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2009年02月28日

PTA3月総会を終えて

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  2月27日(金)、恒例のPTA3月総会が開催され来年度の役員体制が決定しました。本校では保護者の皆さんのご協力をいただきさまざまなPTA活動を行なっていますが、来年度は中野宏昭様に代わり川村久司様に新会長に就任していただくことになりました。総会は、会長の挨拶の後、私から保護者の皆さんに、これまでの学校改革の進捗状況や先日行なわれた高校の卒業式、大学受験の中間報告、新校舎の建設、メタセコイヤの移植等についてお話しました。
 お蔭様で、今のところ学校改革は概ね順調に推移し、「入口を固める」「校内を固める」「出口を固める」という良循環が生まれつつあります。しかし、まだまだやるべき課題は山積しており、立ち止まると逆の循環に陥る可能性も多分にあります。現在、本校では来るべき60周年に向けて高校新校舎の建設が着々と進みつつありますが、これと並行して教育内容の更なる充実をはかっていきたいと考えています。これまで折に触れてお話していますが、子ども達の育成のためには、家庭と学校が連携するという≪共育≫が不可欠です。保護者の皆様におかれましては、どうか子ども達を暖かく見守りつつ厳しい指導をしていただきますようお願いします。そして、素晴らしい環境の下で生徒達が〝将来社会で活躍できる人材〟に育ってくれることを心より願っています。
 最後になりますが、学校が大きく変わろうとする中にあって、中野会長はじめ本年度の役員の皆様には、色々な面で多大のご支援とご協力をいただき本当に有難うございました。また21年度の役員の皆様にはこれから何かとお世話になりますが、宜しくお願いします。

2009年02月27日

出会いを大切に

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  月日が経つのは早いもので、雲雀丘学園での勤務も間もなく3年になります。振り返るとパナソニック・カンパニー(旧、松下電器)で人事の仕事を20年、関係会社での総務や製造の仕事を10年、営業の仕事を4年、合計34年の企業での勤務の後、全く異なる教育界の仕事に就くことになりました。大阪府公立高校の4年の勤務と合わせると、教育の仕事に就いて既に7年が経過したことになります。
  この間、さまざまな仕事を通じて、実に多くの人とお会いしてきましたが、人の縁というものは本当に不思議であると感じています。もし私がパナソニックという会社に勤務し続けていたら恐らく一生会えなかった人もあるでしょうし、雲雀丘学園に来なければ会えなかった人もあるでしょう。このように考えると人との出会いは実に不思議であると思います。昨日も本日も校外の方や保護者の方とお会いする多くの機会がありました。また、お昼休みには生徒達に進路指導の面接をしましたが、これも出会いのひとつであり、教職に携わる者は一人ひとりの人生を預かっているという気持ちを強く持たなければならないと感じました。
  人が一生に会える人は限られていますが、これからも人との出会いを大切にし、お互いに会って良かった、これからも機会があれば会って色々なことを学びたいというような数多くの出会いを持ちたいと思っています。

2009年02月26日

三木茂博士とメタセコイヤ

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  昨日の朝礼で、高校の新校舎建設にあたってメタセコイヤを移植するということを話しましたが、本校にメタセコイヤが植えられるようになった経緯を紹介します。
  正確に言うと、今回移植するメタセコイヤの親木が高校校舎と中央棟の間に植えられており、この木は生物学者であった三木茂博士から、昭和29年(1954年)に中学校舎竣工の際にお祝いの記念樹としていただいたものです。その後、昭和38年(1963年)高校校舎の4階を増設する時に親木の実生(みしょう)として植えられたのです。それから46年の歳月が流れましたが、深く掘ったため根が十分に張り、南側で太陽の光を十分に浴びたことによって、今では親木を凌ぐ約30メートルの高さにまで成長しました。
  三木博士は香川県木田郡三木町の出身で、盛岡高等農林学校(現、岩手大学農学部)から京都帝国大学理学部を経て大阪市立大学の教授に就任されました。同氏は和歌山県や岐阜県から常緑樹のセコイヤやヌマスギとは異なる落葉樹の植物遺体(化石の一種)を発見され、昭和16年(1941年)にメタセコイヤと命名されました。「メタ」というのは少し変わったという意味ですから、メタセコイヤというのは〝少し変わったセコイヤ〟ということになります。
  日本にも300万年~400万年前まではたくさん生えており、化石としては日本各地から発見されていました。ところが、絶滅種であると思われていた木が1945年に中国の四川省で胡博士によって生育しているのが発見されたのです。当時は〝生きた化石〟として大きく報道されたようです。この中国で発見された木の種子がアメリカのハーバード大学に送られ、更にその苗木100本が日本に空輸されました。そして、その中の一本が三木茂博士と親交の深かった本校の初代中学校長である板倉操平氏のもとに届けられたのです。それが現在のメタセコイヤの親木です。
  このように今回移植するメタセコイヤには長い歴史が刻み込まれているのです。この、時代を超えて受け継がれてきた命をこれからもしっかりと守ってあげたいと思っています。

2009年02月25日

物や命を大切にする

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  2月25日(水)、本年度最後となる高等学校の朝礼を体育館で行なう予定でしたが、生憎の雨で体育館への移動がスムーズにできないため、急遽放送による全校朝礼を行ないました。
先週の土曜日には新しく建設された仮校舎に移転をしましたが、この仮校舎には貴重な資材が使われています。またトイレットペーパーを取り上げても、この材料として地球の環境保護には欠かせない木々が切り倒されているのです。本校では今、環境を大切にするということを教育の大きな柱として取り組んでいます。先日卒業した高校3年生は高校最後となる文化祭で、「マイ箸」運動や徹底した「ゴミの分別」を行なってくれました。
  また皆さんも気づいていると思いますが、現在高校校舎前のメタセコイヤの枝が切り落とされています。何のためにこのようなことをしているのかと言うと、移植してメタセコイヤの命を守ろうとしているからなのです。このメタセコイヤは今から46年前(1963年、昭和38年)、中高校舎の増築を記念して、当時大阪市立大学の教授であった三木茂博士から贈られた実生が育ってきたものなのです。皆さんは身近なできることから〝物を大切にする〟〝命を大切にする〟〝地球環境を大切にする〟という姿勢を是非貫いて欲しいと思っています。そして、優しさと思いやりの気持ちを忘れず、素晴らしい学校生活を送ってください。

