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2009年09月30日

食物の無駄をなくす~蔓割れのりんご

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  最近は会社を退職して農業を始める人も徐々に増えてきているようですが、私の知人にも新たなチャレンジを始めている人が何人かいます。その中の一人にパナソニックの販売会社を中途退職し、青森県津軽郡で減農薬のりんご栽培園『アップルファームおさない』を経営しておられる長内 哲氏がいます。
  数年前、朝に果物や野菜ジュースを飲むのが健康に良いということを聞き、りんごと人参のミックスジュースを飲み始めました。しかし、スーパーで販売されている色が美しく形の整ったりんごには農薬が含まれている可能性がありますし、折角りんごを買ってきてもジュースにすれば同じことになります。そのような折、長内氏に相談したところ「自分の農園では極力農薬を使わないようにしていること。蔓割れや打痕のあるりんごが大量に発生するが、味は変わらないためジュースにするのならこれで十分である。」いう返事をいただきました。それ以降この蔓割れりんごを毎年注文することにしています。
  9月になって食品売り場にはようやく今年採れたりんごが並ぶようになってきましたので、先日連絡したところ早速新鮮なりんごを送ってくれました。そのまま皮を剥いて食べたり、ジュースやジャムにして美味しくいただいています。
  十分食べることのできるりんごを廃棄しているということを聞けば、食糧難で困窮している国の人達は驚くことでしょう。日本ではこれまであまりにも食物の外見にこだわり、規格外の品物については廃棄する等の処理をしてきました。しかし、これからは〝使えるものを使わず、逆に費用をかけて廃棄する〟というやり方を見直し、食物の無駄をなくしていかなければならないと思っています。


2009年09月29日

大きな可能性を秘めた環境技術

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  昨今、温暖化ガスの抑制をはかるための各国の環境への取り組みが注目を集めています。日本も2020年には1990年比25%減という意欲的な目標を掲げていますが、:現時点においてはこれまでの増加分を含めると40%近い削減が必要ということになります。また、世界全体から見るとBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)やVISTA(べトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチン)等が大きな経済発展を遂げることになり、これに伴って温暖化ガスの排出量も増大します。このことを勘案すると長期的に見て先進諸国においては温暖化ガスを半減するというくらいの目標を持って取り組むことが必要です。
  そのためには、過去の延長線上の考え方ではなく、枠組みを大きく変えることが不可欠です。振り返ってみるとこの100年間は石油というエネルギーをベースにした『大量生産・大量消費・大量廃棄』の時代でした。しかし、これからは徹底的に脱石油をはかり、地球環境を守るという視点に立って行動していくことが大切です。そのような目で現状を見ると大きな可能性を秘めた環境技術が次々と生まれつつあります。ハイブリッドカーや電気自動車、リチウム・イオン電池、コージェネレーション、非食料バイオ燃料、LED照明、太陽光・風力・バイオマス発電、CO2の地下貯蔵、スマートグリッド(次世代送電網)等です。
  そして、何よりも心強いのは、日本はこれらの環境技術を数多く保有していることです。かつて日本の製造業はオイルショックを経験して世界トップ水準の省エネ技術を確立しました。温暖化抑制という世界の動きは日本にとって千載一遇のチャンスであると前向きに受け止め、官学民が連携して取り組んでいくことが大切であると思っています。

2009年09月28日

小学校運動場拡張工事・50Mプール改修工事 安全祈願祭

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  9月28日(月)朝9時から小学校運動場において運動場拡張工事並びに50メートルプール改修工事の安全祈願祭を宝塚市の伊和志津神社にお願いして執り行ないました。
  天気予報では午前中50%の降雨予想でしたが、何とか曇り空の下、神官による四方清祓いの儀の後、本学園・安井建築設計・竹中工務店の各代表による玉串奉奠を行ない工事中の安全を祈念しました。
  この工事は学園60周年記念行事の一環で、工期は10月~3月末まで半年間を費やす大工事です。工程を3つに分け10月は第1工程として仮囲い・試掘調査・鉄棒移設・階段やフェンスの撤去及び15mの杭を打ち土留めを行ないます。続いて11月から1月の第2工程では順次2700立方メートルもの土の掘削や既存の逆T擁壁の撤去、新たな高さ6mのテールアルメ擁壁工事を実施します。最後に2月から3月にかけての第3工程では4mの防球ネットや目隠しフェンスの取付を行ない工事が完成することになります。この工事により永年の懸案であった小学校の運動場の面積が今より10%増えます。そして、50メートルプールではプールサイドの改修・ろ過配管やシャワー器具の取替・水槽側面の補修工事が行なわれます。このように来年3月には高校の新校舎をはじめさまざまな施設が完成・整備されることになります。  
 60年と言えば人間にとっては〝還暦〟にあたりますが、これを機に恵まれた教育環境の中で〝人間教育の充実と学力の向上をはかることにより関西を代表する学園〟を目指していきたいものです。

2009年09月27日

イチロー選手の習慣

  今年も大リーグ、シアトル・マリナーズのイチロー選手が「前人未到の9年連続の200本安打」を達成しました。彼はこれまで数々の記録を塗り替えてきていますが、その度のコメントを聞くと実に参考になる内容が含まれています。そのいくつかを以下に紹介します。
    ①日米通産2000本安打を達成/2004年5月
      〝次の目標は次のヒットです〟
    ②メジャー最高の258安打を達成/2004年10月
      〝小さいことを重ねることが、とんでもないところに行くただひとつの道〟
    ③9年連続メジャー年間200安打を達成/2009年9月
      〝夢や目標を達成するには一つしか方法はない。
       小さなことを積み重ねること。
       200本の達成にはそこに至る199本のプロセスが重要だった。〟
  これからも分かるようにイチロー選手は常に同じ状態で打席に入り、同じように安打を重ねることを心がけているようですが、試合のある日の生活パターンも全く変わらないようです。
  10:30起床、 12:00昼食(いつもカレー)、13:00自宅を出発、
  13:30 個人練習(一人でストレッチ、マッサージ )、
  15:30 他の選手が到着、16:30 全体練習、
  17:30食事(いつもおにぎり)、19:00試合開始、 22:00試合終了、
  23:00 帰宅、23:30食事・トレーニング、1:30就寝(9時間睡眠)
また、遠征中の食事は必ず30分以内にトレーニング施設のある所で摂る、試合のない日もトレーニングを欠かさない、決して夜遊びはしない、とのことです。イチロー選手はトレーニングしなければならないとか努力しているという思いはなく、習慣化されているのです。
  このように良い習慣をつけることができれば私達もきっと大きな目標を達成できるのではないかと思います。

