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2010年04月30日

昭和の日の意義

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  ゴールデン・ウィークのスタートにあたる4月29日は〝激動の日々を経て復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす〟という趣旨の『昭和の日』です。
  この日はもともと昭和の時代には天皇誕生日という祝日でした。しかし、昭和64年1月7日に昭和天皇が崩御され、年号が「平成」に改められたことを受け、平成元年からはこの天皇誕生日が『みどりの日』ということになりました。その後、平成19年からは、この「みどりの日」が「昭和の日」に変更されることになり、同時に5月4日に移されることになったのです。
  今年、昭和元年(1926年)生まれの人は84歳、終戦の年(1945年)に生まれた人も65歳となり、高齢者の仲間入りをするようになってきました。私も戦後生まれの一人ですが、これまで戦後の苦難期、高度成長期、世界から羨望のまなざしで見られた絶頂期、バブル崩壊後の低迷期等日本の成功と挫折を経験してきました。
  平成元年というのは、ベルリンの壁が崩壊し東西の冷戦が終結するのと同時に中国において天安門事件が起こった年にあたります。この年に生まれた人は21歳になりますが、考えてみると、今の子ども達は生まれてからずっと経済の低迷期の中で、閉塞感を持ちながら過ごしてきています。現在の日本は戦後の苦難期に比べるとまだまだ恵まれた状況にあると思いますが、このままでは国際社会の中での日本の地位はますます低下することになります。
  この記念日を昭和の時代の苦難と繁栄をしのび、子ども達に語り継ぐと共に世界に向って大きく羽ばたく積極的な行動に結び付けていく日にしたいものです。

2010年04月29日

告天子の集い

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 4月29日(木)、宝塚ホテルにおいて雲雀丘学園同窓会(告天子)の創立60周年記念総会が開催され、参加しました。会場には各年次の卒業生と現・旧職員が集い、昨年度の決算報告、本年度の予算計画の承認の後、事務局長よりパワーポイントを使って、60周年記念行事の報告が行なわれました。今回の記念行事については同窓会として暖かい支援をいただき心よりお礼申し上げます。
 続いて中・高吹奏楽部による演奏が行なわれました。今年、同好会から正式の部に昇格しましたが、この2年間の充実振りは目を見張るものがあります。演奏曲は「勝手にシンドバッド」「OVER THE RAINBOW」「ピンクレディ・メドレー」「学園歌」の4曲でしたが、学園歌の演奏の際には参加者全員で合唱し、会場は大いに盛り上がりました。その後、松下常務理事の発声で乾杯を行ない、それぞれ旧交を温めました。
  同窓会の初代のメンバーは既に70歳を超えておられると思います。従って、今年高校を卒業した生徒とは実に祖父母と孫くらいの年齢差があるということになります。時代を経ても同じ学園出身ということでの一体感は何物にも代えがたい素晴らしいものであり、これが雲雀丘学園の良き伝統に繋がっているように感じました。
  これからも毎年、後輩達が同窓会に加入していくことになりますが、先輩として暖かく見守ってあげて欲しいと願っています。

2010年04月28日

食育・服育・インターネット・薬物に関する講習会

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  4月28日(水)、体力測定と健康診断、「食育」「服育」「インターネット」「薬物」についての講習を行ないました。
本校においては、生徒達の健康や安全を守るため、例年、大型連休前のこの時期に「食育」「服育」に関する講習を実施していますが、本年はこれに加えて「インターネット」と「薬物」についての講習をあわせて実施しました。
  これらは、いずれも生活していく上で、しっかりと身につけておかなければならないものですが、最近これらの乱れは目を覆うばかりの状況になっています。〝食事は人間の健康にどのような影響を与えるのか〟〝服装は他人にどのような影響を与えるのか〟〝インターネットの利用にあたっては、どのような点に留意しなければならないのか〟〝薬物の甘い誘いに乗らないためにはどうすればよいのか〟といったことをしっかりと理解しておくことは実に大切なことです。特に、薬物については芸能界やスポーツ界の有名人の使用が相次いでおり、大学生をはじめ中高生にまで汚染が拡大してきています。そして、〝知らなかった〟とか〝軽い気持ちでやった〟ということが、気がつけば取り返しのつかないことになっているケースが多いのです。
  今、生徒達の周りには危険が一杯です。世の中で起こっていることを自分達には関係のない〝対岸の火事〟と考えては駄目だと思います。必ず危険は身近に迫っていると考え、常にそれなりの心の準備をしておくことが必要です。中学・高校時代に生活する上での基本を身につけることが、将来社会で役立つ力に繋がるのは間違いありません。各家庭においても、これらの事柄について関心を持っていただき、是非お子様と話し合う機会を持っていただきたいと思っています。

2010年04月27日

PTA総会の開催 

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  4月27日(火)、約200名の保護者出席のもとPTA総会が開催されました。最初に旧役員への感謝状の贈呈、新役員の紹介の後、新会長による挨拶、21年度の決算報告、22年度の予算承認、行事予定、PTA協力金等が承認され無事終了しました。続いて、私から学校の近況を中心に次のような話をしました。
  ①今年は本学園にとって創立60周年という節目の年にあたりますので、創立の原点に立ってすべてのものを見直す機会にしたいと考えています。本学園の創立の精神は〝親孝行のできる人は立派になれる〟という孝道です。そして、将来社会に役立つ人材を育てるということを目指しています。
  ②次に学校改革についての基本の考え方です。平成19年によりきめ細かい進路実現を目指すということで「高校にコース制を導入」し、あわせて授業時間の確保をはかるため「土曜日の授業」「長期休業期間の短縮」等を行いました。また、翌年(平成20年)には中学にコース制を導入しました。当初は〝雲雀丘学園は大学進学だけを目指す学校にするのですか〟とか〝雲雀丘学園の良さがなくなるのではないか〟といった意見もありましたが、あくまで「人間教育の充実」と「学力の向上」の両立を目指すという考え方で取り組んできました。人間としての根っ子をしっかりと育てれば、学力は必ず伸長します。
  ③三つ目は進学に関する報告です。今年、新しいコース制を導入した最初の卒業生(52期生)が大学受験に臨みました。どのような結果になるのか注目を集めていましたが、皆さんのお手元にお届けしている実績のとおり、国公立大学、難関私大に多数の合格者を出すなど大いに健闘しました。また、先生方も徹底的に個別指導を行ないました。この結果を見ると、最後まで目標を下げなかった人、学校の授業を大切にした人、部活動との両立をはかった人が最後の栄冠を勝ち取っています。この体験は将来社会に出た時にも大いに役立つと思います。また、続く53期生、54期生も頑張っており、今年を上回る成果を期待しています。
  ④四つ目は教育内容の充実ですが。その大きな柱は『三学期制への移行』です。本校はこれまで授業時間を確保するために、二学期制をとっていましたが、「テストの範囲が広くなる」「学期の途中に夏休みが入るため成績がタイムリーにフィードバックできない」といった課題がありました。今回は行事もそのままにし、かつ授業日数を確保する。更に成績や学習状況を保護者の皆さんにも伝えフォローしていく体制をとることにしました。また、教職員の資質を高めることにより、授業の質的向上を目指すと共に補習授業やパワーアップゼミ・ブラシュアップゼミの充実につとめていきたいと思っています。
  ⑤五つ目は教育環境の整備です。生徒の安全、安心を守るという基本の考え方に立って、耐震補強を行ない、新校舎の建設を行ない、ゆとりスペースの確保と環境に配慮したエコスクールが完成しました。太陽光パネル、LED照明、屋上緑化、雨水の利用、ウィスキーの樽材の使用等環境に配慮した内容になっています。本校は環境教育に注力していますが、校舎そのものを環境教育の教材にしていきたいと考えています。環境教育の基本の考え方は単に知識を習得するのではなく、学び、調べ、考え、行動するということです。ご家庭においても、是非環境に対する積極的な活動をお願いします。
  ⑥最後に、本校の教育の基本の考え方は家庭と学校が連携して子どもを育てていくという〝共育〟と生徒・保護者・教職員のすべてが共に学ぶという〝共学〟ですが、そのためには、コミュニケーションが何よりも大切です。これからも学校の情報は都度ホームページ等を通じて提供していきたいと考えています。そして、雲雀丘学園に集う全員が力を合わせて素晴らしい学園を作っていきたいと思っていますので、何卒宜しくお願いします。

