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2010年05月31日

教育実習のスタートにあたって

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  5月31日(月)、これから3週間にわたる教育実習がスタートしました。今年の実習生は14名で、全員が本校の卒業生です。職員朝礼で紹介した後、オリエンテーションを行ない、冒頭、私から教育実習にあたって、次のような話を行ないました。
  ①最初に〝挨拶〟の大切さをお伝えしたいと思います。「挨」は心を開く、「拶」は相手に迫るという意味であり、コミュニケーションの第一歩です。社会では〝挨拶に始まり、挨拶に終わる〟というくらい挨拶を大切にしています。それはコミュニケーションの第一歩であるからです。皆さんも是非しっかりと挨拶してください。
  ②今日から教育実習が始まりますが、忘れないで欲しいのは、生徒にとって教壇に立つ人は〝すべて先生〟であるということです。生徒達はあまり年の離れていない先輩の姿を大いなる関心を持って見つめています。実習生だからという甘えの意識はこの際払拭してください。
  ③学校が何のためにあるのかと言えば将来社会で役立つ力を身につけさせることです。そのためには、今社会で起こっていることを把握し、更にこれからの世の中がどのように変わっていくのかを常に意識しておくことが大切です。教員はともすると視野が狭くなり、人間的な幅も広がりません。社会の動きにも疎くなりがちです。そして、〝学校の常識は社会の非常識〟〝社会の常識は学校の非常識〟ということにならないようにしなければなりません。これを機に、必死になって勉強するようにしてください。
  ④雲雀丘学園中学・高校が日本の一般的な学校と思っては間違います。このことを知っておかないと将来教師はつとまりません。どのような学校でも教員として立派にやれるよう心しておいてください。
  また、実習生の皆さんには『教職を目指す皆さんへ』というレジュメのうちの3枚をお渡ししました。このレジュメのほとんどはこれまでの教育実習生や新規採用の先生方に指導してきた内容を見直し、加筆訂正したものです。現在、47のテーマを取り上げていますが、最終的には60のテーマにまとめていくつもりです。そして、明日以降もこれらのレジュメを順次実習生に渡していきたいと思っています。

2010年05月30日

高校3年保護者対象進路講演会の開催

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  5月29日(土)の午後から、高校3年生の保護者を対象に河合塾の高田宣孝氏による進路講演会を開催しました。高校3年生にとっても来年度の大学入試センター試験まで残すところ約7ヵ月半ということになります。また、私立大学のAO入試や推薦入試等までは数ヶ月しかありません。保護者の皆さんにとっては子どもの進路について気になるのは当然のことであり、土曜日ということもあって100名を超える方が熱心に耳を傾けておられました。講演の内容は「2010年度の入試の概要」に始まり「2011年度入試の展望」「2011年度私立大の主な入試変更点」「2011年度新設大学・学部」等多岐にわたりました。また、大学入試の基礎知識についても丁寧に説明していただきましたが、近年入試が多様化し保護者の皆さんの持っておられる大学入試のイメージとは大きく変わっています。
  いずれにしても、子どもの受験期には親としての不安や悩みの種は尽きないと思いますが、親ができるだけ自然体でいることが大切です。そして、目標を下げたり、大学のブランド名にとらわれる等の安易な道を歩ませない指導が不可欠です。また、できれば将来の仕事についても機会を見つけて話し合っていただきたいと思っています。大学受験は個人の戦いであるように思われがちですが、実は「団体戦」なのです。これからクラスの仲間や家族がお互いに協力して受験に臨むことにより、希望する進路の実現をはかって欲しいものです。

2010年05月29日

環境宣言の日にあたって

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  本日(5月29日)は『環境宣言の日』にあたっています。そして、6月と7月の2ヶ月を環境月間に定めています。
  昨日も生徒会担当の先生から教職員に対して、ホームルーム等を通じて生徒一人一人が環境活動について考え、行動に繋げていくための話をして欲しい旨のメールが届けられました。また今朝は、私からも『3R』『5R』『10R』についてのメールを発信し、職員朝礼で紹介しました。
  参考までに『3R』というのは、「Reduce(ゴミをださない)」 「Reuse(何度も使う)」 「Recycle(再資源化する)」ということです。
  『5R』というのは、上記に 「Refuse(拒否する)」「Repair(修理する)」を加えたものです。
  また、最近出てきた『10R』という言葉は、この5つに「Refine(分別する)」「Rethink(本当に必要かどうか再考する)」 「Rental(借りる)」 「Return(戻す)」  「Reform(改良する)」を加えたものです。
  これらを総合的に考えると、ゴミと資源に関係する問題を解決していくということになります。これまでこのブログでも何回か取り上げていますが、環境問題はすべて人間の行動が引き起こしたものです。この環境宣言の日にあたって、今一度、『3R』の基本である〝使い終わった後に出るゴミの量を少なくする。〟〝一度使ったものをゴミにしないで何度も使うようにする。〟〝使い終わったものをもう一度、資源に戻して製品をつくる。〟といった取り組みを徹底することにより、我々が住むかけがえのない地球の環境を守っていきたいものです。

2010年05月28日

ワイカト大学のフィンチ先生が来校

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  5月28日(金)午後、ニュージーランド語学研修でお世話になっているワイカト大学の研修責任者であるレスターフィンチ(Lester Finch)氏とこの研修の担当者である曽我部さんが来校されました。フィンチ氏との最初の出会いは3年前のニュージーランド研修の付き添いとして、ワイカト大学を訪問した時であり、当時はまだ国際科があり、9週間という長い語学研修の期間でした。
  同氏は以前「イヌイット」に関心を持って研究されていたようですが、現在は〝幕末に薩摩藩士が参勤交代の途上イギリス人を殺傷し、後の薩英戦争の原因となった〟「生麦事件」に大変興味を持ち、さまざまな文献を調べておられるようです。色々とお聞きすると、イギリス人から見た生麦事件の書物は数多くあるが、日本人からは、この事件をどのように見ているのかを知りたいとのことでした。今回の来日を機に、その文献を入手したいということで、本日も本校に来る前に、関西大学に行って色々と調査してきたとのことでした。彼からこの事件のことを端的に表わす言葉を筆で書いて欲しいという依頼があり、色々と考えましたがなかなか適当な言葉が見つかりません。最終的に〝異なる文化を理解する〟という言葉にし、色紙をお送りしました。その後、新校舎を見学していただき、お別れしました。
  これからのグローバル社会においては、生活習慣も宗教も物の考え方も異なる人達と一緒に暮らしていかなければなりません。今年も高校1年生と2年生の生徒15名が7月19日から8月19日まで、ニュージーランドへ語学研修に行くことになっています。まさに、異文化を理解し受け入れるという気持ちで研修に参加して欲しいと思っています。

2010年05月27日

新校舎見学会の開催

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  5月27日(木)、塾の皆さんを対象に「新校舎見学会」を開催しました。最初に私から挨拶とお礼を述べ、続いて教頭から「学校の概要」、建築委員の先生から「新校舎」について説明させていただきました。私の話の内容は次のとおりです。 
  