2009年09月26日

良い習慣づくり

 
  9月26日(土)、インフルエンザの罹患状況をクラス毎に確認した結果、予定通り月曜日からの定期考査を実施することにしました。今回は学級閉鎖やシルバーウィーク等があり、生活のリズムが乱れ自宅学習が思い通りに進まなかった生徒も多かったのではないかと危惧しています。
日常、生徒達と接していて感じるのはまだキッチリした生活習慣が身についていない人が多いということです。
  私は事ある毎に〝凡事徹底〟ということの大切さを訴えていますが、これはこれまでの民間企業における経験に基づくものです。何故なら社会で活躍している人は特別に難しいことをしているわけではなく〝当たり前のこと〟〝簡単なこと〟をやり続けています。そして、これらを意識せずに自然に行なっている、つまり「習慣化」されているのです。
  人は何か目標を持って取り組んでいても、すぐにモティベーションが下がってしまい、挫折してしまうことが多くありますが、モティベーションに依存しないで努力を継続する方法がひとつだけあります。それは習慣化するということです。
  学校は〝将来社会で役立つ力を育てるトレーニングの場〟であると考えるなら、良い習慣を身につけることが何よりも大切なのではないかと思っています。

2009年09月25日

常に備える

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  現在、新型インフルエンザのために日本では多くの学校で学校・学年・学級閉鎖という措置がとられています。本校も新型インフルエンザに対してはこれまでさまざまな予防策を講じてきました。しかし、残念ながら本校だけが例外ということにはならず、学年や学級閉鎖を余儀なくされています。 心配しているのは来週月曜日から始まる定期考査です。今のところ当初のスケジュールどおり実施する予定ですが、明日の出欠の状況を見て最終判断をしたいと思っています。
  このように、学校現場では予想しなかったようなさまざまな出来事が次々と起こりますが、起こってから対応するということでは大変な労力と時間を費やすことになります。振り返ってみると、これまで学校は民間企業に比し、危機管理ということでは十分ではなかったと思います。
  昔から〝備えあれば憂いなし〟と言われていますが、常に最悪の事態を想定して対応策を検討しておくことは何よりも大切です。このことは企業や病院、学校といったところだけではなく、国においても地方においても必要なことです。また、一人ひとりの人間についても当てはまることではないかと思っています。正直なところ、私も以前は切羽詰まってから行動するタイプでした。しかし、社会で活躍している人は例外なく神だのみではなく自分の責任において解決するというスタンスで行動されていたように感じています。なりゆき任せではなく「常に備える」という気持ちで生活したいものです。

2009年09月24日

高い目標を掲げ共有する

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  90カ国以上の首脳が参加した『国連気候変動サミット』において、鳩山首相は〝2020年までに温室効果ガスを1990年比25%削減する〟ということを宣言しました。この数値については日本経団連をはじめ経済界からは大きな反発があることは事実ですし、チャレンジャブルな目標であるのは間違いありません。しかし、日本が国際公約したことは事実であり、この目標は何としても達成しなければなりません。もし、この目標が未達成ということになれば日本は完全に国際社会から信用されなくなってしまいます。
  私が以前勤務していたパナソニックの創業者である松下幸之助氏は、貿易自由化という大きな潮流の中でトヨタからカーラジオの納入価格について即刻5%、半年後に20%という大幅値引きを要求され、幹部社員が困っていた際、次のように答えたそうです。〝松下がトヨタさんの立場であれば同じ要求をしていたかも知れない。コストダウンというのは5~10%を目標にしていたのでは安い材料に変えるといった小手先だけの対応になってしまう。ゼロベースから設計を見直すことが大切である。これを達成できればトヨタさんだけでなく世界中で通用する商品になる。これは松下にとっては大チャンスである。〟
  
  このエピソードは何事においても前向きに考え行動することが大切であることを我々に示唆しています。今回の温室効果ガスの削減目標について異を唱えているだけではいつまで経っても前には進みません。国際社会における地位が年々低下している日本の存在感を示すためにも全国民がこの目標を共有し取り組んでいかなければならないと思っています。

2009年09月23日

秋分の日と秋彼岸

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  9月23日(水)は、天文学的には太陽が秋分点を通過し、昼と夜の長さがほぼ同じになる「秋分の日」です。また、この日を中日として前後3日間は彼岸ということになっていますが、春の彼岸と区別するために9月は秋彼岸と呼ばれています。昔から「暑さ、寒さも彼岸まで」と言われているため、一般的には季節を現わす言葉になっています。そして、この期間には先祖の霊の供養を行なうことになっているため、お墓参りをされた人も多いのではないかと思います。
  しかし、彼岸というのはもともと古代インドの梵(サンスクリット)語からきた言葉で、本来は「到彼岸」波羅蜜(パーラミータ)が語源です。つまり、私達が住む迷いや煩悩に満ちた世界(此岸・しがん)から離れて苦しみのない常楽(ねはんじょうらく)な悟りの世界(彼岸・ひがん)に到るという意味なのです。仏教の世界では極楽浄土は西方にあると考えられており、〝生死を繰り返す迷いの世界(生死輪廻・しょうじりんね)〟である此岸(しがん)から、太陽の沈む遙か西方の彼方にある迷いや苦しみのない極楽浄土に思いをはせ礼拝する、いうことなのです。
  そのため太陽が真東から真西に沈む春分と秋分の前後に、「悟りの世界」へ渡るための実践行(修業)を行なうことになったようです。このように彼岸に行くことを願って、行いを慎むことがお彼岸法要の本来の意味であり、このために次の六つの修行(六波羅蜜)が定められています。
  一は布施、施しをする
    (財を施す、真理を教える、恐怖心を取り除き安心を与える)
  二は持戒、戒律を守り反省する
  三は忍辱(にんにく)不平不満を言わず苦しみに耐える
  四は精進、何事も怠らずに励む
  五は禅定、心静かに乱さない
  六は智慧(ちえ)真実の教えに目覚める
  このような徳目は本来なら毎日心がけるべきなのですが、日頃は忙しくてなかなか実行できないのが常です。そのため、せめて春と秋、年に2回くらいは実践しようということですが、彼岸は他の仏教国にはない日本だけのものなのです。

