして欲しい〟

  私も、営業第一線や物づくりの現場で仕事をしてきましたが、挨拶と整理整頓がしっかりできていない職場は、必ずといってよいほど得意先や売上金の管理、品質や安全管理に問題が生じてくるものです。
家庭は子ども達にとっては最初の社会です。家庭で出来ていない事が一般社会に出てやれるということはありません。簡単なことをしっかりとできるようになって欲しいものです。
  是非、家庭においても、朝起きれば家族同士が「おはようございます」と爽やかな挨拶をかわし、一日が気持ちよくスタートできるようにしていただきたいと思っています。

2008年05月06日

エコライフのすすめ~はじめに

eco.jpg

  環境問題への対策としては、政府や地方公共団体による取り組み、地域の有志による取り組み、企業による取り組み、学校や病院による取り組み、家庭による取り組み、個人の取り組み等がありますが、それぞれのレベルでできることから着手することが大切です。自分ひとりがやったところでどうしようもないと考えるのではなく、国民一人ひとりが環境問題を自分のこととして、受け止め行動を起こすことによって、点が線になり、線が面になっていくのは間違いありません。そして、このような動きが広がれば、日本全体に環境に対する意識が高まってくることになります。
  このために、我々の日常生活を見直し、エコライフを追求していくためには、どういうことをすればよいのでしょうか。色々な切り口がありますが、「エネルギー」「水」「食料」「ゴミ」「化学物質」の五つを中心に取り上げていきたいと思います。これまでもエネルギーと食料の自給率については、先進諸国の中でも最低の水準になっているということを紹介してきましたが、これからの世界各国の急速な経済発展を考えると、将来はお金があっても入手できないといった事態に陥る恐れは十分にあります。
そして、昨今、この二つの価格が急騰し、家計を圧迫してきています。今こそ、家計と環境の二つを同時に実現できるエコライフを目指していきたいものです。

2008年05月05日

こどもの日にあたって

kodomonohi.JPG

  本日、5月5日は「こどもの日」ですが、総務省が発表した推計人口によると、4月1日現在の15歳未満の数は1725万人となり、前年に比べて13万人減と過去最少を記録しました。これで減少は27年連続、総人口に占める割合も13.5パーセントと34年連続で下がり続け、イタリアやドイツを下回り国際的にも最低水準になってしまいました。
  この原因としては、親の所得水準が上昇したことによる、家庭におけるこどもの独立や巣立ち教育の不足、女性の社会進出に伴う所得水準の上昇、困難な仕事と子育ての両立、専業主婦の子育て負担の増大等の結果、未婚率・平均初婚年齢・初産時平均年齢が上昇し、出生率(しゅっしょうりつ)が低下していることがあげられます。
  出生率というのは、女性の出産可能な年齢を満15歳から満49歳とし、この対象となる女性が産むこどもの数を表しますが、一般的に人口を維持するためには、この出生率が2.08であることが必要です。しかし、現在の出生率は1.32~1.33と低い水準にあるため、こどもの数が年々減少することになるのです。
  そして、このままの状態が続くと、少子高齢化の進展、労働力人口の減少、経済成長率の低下、社会保障負担の増大、優秀な人材の海外流出といったことが起こってくることになります。また、個人消費は低迷し、海外からの資金の流入は減少し、企業も海外に軸足を移すことになりかねません。
  
  これに歯止めをかけるためには、中・長期的な視点に立って、仕事と子育てが両立しうる雇用環境の整備と子育ての支援を強力に推進していかなければならないと痛感しています。

2008年05月04日

環境への取り組み

  本校においては、本年度よりサントリー株式会社の支援をいただき環境教育に注力していこうとしています。既にこの校長通信でも紹介しているとおり、今月29日には枝廣淳子氏に基調講演をいただき『環境宣言』を行なう予定ですが、それまでに、環境についての意識を高めておくことが大切です。
  このため、連休前に中学生全員を対象に〝家庭において何らかの環境に関する取り組みを行なっているか〟を調査したところ、次のような結果になりました。
    ①家族と共に取り組んでいる・・・35パーセント
    ②自分ひとりで取り組んでいる・・・12パーセント
    ③家族が取り組んでいる・・・16パーセント
    ④取り組んでいない・・・36パーセント
  これによると、何らかの形で取り組んでいる生徒は47パーセント(①+②)、取り組んでいる家族数は52%(①+③)とほぼ半数になっています。
逆に、取り組みを行なっていない生徒や家族が半数いるということです。

  私もアンケートにざっと目を通しましたが、「電気をこまめに消す」「寝る前には主電源を切る」「エアコンの温度を調整する」「エコバッグを使う」「水を節約する」「ゴミの分別を行なう」等の取り組みを行なっているようです。

  一口に「環境」と言っても、エネルギー・食糧・水・ゴミ等非常に広範囲にわたっていますが、自分達ができる身近なことから始めることが大切であると思います。これから私自身が最近取り組んでいる事例も含めて、環境に関するさまざまな問題について紹介していきたいと考えています。