2009年02月24日

出る杭を伸ばす

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  大きな国土も大した資源もない日本が世界で認められるために進むべき道は「科学技術創造を基盤にイノベーションを創出して、国際競争力を強化する」ことであり、「いかに多様性を活用し社会を創造的に活性化するのか」ということが大切です。そのためには人材育成のイノベーションをはかり、グローバルな視点を有する人材を数多く輩出していかなければなりません。日本ではかつて「出る杭は打たれる」という言葉に代表されるように「金太郎飴」的な人材が重宝されました。そして、自分自身で考え行動するよりもトップの指示に従ってひたすら前を向いて走ることにより高度成長を可能にしてきたのです。このように同質集団化を追求し異質な人材を排除してきましたが、グローバル化された社会では金太郎飴は通用しません。これからは「異(異能・異端)が大事」であり、人材育成に対する「国民一人ひとりの意識改革」が強く求められているのです。
  イノベーション(innovation)の語源は、ラテン語の(innovare:新たにする)ですが、(in:内部へ)+(novare:変化させる)という意味です。従来はよく「技術革新」という言葉で言い換えられてきました。しかし本来の意味はこれまでのモノ・仕組みなどに対して、全く新しい技術や考え方を取り入れて新たな価値を生み出し、永続的に大きな変化を起こすということなのです。同質なものに囲まれていると安心感にスッポリはまりこみ、異質なものがはじき出されるということになってしまいます。
  今の日本を見ると、あらゆる分野でこれまで同質集団化という強みが逆に弱みになってきており、これが発展を妨げる大きな要因になってきています。これからは異質なものを受け入れイノベーションをはかるという「出る杭を伸ばす」姿勢が必要であると感じています。

2009年02月23日

卒業生に贈る~常に感謝する

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  卒業式の式辞の中の三つ目は、〝常に感謝の気持ちを持つ〟ということです。人間は一人で生きているわけではありません。食べる物も着る物もその他生活に必要な物もすべて自分で作っているわけではありません。お互いに助け合って生きているのです。〝生きる力〟と言われますが、人間は多くの人に支えられお世話になって生きている、つまり〝生かされている〟と言えるのではないでしょうか。
  皆さんが今日こうして卒業式を迎えられるのも、お父さんやお母さんをはじめ、多くの人達のお陰なのです。そして、皆さんが卒業されるにあたって、最も喜んでおられるのは保護者の皆さんだと思います。今日、家に帰ったら、是非皆さんの口から直接、お父さん、お母さんに感謝の気持を伝えてください。そして、これからも常に感謝の気持ちを持って周りの人に接していって欲しいと願っています。

  日本人の中には素直に感謝の気持ちを表わすのが苦手な人が多いようですが、感謝できるということは意外と身近なところにあるように思います。
そして、ありがとうという言葉には人間を強める力が宿っており、〝ありがとう〟を口にすることによって心が前向きになるのです。〝今日もご飯がとても美味しい。ありがとう。〟〝お母さんが生んでくれたから今日の私がいる。ありがとう。〟〝先生が熱心に指導してくれたから学力が向上した。ありがとう。〟等です。
日々の生活の中で常に感謝し、ありがとうという言葉を忘れないようにしていきたいものです。

2009年02月22日

卒業生に贈る~果敢に挑戦する

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  卒業式の式辞の中の二つ目は『果敢に挑戦する』ということです。挑戦することの大切さは松下常務理事からも卒業生の皆さんに伝えられましたが、本学園の初代理事長である鳥井信治郎氏は常々〝やってみなはれ。やらなわかりまへんで〟と言っておられたようです。
  皆さんは、将来さまざまな分野で仕事をされることになりますが、社会と学校の大きな違いは、通常〝学校においては与えられた問題に対して答えを出す〟のに対して、〝社会においては自ら問題(課題)を見つけ出し、答えを探り出す〟ということです。学校での正答は一つなのに対して、社会ではあらかじめ正しい答えが準備されているわけではありません。言い換えると答えは定型化された単純なものではなく無数にあるということです。
  また、頭の中でいくら考えても答えの出ないものが多いのですが、高い学歴を有する人は、まず頭の中で考えて答えを導き出そうとしがちです。ところが、頭の中で考えるとすぐに難しいことやできない理由が出てきます。そして、失敗しないかどうか、失敗した時にどうするかということを考えてしまいます。このため、いつになっても失敗を恐れて行動に移すことができず、折角の機会を失ってしまうことになります。
  何事も一度で成功することはまずありませんし、ましてや、成功し続けることなど考えられません。逆に失敗し続けることもありません。成功の裏には数多くの失敗がつきものです。言い換えると、今成功している人は最も数多くの失敗をしてきた人であると言っても良いのではないでしょうか。度重なる失敗にもかかわらず、それを乗り越えて成功した時の達成感や感動が自信に繋がり、人間的に一回りも二回も大きく成長することになるのです。初代鳥井理事長の言葉を常に心に留め、失敗を恐れず何事にも〝果敢に挑戦〟して欲しいと思っています。