2009年09月22日

高齢化社会を乗り切る

 総務省が「敬老の日」に併せて発表した推計人口によると、
    ①総人口は1億2756万人(昨年比12万人減)
    ②65歳以上は2898万人(昨年比80万人増、総人口比22.7%)
      この内、女性の高齢者の割合は25.4%と4人に1人
    ③75歳以上は1364万人で総人口に占める割合は10.7%と10人に1人
    ④15歳~64歳の生産年齢人口は8163万人(昨年比76万人減)
    ⑤15歳未満人口は1707万人で13.4%と引き続き減少、 
この結果、65歳以上の高齢者人口が初めて15歳未満の人口を上回るということになりました。
 現在、日本は世界の中でも類を見ないスピードで高齢化が進行し、年少人口の比率は世界最低の水準になっています。この原因は出生率(しゅっしょうりつ)が減る一方で平均寿命が延びて高齢者が増えているからです。振り返ると、1950年代前半は〝人生65年の時代〟でしたが、1990年代後半からは〝人生80年の時代〟になりました。更に2025年には〝人生85年の時代〟になると言われています。このように21世紀前半の日本は労働人口が減少する一方で老年人口が増大し年金・医療・介護といった負担が増大して勤労世代の生き方を圧迫する時代になります。また、このままでは経済活動が停滞から縮小に向かう恐れもあります。早急に平均寿命が55歳という時代に構築された年金や医療等の制度を抜本的に見直すと共に思い切った経済の活性化対策を講じていく必要性を痛感しています。

2009年09月21日

敬老の日のルーツは兵庫県

  日本の祝日には元日や建国記念の日、みどりの日、こどもの日、天皇誕生日等のように〝何月何日〟と指定されているものと〝何月の第何月曜日〟というようになっているものがあり、敬老の日は9月の第3月曜日になっています。
  この敬老の日は〝多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し長寿を祝う日〟とされていますが、このルーツが兵庫県にあるということはあまり知られていないようなので、紹介します。
1947年(昭和22年)、兵庫県多可郡野間谷村(現在の多可町八千代区)の門脇政夫村長は〝老人を大切にし、年寄りの智恵を借りて村づくりをしよう〟ということで、農閑期にあたる9月15日を「としよりの日」と定めました。これが1950年からは兵庫県全体に広がりました。しかし、年寄りというイメージが悪いということで、1964年には「老人の日」となり、1966年(昭和41年)に国民の祝日に制定されました。
更に2001年(平成13年)の祝日法改正(ハッピー・マンデー制度)により、2003年(平成15年)からは9月の第3月曜日が「敬老の日」ということになりました。同時に『老人福祉法』も改正され、従来の9月15日を「老人の日」、9月15日~21日を「老人週間」と定めました。
  このように「老人の日」や「敬老の日」は日本以外の諸外国にはないものです。日本は高齢化が急速に進んできていますが、国民が高齢者を敬愛するという気持ちを持つ一方で、高齢者も後の世代に負の遺産を引き継がないという強い思いを持って生活していかなければならないと思っています。

2009年09月20日

教職員の気づき(Ⅱ)

 引き続き四日市高校の教職員の気づきを紹介します。
 ⑥生徒が「宿題が多すぎてできない」というのは本当か
   →宿題が終わらないのは生徒の時間の使い方に問題がある
 ⑦二次対策かセンター対策か 二次重視は正しいか
   →二次重視から「センター対策も重視」へ転換すべき
 ⑧「文武両道」本当か、クラブと学習は両立するか
   →部活動で頑張った生徒の合格率は高い
 ⑨教室内の整理整頓は学習に影響するか。掲示物、ゴミ、空き缶
   →古い汚れた期限切れ掲示物の撤去、ゴミの片付け、空き缶整理を徹底することが学習効率・生徒のやる気を促進する
 ⑩追い上げ、結果を出す  ライバル校の進路指導はどうなっているのか
   →ライバル校に学ぶことが大切である
 以上の10項目は多くの学校においてもよく議論される内容です。四日市高校ではしっかりと検証され教育活動に反映されていますが、参考になるところが数多くあります。
現在、本校は新しい学校づくりに向けてさまざまな取り組みを行なっていますが、これからも他校の良いところを積極的に取り入れていきたいと思っています。

2009年09月19日

教職員の気づき(Ⅰ)

  昨日紹介した四日市高校では、先生方が自ら〝東大と京大の合格者を50名出す〟という目標を掲げておられます。この実現をはかるため、進路選択に向けては「繰り返し行なう個人懇談」「東大・京大見学会」「保護者大学見学会」「大学出前授業」「卒業生による話(ようこそ先輩!)」等さまざまな取り組みを実施されていますが、圧巻は何といっても『学力検討会議(3年生は進路検討会議)』です。この会議は学年主任、学年進路係、各教科担当が中心となって、学年全体の状況を把握して「成績不振者へのフォローの手立て」「実力アップ用の指導」「土曜学習会の内容」を検討しますが、何と1日5時間の会議を3日間かけて行ない、生徒1人ずつの弱点を徹底的に洗い出すというものです。
  そして、教職員の気づきとしては次の10点をあげておられます。
①なぜ、成績推移は毎年同じこと(2年生の11月模試成績の落ち込み)がくりかえされるのか
  →課題管理の徹底と中だるみ意識の克服 
②なぜ、学年によって強化の優劣があるのか
  →教科を超えた組織的指導で課題料を調整、生徒の中に教科優先順位をつくらない 
③理科の本格的な学習開始は国数英の完成(3年生前半)からという考え方は正しいか
  →理科のスタートは2年生の9月、英数国と同時に強化が必要 
④「勉強は自主的なもの、学校がさせなくても良い」、「本校の入学生なら中学時から自主的にやれるはずである」という見方は正しいか
  →家庭学習の習慣ができていない、1・2年は課題で引張り3年の自主的学習につなぐ
⑤生活指導を厳しくすることと学習習慣との相関はあるのか
  →しつけ指導と学習は連動する
                                               《続く》