2010年04月26日

業務の改善・効率化をはかる

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  近年、パソコンや携帯電話に代表されるIT化の進展には目を見張るものがあります。そして、昨今は〝1人1台のパソコン〟を配備し、構内LANを敷設することによって、業務の見直し・改善を積極的に行なおうとする事業所が増加しつつあります。しかし、企業に比べると、学校のIT化は極端に遅れているように感じます。この原因としては「LANが構築されていない」「1人1台のパソコンが配備されていない」「教職員のITスキルのレベルが低い」といったことがあげられます。
  本校においては、既に校内LANが設置されており、メールによる情報伝達や勤怠管理、成績処理、ホームページの管理、資料の管理等さまざまな活用をはかっていますが、まだまだ業務改善をする余地は大きいと思っています。また、学校の場合は生徒に配るプリントが多いということもあってなかなか紙の使用量が削減できないという状況になっています。
  そこで、今回の高校校舎建設に合わせて、積極的に情報機器を導入することによって、業務の合理化と授業の質的向上、ペーパーレス化の推進をはかることにしました。具体的には、「情報・データ管理の精度をあげ、随時活用を可能にすることにより、各人のファイリングの手間をなくす」「会議における配布資料を削減する」「写真や動画等をとり入れることにより、授業における教材の共有化をはかる」等です。本日も管理職によるトップ会議を行ないましたが、パソコンのデータをプラズマテレビに表示することにより、ペーパーなしでの打ち合わせを行ないました。
  既に、昨年より、職員会議については、事前にパソコンのホルダーに「議題」や「必要な資料」を登録しておき、プロジェクターを使用することにより、大幅なペーパーの削減をはかっていますが、今後は更に教職員のITスキルを高めることにより、すべての業務の改善・効率化をはかっていきたいと思っています。

2010年04月25日

学校の活性化

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  新年度が始まって半月が経ち、4月も残すところわずかになりました。例年、ゴールデンウィークに入るまでのこの時期は、生徒達が新しい学校生活にうまく適応してくれるかどうか気がかりです。私も出張等の予定がある時以外は、毎日登校指導をしていますが、生徒達は概ね元気に登校してきているようです。生徒指導の先生からの報告では、年々欠席や遅刻する生徒が減ってきているが、今年は更にこの傾向が顕著になっているようです。また、時間の許す限り校内を巡回していますが、授業にも集中できているように感じています。
  昨日は中体連の試合に出場するため、公休扱いになる中学生も散見されましたが、午後には、部活動の練習に参加する者、部活動の見学をする者、ニュージーランドへの語学研修の説明会に参加する者、えんどう豆の収穫をする者、体育大会の準備をする者、生徒会の活動をする者等の姿が見られました。
  一方で、先生も生徒達の反応を確認しながら授業の進め方に工夫を凝らしており、学年や分掌、教科のメンバーによる打ち合わせも活発に行なわれています。
  今年は学園創立60周年という記念すべき年にあたりますが、これらの積極的な活動により学校を活性化させ、新たな飛躍に繋げていきたいと思っています。

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2010年04月24日

日本の経済力の現状~伸び悩むGDP

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  GDPというのはGross Domestic Product の略で〝一定期間内に国内で産み出された付加価値の総額〟を表わすものです。現在のGDPの世界ランキングの10位までをあげると次のとおりです。
  1位 アメリカ、2位 日本、3位 中国、4位 ドイツ、5位 フランス、6位 イギリス、7位 イタリア、8位 ロシア、9位 スペイン、10位 ブラジル
  しかし、IMF(国際通貨基金)が2009年4月に発表した世界経済の見通しによると、中国のGDP(国内総生産)が今年日本を抜き、世界第2位になるとのことです。この結果、日本は1968年(昭和43年)にドイツを抜いて以降、守り続けてきた世界第2位の経済大国という地位を失うことになります。
  これまで、日本はアメリカの旺盛な消費に支えられ、自動車・電機・工作機械等の輸出産業が経済を牽引し、技術立国としてGDPを成長させてきました。ところが、バブル経済の崩壊に伴う後遺症からの脱却が遅れ、更に今回のリーマンショックの追い討ちによって、〝失われた20年〟という言葉に現わされるように、完全に成長軌道から外れてしまっているのが現状です。この一方で、世界経済はアメリカの一極集中が崩れ、BRICsを中心とする国々が急成長を遂げてきています。

  昨年、米ゴールドマンサックス社の2007年時点における『2050年の世界国別GDPランキング予想』が公表されましたが、これによると順位が次のとおり、大幅に入れ替わっています。  
  1位 中国(21.7倍)、2位 アメリカ(2.7倍)、3位 インド(34.5倍)、4位 ブラジル(8.6倍)、 5位 メキシコ(10.5倍)、6位 ロシア(6.7倍)、7位 インドネシア(16.3倍)、8位 日本(1.5倍)、9位 イギリス(1.8倍)、10位 ドイツ(1.5倍)、11位 ナイジェリア(29倍)
    *(  )内は 2007年対比の倍率
  とりわけ、中国やインドの経済成長率は突出しており、わが国における全体の貿易額に占める割合はついにアメリカを抜いて、中国が一番になりました。
いずれにしても、日本にとって、今後台頭の著しい隣国中国との協力体制を築いていくことがポイントになってくると思います。

2010年04月23日

日本の経済力の現状~国際競争力ランキング

  IMD(国際経営開発研究所)は毎年世界の国々を比較して『国際競争力ランキング』を発表しています。これによると2009年、日本は57国中17位(2008年は22位)と低迷しており、ここ数年中位から抜け出せない状況です。かつて1989年から1993年までの5年間が首位であったことを考えると、この大きな落ち込みは隔世の感があります。
  この調査のベースになるのは「インフラ」「政府の効率性」「経済状況」「ビジネスの効率性」の4分野の綜合順位ですが、インフラは5位、ビジネスの効率性は18位、経済状況は24位、政府の効率性は40位となっており、政府の効率性に大きな課題があることが解ります。
  それでは、わずか20年くらいで何故これほどまでにランクが低下したのでしょうか。一口で言えば、東西の冷戦終了後の〝グローバル化〟という大きなトレンドに乗り遅れたということですが、この原因は「国際化に必要な土台部分が欠落していた」からであり、残念なことに今も大きな改善は見られません。
  日本が極端に劣っている項目としては「法人税率が極めて高い」「政府が膨大な赤字を抱えている」「語学能力が低い」「海外からの直接投資が少ない」「管理職の国際経験が少ない」「起業家精神が弱い」「高齢化が進展している」「生計費支出が少ない」「年金制度の抜本的改革の遅れ」「文化閉鎖性が強い」等があげられています。そして、科学のインフラという点では世界第2位と充実しているものの、それが企業の競争力や生産性につながっていないと指摘されています。
  これからは税制改革や制度改革を進め、科学インフラを企業の生産性や競争力に結びつける努力が必要になってきます。そうしないと、ますます世界から取り残されてしまうことになりかねません。