2009年02月21日

卒業生に贈る~高い志を持つ

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  卒業式の式辞の中で私は三つのことをお話しましたが、その一つ目は『高い志を持つ』ということです。高い志というのは本校の校是の最初に掲げられていますが、いかなる時代にあっても最も大切なものではないかと思います。ところが、残念なことに現在の日本や日本人にとってこの志というものが失われつつあるように感じます。
  志というのは単にお金儲けをするとか、地位や名声を得るといった野心や野望といったものではありません。野心や野望は〝自分が中心〟になるのに対して、志は〝世のため人のために尽くす〟ということになります。
  私はこれまで多くの社会で活躍している人にお会いしてきましたが、これらの人は、例外なく高い志を持っておられます。そして、志を有する人のまわりには磁石に引き寄せられるように、お金や人材、有益な情報が集まり、逆に自分の利益だけを考えて行動している人からは、これらのものが去っていきます。
  本校では、〝将来社会で活躍するリーダーの育成〟を目指して教育活動に取り組んでいますが、リーダーにとって不可欠な要件は、〝自己を超越して世の中のためにいかに尽くすかというゆるぎない信念を持ち、人の何倍も努力をする〟ということではないかと思います。
  高い志を持ち、目標達成に向けて日々自分自身を律しながら、努力を継続していけば、必ず道は拓けていくと思います。これはまさに本校の校是の実践に他なりません。大切なのは〝利己〟ではなく〝利他〟の気持で行動することなのです。
  これからの人生には平坦な道ばかりではなく険しい山もあれば深い谷もあります。楽しいことばかりではなく、苦しみや悩むことも多々あることでしょう。どのような時にも、是非本校の校是を思い出し充実した人生を送って欲しいと思っています。

2009年02月20日

第51回高等学校卒業式を終えて

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  2月20日(水)、早朝には昨夜からの雨が残っており、卒業式がどうなるのか大いに心配しましたが、9時過ぎには雨も上がり大きな混乱もなく第51回の高等学校卒業式を挙行することができました。きっと全員の願いが天に届いたのではないかと思います。
  開式の辞の後、ピアノ伴奏による国歌斉唱に続いて、普通科の218名と国際科19名の生徒全員に卒業証書を授与しました。続いて高校3年間、無遅刻、無欠席、無早退の33名の生徒に皆勤賞を授与しました。今年は例年に比べて非常に受賞者が多く、全生徒に占める割合は14パーセント、約7人に1人ということになります。更にこの中の7名は中高あわせて6年間皆勤という快挙を達成しました。〝継続は力なり〟という言葉がありますが、一見簡単なようでも続けることはなかなかできないものです。これからも、このような姿勢を貫いていって欲しいものです。
  式辞では、最初に世の中の動きに触れた後、「高い志を持つ」「果敢に挑戦する」「常に感謝する」という3つのことをこれから胸に刻んでいって欲しいという主旨の話をしました。その後、ご来賓の祝辞、在校生代表による送辞、卒業生代表の答辞と続きましたが、答辞の際には感極まって涙する生徒や保護者、先生の姿が数多く見られました。そして、在校生、職員による「蛍の光」と卒業生による「仰げば尊し」を歌った後、全員で学園歌の斉唱を行ないました。
  これで卒業式は一旦終了しましたが、引き続き3年生の担任一人ひとりに対して卒業生から感謝状と花束が贈られました。先生方も感激のあまり溢れる涙をこらえることができない様子でした。この3年間にはさまざまなことがあったと思いますが、これまでの苦労が一挙に吹き飛んだのではないかと思います。
  幸い雨がすっかり上がったため、間もなく取り壊される校舎を背景に記念写真をとることができ、本当に良かったと思っています。
  卒業生達が力強く新しい生活の第一歩を踏み出してくれることを心より願っています。

2009年02月19日

高校卒業式を明日に控えて

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  2月19日(木)放課後、明日の第51回高等学校卒業式の準備を行ないました。今年の卒業生は普通科が218名、国際科19名の合計237名です。
  高校時代は青春の真っ只中、生徒達は学業だけでなく部活動や学校行事等を通じてさまざまな経験をし、それぞれ目を見張る成長をしたように感じています。これらの素晴らしい経験をこれからの人生の糧として日々精進して欲しいものです。
  また、保護者の皆様や教職員におきましても数々の忘れえぬ出来事があったのではないかと思っています。特に 保護者の皆様におかれましては暖かい愛情を注がれる一方で忍耐されるというご苦労もおありになったのではないかと拝察しています。「親」という字は〝木の上に立って見る〟と書きますが、家庭と学校が連携して子どもを育てる「共学」という本校の基本の考え方に立って、ご指導いただいたことに対し心より感謝しております。
  
  本学園は昭和25年(1950年)に「この雲雀丘の地に何とか学校をつくりたい」という地元の皆さんの熱い思いで創設され、今年で59年目を迎えています。そして、高校の卒業式は例年2月20日に実施されていますが、この日は初代理事長である鳥井信治郎氏の命日に当たっています。
  明日は全員で創立の精神を確認しつつ生徒達の門出をお祝いしたいと思っています。天候が大変気になりますが、すべての人にとって感動溢れる思い出に残る卒業式になることを心より願っています。

2009年02月18日

強い思いを持ち、諦めずに続ける

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  2月18日(水)、本年度最後となる中学生対象の全校朝礼を行ないました。
月日の経つのは早いもので、あと1ヶ月で3年生はいよいよ中学を卒業することになります。そして4月にはそれぞれの学年の生徒は2年生、3年生に進級し、新たに1年生を迎えることになります。
そのため、全生徒にこれからの1ヶ月、しっかりと学校生活を送るようにお願いした後、バレンタインデーの由来と何故この日に日本でチョコレートを贈るようになったかについて話をしました。(バレンタインデーの由来については以前このブログで紹介しているため省略)
  〝バレンタインデーにチョコレートを贈る習慣は日本独自のものです。この習慣を根付かせるまでにはチョコレートメーカーの必死の取り組みがありました。今から51年前のことです。日本では羊羹や饅頭といったお菓子が中心でチョコレートの売り上げは今一歩という状況であったため、メーカーとしては何とか売り上げを伸ばしたいと考えていました。そのような時に、メリーチョコレートの原邦生氏のところにパリの先輩から一枚の絵葉書が贈られてきました。その葉書には「ヨーロッパではバレンタインデーに花やケーキなどの贈り物をする」ということが書かれてあったのです。これにヒントを得て新宿の伊勢丹デパートで売り出しを行ないましたが、この企画は売り上げがわずか170円という惨憺たる結果に終わりました。それでも原氏はその翌年にハート型のチョコレートを作り、「女性から男化性へ、年一度の愛を告白する日」というカードを添えて売り出したのです。また、森永製菓が新聞でバレンタイン特集を組む等メーカーがさまざまな宣伝を行ないました。こういった永年の努力が実を結び、今ではバレンタイン関連だけで年間売り上げの12%~15%を占めるまでになってきました。そして、創意工夫を生かした色々なチョコレートが作られるようになってきたのです。
  販売を伸ばしたいという強い気持ちがなければこの習慣は根付かなかったでしょう。この例でも解るように、何事にもしっかりとした思いを持つことが大切です。また、一度くらい失敗したと言って諦めてしまえば、絶対に成功することはありません。自分が〝こうしたい、このようになりたいという強い思い〟を持っていれば、ヒントはどこにでもあります。また目標が高ければ一度で成功するということはまずありません。
  皆さんはしっかりとした目標を持ち、例え失敗してもくじけずにやり続けるという姿勢を貫いてください。そうすれば自ずと道は拓けると思います。〟