2009年09月18日

高等学校校長会の開催

  9月18日(金)、神戸市総合教育センターにおいて『平成21年度兵庫県普通科高等学校長会第23回総会・研究協議会』が開催されました。この会は兵庫県内の高等学校が県立・市立・私立の設置者を問わず、一堂に会する唯一の会です。本日は午前の総会に続いて午後からは三つの講演がありましたが、とりわけ「三重県四日市高校」の大橋眞校長先生による事例発表は実に興味深いものでした。同校は明治32年創立で110年の歴史を有する伝統校で全校生徒は1076名です。学校教育目標は「国際的に活躍できる創造力豊かな人材の育成をはかるため、個性の伸張と人格の陶冶に努める」「生徒・保護者・県民の方々の願いに応えることができる全国屈指の進学校をめざす」というものです。この目標を受けて学校経営の基本テーマは『三重県でトップの卓越した学校づくり』です。
  大橋校長の話の中で印象に残ったのは「教職員がこの基本テーマ(理念)を共有することが何よりも大切であり、一人ひとりにどうしていきたいかを尋ね、この理念に賛同できない人には転勤してもらう。そうしないと一つの方向に向かうことはできない。理論や言葉だけではなく気持ちで動く教員でなければ学校づくりはできない。学校を動かす力は教職員が現状に対して何かの気づきや問題意識を持つことが大切である。」という言葉です。
  平成20年の大学合格者数は国公立大学236名で、東京大学 12名、京都大学17名、大阪大学17名、名古屋大学38名となっています。そして、現在教職員の満足度は95%、全員がプライドを持って教育活動を行なっており、東大、京大あわせて50名をめざしているとのことです。
そして10項目にわたる教職員の気づきを紹介されましたが、大変参考になる内容なので後日掲載します。

2009年09月17日

拡大するインフルエンザへの対応

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  現在、インフルエンザの感染は全国的な広がりを見せてきており、今後更に蔓延することが予想されます。
  本校においては、毎日の欠席状況や出席者の健康状態に特別目を配るため、朝のホームルーム時に、各クラスで「かぜ調べ」を実施していますが、今回のインフルエンザは特に感染力が強く、クラスで1~2名が感染すると瞬く間に感染が拡大する傾向にあります。また、体調不良で保健室に来る生徒も日々増加しつつあり、中には発熱のため早退する者も出てきています。
  現在、兵庫県やその他の関係機関からの指導要請に沿って、学校医と相談の上学級閉鎖や学年閉鎖といった措置をとっていますが、このままでは更に感染が拡大することが予想されます。
  学校としては「かぜ調べ」を行なう、アルコール液を準備する、手洗いの励行を指導する等の対策を引き続き実施していきますが、ご家庭におかれましても、健康管理にご留意の上、次のような新型インフルエンザ感染予防対策をお願いします。
    1.手洗い・うがいの励行
    2.必要に応じてマスクの着用
    3.健康チェック(朝の検温など)
    4.咳エチケットの励行
    5.不要・不急の外出は控える
  なお、インフルエンザ様症状を呈している(発熱、咳、倦怠感等がある)場合には、無理な登校は控え、速やかに医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。また熱が下がっても1~2日は感染力が残っていますので、ご家庭で休養の上完全に回復してから登校してください。

2009年09月16日

危機感が学校を変える

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  9月15日(火)、近年大学進学実績において顕著な伸びを実現されている開明中学・高等学校を3名の先生と共に訪問しました。
  最初は中学・高等学校の両教頭先生から「進学校としての歩み」と「開明の教育活動」についてのお話をうかがいました。その後本校の先生とは別行動をとり、校長室で森田校長先生と〝インフルエンザ対策〟〝大阪における私学の現状〟〝これまでの公立と私立の経緯〟〝今日に至るまでの苦労話〟等さまざまな意見交換をさせていただきました。
  この中で衝撃的だったのは、〝30年前までは学力面において厳しい生徒達が入学してきており、とても進学校と言える状況ではなかった〟という言葉です。〝このままでは学校は生き残れない〟という危機感から先生方が何とか進学校に変えたいという思いで必死に取り組み、この結果やっと難関私大に合格する生徒を出すことができるようになったそうです。更に国公立大学への合格者を増やすために「国公立のコース制の設置」「中学校の開設」「男女共学化」「スーパー理数の設置」と相次ぐ改革を断行されてきました。とりわけ中学校の設置にあたっては全国をくまなく巡回し、他校の良いところを徹底的に調査される等大変な努力をされたようです。このような取り組みが実を結び、共学の一期生が卒業した平成19年には国公立大学合格者の大幅アップを達成されました。更に現在は平成18年に設置したスーパー理数の生徒の育成に注力されています。
  お話していて強く感じたのは、森田校長をはじめ両教頭先生、教務部長が現状に満足することなく危機感を持って新たなチャレンジをされているということです。まさに先生方の危機感が学校を変えてきたのです。
  現在、国・地方・企業・学校等すべての部門において改革が必要になってきています。これが成功するためには構成メンバーの意識改革が不可欠ですが、意識は人に言われて変わるものではありません。自分達のおかれている状況を客観的に分析することにより危機感が生まれ、意識が変わり、行動が変わるのです。私学を取り巻く環境は大きく変わろうとしていますが、今回の訪問で多くのことを学ぶことができました。ご多用中にも関わらず貴重なお時間を割いていただき心より感謝申し上げます。