  〝(Ⅰ)今、時代はめまぐるしく変化してきており、最近では“マウスイヤー”という言葉が使われるようになってきました。これまで、10年間で徐々に変化してきたことが、わずか1年で変わってしまうくらい時代の変化が早いということではないかと思います。このような時には大きな視点に立つことが大切です。ところが、残念なことに日本はあらゆる分野でグローバル化の波に乗り遅れてしまいました。我々の教育界も例外ではありません。このグローバル化という視点に立って考えると
  ①世界の人口は、現在68億7000万人に達しました。1900年の人口が17億人ですから、わずか110年の間に4倍に増加したということになります。そして、1日に20万人、1年間で8000万人増加してきています。こうして私がお話をしている1分間で実に150人の人口が増えていることになります。
  ②そして日本にとってショッキングなことは、BRICsをはじめとする新興国がめざましい経済成長を遂げており、間もなく日本のGDPは中国に抜かれ、世界3位に転落します。
  ③日本企業のランクも低迷してきており、かつて花形であったエレクトロニクス企業を見ても、ソニー・パナソニック・シャープ・日立・東芝など日本の8社をたしても、韓国のサムソン一社に勝てない状況になっています。また驚くべきことは、サムソンの新入社員の採用の実態です。採用基準はTOEICの点数が910点であり、課長への昇進の条件は900点です。そして韓国の中学高校のトップ校では、すべて英語による授業が行われているとのことです。
  ④このままでは、技術立国としての日本の地位も早晩崩れてしまいます。この地位を守っていくためにもグローバル人材の育成が極めて大切です。皆さんの会社、私達の学校が連携して、将来の日本を背負って立つ子ども達を育てていかなければ駄目だと思っています。
  (Ⅱ)次に、本校の学校改革の取り組みを若干紹介させていただきます。
  4年前に、高校におけるコース制の導入を柱とする学校改革をスタートさせ、翌年(平成20年)からは中学改革に着手しました。この改革の基本の考え方は、創立の精神である親を大切にするという“孝道”であり、社会で役立つ人材を育てるということです。そのために人間としての根っ子である人間力と学力の向上の両立をはかり、きめ細かい進路指導を行なっていきたいと考えています。
  (Ⅲ)最後に生徒の「安心・安全」ということを、第一に考えて、さまざまな取り組みを行ない学習環境を整えてきました。今回の高校校舎の新設にあたっては“ゆとり”と“エコ”をテーマに、校舎そのものを生きた環境教材として建設を進め、太陽光・屋上緑化・LED等を採用しました。さまざまな環境問題は、すべて人間が作り出してきたものであり、環境に配慮するということは、人間に対するやさしさや思いやりにつながることになります。本校ではこの環境教育を人間教育の一つの柱にしていきたいと思っています。〟

  その後、いくつかのグループに分かれて、校舎の見学をしていただきましたが、参加された皆さんは、実に恵まれた教育環境が整っていることを実感されたのではないかと思っています。当初は生徒達の授業の様子をご覧いただきたいと考えておりましたが、教職員全員でお迎えしたいという思いで、あえて定期考査の日にさせていただきました。今後、是非、生徒や保護者の皆さんと見学にお越しいただきますようお願いします。本日はご多用中のところ本当に有難うございました。


2010年05月26日

環境の日に向けて

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  本校では2年前の5月に環境ジャーナリストの枝廣淳子氏に「不都合な真実を超えて」というテーマで基調講演していただき、環境宣言を行ないました。そして、この日(29日)を『環境の日』に制定すると共に、その後、サントリー株式会社からも支援をいただき、授業や文化祭・研修旅行・環境フォーラム等の学校行事を通じて積極的な環境教育を推進してきました。一方で、生徒会を中心に省エネ(風紀委員会)、ゴミ分別(美化委員会)、エコ活動推進運動(文化委員会)、地産地消の西谷野菜や自家栽培野菜の活用、エコキャップ運動(厚生委員会)、運動靴のリサイクル、緑化運動等さまざまな取り組みを行なってきました。これらの環境活動は現在の生徒会の執行部にも引き継がれており、先日の全校朝礼でも、生徒会役員から『マイ エコ運動』が提唱されました。環境については単に知識を習得すれば良いというものではなく、「学び 考え 行動する」ということが基本であり、環境活動を更に強固なものにしていくためには、生徒の一人一人が自主的に行動していくことが大切です。
  今、地球温暖化をはじめ、オゾン層の保護、大気環境・水環境・土壌環境・地盤環境・廃棄物対策、化学物質対策、森林保全、自然環境保全等さまざまな環境問題が取り上げられていますが、これらは全て人間の行動そのものが引き起こしてきたものなのです。これまで、私達はあまり意識せずに環境を悪化させてきたことが数多くあります。「環境問題は人間問題である」と受け止め、かけがえのない美しい地球を守るため、また、後の世代に私達が何を残せるかを考え、まず、身近なできることから行動を起こしていきたいものです。

2010年05月25日

定期考査始まる

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  5月25日(火)、降り続いていた雨も止み、天気も完全に回復しました。早朝より生徒達は教科書や参考書、プリントを片手にやや緊張の面持ちで登校してきました。本校では、本年度より3学期制の導入をはかることにしましたが、今回はその最初の試験ということになります。今日まで、多くの生徒達は解らないところを真剣に先生に質問してきており、最終的には良い結果が得られるのではないかと思っています。
  今、わが国では知識や学力を判定するために、いたるところで色々な試験が実施されています。これらの試験は〝限られた時間内で特定の問題に対しての理解度を把握する〟ということになっていますが、これで全ての能力を完全に把握することは不可能であるのは当然です。そして、このことは今日から始まる定期考査についても同じことが言えます。現在、教育界においてもさまざまな試験が行なわれていますが、合否を判定すべき入学試験と校内で実施する試験とは性格が異なります。今回の定期考査において考えなければならないことは、生徒にとっても先生にとっても、この試験結果を冷静に受け止めることです。つまり、生徒にとっては〝何ができなかったのか、何故できなかったのか〟を明確にすること、先生にとっては生徒の理解度がどうだったのかを把握し、自らの教え方や出題のやり方を見直す機会にする、ということです。いずれにしても、結果を素直に受け止めて新たな取り組みをスタートさせることにして欲しいと思っています。

2010年05月24日

大雨警報発令時の緊急対応

  5月24日(月)、西日本を中心に大雨に見舞われ、大阪府や兵庫県では大雨警報が発令されました。更に、兵庫県の一部には大雨警報より警戒レベルの高い土砂災害警戒情報が発表されました。本校では通学地域を考慮し、大雨や暴風警報が兵庫県(阪神)または大阪府(大阪市・北大阪)のいずれかの地域に発令された場合には「午前7時までの解除は平常どおりの授業」、「8時までの解除は9時45分より授業」、「午前9時までの解除は10時45分より授業」を行なうことにしており、生徒手帳にも記載しています。
  本日は9時時点でも警報が解除されておらず、天気予報では今後益々風雨が強まることが予想されるため、やむなく臨時休業にすることにしました。登校してきた生徒は多い学年で20数名という状況でしたが、教室で待機してもらった後、風雨の状況を確認し下校してもらいました。また、高校生については今日から定期考査が始まることになっていましたが、「1時間目のテストは水曜日の3時間目に」「2時間目のテストは金曜日の3時間目に」「3時間目(高校3年生のみ)のテストは木曜日に」振り分けることにしました。このため、試験日が1日少なくなり、逆に1日の試験科目は増えることになります。そして、この内容を昨年度から導入した緊急連絡網を使って各家庭にお伝えしました。明日は当初の予定通り、中学・高校共定期考査が行なわれます。生徒の皆さんは明日に備えてしっかりと学習に集中して欲しいと思っています。