  ちなみに国際競争力ランキングの20位までは次のとおりです。
1位 アメリカ、2位 香港、3位 シンガポール、4位 スイス,5位 デンマーク、6位 スウェーデン、7位 オーストラリア、8位 カナダ、9位 フィンランド、10位オランダ、11位 ノルウェー、12位 ルクセンブルグ、13位 ドイツ、14位 カタール、15位 ニュージーランド、16位 オーストリア、17位 日本、18位 マレーシア、19位 アイルランド、20位 中国、
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2010年04月22日

「知る」ことの大切さ

  私の好きな書物の一つに古代中国の兵法の書である『孫子』があります。この書物には戦いに勝つための戦略や戦術が詳しく叙述されており、経営のあり方を考える際に時々紐解いています。しかし、この書物が長い間多くの人に愛読されているのは、単に戦いに臨んでの心構えというだけではなく、人間学についてさまざまなことを説いているからではないかと思います。つまり、人生をいかに生きるかを考える際に参考となる数々の味わい深い言葉が記されているのです。
  この中で、特に有名なのは「知る」ということの大切さについて述べられた「彼を知り己を知らば、百戦して殆(あや)うからず」という言葉です。この意味は「相手を知り、自分をよく知っていれば、物事はすべてうまくいく」ということです。そして、この相手というのは必ずしも人間とは限りません。
  本校では〝将来社会で役立つ人材の育成〟を教育方針に掲げており、先日の入学式後の新入生保護者オリエンテーションや高校1年生の宿泊研修等を通じて「社会で役立つ力」というテーマで話をしてきました。しかし、社会というものがしっかりと認識されているかどうかは疑問です。この認識なしに、〝将来社会で役立つ〟ということを取り上げても、具体的に何をすれば良いのかは目に見えてこないと思います。
  従って、まず現在の日本や世界の現状がどのようになっているかを知り、次にこれからどのように変わっていくのか、更にこの社会ではどのようなものが必要になってくるのかを予測して自分なりに把握しておくことが必要です。
  そのため、これから何回かに分けて、現在と将来の社会について詳しく説明していきたいと考えています。

2010年04月21日

生徒会総会・生徒会役員認証式を終えて

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  4月21日(水)、部活動の表彰、全校朝礼に続き生徒会総会と前期生徒会役員の認証式を行ないました。 時間が限られているため、全校朝礼においては、ブランド力の話を取り上げ、〝企業には「ブランド」というものがあるが、学校にもブランド力がある。最近、雲雀丘学園中学・高校の取り組みは少しずつ認められてきているが、学校のブランド力を上げていくのは皆さん一人ひとりの行動である。全員で力を合わせて素晴らしい学校をつくっていこう〟という趣旨の話をしました。
  続いて、生徒会総会が行なわれ、新しく生徒会役員に就任した会長、副会長、書記、会計、自治・風紀・美化・厚生・体育・文化の各委員長に承認書を手交しました。その後、各役員は就任の挨拶をしましたが、多くの生徒が創立60周年を意識して、活動していきたいということを表明しました。
  また、これらの新役員の皆さんと昼休みに校長室で色々と意見交換しました。短い時間でしたが、それぞれが問題意識を持って、新たなことに挑戦しようとしている姿勢が感じられました。
  社会で役立つ力というのは、決められたことや与えられたことを着実にこなすというものではありません。自ら課題を見つけ出し、解決していくという力が必要になります。前期は体育大会や文化祭といった学校行事をはじめ、環境活動等の数多くの取り組みが予定されています。
  創立60周年という節目にあたって、生徒会役員の皆さんがリーダーとなって、学校を良い方向に変えていってくれることを期待しています。

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2010年04月20日

中学1年生対象のクラブ紹介

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  4月19日(月)放課後、生徒会の主催で中学1年生対象のクラブ紹介が行なわれました。各クラブは新入部員の獲得のためにそれぞれ工夫をこらして2分間という短い時間で説明を行ないました。本校には多くの文化クラブと運動クラブがあり、中高全体での加入率は65%、中学だけでの加入率は80%を超えています。学校改革の柱として〝きめ細かい進路の実現を目指す〟という方針を打ち出したところ、「雲雀丘は進学だけを重視した学校を目指すのですか」とか「雲雀丘の良さがなくなるのではないか」というような意見があったのも事実です。しかし、これは全くの誤解であり、決してクラブ活動を軽視しているわけではありません。学校改革の授業の時間数を増やしたことにより部活動の練習や試合については、ある程度の制約が生じてきているのは事実ですが、それぞれ工夫をしながら学業と部活動を両立させていくことが大切なのです。
  昔から『文武両道』という言葉がありますが、部活動を通じてはかり知れないものを得ることができます。現に私もバレーボールを通じて通常の授業では得られない実にさまざまなことを学びました。また、部活動に力を入れたため勉強する時間がなくて自分の思い通りの進路が達成できなかったということはまずありません。部活動をやり過ぎたから自分の思い通りの進路が達成できなかったというのは言い訳です。学習する時間がないからという理由で部活動を止めた結果、かえって生活のペースが乱れてしまったという例も数多くみられます。
  本校では人間教育を教育方針の第一に掲げていますが、人間力の養成のために部活動の果たす役割は極めて大きいと感じています。しっかりと挨拶する、服装を整える、ルールやマナーを守る、忍耐する、チームワークを築く、といったことは社会に出た時に大いに役立つのは間違いありません。将来社会で必要な〝事前の段取りをキッチリ行なう〟〝何事にも集中する〟〝短い時間を有効活用する〟〝諦めずやり遂げる〟等といった力は密度の高い学校生活を送ることによって養成されるのです。
新入生の皆さんは勉学に励むと共に積極的にクラブに加入し、学力と人間力の両立をはかることによって、中学・高校でしか経験できない充実した生活を送って欲しいと思っています。
  なお、高校1年生に対するクラブ紹介は21日に実施する予定です。

2010年04月19日

『ブラシュアップ・ゼミ』の開講にあたって

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  4月19日(月)、高校1年・2年生の特進Ⅰ・Ⅱコースの生徒を対象とした『ブラシュアップ・ゼミ』の開講式を行ないました。本校ではこれまで、選抜特進コースの生徒全員を対象に大手予備校の講師による特別講習『パワーアップ・ゼミ』を週2回実施して、応用力や実戦力の練成をはかってきました。また、特進Ⅰ・Ⅱコースについては希望する生徒を対象に大スクリーンを通して大手予備校の講義が受講できる『サテライン講座』を週2回実施してきました。しかし、この講座は一方的になるため、よりきめ細かい進路指導を行なうことを目指して、今年から大手予備校の講師による特別講習に切り替えることにしました。この講習は数学と英語の2教科で週2回、これまでと同様通常授業が終了した後に開催されることになるため、どれだけの生徒が希望するのか気にしていましたが、本日の開講式には約150名が出席してくれました。そのため、座席が足りず一部の生徒は立ったままでの受講ということになり、誠に申し訳なく思っています。
  開講式の冒頭、私から大学進学の意義と進路実現のために取り組んで欲しいことを中心にお話しました。これから世の中は大きく変わっていきますが、基礎学力を身につけておくことは将来どの分野に進むにしても極めて大切です。特に強調したのは ①目標を下げないこと ②できるだけ早い時期にスタートすること ③学習習慣(寝る時間・起きる時間・勉強を始める時間)を守ること ④日々例外を作らず続けること ⑤細切れ時間を活用すること 等です。そして、これまで学校の授業を大切にし、最後まで諦めずに粘った人が栄冠を勝ち取っているということを紹介しました。
  