2009年09月15日

日本のエネルギー事情~部門別の消費の実態

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  わが国のエネルギー消費は大きく3つの部門に分けてとらまえることができます。家庭や職場で直接エネルギーを利用する「民生部門」、ヒトやモノの輸送にエネルギーを利用する「運輸部門」、モノの生産にエネルギーを利用する「産業部門」です。この3つの部門におけるエネルギーの消費量を第1次オイルショック時(1973年)と比較すると民生部門は2.5倍、運輸部門は2.1倍、産業部門は1.0倍ということになっています。これを見る限り、産業部門における省エネ対策は民生や運輸部門に比較すると進んでいることが分かります。そして、エネルギー消費の割合は石油ショック時に 産業:民生:運輸が4:1:1であったのが、2:1:1に変化してきています。
  今回の温暖ガス25%削減という方針に対して、産業界では非常に高いハードルであるという意見が数多く出されていますが、民生や運輸部門における取り組みを強化することが大切です。民生部門は家庭部門と業務部門に分かれますが、家庭部門では第1次オイルショック時に比べて2倍、企業の事務所・ビル、ホテルやデパート、学校などの業務部門は3倍近くのエネルギーを消費しています。
また、運輸部門には、乗用車やバスなどの旅客部門と陸運や海運といった貨物部門がありますが、鉄道や海運、バスが減り、乗用車やトラックが増加してきています。この結果、エネルギー消費量も年々増えてきたのです。
  また、石油ショックの後、省エネルギー型の家電商品や自動車などの開発が進み、次第に家庭に普及しましたが、より利便性、快適性を追求するライフスタイルの変化によってエネルギー消費は増え続けているのです。これからは国民一人ひとりが環境問題を自分自身のこととしてとらえ、自らのライフスタイルを見直すことが何よりも大切なのではないかと思っています。

2009年09月14日

日本のエネルギー事情~自給率の現状

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  民主党の鳩山新政権が掲げる温室効果ガスの削減目標「20年までに90年比25%削減」については連日のようにマスコミに取り上げられていますが、日本のエネルギー事情について触れておきたいと思います。
  環境クイズの中の質問にもありましたが、日本で使うエネルギーの96%は輸入に依存しています。言い換えると1次エネルギーとしての石油、液化天然ガス、石炭といった化石燃料と原子力発電の燃料としてのウランを海外から輸入し、これを電気、都市ガス、灯油といった使い勝手の良い2次エネルギーに転換しています。このうちの約半分(47%)が石油であり政情不安な中東からの輸入になっています。このように日本のエネルギー自給率は原子力発電を含めても19%、これを除くとわずか4%しかなく、エネルギーの安定確保をはかることが極めて大切であることが分かります。
  1960年には日本のエネルギー自給率は国内炭や水力発電の活用により60%を達成していました。しかし、高度成長時代に安価な石油が大量に供給されるようになり、一挙に石油への転換が進みました。そして、1973年(昭和48年)の第1次オイルショック時までには石油の依存度は77% にまで上昇することになりました。このオイルショック時には、それまで1バーレル2~3$で推移していた石油が12$に急騰しました。これに危機感を持った日本企業は徹底的に省エネを進めましたが、これが結果的に企業の体質強化に繋がったのです。その後石油価格は乱高下し、昨年7月には投機マネーの流入等もあって1バーレル134$という異常な価格になったのです。いずれにしても温室ガスの削減のためには化石燃料の依存度を減らす努力が必要です。これから何回かにわたってエネルギー問題について紹介していきたいと思っています。

2009年09月13日

食物の無駄をなくす

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  これまで日本では美しくて形の良い物しか売れないという理由で、不揃いの野菜や規格外の加工食品等のほとんどが店頭に並ぶことなく廃棄されてきました。そして、廃棄処分されている野菜の量は実に全体の40%にものぼると言われています。果物や魚についても小さいものや傷のついたものは野菜と同様捨てられているようです。外国の人から見ると同じサイズの美しい野菜や果物、魚が並んでいるということは驚きのようです。
  しかし、最近スーパー等では規格外の安価な野菜が販売されるようになってきました。これらの規格外の野菜は形が悪くても栄養価には変わりがないため、徐々に消費者に受け入れられてきているようです。また、地産地消ということで葉のついた大根や土のついた人参や里芋,ずいき等も店頭に並ぶようになってきました。
  先日、農林水産省もやっと規格外として処分される野菜の出荷を生産者に求める方向で検討に入るというコメントを発表しましたが、食料自給率を高めるためには、消費者も食に対する意識を変えていくことが必要です。
  今年の文化祭では西谷地区の農家にご協力いただき地元野菜の販売を行ないましたが、今後は規格外の野菜の有効活用をはかることも検討していきたいと思っています。

2009年09月12日

大学受験は人生の節づくりのチャンス

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  9月12日(土)、駿台予備学校の吉村眞一先生にお越しいただき、進路講演会を開催しました。最初に大学受験の動向について説明された後、受験にあたって留意すべきことを中心にユーモアを交えて分かりやすく話をしていただきました。特に印象に残ったのは〝上から物事を見る〟という言葉です。つまり「現状を前提にしてやるのではなく、将来の夢や目標を描き現状とのギャップをいかに埋めるかという視点に立ってやるべきことを考える。人生を8つに区分すると皆さんは今2番目のステージに立っており、まだまだ先は長い。大学に進学するということが最終目的ではなく大学を出てから何をするかという観点を持つことが必要である。」ということです。
  しかし、受験を目前に控えた生徒達にとっては、大学に入るということが最大の関心事であると思います。私も何十年か前には大学受験のために必死になって勉強しており、頭の中は受験のことで一杯でした。時間が経過して今は7番目のステージにありますが、これまでの人生を振り返ると社会に出てからの数々の出来事に比べると大学受験という経験はそれほど大きな事ではなかったように感じています。
  人生にとっては高い目標を掲げてその達成に向けて努力するということが何よりも大切です。安易な道を選ぶ癖がついてしまうと充実した人生を送ることはできません。〝受験は人生における大きな節づくりのチャンスである〟と前向きに受け止めて努力を継続して欲しいと思っています。