2010年05月23日

マイ エコ運動の実践~生ゴミをなくす

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  先日、生徒会の役員から地球の環境を守るという趣旨で『マイ エコ運動』が提唱され、この取り組みの例として「魚や肉、野菜や果物等はトレイにパックされた物より、バラ売りになっている物を買う」「必要以上の物を買わない」、「ハンド・ソープやシャンプー等は詰め替え商品を選ぶ」、「過剰包装や本のカバーなど不必要だと思われるものは断る」「レジ袋はできるだけ受け取らないようにする」といったことが紹介されました。
  私の家庭でも「電気をこまめに消す」「寝る前には主電源を切る」「エアコンの温度を調整する」「エコバッグを使う」「水を節約する」「生ゴミを出さない」「ゴミを分別する」等の取り組みを行なっています。特に、生ゴミについてはほとんど肥料化して野菜栽培に使っていますが、肥料化しにくいものもあります。先日、和歌山で収穫してきた夏みかんの皮もそのままでは生ゴミとして処理せざるを得ないため、休日を利用してマーマレードを作ってみました。このような工夫によってゴミになるものが無農薬、無添加の安心・安全な食材に生まれ変わりました。
  一口に「環境」と言っても、エネルギー・食糧・水・ゴミ等非常に広範囲にわたっています。環境に対する取り組みの特徴は、〝一人の力ではどうすることもできなくても、多くの人が力を合わせることによって大きな成果に結びつく〟ということではないかと思います。これからも自分達ができる身近なことから始めていきたいものです。

2010年05月22日

国際成人力調査(PIAAC:ピアック) の実施 

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国際成人力調査(PIAAC)のパンフレットより

  OECDが世界の15歳の子どもたちを対象として行なっている「国際学習到達度調査(PISA)」の結果については、日本の子ども達の学力低下が顕著になってきているということが指摘されています。それでは、大人能力はどうなっているのでしょうか。これまでこのような国際的な調査が行なわれたことはありませんでしたが、ついに、経済協力開発機構(OECD)による「成人が社会で必要とされる能力」を測定する初の世界的調査「国際成人力調査(PIAAC:ピアック)」が2011年に実施されることになりました。
  一口に言うと、ピアックは、「国際学習到達度調査(PISA)」の大人版で、日本、アメリカ、イギリス、フランス、フィンランド、韓国など計25カ国が参加することになっています。内容は16~65歳を「成人」として各国で無作為に抽出された男女5000人を対象にピアック調査員が直接面接、パソコンを使って出題するというものです。
  問題は「読解力」「数学力」「ITを活用した問題解決能力」の3項目が用意されており、〝「読解力」や「数学力」では、文章や図表の情報を読み取って分析し活用する能力などを測定する。「ITを活用した問題解決能力」の調査では、たとえば「ウェブ上の情報を確認して自分のスケジュールを調整し、メールする」といった内容の指示を受けて、調査のために独自に作成されたメールソフトを使って「回答」する。また、学歴、職歴、収入のほか職場で求められている技能の内容、新聞・雑誌、学術論文を読む頻度などの回答データも測定に使われる〟ことになっているようです。
  この結果は2013年に世界同時公表されますが、OECDでは、これらの結果の分析から成人に必要な「社会対応能力」を特定し、(1)各国の成人が持つ能力、(2)個人の能力と社会的な成功・経済成長との関係(3)教育や職業訓練制度の効果―を把握し、将来の政策に活かすことを目的としています。
  また、日本も、文部科学省の国立教育政策研究所が中心となって、2010年に予備調査、2011年夏に本調査を実施し、「日本の大人の学力」の把握に取り組むとともに国際比較を行なうことによって、世代間の能力差など、日本の教育について考えるソースにしたいという狙いのようです。
  本校では〝保護者も先生も共に学ぶ〟という「共学」を掲げていますが、大人も常に勉強するという姿勢が大切であると思っています。どのような調査結果になるのか、関心を持って見守っていきたいものです。

2010年05月21日

日本の競争力急落

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  この度、IMD(スイスの有力ビジネススクールである経営開発国際研究所)が発表した『2010年の世界競争力』の結果は大きな衝撃を与えています。これによると、世界における日本の総合順位は58カ国・地域で27位と、昨年の17位から急落しました。この調査は毎年実施されていますが、「経済状況」「政府の効率性」「ビジネスの効率性」「社会基礎」の分野で約300項目の統計や独自調査の結果を分析し、順位を発表しています。1位はこれまでのアメリカを抜いてシンガポール、2位は昨年と同様香港、3位はアメリカとなっていますが、アジアの国々がランクを上げている中で、日本の低迷振りが目を引く結果となっています。アジア勢は台湾が「ビジネスの効率性」が高く評価され、23位から8位に大躍進、中国が20位から18位に、韓国が27位から23位にランクを上げました。これに対して、日本は「経済状況」が大幅に低下し、「政府の効率性」では膨張し続ける財政赤字が評価の足を引っ張りました。この調査が始まった1989年から93年までの5年間、日本がトップであったことを考えると、この20年近く一体何をしていたのか慙愧(ざんき)に堪えません。
  特に、日本の法人税の高さに関しては、58カ国・地域で最下位となり、外国人労働者や外国企業の受け入れ態勢も低い評価となりました。また、製造業への社員の派遣が制限されることになると、国際企業は軸足を日本から海外に移すことになり、〝空洞化〟が生じることになります。こうなると、雇用情勢が一段と厳しくなるのは避けられません。企業の国際競争力を高めるためには、法人税の見直し、政府の強力な支援、さまざまな規制緩和を早急に行なわなければなりません。また、公的債務という負の遺産を後世に引き継がないためには、税金の無駄遣いを徹底的に排除すると共に消費税の引き上げ等税制の見直しを図っていかなければならないのではないでしょうか。日本国民全員が意識を改革し、危機感を持って取り組んでいくことが何よりも大切であると思っています。

2010年05月20日

私立学校養護教員研究会総会の開催

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  5月20日(木)、兵庫県私学会館において『兵庫県私立学校養護教員研究会総会』が開催され、会長として出席しました。
  昨今、生徒達を取り巻く環境は大きく変化しており、一人ひとりの生徒の事情もそれぞれ異なっています。これに伴い、養護教員の役割も複雑多岐にわたってきています。開会にあたって、私は「学校においては怪我や伝染する病気・心のケア等さまざまなことが起こるが、何かが起こってから対応するというケースが多すぎるように感じている。常に、〝予防する〟〝芽生えの段階でいち早く兆候を掴み対応する〟〝何かが起こったときには迅速に動く〟〝事後の対策を考える前に管理職に報告する〟といった危機管理の重要性についてお話しました。次いで養護教員としての専門性を高めるには、自ら仕事の枠を設けるのではなく、食育や睡眠、保護者の対応等幅広い勉強をして欲しい。そして、ヘッドワーク、フットワーク、ハートワークをベースに、生徒が入りやすい保健室を目指して欲しい」ということを話しました。
  続いて、兵庫県西宮こども家庭センターの塚元重範所長から『子どもたちの心の危機への対応と支援』というテーマで、実際に起こったいじめや虐待の事例を紹介いただきながら講演していただきました。西宮のセンターだけで、平均すると毎日20件くらいの相談があり、そのうち4件はいじめや虐待に関するものであるとの事です。その後、相談場面における面接技法をケーススタディーの形で学習しました。
  講演を通じて感じたことは〝どこかで起こっていることは自分達の身近なところでも起こっていると考えなければならない〟〝いじめや虐待についてはそれぞれの物差しが違っている〟〝面接にあたっては、まず受け入れて心を開かせる〟等です。
  学校において、養護教員の役割は非常に重要になってきています。これからも生徒達にとって信頼される養護教員を目指して欲しいと思っています。