  本校も年々、大学受験に対する指導体制が充実してきていますが、あくまで勉強するのは生徒自身です。また、入試は個人戦ではなく団体戦であると思っています。早速、明日から講習がスタートしますが、生徒達が自分の目標実現に向けて努力してくれることを心より願っています。

2010年04月18日

混迷の世に志を抱く

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  以前この校長通信の中でも紹介したことのある小野晋也氏は、現在愛媛県で〝混迷の世に志を抱く〟ということで毎月一回『志の道を歩く会』の開催や月刊誌『OAK・TREE』の発刊を通じて時代を動かす人物育成活動を推進されています。私もこの月刊誌の届くのを楽しみにしていますが、人間の生き方や考え方、幸福を考える上で感銘をうけることが数多くあります。
  小野氏は常々〝人間が人生を力強く生きていくためには、心の中に元気がなくてはならない。この心の中の力さえ備わっていれば、多少の問題があっても敢為の気力で問題を乗り越えて進んでいける〟と語ってきておられますが、先日の『OAK・TREE』にも安岡正篤氏の「照心語録」の中の言葉が掲載されています。

  〝民族や個人にとって、根本的なものは気力の如何である。政策やイデオロギー、或いは知性・技能といったものは全て気力の影響を受ける。いかなる長所があろうとも気力が弱ければ大した価値もないし、逆に気力さえ旺盛であれば多少の欠陥など、それほど気にする必要もない。〟
  
  そして、小野氏はここに示されている気力というものは元気とほぼ同じ意味で使われており、この元気は人と人との心の響きあいから生まれてくる。自分の人生を振り返ってみて、何かの失敗や人間関係のもつれで意気消沈している時など沈んだ気持を切り替えて、再び困難に立ち向かってゆこうとする勇気を与えられるのは、心の共鳴を引き起こしてくれる〝人との出会い〟が何よりも大切であると言っておられます。
  昔から「人生において会いたいと思う人には必ず会える」と言われていますが、混迷の時代にあって、色々な人との出会いを通じて人間力を磨き、高い志を持って生き抜いていきたいものです。

2010年04月17日

平成22年度学園PTA協議会の開催

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  4月17日(土)午後、中・高等学校、小学校、幼稚園の各PTA会長・副会長と校園長、事務局の幹部が出席して恒例の学園PTA協議会が開催されました。冒頭、常務理事から挨拶があり、続いて出席メンバーの紹介、21年度の決算、本年度の予算、60周年記念行事の実施結果についての説明があり承認されました。
  その後、各校種の校園長より本年度の活動計画について発表しました。中学・高等学校については、私からこれまでの学校改革の取り組みを中心に教育活動の内容、大学への進学状況、新校舎等についての説明を行ないました。すべての議事が終了した後、出席者全員による懇親の場が設けられ、普段あまりお話ししたことのない小学校や幼稚園の役員の方々とも色々と意見交換させていただきました。
  日常多くの中学生、高校生と接していて感じるのは、幼少の頃にどのような育ち方をしてきたかによって物の考え方や生活習慣、行動パターンが決まってきている、言い換えると〝家庭教育がいかに大切か〟ということです。
  昔から『三つ子の魂百まで』とか『〝つ〟のつく教育(一つから九つ)』と言われていますが、幼い時に身についた性質はなかなか変わらないものです。とりわけ〝やってはいけないこと〟〝他人に対する思いやり〟〝命を大切にする気持ち〟〝我慢する姿勢〟といった人間としての基本を身につけておくことは非常に大切です。そして、その形成に大きな役割を果たしているのは家庭、特に母親であり、母親の感性がなければ、これらを子どもに伝えることはできないのです。
  本学園は第一に「人間教育」の大切さを取り上げていますが、このためには家庭と学校が一体となった『共育』が何よりも大切であると思っています。
 最後に、昨年度のPTAの役員の皆さんには創立60周年を目前に控え、さまざまな面で大変ご尽力をいただき心より感謝しております。また、本年度の役員の皆さんには60周年という記念すべき年にあたり、何かとお世話になることが多いと思いますが、何卒宜しくお願いいたします。

2010年04月16日

入学式の式辞から~③凡事徹底の大切さ

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  高校の入学式においては、パナソニックの創業者である松下幸之助氏の2つのエピソードを取り上げましたが、今回はそのうちの一つを紹介します。
  〝今から丁度30年前になりますが、昭和55年(1980年)に松下氏は突如として、〝将来の日本を背負って立つ政治家を自ら育てる〟と宣言しました。しかし、その時松下氏は既に85歳になっており、その上声も十分に出ないという状態でした。何故、今更この年になって、政治のことを言い出すのか。今、日本はうまくいっているではないか、と多くの人が感じており、松下氏のまわりにいる多くの人がこの考えに反対しました。なぜなら、当時の日本は卓越した製造力を有しており、世界中から羨望のまなざしで見られるような繁栄をしていたからです。しかし、松下氏は「このままでは、日本はいずれゆきづまる。何故なら、今の日本には目先のことしか考えていない人間、自分の損得だけを考えて行動している人間が多すぎる。そして、国家百年の計がない。だから政治家を育てるのだ。」と言って、資産を投げ打って、松下政経塾をつくったのです。
  このことが発表されると、日本全国から入塾したいという人が続々と集まってきました。そして、その中から選び抜かれた塾生に対する入塾式が行なわれました。入塾者達は、松下氏がどのような話をするのか固唾を飲んで聞き入っていました。その時に言われたことは「まず、自分の身のまわりをしっかり掃除しなさい、整理整頓しなさい。自分の身のまわりを美しくすることができない人間に政治という大きなことは絶対にできない。」ということでした。この話を聞いて正直なところ、がっかりした人もいたようです。しかし松下氏は、永年の経験から「簡単なことの出来ない人間に決して難しいことはできない」ということを確信されていたのです。
  伸びる会社は、訪問すればすぐわかる。「いらっしゃいませ、おはようございますという爽やかな挨拶が返ってくる会社」、「事務所や工場がキッチリと整理整頓されている会社」「トイレの掃除がゆきとどいている会社」。この三つのことができている会社は間違いなく伸びる。逆に、これらが出来ていない会社は、今、ある程度の業績であっても、必ず駄目になる。そして、このことは人にもあてはまる。当たり前のこと、簡単なことをしっかりやり続けている人は、間違いなく成長する。〟逆に凡事徹底ができない人は絶対に伸びないということでした。松下氏はこのことをいい続けると共に自分自身も実践されていたのです。〟