2009年02月17日

高等学校B日程入試を終えて

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  2月17日(火)、高等学校B日程の入学試験を実施しました。今回のB日程についてはA日程とは異なり国語・英語・数学の3教科となっており、20名の生徒が受験しました。その後、迅速に採点を行ない夕方に選考会議を開催し、合否の結果を郵送させていただきました。遅くとも明日にはご自宅にお届けできる予定ですので、ご了承ください。

  これで、本年度の入試は中学・高校共すべて終了することになりました。入試広報部のメンバーをはじめ、これまで広報活動や入試問題の作成、採点等に注力してきた教職員は正直なところホッとしていると思いますが、何事も終了した時が大切なのです。本年度の入試広報業務は比較的順調に流れたようですが、一つ一つを取り上げてみると反省すべき点もあったように感じます。すべてが終わったということで、このままにしておくと来年度同じようなことを繰り返してしまうことになります。仕事の基本はPLAN-DO-CHECK-ACTIONのサイクルをまわしていくことであり、本年度の反省を生かして来年度につなげていくことが大切です。〝進歩なきものは退歩である〟という言葉がありますが、今年と同じことをやっていては必ず遅れることになります。また、同時に他校の良いところを素直に学び取り入れていくという謙虚な姿勢を持つことも必要です。
  このことは教職員の皆さんにも伝えましたが、『Ending is Starting(終わりは始まり)』という気持ちで、来年度に向けてスタートしていきたいと思っています。

2009年02月16日

来年度の経営計画の策定にあたって

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  2月も半ばを過ぎ、中学や高校の入試や大学の入試、卒業式の準備を行なう一方で、来年度の経営計画を策定する時期になってきました。ともすると学校の教育活動はどうしても単年度の運営になりがちですが、特色ある学校づくりを進めていくためには、前例踏襲や過去の延長線上の取り組みからの脱却をはかり、中期的な視点に立った取り組みを行なうことが必要になってきます。
  しかし、これまでの学校における計画の立て方は、まず現状を分析することによって課題を抽出し、次に実施に向けての検討を行なうというのが一般的です。これはまさに高度成長期や安定成長期における民間企業の経営計画策定の方法ですが、このやり方ではできそうなら計画に盛り込み、難しそうなら計画からはずすということになりがちです。この結果、計画はチャレンジャブルなものではなくあらかじめ達成の可能性の高いと思われる無難なものになってしまいます。そして、新たなことをやろうとしても「人がいない」、「金がない」「時間がない」、「物がない」、「情報がない」等できない理由が先行し結局大半が前年どおりということになってしまいます。これは言わば現状肯定をベースとした単年度型の『学校運営』であり、この繰り返しでは何年経っても学校を変えることができないと思います。
  経営改革を進めていくためには、最初に『3年~5年後のあるべき姿』を描かなければなりません。次に具体的な目標(抽象的なものではなくできれば数値化したもの)を設定することが大切です。その上で現状を分析し、あるべき姿とのギャップを把握する。更にこのギャップを埋めるためにはどういう取り組みが必要なのかを検討し、中期的な視点に立った計画をつくるというステップが必要です。到達目標が高ければ高いほど、また到達までの時間が短ければ短いほどスピードを上げていかなければなりません。そして目標必達のためには節目となる中間でのチェックポイントを設けておくことが必要です。
  来年度の計画策定にあたっては、中期の時間軸を設定し「どういう組織で、誰が、何を、どうするのか。そのために人、物、金といった経営資源をいかに活用していくのか。」という視点に立って来年度の経営計画を作っていきたいと考えています。

2009年02月15日

beauty-of-mathematics

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  昨年の10月22日に「これから大学で学ぶ皆さんへ~微生物を通して~」というテーマで講演いただいた妙田俊夫先生から表記の内容の資料がアメリカから送られてきました。妙田先生は微生物の権威で現在アメリカのデラウェア大学教授、東海大学医学部教授、デュポン研究所ディレクター等の要職に就かれると共にサントリー(株)の顧問として発酵研究に対する指導助言を行なっておられます。
  資料の内容はクリックしていただくとご覧いただけます。私も久しぶりに学生時代に戻り数学の美しさを再認識しました。この資料を数学の先生に転送すると、ある先生から魔方陣に関する資料が返送されてきました。これも非常に興味深い内容ですので、後日紹介したいと思います。