2010年05月19日

高校全校朝礼(グローバル化~日本を客観的に見る)

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  5月19日(木)、高校の全校朝礼を講堂で実施しました。部活動の表彰の後、準備してきた世界地図を見せながら「グローバル化」というテーマで次のような趣旨の話をしました。
〝皆さんは、今大学への進学を目指して、勉学に励んでいます。そして、大学を卒業すると社会に出ることになります。高校3年生の皆さんは5年後に、高校1年生の皆さんは7年後に、社会に出てそれぞれの分野で活躍することになりますが、“その時の社会はどうなっているのか”ということを、しっかりとつかんでおくことが大切です。5年後や7年後のことですから、明確にはわかりません。しかし、世の中がどういう方向に進んでいくのかという“トレンド”を押さえておけば、ある程度の予測は可能です。
これから日本において避けて通れないトレンドは、大きく3つあります。
 1つ目は情報化、2つ目はグローバル化、3つ目は少子高齢化です。
 3つ目の少子高齢化は日本をはじめとする先進諸国の問題ですが、1つ目の情報化と2つ目のグローバル化はお互いに影響しながら進んできます。グローバル化というのは、“グローブ”が地球という意味ですから、地球規模で色々なことが起こってくるということになります。一例をあげるとイチロー選手の活躍ぶりやオリンピックの状況や世界中の色々なニュースがすぐに伝わってきます。またインターネットの急速の普及によって、人の壁・時間の壁・地域の壁がなくなってきています。そして、ヒト・モノ・カネ・情報が国境を越えて移動することになります。そうなると、いかにグローバルな視点で物事を見られるかどうかが、極めて大切になってきます。言い換えると、日本という国を中心に考えて行動するのではなく、日本を客観的に見ていくということです。
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  これは日本を表した世界地図ですが、日本が真ん中にないため、皆さんは何か違うという印象を持つと思います。アメリカやヨーロッパから見ると、日本はユーラシア大陸の一番はしに位置しています。そして中国のすぐ近くにある「人口が中国の10分の1という小さな島」というように見えます。
  これまでは一流大学を卒業すれば一生安泰であり、ほとんど日本の中で生活をするという時代でした。しかし、これからはグローバル社会の中で「何ができるのか」「何をしてきた」が重要になってきます。つまり、日本の1億2千万人を対象に仕事を考えるのではなく、世界の70億人~80億人を対象に考えていくということです。世の中に役立つ仕事は無限にありますが、これらをやるためにしっかりとした学力の裏づけ、基礎づくりをしておいて欲しいと思います。〟

2010年05月18日

全校朝礼における校長講話

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  本校では、行事や試験中を除き、毎週水曜日に全校朝礼を実施しています。これまで高校校舎の新設に伴い、仮校舎が建設されるまでは中学1年から高校3年まで全校生を対象にグランドで実施していました。通常は対外表彰の後、校長の話をしていましたが、これだけの年齢差があると、内容が中学生にとっては難し過ぎ、逆に高校生については易し過ぎるということが出てきます。そのため、どうしても表面的な話になりがちでした。その後、グランドが使えなくなったことにより、体育館や講堂において中学と高校別に全校朝礼を行なうことになりましたが、思わぬメリットもありました。その最大のものは、それぞれ話の内容を変えて話ができるようになったことです。今は校長として生徒達に直接話しする機会はあまりないので、この時間を大切にしていきたいと思っています。
  本校では生徒達に〝将来社会で役立つ力〟を身につけさせようとしていますが、そのためには教職員自身が社会のトレンドや政治・経済の実態、企業動向といったことをつかんだ上で、生徒達にそれぞれの教科における学力向上をはかっていくことが必要です。しかし、毎日教科指導や生活指導、進路指導に忙殺され、なかなか世の中の変化について情報を入手するという時間的な余裕がないというのが実情です。
  従って、全校朝礼ではできるだけ社会の動きと学校の授業を結びつけるような話題を提供していきたいと考えています。多くの切り口がありますが、今後は中学生に対しては「環境」というテーマで、高校生については「グローバル化」というテーマで話していきたいと思っています。どれ位のことを伝えられるか分かりませんが、生徒達が何かをつかんで、自分の将来について考えるきっかけにして欲しいものです。

2010年05月17日

IT化の推進による革新

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  昨今のIT化の進展は目を見張るものがあり、個人的にパソコンを保有している人も年々増加の一途を辿っています。また、民間企業においても一人一台のパソコンを貸与しているところが珍しくありませんが、概して学校においてはIT化の遅れが目立っています。この結果、パソコンを活用すれば、ごく短時間で処理できる仕事に多大の時間と労力をかけているケースが散見されます。
  このような中で、本校は校内LANが敷設され、各人毎にパソコンが使用できるという恵まれたIT環境下にあり、かなりの事務作業の軽減がはかられています。しかし、現在学校改革の中で目指しているのは〝経営戦略の一環としてのより高度なITの活用〟です。つまり、事務を円滑に処理するというレベルから「情報の共有化をはかる」「迅速な意思決定を行なう」「上意下達・下意上達を円滑にする」等により『学校経営の仕組み』『教職員の行動』『風土』を変え、ベクトルを合わせていこうとすることを狙いとしています。そして、最終的にはパソコンをフル活用することにより余裕時間を生み出し、生徒に対する教科・生活・進路・部活動等を指導する時間や授業力を高めるための教材研究の時間を増やすことを目指していきたいと思っています。
  そのために、これからはITスキルを向上させるための研修を行ない、新たな取り組みに繋げていく予定です。なお、参考までに本校でのIT活用事例は次のようなものです。
  
  ①教職員間の個別メール     ②職員会議の仕組みの変更
  ③各種会議の仕組みの変更    ④月間スケジュールの公開・共有化
  ⑤校内掲示板の設置       ⑥成績処理
  ⑦出欠管理           ⑧経営管理の仕組みづくり
  ⑨情報の共有(分掌・学年・教科) ⑩広報・進路情報の公開
  ⑪教材の共有化         ⑫学校提言の仕組みづくり   
  ⑬アンケートの実施方式     ⑭休暇予定の管理(動静表)     
  ⑮スケジュール調整(面談)   ⑯相互授業参観予定
  ⑰ホームページによる情報発信  ⑱各種経営情報の管理 
  ⑲事務室での情報管理      ⑳教職員の休暇・出張情報 等 