  私達は日常の生活において、小さなことをおろそかにしがちですが、誰にでもできる凡事を徹底してやりぬく姿勢が何よりも大切であると思っています。

2010年04月15日

高校1年オリエンテーション合宿閉舎式

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  4月15日(木)、一泊二日の高校1年オリエンテーション合宿は無事終了しました。この研修は〝集団行動をしっかり行なう〟ということを大きな目的にしていたため、生徒達がこのことをどれだけできるかどうか見守っていましたが、集合時間や講義に集中する姿勢については問題がなく、注意することもほとんどありませんでした。生徒達は本当に立派だったと思っています。
  この合宿研修の閉舎式で、私は次のような話をしました。
 〝皆さん、今回のオリエンテーション合宿はどうでしたか? たった二日間でしたが、この合宿を通じて皆さんはいろいろなことを学び、随分成長したように感じました。研修の終わりにあたって、私から3つのことをお話します。
 ①雲雀丘学園の教育の基本は「将来社会で役立つ人を育てる」ということです。社会で活躍するためには「高い志を持つ」「自らを律する」「努力する」という姿勢が大切です。「高い志を持つ」というのは、単にお金儲けをしたり、有名になりたいといったものではありません。世のため、人のために尽くそうという強い思いです。また、「自らを律する」ためには絶えず自分のやったことを素直に反省し姿勢を正すということが必要です。そして、目標を達成するために「努力を継続していく」ことです。たとえ失敗することがあってもあきらめずに挑戦していくことが大切です。これはまさに本校の校是である『高志・自立・努力』の実践そのものです。皆さんはこの素晴らしい校是を心に刻みこんでいってください。
 ②この研修で、皆さんは集団行動の大切さについて学んだと思います。将来社会に出るとさまざまな人達と協働して仕事をしていくことが必要になってきます。自分の思い通りに仕事をしていては決して成果は上がりません。チームワークが大切になってきます。学校で行なわれる授業も色々な行事もすべて集団行動です。これからも日々集団行動をしっかり行なうことによって、クラスの絆、学年の絆を結んでください。
 ③最後に、なんと言っても「正しい生活習慣、学習習慣を身につける」ことが基本です。良い習慣をつければ必ず学力は向上します。そして、高校時代に身につけた良い習慣は将来社会人になった時に大いに役立つのは間違いありません。是非、良い習慣づくりに力を注いでください。〟
  生徒達が明日から新たな気持ちで充実した高校生活を送ってくれることを願っています。

2010年04月14日

高校1年オリエンテーション合宿

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  4月14日(水)、1泊2日にわたって実施される高校1年生のオリエンテーション合宿に同行しました。この趣旨は一人ひとりの生徒にとって高校生活が円滑にスタートできるようにするための「人間関係を築くこと」「学習習慣の徹底をはかること」「進路目標の設定を行なうこと」です。  8時45分にバス6台で学校を出発し、約2時間で研修地である 《たつの市の国民宿舎 志んぐ荘》 に到着しました。そして、全員で開舎式を行なった後、荷物を持ったまま研修会場に集合しました。
  研修の冒頭、私から『充実した高校生活を送るために~これからの社会で求められる人材』というテーマで、約40分間にわたりパワーポイントを使って講演を行ないました。 この研修では「進路実現のために」というテーマの講演が予定されているため、私からはできるだけ世の中の動きや将来の社会を見据えた上で、これから高校生として取り組んで欲しいことについて次のような話をしました。

  〝これから地球上の人口はどんどん増える、これに伴い食料、水、エネルギー、資源の枯渇や地球温暖化をはじめとする環境問題が発生する、一方で日本においては「少子高齢化」「情報化」「グローバル化」「仕事の二極化」が進み、真の実力主義の時代になる、一方で新技術が生まれ新たな仕事が続々と生まれることになる。このように社会が大きく変わることによって、大いなるチャンスが生まれてくることになる。言い換えると皆さんにとっては〝ワクワク ドキドキする時代〟ということになる。この社会で活躍するためには「目標達成への強い思い」「点数ではかれない力」「各分野での専門能力やノウハウ・スキル」「人間力や正しい人生観・職業観」「健康」「グローバルな視野と変化対応力」「凡事徹底」「共働性」等が重要になる。
  そして、高校生活の中で是非心がけて欲しいこととして「丈夫な体をつくる」「明るい挨拶・キッチリした服装・正しい言葉づかいをする」「約束・ルール・規則・時間を守る」「身のまわりの整理整頓・掃除を行なう」「良い友達をつくる」「より良い生活習慣・学習習慣をつくる」ということです。
  本校においては〝将来社会で役立つ人材を育てる〟ことを教育の基本的な考え方にしています。そのためには〝将来の夢を持ち、目標を設定する。そして、現実とのギャップを明確にした上で具体的な計画を作り、日々の努力を継続していく〟ことであると思います。「しごと」は《志事》であり、「はたらく」は《傍を楽にする》ことです。
  生徒達が高校時代にしっかりとした基礎を作り、充実した人生を歩んで欲しいと思っています。

2010年04月13日

中学1年生が自然学舎に出発

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  4月13日(火)、新学期が始まって5日目ですが、中学1年生が「自然学舎」に向けて出発しました。この自然学舎は、2泊3日の合宿研修という形式をとっており、集団生活を通じて仲間を大切にし、学年・学級の仲間作りを進めると共に、中学生活の基本の習慣を身につけることを目的として例年鉢伏高原で実施しています。
  研修内容はラジオ体操、学園歌の練習、飯盒炊爨、集団行動・学園歌発表会、凧づくり、自己紹介、はがきの書き方等盛りだくさんですが、起床や就寝、食事、入浴も含めて時間厳守、後片付けといった集団行動の基本を習得することにしています。
  出発にあたって、柔道場に荷物を持って集合し、整列・点呼を行なった後、「開舎式」を行ないました。私は〝先日の始業式で話した『オアシス運動』に触れ、挨拶をしっかりすること、時間に遅れないこと、そして、人が話をしている時にはしゃべらず目と耳でしっかりと聞くこと〟という話をしました。その後、生徒達は4台のバスに乗り込み、元気よく出発していきました。  
これから生徒達は『自然学舎in 鉢伏高原』 という栞に基づいて行動しますが、この巻頭言「自然学舎に寄せて」を紹介します。

  〝雲雀丘学園中学校では、平成6年度から各学年に宿泊行事を設定しました。これらの行事の目的は、人の一生のうちで心身ともに最も著しい成長を遂げる中学生時代に、仲間と寝食をともにして、自然や人間生活の歴史・文化に融け込み、さまざまな経験を通して、皆さん一人ひとりが、自分自身を見つめ直し、集団としての行動規範を高めることにあります。
  ことに、中学一年生の「自然学舎」は、本校に入学して間もない皆さんのオリエンテーション(雲雀丘学園中学生としての方向づけ)と仲間づくりをめざすものです。雪の残る早春の鉢伏高原の新鮮で伸びやかな雰囲気の中で、思いっきり自分を開放し、新しい集団生活をスタートさせてくれることを願っています。
  これから始まる中学時代は、皆さんが将来社会に出た時に役立つ、必要な「基礎学力」や「人間力」を育てるトレーニングの期間です。これらの力を育てていくためには、自らの日々の生活を素直に振り返り、反省し、正しい生活習慣や学習週間をつけていくことが何より大切です。
  皆さんがこの自然学舎を通じて、これからどのような態度や習慣で臨むのかを考えてほしいと思います。(中略)
  一人ひとりの自覚により、すばらしい自然学舎になるものと確信しています。是非、一回りも二回りも大きくなって学校に帰ってきてください。〟
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2010年04月12日

入学式の式辞から~②習慣づくり

  中学の入学式においては、『毎日毎日が習慣づくり』という詩を引用して、良い習慣をつくることの大切さをお話しました。これは随分前に読んだ本の中に載っていたもので、私自身が日頃心がけなければならないと思って、書き抜いていた詩です。

〝勉強をサボるという習慣    勉強を真剣にやるという習慣
 本を読まないという習慣    本を読むという習慣
 字を乱雑に書くという習慣   字を丁寧に書くという習慣
 小さな声でぼそぼそと言う習慣  はっきりした声でしっかり言う習慣
 毎日毎日が習慣づくり
 挨拶をしないという習慣    挨拶をするという習慣
 他の人の言葉に耳を傾けないという習慣  耳を傾けるという習慣
 人の悪いところを見つけようとする習慣 人の良いところを見つけようとする習慣
 自分のことを優先しようとする習慣  他の人のことを優先しようとする習慣
 何気ない一回一回のこと    何気ない一日一日の積み重ね、
 その中で、今のあなたは作られてきたし、これからも作られていくのです。
 どんな習慣を自分のものにしていくか
 何気ない一回一回のこと    何気ない一日一日の積み重ね、
 その中にこそ、あなたがいるのです〟