2009年02月14日

社会科研究発表会の開催

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  2月14日(土)午後、 社会科研究発表会が行なわれました。この発表会は今年で10回目を迎え、本校にとっても伝統の行事になりつつありますが、本年度は中学1年生から高校2年生までの23名の生徒がオーバーヘッドカメラを使って、それぞれ発表を行ないました。テーマは次のとおり日本や外国の歴史や地理をはじめ、幅広い分野にわたっています。
  歴史新聞・・・「紫式部と清少納言」「新撰組」「織田信長」「古代ギリシャ神話」/都道府県調べ・・・「愛知県」「岐阜県」「福岡県」/歴史新聞・・・「落語の歴史」「野球はじめて物語」/観光マップを作ろう・・「ハンガリー共和国」「鶴見緑地MAP」/沖縄研修旅行テーマ研究/日本史特講・・・「清水寺」/世界史特講・・・「フローレンス・ナイチンゲール」
  各学年から選ばれただけのことはあって、それぞれ選択したテーマについて自分なりによく調べた上で発表していたように感じました。 
  最後の講評で私は次のような話をしました。
  〝皆さんは何年か先には社会に出ることになるが、社会と学校との間には大きな違いがある。学校では問題が出されその答えを解くということが中心になっており、大抵正答は1つしかない。これに対し社会では問題が出されるということはあまりない。何が問題なのかを自らさがし出し、その上で答を考え出すことが必要になる。そしてその答は1つとは限らない。自ら調べて自分で答を見つけ出す習慣を心がけることにより、将来社会で活躍するための力が身につくのは間違いない。これからは自ら疑問を持ち、自ら調べ、自ら考え、自ら行動することを心がけて欲しい。〟

2009年02月13日

なぜバレンタインデーにチョコレートを贈るのか

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  先日〝素朴な疑問を持つことが大切である〟ということの一例として〝なぜ2月は28日しかないのか〟ということを掲載すると、ある人から生徒達にとっては〝なぜバレンタインデーにチョコレートを贈るのか〟という方が興味があるのではという意見をいただきました。明日(14日)はバレンタインデーで、最近では、この日に女性から男性にチョコレートを贈るということが習慣化してきましたが、このことについては知らない人も多いようなので今回取り上げたいと思います。
  バレンタインデーは、269年、ローマ帝国の皇帝であったクラウディウスⅡ世が出した「自由結婚禁止令」に背いて処刑されたキリスト教の司祭 聖バレンティノ(英語名:バレンタイン)の命日にあたるこの日が「恋人達の日」とされたことに由来します。そのためこのバレンタインデーに花やケーキやカードを贈る習慣が生まれましたが、必ずしもチョコレートを贈ることにはなっていません。女性から男性にチョコレートを贈るのは日本特有の習慣なのです。そして、驚くことに日本ではこの日に関連して売れるチョコレートの量は、年間の12~15パーセントと言われており、デパートやスーパー等にはさまざまな種類のチョコレートが陳列されています。また高級品を扱っている店では、年間売り上げの実に30%を超えるところもあるようです。しかし、このような年間行事になるまでには実に半世紀という長い年月がかかっているのです。そして、この間にはチョコレート・メーカーの血のにじむような努力があったということを忘れてはなりません。
  バレンタインデーにチョコレートを贈るという最初のイベントは、1958年(昭和33年)に、メリーチョコレートの営業主任であった原邦生氏(後に社長に就任)によって開催されました。同氏はヨーロッパにいる知人から聖バレンタインの話を聞き、新宿の伊勢丹デパートでキャンペーンセールを行ないましたが、3日間で売れたのは、わずか30円の板チョコ5枚と4円のカード5枚の計170円だったそうです。それでも諦めずに、翌年にはハート型のチョコレートを作り「女性から男性へ」という文句を添えて売り出す等の新たな試みを行ないました。また1960年には森永製菓がバレンタイン企画を新聞広告に掲載しました。このような挑戦を続けることによって昭和50年(1975年)代になって、やっとイベントとして定着したのです。一時、職場の上司や同僚に対して贈る〝義理チョコ〟やバレンタインのお返しとなるホワイトデーのあり方等についても話題になりました。
  最近では色々な物の販売が伸び悩んでいますが、企業は何とか消費者の財布の紐を緩めようと懸命な取り組みを行なっています。毎年継続的な販売を確保するために記念日を設ける等の動きも出てきていますが、このような取り組みについても注目していきたいものです。

2009年02月12日

2月はなぜ28日なのか

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  先日、なぜ2月は28日しかないのかということを調べてみてくださいとお伝えしました。最初は私もどうしてなのか解りませんでしたが、調べてみるとその答えは古代ローマ時代までさかのぼることになります。共和制のローマ末期にユリウス・カエサル(英名 ジュリアス・シーザー)が新年のスタートを2カ月繰り上げて3月とするユリウス暦を採用しました。また、これと同時に7月Quintilisの名称を自分の家門の名前であるJuliusに変更しましたが、これが英語名のJulyの由来です。このユリウス暦は大の月(31日)と小の月(30日)が交互に配置され、最後の月である2月は29日ということになっていました。
  その後、紀元前8年にローマ帝国の初代皇帝であったアウグストゥス(オクタヴィアヌス)がユリウス暦の運用を修正すると共に8月の名称を自分の名前Augustusに変更しました。そして同時に8月の日数を30日から31日に増やし、そのため不足した日を2月から差し引いたのです。そうすると7月、8月、9月と大の月が3ヵ月続くことになるので9月以降12月までの日数を入れ替えたのです。また、歴代のローマ皇帝は月に自分の名前をつけようとしましたが、すべての改名の企ては皇帝の死と共に元の月名に戻り、今残っているのは6月と8月だけになっています。
  そして、Septemberは7番目、Octoberは8番目、Novemberは9番目、Decemberは10番目ということになっているのは、ローマ暦が3月起算になっていた名残なのです。このように、暦1つを取り上げても実に多くの内容が含まれており興味深く感じました。