2010年05月16日

世界経済の動向~金融恐慌の持つ意味

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  将来社会で活躍するためには、これから世の中がどのようになっていくかをしっかりと把握しておくことが大切です。とりわけグローバル化がますます進展する中にあっては、常に世界経済の動きを注視しておかなければなりません。それでは、現状はどうなっているのでしょうか。
  2008年から2009年にかけての世界経済はアメリカに端を発したサブプライム問題とリーマンショックの影響で大きく落ち込みました。各国は金融機関への資金の注入、超金利政策の導入や国内需要喚起のための景気対策等さまざまな対応を行なってきました。しかし、世界経済は未だに本格的な回復には至らず、後遺症にもがき苦しんでいます。
  この最大の原因は、世界経済がアメリカの過剰な個人消費に支えられた歪(いびつ)な状況に依存してきたからです。分かりやすく言えば、アメリカでは個人が金融機関から借金をして消費に回していました。そして、多くの国はアメリカに輸出することによって経済成長を達成してきていたのです。しかし、今回のリーマンショックの結果、アメリカでは金融機関からの個人の借り入れができなくなったため、一気に経済が破綻しまいました。これが世界全体に波及することになり、日本においてもアメリカへの輸出依存度が高かった輸出産業を中心に大きな打撃を受けることになりました。その後、G7と呼ばれるアメリカ、日本、カナダ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア等の先進諸国においては懸命な景気対策を講じましたが、経済は今も本格的に回復しない状況が続いています。一方、中国をはじめとする新興国経済は個人消費や公共投資の拡大によって回復の兆しを見せ始めています。
  アメリカ発の金融恐慌の持つ意味は〝世界経済の牽引役が先進国から新興国へと交替する〟言い換えると〝アメリカの一極体制から世界多極化体制へ移行する〟可能性が高まってきたということではないかと思います。

2010年05月15日

強い思いが道を拓く

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  本校に入学する生徒はほとんど全員が大学進学を目指しており、希望する大学に合格するために必死に努力しています。しかし、大学に進学するということが最終目的ではありません。あくまで社会で活躍するための専門知識やスキル、幅広い教養、人間力等を身につけるための場なのです。このような考え方に立てば、将来どのような仕事に就きたいのかを明確にして大学・学部を選ぶということが大切になってきます。
  本日は、高校時代から将来の進路を考えて大学に進学したN君を紹介したいと思います。N君は今週の木曜日に来校し現役後輩諸君に話をしてくれました。
  彼は高校時代から自動車が好きで、慶應義塾大学の電気自動車研究室に進みたいという強い思いを持っており、SFC(湘南藤沢キャンパス)のAO入試に挑戦しました。この時に彼が示したのは「自分の人生を、良い自動車社会を作ることに捧げる」 という言葉でした。そして、この思いが認められ見事合格し、入学後は自動車開発の現場体験、これまで憧れていた多くの人達との出会い、EVタクシーコンペにおける研究室としての優勝、車の開発にあたってのコンセプトづくり等を体験しました。N君は現在四年生ですが、既に自分の希望する某自動車メーカーに就職が内定したとのことです。
  実は昨年、N君は企業の就職試験を受ける直前に、自動車業界を取り巻く環境や課題、面接にあたっての心構え等について教えて欲しいということで、私のところにやって来ました。その時に色々とアドバイスしましたが、「何としても自動車に関係した仕事をしたい」という強い思いがひしひしと伝わってきました。今回、彼の夢が実現したという事をお聞きし、本当に良かったと思っています。しかし、これからがいよいよ本番です。社会に出てさまざまな経験をすると思いますが、是非〝良い自動車社会を作ることに捧げる〟という初志を実現して欲しいものです。
  後輩達に伝える最後のメッセージは「自分の好きなことをした方が絶対楽しい」 です。何事も強い思いがなければ実現しません。自分の好きなことを真剣に考え、それを追求していくことで必ず道は拓けると思っています。


2010年05月14日

メタセコイヤの命を引き継ぐ

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  高校の新校舎の建設に伴い、植え替えをしたメタセコイヤから次々と新芽が吹き出してきました。随分大がかりな移植工事であったため、うまくいくかどうか心配していましたが、この分では多分根も十分に伸び順調に成長してくれるのではないかと思います。このメタセコイヤは以前、現在の場所から数メートル離れた中央棟前に植えられていました。ところが、建設の設計図が出来上がってくると、この木がどうしても建物にかかってしまいます。そのため、この木を切るか、さもなければ校舎の一部を変形するかという選択を迫られました。しかし、どちらをとっても問題が残ることになります。智恵を絞り、専門家の意見を聞いたところ、移植できるかもしれないという結論に達しました。そして、校舎建設に先立ち、大がかりな移植工事を行なうことになりました。
  このメタセコイヤのルーツについて紹介すると、本校には、今回移植したメタセコイヤの親木があるのです。高校校舎と中央棟の間にもう一本メタセコイヤが植えられていますが、実はこの木が親木なのです。この木は生物学者であった三木茂博士から、今から55年前の昭和29年(1954年)に中学校舎竣工の際にお祝いの記念樹としていただいたものです。その後、昭和38年(1963年)高校校舎の4階を増設した時に親木から実を採って中央棟前に植えつけたのが、このメタセコイヤなのです。そして、日当たりの良い場所に植えられたため親木を凌ぐ高さに成長したのです。
  このメタセコイヤは一時絶滅したと思われていましたが、今から65年前に中国の四川省で、化石ではなく実際に生育しているメタセコイヤの木が発見され、当時は〝生きた化石〟として世界中で大きく報道されました。この中国で発見されたメタセコイヤの種子がアメリカのハーバード大学に送られ、更にその苗木百本が日本に空輸されましたが、本校の親木はそのうちの一本なのです。
  今回移植したメタセコイヤには何百万年という長い年月を経て脈々と受け継がれてきた命が宿っています。現在、本校は「環境教育」に取り組んでいますが、〝あらゆる生き物の命を大切にする〟ということは、環境教育の大きな柱でもあります。このメタセコイヤを生きた教材として語り継いでいきたいものです。

2010年05月13日

えんどう豆の収穫とトマトの開花

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  今、世界は〝人口爆発〟と言われるくらい、人口が急激に増加してきています。このため、これから食料、水、エネルギーが不足してくることは避けられない状況です。しかし、日本ではこのことに対する危機意識は極めて薄いのです。そして、これらを〝大切にする〟という気持ちが忘れられ、無駄にしているケースが散見されます。とりわけ、食料の約6割を輸入に頼っている日本にとっては〝自分達の命を維持していくための基本である食料問題について、全ての国民が関心を持ち、食料自給率をあげるための具体的な取り組みが必要です。
  本校では2年前から本格的に環境教育をスタートさせ、この一環として野菜栽培を行なっています。本年度は昨年度のトマトとゴーヤ・サツマイモに続いて、生徒会と科学部の生徒達がえんどうを植え付けました。お蔭様で順調に成長し、多くの花をつけ実が大きくなったため、先日生徒達と収穫し、本日食堂の方に調理をお願いし、昼食時、生徒達に提供していただきました。
  また、この大型連休前にサントリーから送っていただいたトマトの苗の植え付けも行ないました。その後、2週間が経過しましたが、早いものは花が咲き始めています。やがてたくさんの実をつけてくれることと思いますので、これも食堂の方にお願いして、生徒達に食べてもらうことにしています。恐らく、生徒達も自分達が手間ひまをかけて育てた野菜を粗末に扱うことはしないでしょうし、その味は格別ではないかと思います。
  また、生徒達の中には、自分の家で野菜の栽培を始めた人もいるようです。このような体験を通じて、生徒達が是非食料の大切さを学んで欲しいと願っています。