  悪い習慣と良い習慣が交互に書かれていますが、最初から良い習慣が身についている人はほとんどないと思います。大切なことは常に〝悪い習慣を改め、良い習慣は継続する〟という姿勢です。この習慣づくりができれば、勉強でもスポーツでも将来社会に出てからの仕事でも立派にやれるようになると思います。
  今回、新入生には入学式後、クラス担任を通じてこの詩のコピーを配布していただきました。できれば、目につくところに掲示していただき、日常の行動を見つめ直して欲しいと思っています。

       


2010年04月11日

入学式の式辞から~①学園設立の経緯と鳥井信治郎氏

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  中学の入学式では学園設立の経緯と鳥井信治郎氏について次のような話をしました。
〝この学園ができたのは第2次世界大戦が終わって間もない昭和25年(1950年)です。そして、雲雀丘学園は、今年創立60周年という記念すべき年を迎えます。当時、この雲雀丘や花屋敷には小学校がなく、この地に住む子ども達は池田にある師範学校の附属小学校(今の大阪教育大学附属池田小学校)に通っていました。ところが、この小学校への入学は抽選によって決められるということになりました。そうするとお兄さん、お姉さんは師範学校の附属小学校に行っているのに、弟や妹は行けないということになってしまいました。そのため、何とかこの地に小学校をつくりたいという声が起こり、地元の皆さんが協力して、雲雀丘学園小学校を創設したのです。そして、この運動の中心になって色々と力を尽くされたのが、サントリーの創業者である鳥井信治郎氏です。その後、中学ができ、高校ができ、現在に至っています。〟

  現在、残されている「周年記念誌」を紐解くと雲雀丘学園の設立から草創期の歴史が詳しく記されていますが、これによると、本学園はサントリーの創始者である鳥井信治郎氏による絶大な支援があったということがわかります。すなわち、私立学校として学園を創立する場合には理事会組織が必要となるため、当時川西市寺畑に在住されていた寿屋( 現サントリー株式会社 )の創始者であった鳥井信治郎氏に是非理事として名前を連ねていただきたいと懇願したところ、快くご承諾いただいたようです。
  その後、学園の発展につれて、多大の経費が必要になりましたが、すべて鳥井理事長にお願いすることが多くなったようです。例えば、現在の高校校舎から中央棟・校庭にいたるあたりは鳥井理事長の私有地でしたが、昭和28年度に学園中学校創設にあたって、11,079㎡(約3千坪)を校地として学園に寄贈していただきました。今回、建て替えた高校の旧校舎は当初中学校舎として建設されたものです。このように、雲雀丘学園の経費の多くの部分や土地、建築費などが理事長の【陰徳】としての出資であったことが分かります。
  このように、雲雀丘学園は、鳥井理事長をはじめ保護者・教職員全体の協力で出来た学園であり、当時の「新聞」紙上では本学園を称して“持ち寄り学校”と書かれた記事があるぐらいです。そして、創立後現在に至るまで、本学園はサントリー株式会社からさまざまな支援をいただいているのです。

2010年04月10日

第66回雲雀丘小学校の入学式に出席して

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  4月10日(土)、暖かい春の日差しが差し込み満開の桜が咲き誇る中で、第66回となる雲雀丘学園小学校の入学式が行なわれ、来賓として出席しました。最初に、2年生、5年生、6年生や保護者、教員の大きな拍手に迎えられ、144名の新入生がサウンドオブミュージックの「ドレミ」の歌のメロディーに合わせて入場しました。続いて全児童が大きな声で国歌・君が代を高らかに歌いあげました。よく見ると新1年生の中にもしっかりと歌っている子どもがいます。公立学校の場合には、今でも入学式や卒業式等の式典の際に、国旗の掲揚や君が代の斉唱が徹底できない等の課題が指摘されています。そして、学校において君が代についての歌唱指導も十分が行なわれていないため、中学や高校になっても実際に歌えない生徒が多くいます。
  本学園では、幼稚園の年長組から君が代の歌唱指導をしているため、小学校入学時からしっかりと歌えるようになっています。続いて、新入生は「月」「星」「雪」「虹」のクラス毎にステージの上にあがり、担任の先生の点呼に応えて一人一人が手をあげて元気よく返事をしました。その後、校長先生の式辞・教員紹介があり、上級生からの歓迎の言葉や歌や劇が披露されました。感心したのは、ほとんどの新入生が校長先生からの〝挨拶しましょう〟〝人の話をしっかりと聞きましょう〟〝お花をしっかりと育てましょう〟という言葉に対して〝はい〟という元気な返事で応えたことです。続いて、在校生から〝お祝いの呼びかけ〟や〝歓迎の言葉や歌〟が披露されました。また、“おめでとうございます”という言葉に対しては、“ありがとうございます”という新入生の元気な声が響き渡りました。この時期に人間としての基本である挨拶がしっかりと身についているということは素晴らしいと感じました。こうして、式はほのぼのとしたぬくもりの感じられる雰囲気の中で無事終了しました。
  本学園には、二つの幼稚園と小学校、中学・高校がありますが、この温かみのある雰囲気が本学園の良き伝統になっているように感じています。これからもこの良い伝統を引き継ぎ、更に醸成することにより、学園として一貫した人間教育を推進していきたいと思っています。

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2010年04月09日

対面式・始業式の実施

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  4月9日(金)、新年度を迎え生徒達が続々と登校してきました。春休み中に部活動等で登校していた一部の生徒を除き、大半の生徒にとっては完成後の高校新校舎を見るのは初めてということになります。また、本日は新しいクラスの担任と生徒名が張り出されており、これを見た生徒達から歓声が起こっていました。昨日、入学した生徒以外はこれまで新校舎内への立ち入りを制限していたため、玄関を入って内部を見た生徒は素晴らしい施設を目の当たりにし本当に驚いている様子でした。そして、靴を履き替え各教室に入り、先生方から諸連絡を受けた後、8時50分から体育館で対面式を行ないました。
  まず体育館の東側前列に中学3年・2年生が、後列に高校3年・2年生が整列し、新中学1年生と新高校1年生が各クラスのプラカードを先頭に大きな拍手に迎えられて元気よく入場しました。
  その後、生徒会の委員による号令で、中学・高校の新入生と先輩がお互いに向き合い、それぞれの代表者が「よろしくお願いします」と声をかけあいました。 
  続いて、私から本年度新たに着任された先生方を紹介し、それぞれの先生からご挨拶をいただきました。これらの新しいメンバーを加え、本年度の本校における専任・常勤・非常勤・事務職員の数は102名になります。この後行なわれた始業式で、私は最初に雲雀丘学園の創立の経緯と創立の精神である「孝道」に触れた後、今月からスタートする『挨拶推進月間』にあたって、挨拶の大切さをお話しました。
始業式後は、学年・クラス毎に学級取り扱いの説明やクラス写真の撮影、新校舎の見学、大掃除を行ないました。
  
  実に慌しい一日でしたが、明日から本格的な授業が始まります。最初は色々な面での課題が出てくると思いますが、しっかりと対応していきたいと思っています。
  なお、入学式や始業式の式辞の内容、および保護者のオリエンテーションでお話した内容については順次紹介していく予定です。