2009年09月11日

メタセコイアのキイホルダー

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  本学園は地域の皆さんの熱い思いでつくられ、来年人間では還暦にあたる創立60周年を迎えます。これを機に高等学校の校舎建設や小学校のグランドの拡張等を進めており、現在、保護者、教職員、同窓会、企業、地元の皆さんからもご寄付を募っています。お蔭様で、厳しい経済情勢にも関わらず多くの方々からご支援、ご協力をいただき心より感謝しています。
  日本には自分達の力で校舎建設やグランド整備をしてきたという学校が多くありますが、本校の歴史を紐解くとまさに多くの人達の力が結集されて今日があるということが分かります。時代は変わりましたが、学校づくりにあたっては、いかに多くの人の思いが込められているか、言い換えると〝それぞれの人が自分のできる範囲で精一杯のことを行なう〟ということが大切であると思います。
  嬉しかったのは、このような思いが生徒達にも伝わり、今回の文化祭では生徒会がメタセコイアの木片を使って「キイホルダー」を作り、校舎建設のための募金活動をしてくれたことです。このメタセコイアの木片は移植を確実に行なうために切り取った先端部です。簡単にゴミとして捨てるのではなく旧校舎の変遷を見守ってくれていたメタセコイアを何とか別の形で残したいという思いも込められています。決して大きな金額ではありませんが、これからもこのような運動を展開していきたいと思っています。

2009年09月10日

『3R』の取り組み

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  今年の文化祭では全生徒がゴミの削減に取り組み大きな成果を上げることができました。具体的には初日の模擬店において〝マイプレート、マイ箸〟を持参するようお願いすると共に終了後は資源ゴミとして「ペットボトル」「アルミ缶」「古紙」「ダンボール」を分別し、リサイクル業者に引き取ってもらうことにしました。
  以前、環境クイズの中で 「日本国内で1人が1日あたりに出すゴミの量はどれ位ですか?」 と言う質問をしましたが、答は約1.1Kg、1年では400kgになります。そして、ゴミの回収と処理には1トンで5万円のお金がかかっているのです。
  日本はこれまで経済の発展に伴って「大量生産」、「大量消費」、「大量廃棄」のライフスタイルが定着してきました。大量生産によって物を安く入手することができるようになったため、残念なことに使い捨てという風潮が生まれてきました。これらのゴミは焼却と埋め立てを中心に処理されていますが、近年廃棄するゴミの増加によって新たな環境問題が起こってきており、看過できない状況になってきています。この普通ゴミの内訳を見ると家庭ゴミ7割、事業所ゴミ3割となっています。このうち事業所ゴミは有料化、自己処理義務で減りつつありますが、家庭ゴミは増え続けているのです。
  環境問題の中で、ゴミと資源に関わる問題を解決していこうというのが、「Reduce」「Reuse」「Recycle」の頭文字を取った『3R』の取り組みです。今回の文化祭では生徒達が「Reduce」と「Recycle」に、PTAが制服の「Reuse」に取り組みましたが、これから各家庭においても3Rを心がけて欲しいと思っています。
 
*「Reduce」というのは〝使い切った後に出るゴミの量を少なくする〟=減らす
* 「Reuse」というのは〝一度使ったものをゴミにしないで何度も使う〟=再使用する
* 「Recycle」というのは〝使い終わったものをもう一度資源に戻して製品をつくる〟=再資源化する 

2009年09月09日

高等学校進路講演会の開催

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  9月9日(水)、高校3年生を対象にID教育研究所代表の土居一郎氏による進路講演会を開催しました。テーマは『進路実現、今(数ヶ月間に)すべきこと~センターの攻略法もアドバイスします~』です。
  最初に雲雀丘学園卒業後の4月に自分はどこに立っていたいのかという問いかけから始まり、なりたい自分を設定し、夢大学・目標大学・実力相応校・安全校・滑り止め校というように縦のランクを描くこと、何よりも最後まで諦めずに努力することが最後の栄冠を勝ち取るという話をされました。続いて、センター試験対策としての教科毎の勉強法や大学入試に弱いタイプについてこれまでの経験を踏まえて分かりやすく説明していただきました。そして、講演の終わりにあたって〝受験は個人戦ではなく団体戦であること〟〝日々の生活では、夕食前に60分の勉強ができているかどうかをチェックすること〟〝集中力が持続しない人には小刻みに時間を設定することにより集中力を高める「キッチンタイマー勉強法」が適しており、何から始めていいか悩む人には日々の一覧表を作り、学習が終了する度に日付を記入していく「目次勉強法」が適していること〟等が紹介されました。
  これまで進路に関する講演会は何回も開催していますが、本日の講演はより具体性があり、生徒達にとっては大変役に立ったのではないかと思います。講演の後、校長室で教頭や学年主任を交えて懇談しました。その中で〝このような講演会はもう少し早い時期に実施するほうが効果的である〟〝並行して生徒達に受験指導する立場にある先生方の理解を深めることが重要である〟〝受験勉強で努力した経験が将来社会に出た時に大いに役立つ〟といったことが話題になりました。
  今日の話を聞いて、改めて生徒達が自らの目標に向かって力強く前進してくれることを願っています。最後に過密スケジュールを調整の上、生徒達に対して有意義な話をしていただいた土居先生に心より感謝申し上げます。

2009年09月08日

社会人基礎力~チームで働く力を育てる

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  文化祭ではそれぞれのクラブやクラスの活動発表がありましたが、これらの活動を通じて身につけた力は社会に出てから大いに役立ちます。単に知識を習得するだけなら別に学校に行かず独学でも可能ですが、これだけで将来社会で活躍できるということはありません。何故なら社会では人間関係が非常に大切になるからです。
  最近企業の人事担当の方と話しをすると〝必ずしも大学や高校での学力(狭義)が社会で役立っていないケースが多い〟という言葉が返ってきます。何故なら社会ではひとりで仕事をすることはほとんどなく、何らかの形で人とのつながりを持ちながら仕事をしていくことになるからです。従ってチームで働く力が非常に大切であるということになりますが、このような力は単なる教室の授業の中だけでは身につきません。
  少し前のことになりますが、平成18年の2月に経済産業省から『社会人基礎力』についての注目すべきレポートが発表されました。これは私が常々言っている『社会で役立つ力』と共通するものですが、大きく「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」という3つの力に分類されています。その能力の中でも特に「チームで働く力」は重要です。これは職場における人間関係のベースになるものですが、実際は仕事だけではなく社会生活全般に必要な能力であると言えます。また、これからますますグローバル化が進展する中では、異なる国の人達と共に仕事をしたり、生活することも増えてくるでしょう。
学校での集団行動を通じて、チームで働く力を身につけて欲しいと思っています。