2008年05月03日

祝日の意義

 本日(5月3日)から5月6日までは4連休ということになるため、この期間に帰省したり旅行に出かけたりする人も多いようです。5月のこの時期はゴールデンウィークと呼ばれていますが、昨今では長い休みの過ごし方ということが先行しており、祝日の意義は薄らいできているように感じられます。
  5月3日は〝日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する〟という『憲法記念日』、
  5月4日は〝自然に親しむとともに、その恩恵に感謝し、豊かな心を育む〟という『みどりの日』、
  5月5日は〝こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに母に感謝する〟という『こどもの日』、
  5月6日は〝日曜と祝日が重なった場合の振り替え休日は、その後においてその日にもっとも近い国民の祝日でない日とする〟という定めによる『振り替え休日』です。今年については、4日(日)の振り替えです。
  このうち、5月4日の『みどりの日』は、これまで多くの変遷を経て昨年に制定された最も新しい祝日です。みどりの日が最初に制定されたのは、1989年に昭和天皇が崩御されたことによる天皇誕生日からの変更でした。その後、昨年から4月29日が「昭和の日」として制定されたのに伴い、みどりの日を5月4日に移行させることになりました。
  現在、わが国の祝日は15日ありますが、それぞれの制定の意義をしっかりと確認しておくことが大切なのではないでしょうか。

2008年05月02日

学園小学校保護者に対する進路説明会

H20.5.2.jpg
  5月2日(金)、学園小学校のPTA総会後の時間をいただき、6年生~4年生の保護者を対象にした進路説明会を開催しました。中高においては、二年前から新しい学校づくりに取り組んでいますが、小学校の保護者の皆さんからも中高の動きには関心が高まっており、300名を越える保護者の皆さんが出席され、〝社会で活躍する骨太のリーダーを育てる〟というテーマでお話させていただきました。
  現在、小学校6年生の子ども達も11年後には社会人になりますが、立派な社会人となるためには、中学・高校・大学を通じて、〝社会で役立つ力〟を育てていくことが大切です。
  このために、保護者の皆さんに心していただきたいことは、「目先のことではなく将来の進路はどうかという長い目で子どもの育成を考える。」「日本や世界が将来どのように変わっていくのかというトレンドをしっかりと把握しておく。」「子どもを過保護にしない。」という三つです。
  その後、中高としての具体的な取り組みと現在進めているコース制を軸とした学校改革の目指す姿、昨年度、今年度の中学入試の結果、学園小学校出身の生徒達の入試や入学後の状況について説明しました。お蔭様で、この二年間で合格基準は大幅に上がってきていますし、生徒達の学力伸張も顕著になってきていますが、学力向上のポイントは、基本的な生活習慣と学習習慣にあるのは事実です。
  従って、家庭においては、中学受験を節づくりの絶好の機会ととらまえて、正しい習慣づくりをしていただくことが何よりも肝要ですので、しっかりと指導していただきたいと思っています。
  本日は、25分間という短い時間であり、十分な説明ができなかったため、理解しにくいところがあったかも知れません。本校では、年間を通じて個別の進路相談に応じています。子どもさんの大切な進路を検討されるにあたって、疑問な点があれば事前にご一報いただき、是非ご来校ください。
  また、日々ホームページにより、学校の状況をお伝えしていますので、ご覧いただき忌憚のないご意見をお聞かせくださいますようお願いします。

2008年05月01日

凡事徹底~トイレ掃除の効用

  先日お話した『日本を美しくする会』のホームページの中には、〝なぜ、トイレ掃除か?〟ということで5つの項目があげられていますので、紹介します。
  1.心を磨く
    心を取り出して磨くわけに行かないので、目の前に見えるところを磨く。
    特に、人の嫌がるトイレをきれいにすると、心も美しくなる。
    人はいつも見ているものに心も似てくる。
  2.謙虚な人になれる
    どんなに才能があっても、傲慢な人は人を幸せにすることができない。
    人間の第一条件は、まず謙虚であること。
    謙虚になるための確実で一番の近道がトイレ掃除。
  3.気づく人になれる
    世の中で成果をあげる人とそうでない人の差は、無駄があるか、ないか。
    無駄をなくすためには、気づく人になることが大切。
    気づく人になることによって、無駄がなくなる。
    その「気づき」をもつとも起こさせてくれるのがトイレ掃除。
  4.感動心を育む
    感動こそ人生。できれば人を感動させるような生き方をしたい。
    そのためには自分自身が感動しやすい人間になることが第一。
    人が人に感動するのは、その人が手と足と身体を使い、更に身を低くして
一所懸命取り組んでいる姿に感動する。
    特に、人の嫌がるトイレ掃除は絶好の実践。
  5.感謝の心が芽生える
    人は幸せだから感謝するのではない。感謝するから幸せになれる。
    その点、トイレ掃除をしていると小さなことにも感謝できる感受性豊かな人間になれる。
  「日本を美しくする会」のホームページには、『一つ拾えば ひとつだけ きれいになる』という標語が掲載されており、掃除というひとつのことを深化させることによって、確実に人間力が磨かれていくという各地での事例が紹介されています。一度、開いてみてください。