2010年04月08日

中学校・高等学校入学式を終えて

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  4月8日(木)、昨日の寒さからは一転し、暖かい春の陽ざしが降り注ぎ、美しい桜の花が咲き誇る中、午前に中学校、午後から高等学校の入学式を行ないました。
  本年度の中学の入学者は156名、高校の入学者は244名となりましたが、共に学園創立60周年という記念すべき年の入学者ということになります。
  開式の辞に続き全員起立の上で国歌斉唱を行なった後、入学生の点呼と入学許可、学校長の式辞、常務理事・PTA会長の祝辞、祝電の披露、学園歌斉唱の順で約1時間にわたる入学式は終了しました。
  私は、中学入学式の式辞の中で、①雲雀丘学園の歴史と創立の精神 ②中学生活をスタートするにあたっての習慣づくり について取り上げました。
また、高校入学式の式辞の中では、学園の歴史について少し触れた後、松下幸之助氏のエピソードを取り上げ、①現状を受け入れプラス思考で行動すること ②当たり前のこと、簡単なことをしっかりやる人間になること を取り上げました。 
  引き続いて、教頭から新1年生の担任となる先生方の紹介があり、その後中央棟前の階段で高校新校舎をバックに保護者の方も含めてクラス毎に記念撮影を行ないました。
  写真撮影の後、生徒達がそれぞれ教室に分かれて担任から説明を受けている間の時間を利用して、「保護者オリエンテーション」を行ないました。このオリエンテーションは一昨年から実施しており、今年で3回目になります。『社会で役立つ力を育てる』というテーマで家庭と学校が連携して取り組んでいこうとするものです。そして、お子様の入学に合わせて保護者の皆さんにも新たな気持ちで、本校の教育の基本である〝共育〟と〝共学〟について実践していただこうという趣旨です。 
  中学・高校時代というのは、人生の中で最も多感な年頃であり、人間の基礎を固める時期でもあります。言い換えると、〝どのような学校生活を送るかでその人の将来が決まる〟と言っても過言ではありません。 私達教職という立場にある者は、〝生徒一人ひとりの人生を預かっている〟という思いで指導していかなければならないと 思っています。

2010年04月07日

入学式を明日に控えて

  4月7日(水)、新しい職員室で最初の職員朝礼を行ないました。私から昨日の披露式典のお礼と「創立六十周年にあたって、すべてのことを原点に戻って見直すと共に自分達の学校は自分達で守っていこう。気の付いたことはどんどん提案していただきたい。」という旨の話をし、各担当の先生方から入学式や始業式のスケジュール、校舎使用の留意点、時間割、クラブ紹介等に関する連絡がありました。
  その後、明日の中学校、高等学校の入学式の準備を行ないました。今年は全国的に桜の開花が早まり、入学式まで持つのかどうか心配していましたが、今も学園の桜が美しい花を咲かせてくれており、新入生の皆さんを温かく迎えてくれると思います。
  今日は中学校と高等学校の二つの式辞を筆で清書し、式後に保護者の皆さんにお話しするパワーポイントのレジュメの作成を行ないました。本校の教育の基本の考え方は「人間教育の充実」と「学力の向上」の両立です。人間力が上がれば必ず学力も向上します。そのため、資料の中身はほとんどが〝人間力の養成や社会で役立つ力〟が中心になっていましたが、本校の大学進学はどうなっているのか、心配されている保護者の方も多いと思いますので、今年の大学進学の状況も付け加えました。
  主な実績は ①国公立合格者は昨年度の25名から50名と倍増 ②旧帝国大学+神戸大学合格者は4名から14名と大幅増加 ③関関同立は111名から161名と45%増加 ④関東の有名私学は6名から23名と大幅増加 ということになっています。
  いずれにしても大学進学が最終目標ではありません。将来を見据えた生徒一人ひとりの進路の実現をはかっていくことが何よりも大切であると思っています。  
 なお、先日(4月5日)発売されたAERAの特集記事『公立に勝てる私立中高一貫80校』の中にも本校は紹介されています。
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2010年04月06日

学園創立60周年記念事業竣工披露式典・祝賀会

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  4月6日(火)、好天に恵まれ桜の花が咲き誇る中、来賓、理事・評議員をはじめ地域、学校、企業、PTA・同窓会、旧職員等の関係者、教職員が学園記念講堂に参集し、10時より学園創立60周年記念事業竣工披露式典を学園記念講堂で行ないました。
  最初に鳥井理事長の挨拶があり、次いで来賓の祝辞をいただきました。その後、安井建築設計事務所と竹中工務店への感謝状の贈呈を行ない、無事式典は終了しました。
  続いて、小学校の児童による和太鼓、中学・高校のギター・マンドリン部による演奏が披露されましたが、素晴らしい出来映えで、聴衆に感動を与えたのではないかと思います。演奏の後は、事務局長より高校の新校舎をはじめとする記念事業の説明があり、5つのグループに分かれて、高校の新校舎と小学校の運動場の見学をしていただきました。短時間の見学でしたが、多くの出席者の皆様からは、実に環境面に配慮した校舎であるという感想が寄せられました。見学の後、雲雀丘学園幼稚園において、祝賀会が開催されましたが、約1時間にわたって参加者同士が和やかに歓談されていたのが印象的でした。
  また、すべての行事が終了した後、学園の教職員全員による祝賀会と歓送迎会を行いました。
今回の60周年事業については、5年くらい前からプロジェクトがスタートし、学園に集う教職員が力を合わせて取り組んできたものです。まさに、〝全員の知恵と努力の結晶〟であるのは間違いありません。
  今年は学園創立60周年にあたりますが、原点に戻って教育活動の充実に取り組み、更なる飛躍を目指していきたいと思っています。

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2010年04月05日

元生徒会長の夢叶う

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  本校では環境教育に力を入れていますが、現在のように本格的に学校を挙げて取り組むようになるまでには、色々な動きがありました。これまでの経緯を振り返ると5年前愛知万博にあわせて世界各国からこども達が集い『こども環境サミット2005』が行なわれました。この中で「再生可能なエネルギー資源の利用や節水、ゴミのリサイクル等の約束宣言」がなされましたが、この環境サミットの日本代表団の中に、本校の中学1年生から3年生の12名が参加していました。
  その後、この生徒達が生徒会役員や学年のリーダーとして、文化祭でのゴミの分別や「マイ箸運動」を提起する等の環境活動を推進してきました。この活動の中で、新校舎建設にあたって処分される生徒用の机や椅子の再利用をはかることができないかを生徒会で検討しました。一時は海外の学校に送るという案も出されたようですが、輸送にかかる運賃の負担があまりにも大きいということで実現しませんでした。しかし、まだ十分活用できるものが、廃棄されるのは〝勿体ない〟の一言につきます。そのため、引き続き活用していただけるところがないか打診していたところ、この度、池田市の教育委員会から「譲り受けたい」との申し出があり、廃棄処分される予定の机と椅子が再利用されることになりました。
  4月3日(土)春休み中にも拘わらず、教育委員会の教育部長をはじめ、校長先生や教頭先生など40名程の教職員の方が来られ、生徒用の机・椅子630セットを仮校舎から搬出されました。また、4月5日(月)には、池田市の職員の方が、仮校舎で廃棄される掲示板を再利用するために来校されました。
  これまで、本校の生徒達が大切に使っていたものが、廃棄されるのではなく、また新しいところで活躍する場を与えていただけたことは、大変喜ばしいことであるのと同時に生徒会で検討していた〝元生徒会長の夢が実現した〟ということにもなります。
  環境教育に取り組む中で、私は常々「3つのR」-Reduce(リデュース)[減らす]、Reuse(リユース)[再使用]、Recycle(リサイクル)[再資源化]-を意識して取り組むことを全職員や生徒に訴えていましたが、今回のことはまさに「3つのR」の実践だと考えています。
  日本では工業化の進展に伴い、物を大切に使うという気持ちが薄らぎ、不要になるとすぐに廃棄するという〝使い捨て〟が主流になってきました。今一度、日本の伝統である〝勿体ない精神〟を取り戻すべきではないかと思っています。
  最後に、今回私どもの取り組みに協力いただいた池田市教育委員会にこの場をお借りして御礼と感謝を申し上げます。