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2010年05月12日

生徒会が『マイ エコ運動』を提唱

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  5月12日(水)、中学の全校朝礼を行ない、昨日準備していた「地球の生い立ちと環境問題」について話をしました。続いて、生徒会副会長から次のような『マイ エコ運動』の話がありました。
〝皆さん、5月29日は、何の日か知っていますか。この日は、本校の『環境宣言の日』です。2008年環境ジャーナリストの 枝廣淳子(えだひろじゅんこ)氏の講演を機に、5月29日を『環境宣言の日』と制定し、6月、7月を環境月間とすることを決めました。
  生徒会では、省エネ(風紀委員会)、ゴミ分別(美化委員会)、エコ活動推進運動(文化委員会)、地産地消の西谷野菜の活用、エコキャップ運動(厚生委員会)、運動靴のリサイクル、緑化運動などさまざまな取り組みを行なっています。また、今後も継続し発展させていこうと考えています。しかし、生徒会や委員会の活動だけで終わってしまってはいけません。大切なのは、みなさん一人一人が、環境活動について考え、一人一人の意識を高めていくことです。
  そこで、今回、生徒会では『マイ エコ運動』を提唱します。かけがえのない美しい地球を守るため、また、後の世代に私達が何を残せるかを考え、まず、身近なことから行動に起こしましょう。
  例えば、魚や肉、野菜や果物等はトレイにパックされた物より、バラ売りになっている物を買う、必要以上の物を買わない、ハンド・ソープやシャンプー等は詰め替え商品を選ぶ、過剰包装や本のカバーなど不必要だと思われるものは断る、レジ袋はできるだけ受け取らないようにするなど、皆さんもすぐに実行できることがたくさんあると思います。環境活動のために、私はいつもこれを実行しているというものを何か持ってください。 〟
  本校では2年前から環境教育をスタートさせると共に生徒会を中心とした環境活動を積極的に進めてきています。生徒達が環境問題に関心を持ち、自ら行動する習慣を身につけて欲しいと思っています。

2010年05月11日

環境教育の推進~地球の生い立ちと環境問題

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  明日(5月12日)は中学生対象の全校朝礼を行ないますが、担当の先生から生徒会副会長が〝環境の取り組み〟についての話をするので、これに関連した校長講話の依頼がありました。本校においては、2年前から人間教育の一貫としての環境教育に注力していますが、これからの全校朝礼においては環境に関するテーマを中心に話をしていくことにします。そのため、どのような順序で話を進めていくのが良いのかを色々と考え、明日は我々が住む地球の生い立ちについて話をすることにしました。
  地球が誕生したのは、46億年前であると言われています。しかし、我々人類が地上に現れたのは400万年~500万年ほど前なのです。100万年のスパンと言うと想像もできない位長い時間ですが、地球の歴史から見ると4600分の1というわずかな期間にしかすぎません。わかりやすいように地球の誕生を1月として1年のカレンダーに置き換えてみると、生命が誕生したのは2月、シアノバクテリアが酸素を作り出したのは7月、多細胞の生物が現れたのは8月であり、植物が海から地上に上がったのは11月、脊椎動物が上陸したのは12月3日ということになります。その後、これらの脊椎動物が両生類や爬虫類、恐竜、鳥類、哺乳類と進化してきたのです。今、地球のあらゆる箇所から化石の形で発見されている恐竜が誕生したのは12月13日で、絶滅したのが26日です。そして人類が誕生したのは何と12月31日の10時40分、我々現代人の祖先であるホモサピエンスの誕生は23時37分です。このように地球カレンダーで見ると人間は誕生してわずか23分しか経っていないことになり、恐竜の歴史の方がずっと長い(13日)ことがわかります。人間が農耕を始めたのは約1万年前ですが、生活の安定と共に人口が増加し始めました。それでもBC8000年頃の地球の人口は100万人、BC2500年で1億人、BC0年で2億人位であったと推計されています。その後人口はゆるやかに増加しますが18世紀初頭でも約10億人、19世紀初頭でも17億人にすぎません。ところが20世紀に入って人口は爆発的に増え1999年にはついに60億人を突破、現在では68億6600万人となりました。この100年間において人口は実に4倍になってしまいました。そして、この人口爆発が環境問題の最大の原因なのです。つまり地球の歴史から見るとごく小さな点にしかすぎない期間で、深刻な地球環境の悪化が起こってきているのです。このことを明日はしっかりと生徒達に伝えていきたいと思っています。

2010年05月10日

はじめは誰もが初心者

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  昨日の体育大会では、普段余り目ただない生徒達の生き生きと活躍する姿が随所に見られました。改めて、一人ひとりの生徒にはそれぞれ優れているところがあるということを再認識しました。
  考えてみれば生まれた時はみんな同じただの赤ん坊ですが、年月が経つと色々なことに差がついてきます。しかし、潜在能力に大きな差があるかどうかは疑問です。スポーツの世界を見ても、イチロー選手や石川遼選手は素晴らしい能力を持っているのは誰もが認めることです。しかし、彼らが生まれた時からこのような能力を兼ね備えていたかどうかは疑問です。確かにある程度の資質はあったとは思いますが、これらを現在のレベルにまで引き上げたのは日々のたゆまぬ努力です。今、社会のさまざまな分野で活躍している人は数多くいますが、生まれた時から野球選手、ゴルフプレーヤー、学者、弁護士、経営者、発明家、医者、教師等になると確約されていた人は誰もいません。
  江戸時代初期の教訓的読み物作者である寒河正親(さむかわまさちか)の『子孫鑑』の中には〝下手は上手の下地なり。下手よりだんだん上手になるなり。〟という有名な言葉があります。この意味は、〝下手だからといってあきらめることはない。下手だからこそ上手になれる。地道に努力することでだんだん上手になるのだから、続けていくことが大切である。〟ということです。
  何事も初めた時は初心者ですから下手で当然なのです。従って、最初から上手くやろうと思わなくてもいいのです。上手くいかなくて当たり前、失敗して当たり前であるという気持ちで、前向きに取り組む。そして、その失敗を糧に、また努力を続けて行けば必ず上手になると思います。
  現在、成功している人を羨ましいと思うのではなく、「努力を続ければ必ず自分もそこまで到達できる。」と信じて研鑽を積めば必ず成功できます。そして、努力を続けているうちに次第に興味も出てくることになり、ある段階に到達すれば飛躍的に上手くなるように思います。これは勉強にもスポーツにもその他あらゆることにも共通していることですので、大いにチャレンジしていって欲しいものです。

2010年05月09日

創立60周年記念体育大会の開催

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  5月9日(日)、素晴らしい天気の下、創立60周年記念体育大会を開催しました。8時30分丁度に、全校生がクラス毎にプラカードと工夫を凝らした旗を先頭に元気よく入場行進を行ない、運動場一杯に整列しました。33クラス、1200名を超える生徒達が、整列する姿は壮観そのものです。昨日の予行時には若干不揃いなところも見られましたが、その反省を踏まえて本番では随所に改善が加えられており、引き締まった入場行進になりました。また、書道部員による『祝創立60周年』と高校1年生による『HIBARI60』の文字が掲げられ、会場全体の雰囲気を盛り上げました。
  開会式では〝一人ひとりが主役であるという気持ちを持ち、全員でこの大会を盛り上げていって欲しい〟という趣旨の話をしました。その後、準備体操を行ない、中学1年生全員によるフレッシュマンレースから競技がスタートしました。続いて、スプリンターレースの予選、大玉はこび、大縄跳び、スウェーデンリレー、大玉流し、1500m走等の競技が行なわれました。
  午前の最後には恒例の高校3年生によるエンカレッジメントパフォーマンスが行なわれました。生徒達にとっては最後の体育大会ですが、それぞれのクラスが衣装や振り付けに創意工夫を凝らし、観客を魅了するパフォーマンスを披露した後、3年生全員で『HIBARI60』の人文字をつくりました。これまで早朝や放課後等の時間を使って準備を進めてきたようですが、きっと学校生活の思い出に残る演技になったことでしょう。
  午後からはクラブ行進、スプリンターレースの決勝、綱引き、玉入れ、棒倒し、棒引き、騎馬戦等それぞれに熱戦が繰り広げられました。新学期がスタートし、新しいクラスになってまだ1ヶ月少ししか経っていない中での体育大会でしたが、競技が進むに連れて応援の方もヒートアップし、次第にクラスが一つになっていくように感じました。そして最後に、中高男女によるクラス対抗リレーの決勝が行なわれ、大歓声の中ですべての種目を終了しました。
  閉会式では、表彰の後、「人生においてはさまざまな経験をすると思うが、充実した人生というのはいかに多くの感動をしたかに尽きる。そして、この感動は目標の高さと努力の大きさに比例する。これからの人生においても大いに努力を傾注して感動溢れる充実した人生を送って欲しい。また、一人ひとりが主役であるという気持ちで、全員で素晴しい学校をつくっていこう。」という話をしました。
  最後に、温かく見守っていただいた保護者の皆さんにお礼を述べ、感動の体育大会の幕を閉じました。この体育大会を通じて、生徒達は普段の授業では得られない多くのことを学んでくれたのではないかと思います。これらを今後の学校生活に大いに生かし、一段と成長してくれることを心より願っています。