2009年02月11日

前期(A日程)高校入試を終えて

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  今回の前期A日程の入試には、昨年の715名を131名(18%)上回る846名の方に受験していただき、2年連続で過去最高を更新することになりました。より慎重を期すために、試験当日は国語・英語・数学・社会・理科の担当教員が何度も採点の見直しを行ないましたが、これらはすべて手作業ということになります。
  昨年は試験日が土曜日であったため、当日に採点、翌日(日曜日)にこれらの再点検と基本データの分析、選考案の作成、月曜日に入学者選考会議の開催、合否の決定というスケジュールでした。今年は採点から合否決定までの業務を2日間で行なうことにしたため、採点後の集計作業や選考案の作成は深夜に及ぶことになりました。
  この選考案に基づき、本日(11日)全教員による選考会議を経て合格者を決定しました。今回は新たなコース制の下での3回目の入試ということになります。各教科はこれまでの状況を踏まえて入試問題を作成しているため、会議の冒頭教科毎に出題の意図や結果についての説明をお願いしました。その後、選考案に基づき合否の決定を行ないました。
本年度の前期(A日程)入試の特徴としては次のことがあげられます。
      ①「選抜特進」の希望者が大幅に増加し、倍率が大幅アップした。
      ②受験者総数に占める男子の割合が増加した。
      ③大阪府だけではなく兵庫県からの受験者も増加した。
      ④専願率がアップした。
      ⑤全般的に成績優秀者の比率が増えた。
  更に、専願希望者のレベルが上がり併願希望者との差が縮まったということもあげられます。今回の結果を見ると、すべてが良い流れになっており、本校に対する皆様の期待の大きさをひしひしと感じています。これまで何度も申し上げていますが、本校の学校改革は完成したわけではなく、まだまだ多くの課題があります。
  これから始まる公立高校の入試の結果を待って最終の入学者が確定することになりますが、来年度に向けて更なる教育内容の質・量の充実、教職員の資質の向上に全力で取り組んでいきたいと思っています。

2009年02月10日

前期(A日程)高校入試始まる

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 2月10日(火)、近畿地区の私立高校の入試が一斉にスタートしました。本校を受験する生徒達も早い人は7時過ぎから次々と到着しました。さすがに中学受験とは異なり保護者の付き添いはほとんどありません。昨年は土曜日で学園小学校が休みということもあり、阪急「雲雀丘花屋敷」駅から学園に通ずる専用通路を開放しましたが、本日は火曜日で小学校は通常授業となっており専用通路を使うことができません。そのため、駅の改札から学校の試験場までの誘導をいかにスムーズに行なうかがポイントでしたが、幸い天候にも恵まれ、受験生は大した混乱もなく定刻の8時40分に24の試験場に集合しました。また、風邪などで体調を崩している人のために2つの別室を準備しました。そして、9時10分から予定通り国語、英語、理科を、昼食休憩を挟んで午後からは社会、数学の計5教科の試験を実施し予定通り14時40分に無事終了することができました。
 その後、専願者については7つのグループに分かれて個別面接を行ないました。私もこの内の1グループを担当し、各人に本校を志望した理由や入学後の目標を質問しましたが、ほとんどのそれぞれ自分なりのしっかりとした考え方を持って高校生活を送ろうと考えており大変心強く感じました。また、多くの生徒が学業だけではなくクラブにも積極的に加入しようとしていることもわかりました。
本校は〝将来社会で活躍する人材の育成〟を教育の柱に考えています。どうか高校時代にしかできないさまざまな経験を積み重ねて逞しく成長して欲しいものです。
 受験生の皆さんは、さぞかしお疲れになったことと思います。今日はどうか、ゆっくりと休養してください。
なお、今回の合否につきましては選考会議を経て12日(木)に速達でお送りする予定です。

2009年02月09日

高校入試を明日に控えて

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  2月9日(月)、関西では明日から私学の高校入試(A日程)がスタートします。本校でも生徒達にできるだけ快適な環境で受験していただくため、放課後試験会場となる各教室やトイレ等の清掃を入念に行ないました。また明日は雨天の可能性もあるため、阪急雲雀丘花屋敷駅から学校までの道路や受付での混雑も考慮した対策を行ない、夕方にはすべての準備が完了しました。
  今回は新しいコース制導入後、3回目の入試ということになりますが、これまで以上に入試説明会や事前相談において高校改革の趣旨や進捗状況を説明させていただいたこともあり、本年度は過去最高の846名、昨年度比131名、18%アップの方に受験いただくことになりました。また、既にマスコミ等でも報道されているとおり、『選抜特進コース』については競争率27.55倍と兵庫県でトップということになりました。更に厳しい経済情勢を反映して私学への専願者が減少する中、専願者も増加しました。3年目にしてようやく受験生や保護者の皆さんにコース制をはじめとする高校改革の考え方がご理解いただけるようになってきたのではないかと感じています。皆さんのご支援に対して感謝申し上げますと共に今後更に教育内容の充実に努めていきたいと思っています。
  受験生の皆さん! 今晩はゆっくりと休養し、明日はベストコンディションで受験に臨んでください。そして、普段の実力を遺憾なく発揮してくれることを心より願っています。

2009年02月08日

紙一重の差

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  何事を行なうにもしっかりとした目標を持つということは非常に大切ですが、血のにじむような努力しても目標が達成できないこともあれば、ごく通常の努力が報われて達成できることもあります。このように必ず物事には〝できた、できなかった〟〝うまくいった、いかなかった〟というように「成功と失敗」「達成と未達成」といった結果が生じます。そして、有頂天になったり逆に落ち込んだりしがちですが、この時の受け止め方で今後その人が成長するか否かが決まるのです。例え失敗してもその原因を素直に受け止め、〝これは非常に良い体験だった〟〝貴重な教訓になった〟〝高い授業料だったが次に活かそう〟というところまで心を開く人は後日間違いなく進歩し成長します。一方、失敗を他の責任や運の悪さに転嫁する人は決して成長は期待できません。
  また、気をつけなくてはならないのは失敗した時よりもむしろ成功した時かも知れません。成功してもある人は〝これで十分だ〟と考え、もう一人は〝たまたま運が良かった。まだ足りないところがあったのではないか。足りないところは更に改善しよう〟と考える。このような言わば『紙一重の差』が大きな成果の違いを生むことになるのです。これで十分だと思うと努力を怠り成長や進歩はとまってしまいます。何事も百点満点ということはないのです。
  永い人生においては失敗し続けることもなければ、成功し続けることもありません。言い換えると失敗と成功の繰り返しではないかと思います。失敗しても成功しても、常に謙虚な姿勢で素直に反省し日々努力を傾注していきたいものです。