2010年04月04日

継続は力なり

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  この校長通信を書き始めて5年目を迎えることになりました。最初の間は時々休むこともありましたが、お蔭さまでこの3年間は毎日掲載させていただくことができました。夜遅くパソコンに向っているため、たまに公開のボタンを押し忘れてしまうことがありましたが、翌日パソコンを開くと「昨日は掲載されていなかったが、どうしたのですか」というメールが入っており、慌てて公開したということもありました。毎日見ていただいている人がおられるというのは励みになります。それ以上に毎日掲載する材料を考えるということは、自分自身の勉強になります。以前は新聞や本を手にしてもざっと目を通したり、人の話も細部は聞き流していることが多かったようですが、しっかりと内容を理解しようという姿勢が強くなってきたように感じています。また、〝今日は疲れているから〟〝他にやるべきことがあるから〟〝時間がないから〟といったできない理由を取り上げて妥協してしまうと、たちまち挫折してしまうことになります。〝継続は力なり〟という言葉がありますが、継続することのポイントは、どのような時にも例外を作らないということではないかと思っています。
  
  ところで、私の尊敬している『志ネットワーク』代表の上甲晃氏は実に18年間にわたって、一日も休まず「デイリーメッセージ 日々新た」を書き続けておられます。また、毎朝、携帯に「上甲晃の志 一日一語」を届けておられます。携帯電話から空メールを送信することで簡単に登録できますので、ご紹介します。
    ibamoto@star7.jp
※登録は無料ですが、パケット代金がかかりますのでご注意下さい。

2010年04月03日

これからの学校経営~チャレンジ目標制度

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  これまで学校においては〝経営〟というよりも〝運営〟という視点が強かったようです。このやり方が通用するのは、環境の変化がほとんどなくすべてが右肩上がりの状態の時です。言い換えると、従来どおりのやり方をしておれば、大きな問題は生じないという時には効果的であったと思います。しかし、昨今のように環境の変化が大きな時には、従来踏襲型のやり方をしていれば必ずどこかに歪が出てしまうことになります。
  学校が企業と大きく異なるのは、〝企業が全体の方針が示された後に個々人に対する具体的な目標が決まる〟のに対して、〝個々人の裁量に任されてしまっている〟ということです。そのため、他では耳慣れない〝校長・教頭の下に教職員が横一列に並んでいるという意味の「鍋蓋(なべぶた)組織」〟や〝誰の指示も受けず自分の裁量で思い通りにやれるという「一国一城の主」〟というような言葉も耳にします。このやり方の長所は自主責任という点であり、高い志を持って積極的に行動する人が多ければ、大いに力を発揮することができます。反面、最低限のことだけをやるという人が増えれば機能しないということになりますし、各人が好き勝手なことをやっていれば、方向が定まらず全体としての力は減衰されてしまいます。
  一方、企業は従来の多段階のピラミッド組織の階層を減らし、意思決定の迅速化と自主責任制の強化をはかろうとしています。
  はっきりしているのは、これからの学校にとっては、従来型の「学校運営」ではなく、「学校経営」という視点が不可欠であるということです。そして、円滑な学校経営を進めていくためには、学校のビジョンや方針が明確になっていること、これに基づいて各分掌・各学年・各教科の計画が決定されていること、更に各人の目標設定に繋がっていることが大切です。
  本校では年度初めに学校の経営方針を発表し、各人がそれぞれの目標を設定し、年度末に振り返りを行うという『目標チャレンジ制度』を導入しています。
但し、現在これが十分機能しているとは言えません。
  本年度はこのシステムの精度アップをはかることによって、円滑な学校経営を進めていきたいと考えています。

2010年04月02日

本年度最初の職員会議の開催

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  4月2日(金)、9時より学園文化館視聴覚教室で専任教員、常勤講師、非常勤講師の皆さん全員に集まっていただき、本年度最初となる職員会議を実施しました。最初に私から新任者の皆さんの紹介を行ない、各人から挨拶をしていただいた後、中学・高校の経営方針を発表しました。既に、昨日の合同職員会議において概略の説明をしているため、本日は最終目標である2013年の姿を明示した後、激変する経営環境の中で取り組むべき重点課題に絞って話をしました。
  学校経営にあたっては「入口を固める」「校内を固める」「出口を固める」という3つの切り口で、それぞれの課題を解決し、良循環させていくことが大切です。そのためには、学校全体の方針を受けて各分掌、各学年、各教科が計画を立て、更に各教員がこの一年間にやるべきことを明確にしていくことが必要です。現在、本校はまさに正念場を迎えていますが、この難局を乗り切っていくためには全教職員のベクトルが同じ方向になっていなければなりません。
  約2時間にわたる職員会議の後は、新しい先生を含めて教科毎に会議の場を持ち、それぞれ細部の検討を行ないました。そして、午後からは一斉に職員室の新校舎への移転を行ないました。一部の建築委員以外の教職員は本日初めて新校舎に立ち入りましたが、普通教室、演習教室、職員室等の素晴らしい設備を目の当たりにし、感動している様子でした。それぞれの先生の机の配置も決まり、校内LANや防災システム、放送設備等の点検も終了しました。まだ、すべての移転作業は完了していませんが、これから新学期に向けて細かい準備を進めていくことになります。
  この快適な教育環境の下で、生徒達が充実した学校生活を送ることにより、人間力と学力を兼備した人材に育ってくれることを願っています。

2010年04月01日

新任式、合同職員会議の開催

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  4月1日(木)、いよいよ本日から2010年度がスタートしました。11時より、学園幹部出席のもと本年度新たに雲雀丘学園にお迎えした5名の先生を対象にした新任式を行ないました。本年度は例年に比べて新規の採用者は少なくなっており、中学・高校に来ていただくのはこのうちの3名です。新任者の自己紹介に続いて、常務理事から「学園を取り巻く厳しい環境」や「学園創立の経緯」「創立の精神は親を大切にするという『孝道』と『社会で役立つ人材の育成である』「基本方針は人間教育の充実と学力の向上の両立である」「学校改革が徐々に実を結びつつある」「目指すべき姿は関西を代表する素晴らしい学園である」「先生という仕事は素晴らしい」等の話がありました。
  その後、各校園長から祝辞を述べました。私は「教員というのは生徒の人生を決めるという意味で、実に大切な仕事であり、高い志を持って将来日本を背負って立つ子ども達を育てて欲しい。本学園の初代理事長である鳥井信治郎氏の口癖は〝やってみなはれ。やらなわかりまへんで〟というものであり、皆さんも失敗を恐れず大いにチャレンジして欲しい。」という話をしました。そして、最後に全員で記念撮影を行ない、新任式は終了しました。新任の皆さんには、新たな戦力としてこれからさまざまな面で新風を吹き込んでいただけるものと大いに期待しています。
  また、午後1時からは、学園の教職員が一堂に会して合同職員会議を開催しました。最初に本学園で30年・20年・10年勤務されている先生方の永年にわたる功績に対する勤続表彰があり、続いて学園および各校種から本年度の経営方針の発表を行ないました。時間が限られているため詳細な説明まではできませんでしたが、各校種の経営計画の概要は出席者に理解してもらえたのではないかと思います。大切なことは各校種の教職員が問題意識を持って自らの役割を果たすと共に校種の壁を超えて連携していくことです。学園に集う教職員が一つの方向に向かって行動すれば、60周年を機に大きく飛躍できるのではないかと思っています。