   

2010年05月08日

体育大会の予行

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  5月8日(土)、爽やかな晴天の下、昨日の雨で順延となっていた体育大会の予行を実施しました。生徒達は8時過ぎから運動靴に履き替え、体操服姿でグランドに集合。放送部員による司会の指示に従い、8時30分より中学3年~中学1年、高校1年~高校3年の順にプラカードを先頭にクラス別の入場行進を行ないましたが、行進のスタイルやクラス紹介はそれぞれのクラスの特色が出ており、興味深く感じました。最後のクラスの生徒が入場するとグランドは1200名を超える生徒で一杯になり、「前に進め」という合図に従って一斉に前進し、開会式の隊列をつくりあげました。
  私は本番に備えて、生徒達に二つのことをお願いしました。〝一つ目は、今日ここには中学1年生から高校3年生までの生徒が集まっているが、同じ雲雀丘学園で学校生活を送っているのも何かの縁だと思う。この体育大会を通じて、お互いにコミュニケーションをはかっていこう。そのためにコミュニケーションの第一歩である挨拶をしっかりするようにしよう。二つ目は、これからの人生においては本番に備えてリハーサルをするということが多くあると思うが、大切なことは不十分な点を見つけ出して、本番までに修正を行なうということである。今日の予行演習において足りない点を見つけ、明日の本番までに改善を加えていこう。〟
  続いて全員で準備体操をした後、明日のプログラムに沿って集合と退場を中心に各種競技のリハーサルを行ないました。そのため、午前中で予行は終了しましたが、多くの生徒は午後から学校に残って引き続き明日の準備をしていたようです。
  本校では毎年、この時期に体育大会を実施していますが、非常に良いタイミングではないかと思っています。今は新しいクラスがスタートして一ヶ月経過し、丁度新しい友人もできクラスの絆が結ばれつつあります。これまでクラス全員が力を合わせて取り組んできた成果を十分に発揮して素晴らしい体育大会にして欲しいものです。そして、この体育大会という行事を通じて、生徒達が集団行動の大切さを学び、クラスが一つにまとまっていってくれることを期待しています。
  明日は幸い良い天気にも恵まれそうです。日曜日でもありますので、保護者の皆様には是非ご来場の上、逞しく成長した子どもさんの姿を見てあげてください。

2010年05月07日

チームワークを育てる

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  中学・高校における最大の学校行事の一つである体育大会もいよいよ明後日に迫ってきました。生徒達は連休前から早朝や昼休みに行進やエンカレッジパフォーマンス等の練習やクラス旗の制作を行なってきており、本番に向けてのムードが高まりつつあります。
  本日(5月7日)は本来であれば、体育大会の予行をおこなう予定でしたが、生憎早朝から雨が降り続いているため7時時点で中止を決定し、通常の授業を行なうことにしました。そのため非常勤の先生方にも授業がある旨の連絡を行ない、職員朝礼で予行順延の徹底をはかりました。生徒達には昨日のホームルームで授業と予行の両方の準備をしてくるように伝えていたため、大きな混乱はなく授業がスタートしました。私も午前中ざっと校内を巡回しましたが、各クラス共落ち着いた授業が行なわれており、生徒達は熱心に先生の話に耳を傾けていました。
  放課後は、いたるところで体育大会に向けて準備する生徒達の姿が見られました。経済産業省が提唱している社会人基礎力は「前に踏み出す力」「考えぬく力」「チームで働く力」の三つですが、クラスの仲間が協力して一つの目標に向かって取り組んでいくという経験は間違いなく将来社会で役立つ力を育てることに繋がります。生徒達が学校行事を通じてしっかりとしたチームワークを身につけて欲しいと思っています。

2010年05月06日

池田市教育委員会からの感謝状

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  5月6日(木)、池田市教育委員会の田渕和明教育部長が来校され、同市教育委員会からの感謝状を贈呈いただきました。これは本校の高校新校舎建設にあたって新たな机や椅子を購入することに伴い、これまで使っていた生徒用の机・椅子630セット等を池田市の市立中学校へ寄贈したことに対するものです。お話しをお伺いすると、既に有効活用されているということで大変嬉しく思いました。これらの机や椅子は生徒会の役員が中心となって再利用することを検討していましたが、運送費がかさむということもあって実現しませんでした。しかし、本校の生徒達がこれまで大切に使っていたものが廃棄されるのは忍びないということで、引き続き活用していただけるところがないか打診していたところ、池田市教育委員会から申し出があり、再利用していただくことになったのです。本日は田渕氏と色々なことを話し合い、これからもお互いに協力していくことを確認しました。
  近年、日本は物質的には豊かになりましたが、その反面、物を大切にするという気持ちが希薄になり、使い捨てるという風潮が出てきています。この結果、単に物だけにとどまらず、人の命ですら大切にしないということに繫がっているように感じています。
  本校は環境教育に注力していますが、環境に配慮するということは人に対する優しさや思いやりに通じます。今回の取り組みは生きた教材として、生徒達に伝えていきたいと思っています。

2010年05月05日

地域の活性化

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  現在、日本では地方の過疎化が深刻な社会問題になっています。工業化の進展と共に大都市への人口集中が進み、農業や林業、漁業に従事する人が激減してきました。しかし、近年、製造業やサービス業における成長が期待できなくなると、雇用の確保が難しくなり、失業者が増加する等の憂慮すべき事態を招いています。一方で、食料自給率は41パーセントと先進諸国では最低の水準にもかかわらず、農業や漁業に従事する人は減少の一途をたどっています。まさに、労働力のミス・マッチが生じてきているのです。和歌山県も大阪府に隣接していますが、全体的には過疎化が進んできており、連休中に訪問した日高郡も人口減が続いているようです。しかし、都会にはない素晴らしい自然と海や山の豊かな幸に恵まれています。
  先日、初めて訪れた日高郡の由良町大引にある白崎海洋公園(しらさきかいようこうえん)は、全体が白い石灰岩で囲まれていて、日本の渚百選に選定された美しい海辺の公園です。近海を漁船で遊覧しましたが、青い海と白い岩山のコントラストは素晴らしい景観です。この石灰岩は古生代ペルム紀のもので、直径が数mm~1cmほどのラグビーボールを小さくしたような形の有孔虫のフズリナなどが堆積したもので、雨水によって侵食されてできたカルスト地形や海に浮かぶ奇岩も魅力的です。また、周囲は豊かな自然に囲まれており、ダイビングスポットも多数あり、毎年3月から7月頃にはウミネコの大群が公園全体に飛来します。
  この他にも日高郡には、先日紹介した観光スポットとしての道成寺やホタル、農作物としてのみかん、木材等の魅力的な材料もあります。今一度、身近にあるものを見直し、これらを前向きに活かしていけば、地域の活性化がはかれるのではないかと思いました。