2009年09月07日

盛会だった北海道物産展

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  今年の文化祭のテーマではいくつかの新しい試みがありました。その一つが高校2学年が中心になって行なった北海道物産展です。本校では高校の修学旅行は北海道を訪れることにしていますが、このメインは農家でのファームステイです。今年も6月に多くの農家の皆さんにお世話になり、実際に野菜の植え付け等の農業体験をさせていただきました。今回の北海道物産展はこれらの農家や観光協会から野菜や果物を送っていただき販売するというものです。
  当初はどれ位売れるのか心配していたようですが、全校生徒にこの内容を伝えたところあっという間に予約販売が完了してしまいました。このままでは文化祭当日に販売するものがなくなってしまうため、急遽追加発注することにしました。販売前日の土曜日は遅くまでトウモロコシ、玉葱、長ネギ、人参、茄子、ミニトマト、ブロッコリー、かぼちゃなどの野菜のほか、おぼろづき・ななつぼし・ほしのゆめといった北海道を代表するお米、更に鹿肉の缶詰やエゾジカのジャーキー等の仕分けを行ないました。そして、当日を迎えましたが、販売開始と同時に行列ができるほどの大人気ですべての商品を完売することができました。
  また、送られてきた農作物の中には懐かしいお便りも同封されており、生徒達も大いに感激していたようです。これからもこのような心の交流を深めていくことができれば素晴らしいと思っています。 
  最後に、今回の物産展にあたって、価格を含め大変なご支援をいただいた北海道の農家をはじめ関係者に心よりお礼を申し上げます。

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2009年09月06日

2009年文化祭の開催(2日目)

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  9月6日(日)、昨日に続いて素晴らしい秋晴れの下、文化祭の2日目を実施しました。本日は日曜日で一般公開日ということもあって、昨日を上回る1000名を超える方がお見えになりました。本日、講堂においては高校のクラスや合唱コンクール金賞受賞クラスの公演のほか、合唱部、筝曲部、演劇部、吹奏楽同好会、ギター・マンドリン部の演奏が披露され、観客を大いに魅了しました。
  また、今年から始めた北海道の物産展やPTA主催の地元野菜、饅頭、煎餅、風呂敷等も完売し、高校三年生が担当した模擬店もほぼ当初の計画どおりに運営することができたようです。私も時間の許す限り発表や展示を見せていただきましたが、いずれの場面においても生徒達の目がきらきらと輝いていたのが印象的でした。
  マイク放送で閉会式を行ない、次のような趣旨の話をしました。「今回の文化祭においても最初にこんなことをやろうとした時には〝人がいない。時間がないからできない、難しい。〟と言う意見が出てきたのではないかと思います。しかし、皆さんは全員で力を合わせて見事にやり遂げました。この文化祭を通じて随分成長したと思います。大切なのは〝できない理由を考えるのではなく、まずやってみる〟ということです。
  本校の初代理事長であるサントリー創業者の鳥井信治郎氏の口癖は「やってみなはれ。やらなわかりまへんで。」と言うものでした。これからも大いにチャレンジしていきましょう。
  最後になりましたが、この文化祭の開催にあたって企画・運営に携わっていただいた生徒会の役員、文化祭実行委員、各クラス委員、先生、PTA実行委員の皆さんに心より感謝申し上げます。
  どうか明日はゆっくり休養し火曜日から新たな気持ちで元気に登校してください。」

2009年09月05日

2009年文化祭の開催(初日)

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  9月5日(土)、素晴らしい秋晴れの下、2009年文化祭を開催しました。開会式は小学校のグランドをお借りしましたが、定刻8時30分の2分前には全員の集合が完了しました。私は開会の挨拶で、「今日の文化祭を迎えるまでには大変な苦労や困難があったと思う。しかし、昔から〝何事にも困難がつきものである。困難に出合った時に、その困難から逃げようと思ったらその困難は二倍になって追いかけてくる。しかし、立ち向かっていけばその困難は二分の一になる〟という言葉がある。これからの人生においては色々な困難があると思うが、勇気を出して立ち向かっていこう。今回の文化祭には保護者を初め多くの方がお見えになる。雲雀丘の生徒としてしっかりと挨拶し規律正しい態度でお迎えしていこう。」という内容の話しをしました。

  開会式後、講堂においては8時45分から高校の合唱コンクール、休憩を挟んで各クラスの公演、午後からは中学の合唱コンクールが行なわれました。また、中学校舎と仮校舎では各教室に分かれて工夫を凝らした展示が行なわれました。本日は土曜日ということもあって、保護者や卒業生を中心に900名を超える方が来場されました。

  明日は招待チケットをお持ちの方と本校への受験を希望される方への一般公開を行なうことになっています。また、北海道物産展やPTAによる地元野菜の販売も行ないますので、是非お越しください。

2009年09月04日

文化祭を明日に控えて

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  9月4日(金)、文化祭もいよいよ明日に迫りました。午後から生徒達はクラス全員で力を合わせて、それぞれの催しの最終の仕上げを行ないました。
  今年の文化祭のテーマは既にお知らせしたように環境を切り口にした『エコ ニコ』ですが、講堂においては伝統の合唱コンクールやクラス単位での発表、合唱部、筝曲部、演劇部、ギター・マンドリン部、吹奏楽同好会等の公演、校舎内においてはクラス展示や部活動の発表が予定されています。また、高校3年生による模擬店や北海道物産展も開催されます。更にPTA役員の保護者の皆さんによる制服のリユースや雲雀饅頭・煎餅、記念タオル・風呂敷、地元の野菜販売も行なわれます。
  このように多くの人の協力によって一つの行事を盛り上げていくというのは実に素晴らしいことですし、生徒達にとっても青春の良き思い出になるのは間違いありません。幸い、明日、明後日は好天になるとの天気予報も出ていますので、保護者の皆さんは是非ご来場いただき、お子様の活躍ぶりを見てあげて欲しいと思っています。
  なお、2日目(6日・日曜日)には進学相談を行なっていますので、本校への受験を検討されておられる方は是非お越しください。