2009年02月07日

素朴な疑問を持つ

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  先日、何故節分に豆まきをするのかという話を紹介しましたが、最近の風潮として何の疑問も持たず行動している人が増えてきているように感じます。勉強にしてもスポーツや仕事にしてもただ言われたことや与えられたことだけをこなしているという姿勢では大きな成長は期待できません。幼児が急成長するのは色々なことに興味があり、常に〝なぜ〟〝どうして〟という素朴な疑問を持つからです。
  昨今のように激動する世の中にあっては、過去の延長線上で行動するのではなく〝何故なのか〟という問いかけを行ない、原点に戻って現在やっていることを見直すという力が必要です。そして、この力をつけるためには日頃から問題意識を持って色々なことに接するという姿勢と課題を解決するための脳の思考回路を鍛えておくことが大切であると言われています。言い換えると〝日常生活において1日最低1つは疑問を持つ。次にその疑問をすぐに誰かに尋ねるのではなく自分自身で調べてみる。〟ことを心がけたいものです。

  ところで、2月に入り既に一週間が経過し、今月は残り21日しかありません。普段は余り疑問を感じずに過ごしていますが、どうして2月には28日(但し閏年は29日)しかないのでしょうか。また「如月」という呼び名はどこから来ているのでしょうか。一度調べてみてください。

2009年02月06日

進学に関する校長面接

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  高校3年生については、現在センター試験が終了し本格的な大学受験が始まっていますが、これと並行して高校2年生については来年度に向けての進路指導がスタートしつつあります。月日の経つのは早いもので、新しいコース制の導入と共に入学してきた生徒達も2ヵ月後には高校3年生になります。これまでは、概ね3年生になってから志望校を絞り込むというやり方をしていたため、一部の生徒については受験勉強の開始が遅れるということもありました。これでは勉強時間の絶対量が不足することになりかねません。そこで、高校2年生の担任団が中心となって早期に進路目標を決定するように指導することにしました。
  この一環として、今月いっぱいかけて 私立大学への進学を希望する高校2年の生徒を対象に校長面接を行なうことにしました。早速今日は昼休みを利用して校長室で4名の生徒と集団面接を行ないました。一人ひとりから現在の思いを聞きましたが、全員が将来の仕事に対する夢を持っており、それぞれ希望する大学もあるようです。ただ、現段階ではまだ〝願望〟の域を出ないという印象を受ける生徒もいます。私は「願望を〝目標〟に変えることが大切である。そのためには目標をみんなに宣言し、ビジュアルにする、具体的なスケジュールに落とし込む、日々の積み重ねをしっかり行なう」ということを話しました。そして、勉強の仕方や社会人基礎力についてまとめたメモを渡しました。
  来月から、来週から、明日からではなく今日からスタートしてくれることを願っています。

2009年02月05日

本年度の私立高等学校の志願状況

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  立春が過ぎ厳しい寒さの中にも随所に春の兆しが感じられるようになってきました。中学1年の生徒達が植えたチューリップの球根からも次々と新しい芽が顔を出し始めました。学校も高校3年生の卒業式を間近に控える一方で、新1年生を迎えるための入試の準備を進めています。
  このような中で、昨日新聞各紙に『兵庫県の私立高等学校42校の志願状況』が発表されました。これによりますと募集定員9909人(20年度比1013人減)に対して志願者数は3万3652人(20年度比172人減)となり、平均倍率はほぼ前年並みの3.40倍、厳しい経済情勢を反映して兵庫県全体の出願数は過去最低という結果になりました。
  この中で本校の選抜特進コースの倍率は27.5倍と全私立校のトップになりました。また、全体の志願者数も846名と前年を111名、15%上回り、前年度に続いて過去最高数の方々に受験いただくことになりました。多くの皆様のご支援に対し、心より感謝申し上げますと共にご期待に沿えるよう教職員一同、気持ちを引き締めて更に努力を積み重ねていきたいと思っています。
  現在、本校では「入口を固める」「校内を固める」「出口を固める」という3つの切り口でさまざまな改革を推進し『良循環型の学校経営』を目指しています。また、来るべき創立60周年に向けて今月末より高校の新校舎の建設に着手し、2010年3月の完成を予定しています。素晴らしい学習環境の中で生徒達が健やかに成長し、将来社会で大いに活躍してくれることが私達教職員の切なる願いです。
  今後とも温かいご支援とご指導を心よりお願いいたします。

2009年02月04日

高等学校全校朝礼~立春を迎えて

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  2月4日(水)、高校生対象の全校朝礼で、次の様な話をしました。
〝今日は暦の上では立春ですが、旧暦では新年が始まることになります。昨日は節分ということで皆さんの中には豆まきをした人も多いと思いますが、何故豆まきをするのか知っていますか。昨日の夕刊には「インドネシアからやってきた介護見習いの人の豆まきは楽しかった」という記事が掲載されていました。
  これからグローバル化がますます進展し、外国の人達と共に生活することが増えてきますが、日本の文化や伝統を正しく伝えていくということが非常に大切です。節分というのは2月だけではなく年に4回あります。つまり季節の分け目ということなのです。そして節分の翌日が立春、立夏、立秋、立冬になります。旧暦では昨日の節分は大晦日に当たるため、豆まきは邪気を払って新たな年を迎えるための行事なのです。そして、この行事にも十干十二支の考え方が取り入れられています。十二支は年以外にも方角、時刻等を表わしますが、方角について見ると北は「子」、東は「卯」、南は「午」、西は「酉」になります。そして東西南北の間に二つの干支が配置されます。そうすると北と東の間には「丑」と「寅」の二つが入ります。皆さんは鬼門という言葉を聞かれたと思いますが、読んで字のごとく鬼が入ってくる門であり、方角は北東つまり丑と寅の間(丑寅・うしとら)になります。鬼が牛の角を持ち虎のパンツをはいている意味が解ったと思います。また、桃太郎が鬼退治に出かけるという話がありますが、家来は鬼門の反対側に位置する申(猿)、酉「鶏→雉」、戌(犬)です。
  古来より日本では〝清く正しく美しく心を磨き質素に生きる〟のが美徳とされてきました。そのため一年の中に色々な節目を設け、邪気を払うための行事を取り入れ、常に清々しい気持ちで生活することを心がけてきたのです。これは日本が世界に誇れる素晴らしい伝統であり文化です。皆さんも日本人として、また雲雀丘学園の生徒としての自覚と誇りを持ち、新たな気持ちでスタートしてください。〟

2009年02月03日

節分にあたって

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  本日(2月3日)は節分で、〝豆まき〟をされた家庭も多いのではないかと思います。私も帰宅後毎年恒例の豆まきをし「恵方巻のまるかぶり」を行ないました。昔から自分の年に1を足した数だけ豆を食べると無病息災で過ごせると言われているため一応準備をしましたが、あまりにも数が多くなるため少しだけいただきました。最近では節分の本来の意味が解らないままこういった行事だけが受け継がれてきているようなので紹介します。
  一般的に節分というと年1回と思われていますが、本来節分というのは〝季節の移り変わる時〟という意味であり、立春・立夏・立秋・立冬の前日を指していました。ところが、春が一年の初めと考えられていたことから次第に「節分」といえば春の節分を指すことになったのです。明日は立春ですが、旧暦では新年の始まりということになっています。この考えかたに立つと今日の節分は大晦日に当たります。そして、その年の邪気を祓うということで、さまざまな行事が行なわれていますが、この代表的なものが豆まきなのです。
  豆まきは平安時代から始まったようですが、ここにも十干十二支の考え方がかかわっています。鬼門というのは鬼が出入りする北東の方角ですが、十二支では丑と寅の方角(うしとら)にあたります。そのため鬼は牛の角を持ち虎皮のパンツをはいていると言われています。 また、柊(ひいらぎ)の枝に鰯の頭を刺したものを戸口に立てるという行事もありますが、これは柊の棘と焼き鰯の悪臭によって鬼を家に近づけないという理由です。
  更に、最近は節分に太い巻き寿司を食べる風習も根付きつつあります。これはその年の干支に基づいてめでたいと定められた方角(今年の恵方は東北東)に向かって、しゃべらずに太巻きをまるごといただくというものです。これには七福神にちなんで七種類の具が入っており、「福を巻き込み」「縁を切らない」ためにあえて包丁を入れないのです。私達が何気なく行なっているものにもそれぞれの由来があり興味深く感じています。

2009年02月02日

寝屋川市立中学校長研修会に出席して

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  先日、大阪府教育委員会では平成21年度から起用する公立小中学校の民間出身の校長第一号に牧野一徳氏を選出したことを発表しました。配置校が注目されていましたが、寝屋川市の中学校への赴任が決定され、本日牧野氏との顔合わせを兼ねて寝屋川市立の12中学の校長が一堂に会され臨時校長研修会が開催されました。
  牧野氏はパナソニックの子会社で携帯電話の開発・販売を担当するモバイル・コミュニケーションの出身ということもあって、私に民間企業から公立高校に赴任して率直に感じたことを話して欲しいとの依頼があり出席しました。
寝屋川市教育委員会では、以前教頭研修や第五中学の保護者対象に講演をしたこともあり、顔見知りの先生方もおられました。
  最初に自己紹介を兼ねて各校の課題や取り組みを発表していただきましたが、同じ寝屋川市立の中学と言っても、地区によって随分異なる課題があるようです。これらの課題を解決するには多大のご苦労がありますが、校長先生方は学校のトップとして熱意を持って教育活動を推進されておられるようで力強く感じました。私は7年前を振り返って最初の印象を述べた後、「民間企業でやってきた手法がそのまま学校で通用するとは限らないこと。学校にも経営という視点が欠かせないこと。凡事徹底が重要であること。人材育成の基本はOJTであること。開かれた学校づくりを目指すこと。」等をお話しました。
  牧野氏も最初は戸惑われることが多いと思いますが、学校と民間それぞれの良さをとり入れて特色ある学校づくりを目指して欲しいものです。また、寝屋川市の各校が切磋琢磨して新たな取り組みをスタートされることを期待しています。

2009年02月01日

願望を目標に変える

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  これまで目標を持つことの大切さについては何回も紹介してきましたが、よく人に「あなたの目標は何ですか?」という質問をすると「まだ決まっていません」という答えが返ってきます。ところが、一年経って同じ質問をするとまた同じ答えが返ってくることがあまりにも多いようです。この間、色々なことを自分なりに真剣に考えた結果であれば仕方がないかもしれませんが、単に先延ばしをしたため漫然と時間だけが経過してしまったということでは何の進歩もありません。このような姿勢では、〝生きがい〟や〝やりがい〟を持たないまま人生が終わってしまうということにもなりかねません。
  また、中には「将来はお金を儲けたいです」「大きな家を建てたいです」「ビジネスで成功したいです」「○○大学に進みたいです」「プロスポーツの選手になりたい」といった具体的な思いを持っているから大丈夫だという人もいるようですが、これらは単なる夢や願望に過ぎません。夢や願望だけで思いが実現できるということであれば話は簡単ですが、そのようなことは絶対にありません。充実した人生を送るためには願望と目標は違うということをしっかりと認識し、願望を目標に変えていかなければなりません。
  目標のつくり方については次の視点で考えることが必要です。
    ①目標が自分自身にとってプラスになるものであること。
    ②同時に他の人の役に立つものであること。
    ③いつまでにやるという期限を決めること。
    ④最終の到達地点を決め、具体的な計画を立てること。
    ⑤達成のための強い意志を持つ。
  この5つの条件を満たす目標ができれば、あとは行動するだけです。そして、常に自ら立てた目標を確認するために紙に書き目に見えるところに張り出しておくことが大切です。朝には新たな気持ちでスタートし、夜にはその日の行動を振り返って素直に反省する。この繰り返しが必ず目標達成に結びつくものと確信しています。