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2009年09月03日

塾長説明会の開催

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  9月3日(木)、10時30分より正午まで約1時間半にわたり塾長・教室長の皆様に対する進学説明会を開催させていただきました。
  私は最初にパワーポイントを使用して『社会で役立つ力を育てる』というテーマで ①これからの社会は ②社会で求められる人材とは ③学校改革の取り組み ④新たな飛躍を目指して という4点に絞ってお話ししました。〝これから地球規模で経済・環境等が大きく変化することになりますが、この10年間日本の国際競争力や学力は長期低落傾向にあります。また、アメリカの一極体制が崩壊し、世界多極化体制に移行することになります。更に新しい技術革新によって、これまでなかったシステムや仕事が創出されると共に、仕事の二極化が起こってきます。この結果国境を超えた真の意味の実力主義が浸透することになります。今、日本の教育界はさまざまな課題を抱えていますが、日本が将来国際社会で生き残っていく道は世界に通用する人財(材)の育成しかありません。
  現在、本校は学校改革を進めていますが、この基本の考え方は孝道をベースとした「社会で活躍する骨太のリーダーの育成」という創立の精神の体現です。このために「人間教育の充実」「学力の向上」「よりよい学習環境づくり」を骨子として取り組んできています。今のところ学校改革は着実に前進してきていますが、〝学校は社会で活躍していくためのトレーニングの場である〟と考え、更に教育活動を充実させていく予定です。また、来年は創立60周年を迎えますが、エコ・ゆとり・コミュニケーションをコンセプトとした高校の新校舎が完成します。素晴らしい学習環境のもとで家庭と学校の連携をはかり「関西を代表する学園」を目指していきたいと思っています。〟
  この後、教頭と入試広報部長から高校と中学改革の進捗状況や学力の伸長状況、来年度の入試について説明させていただきました。 塾長・教室長の皆様におかれましては、一方的な説明が続き、お解りにくい点も多々おありになったのではないかと思っております。また、開催日程の調整の不手際で、本日お越しいただけなかった方もおられたようです。心からお詫び申し上げますと共にご一報いただければ、いつでも説明にお伺いしますので宜しくお願い申し上げます。

2009年09月02日

水のいらないバイオトイレ

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  9月2日(水)、先週に続いて高校の全校朝礼を行ないました。先週は8時30分を過ぎても遅れて体育館に入ってくる生徒がおり、生徒指導部長から時間厳守についての指導がありましたが、本日は見事に整列完了していました。このように反省を踏まえてキッチリと団体行動できるというのは素晴らしいことだと感じました。本日は部活動の表彰の後、次のような話をしました。
  〝先週はポイ捨てや産業廃棄物のゴミのために富士山が世界遺産に登録されないという話をしましたが、実はもう一つ、トイレの問題があります。富士山では五合目以上には設備の整ったトイレがないため、し尿が垂れ流しになっており、使用済みのトイレットペーパーが散乱し、白い川と呼ばれる状況になっています。これを何とか改善するために設置され始めたのが『バイオトイレ』です。このトイレは全く水を使わずオガクズを入れ、熱を加えることによってし尿の中に含まれる90%の水分を蒸発させ、残りの10%の固形物を微生物で分解するというものです。このバイオトイレのことがマスコミ報道されると世界各国から問い合わせが殺到しました。日本でも昔のトイレは汲み取り式になっており、し尿を肥料として使用していましたが、今はほとんど水洗式になってきています。しかし、水の不足している国ではトイレのし尿処理は実に頭の痛い問題です。そして、今多くの国でこのバイオトイレの設置が始まってきています。また最近では普及し始めた太陽光パネルを活用することにより、電気のない所にも設置することができるようになってきました。
  皆さんの中には将来どういう仕事に就いたら良いのか分からず、不安に思っている人もいると思います。しかし、人が困っていること、不安に思っていることを解消してあげるという姿勢を持ち続ければ必ずやるべき仕事は見つかります。たとえうまくいかなくてもチャレンジし続ければ成功できると思います。〟
 
  *現在、バイオトイレは山頂部や離島だけではなく災害時やキャンピングカー、ペットの糞尿処理、コンポスト、また一般家庭等での使用も始まってきており、海外でもドライトイレと呼ばれ普及が拡大してきています。

2009年09月01日

あいさつ推進月間にあたって

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  いよいよ今日から9月に入りました。
  本学園では人間教育の充実を教育の大きな柱として位置づけていますが、この基本はあたり前のこと、簡単なことをやり続けていくという凡事徹底です。この一つとして昨年より4月と9月を『あいさつ推進月間』に定め、学園内で会う人にはすべて挨拶しようということにしています。早速学園内に今回のテー マである「明るく・元気よく・笑顔であいさつをしましょう」のポスターを掲示しました。
  現在、中・高においては毎朝、先生方と生徒会役員の生徒が積極的な声かけを行ない、あわせて服装や頭髪指導を行なっています。私も時間の許す限り、生徒達と挨拶を交わすように心がけていますが、この運動の継続により、最近ではほとんどの生徒が挨拶するようになってきました。しかし、完全に徹底できているわけではなく、顔見知り以外の人に対してはそのまま通り過ぎるということもあるようです。  
  挨拶は〝心を開いて相手に迫る〟ということであり、コミュニケーションの第一歩です。社会では〝礼に始まり礼に終わる〟と言われるくらい挨拶を大切にしています。挨拶をしないということは、自らコミュニケーションの扉を閉ざすことになるため、どれだけ他の能力に優れていても社会で活躍することはできないでしょう。
  パナソニックの創業者である松下幸之助氏は伸びる会社の条件として、朝の挨拶と整理整頓、トイレ掃除の三点を挙げておられました。私もこれまでさまざまな職場を見てきましたが、明るい挨拶が交わされており、整理整頓が行なわれているところは人間関係も良好で、不思議と事故や品質不良や仕事のミスが少ないのは事実です。 人間力をつけるには、こうすれば良いという特効薬はありませんし、一挙に一難しいことをやろうとしても上手くいきません。まず簡単なことを確実にやり、足元を固めることが大切です。その第一歩として 〝さわやかな挨拶〟を徹底していきたいと思っていますので、ご家庭においても是非実践してください。