2010年05月04日

祝日の意義

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  4月末から5月にかけては祝日が多くあり連休になるため、今年も帰省や旅行に出かけられた人も多いのではないかと思います。この期間はゴールデンウィークと呼ばれているように、〝休む〟ということが先行しており、祝日の意義については無関心な人が増えてきているように思います。また、私達のこどもの頃は祝日には必ず家の玄関に国旗を掲揚していましたが、最近ではこの習慣もほとんど見られなくなってしまいました。このため、祝日についても知らない子ども達も多いように感じています。しかし、日本人である以上、祝日の意義についてはしっかりと認識しておきたいものです。
  ゴールデンウィーク中の祝日とその意義は次のとおりです。
 ◇4月29日は〝激動の日々を経て復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす〟という『昭和の日』 ◇5月3日は〝日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する〟という『憲法記念日』 ◇5月4日は〝自然に親しむとともに、その恩恵に感謝し、豊かな心を育む〟という『みどりの日』 ◇5月5日は〝こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに母に感謝する〟という『こどもの日』です。
  明日の『こどもの日』はゴールデンウィーク最後の祝日になりますが、もともとは中国の暦法で定められていた五節句の一つです。五節句というのは暦の中で奇数の重なる日に定められており、邪気を祓うという目的で設けられたもので、人日(じんじつ・1月7日)、上巳(じょうし・3月3日)、端午(たんご・5月5日)、七夕(たなばた・7月7日)、重陽(ちょうよう・9月9日)です。(但し、1月1日だけは別格で1月7日)
  そして、端午の節句には男の子の健全な成長を祝うという趣旨で、内飾りである鎧(よろい)や兜(かぶと)、五月人形を飾り、外飾りである鯉のぼりを上げるという風習が伝わっているのです。
  現在、わが国の祝日は15日ありますが、最低限これらの制定の趣旨は知っておきたいものです。

2010年05月03日

道成寺~日本の歴史を知る

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  この連休を利用して、和歌山県日高郡日高川町の玉置俊久町長を訪問しました。同氏はパナソニックの四国支店時代の同僚ですが、会社を早期退職して帰郷し、減農薬のみかん栽培を行なうと共に観光協会の会長や文化財保護審議委員、(財)笑の里評議員、玄子地区ほたるを守る会、魅力あるふるさと「日高」づくり、手づくりログハウス倶楽部等の要職に就任され、地域の活性化に尽力してこられました。その後、昨年5月に日高川町長に当選され、新しい町づくりに取り組んでおられます。また、今回の新校舎の一部には和歌山の天然木を使った机と椅子を入れることにしましたが、同氏に大変お世話になりました。折角の機会ですので、白崎海岸と道成寺(どうじょうじ)を案内していただきました。
  道成寺と言えば、能楽、歌舞伎などの芸能にとりあげられている安珍・清姫の物語の舞台になったお寺として有名です。実は、私もこの認識しかありませんでしたが、同寺の小野俊成(おのしゅんじょう)副住職の説明をお聞きして、実に由緒のあるお寺であるということが分かりました。建立されたのは、大宝元年(701年)ですから、平城京より前ということになり、和歌山県下に現存するものでは最古の寺です。同寺は文武天皇の勅願により、義淵僧正を開山として、紀大臣道成卿が建立したと言われていますが、別の伝承では、文武天皇の夫人である藤原宮子(藤原不比等の養女で聖武天皇の母にあたる)の願いにより文武天皇が創建したとも言われています。
  また、道成寺は当初法相宗(ほっそうしゅう)でしたが、江戸時代に入って紀州徳川家の命で天台宗に変わったとのことです。最初に、ご本尊である国宝の千手観音菩薩様や二十数体の仏様を拝観しましたが、この千手観音様は、1300年前に作られており、日本で最初か二番目の古さです。千手観音像は42本の手で千手を代表させるのが一般的ですが、道成寺の像は2本多い44本の手を有しているとの事です。その後小野副住職から「安珍清姫」の絵巻物を見せながらのユーモアたっぷりの説明を受けました。また、北面の本尊は「北向観音」と呼ばれ、33年に一度、33日間だけ公開される秘仏となっています。更に同寺の建物の配置は調和のとれた素晴らしいもので、法隆寺とほぼ同じとのことです。そして、『妻寶極楽』の色紙をいただきました。
  現在、平城遷都1300年祭が開催されていますが、わが国の歴史についてまだ知らないことが多く、これを機会にしっかりと学習していきたいと思いました。

2010年05月02日

「服育」の大切さ

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  昔から、教育の基本は「知育」「徳育」「体育」の三本柱であると言われてきましたが、昨今、これに続く第四の概念としての「食育」が注目されてきています。わが国において食育の大切さが叫ばれるようになってきたのは、食生活・食文化の崩壊が原因です。また、衣生活・衣文についても危機的な状況になってきており、「衣」も「食」と同様、私達の生活を支える重要な用件であるという思いから生まれたのが、第五の概念である『衣服を通じて心を育む服育』です。
  本校においては「知育」「徳育」「体育」に「食育」と「服育」を加えて5つを重点に教育活動に取り組んでいます。服育を教育方針に取り入れている学校はあまり多くないと思いますが、本校の人間教育のベースとなっているのは爽やかな挨拶ときっちりした服装、ルール・マナーの遵守です。
  人の第一印象は会って6~7秒で決まると言われていますが、その印象を左右するのは、顔・表情・しぐさ・言葉遣い・服装です。人を外見で判断してはいけないと思いますが、一般的に外見で人を判断しているというのも事実です。従って、普段より時・場所・場合(ТPО)にあった服装を心がけておくことが大切なのです。つまり、義務の時間、フォーマルな時間をOn Time、自分の自由に過ごせる時間を0ffTimeというように区分し、服装を変えるということです。このように考えると、生徒達にとってのOn Timeは学校にいる時、通学の時ということになりますが、そのポイントは毎日自宅を出る際に服装を整える、またトイレ等鏡のあるところで、都度服装のチェックをするという習慣を身につけることです。
  学校においては、毎日登校指導をしていますが、挨拶や服装について注意している生徒は大体決まっています。また、通学時にだらしのない服装をしている生徒も見受けられます。家庭における指導も是非キッチリと行なっていただきたいものです。

2010年05月01日

学園小学校保護者への進路説明会

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  5月1日(土)、学園小学校のPTA総会後の時間をいただき、6年生~4年生の保護者を対象にした進路説明会を開催しました。本日は土曜日ということもあって、300名を越える保護者の皆さんが出席されました。中には両親が参加されているケースもあったようです。
  岩崎小学校校長の話の後、私から〝社会で活躍する骨太のリーダーを育てる〟というテーマでパワーポイントを使って次のようなお話させていただきました。
  
  現在、小学校6年生~4年生の子ども達も11年~13年後には社会人になりますが、立派な社会人となるためには、中学・高校・大学を通じて、〝社会で役立つ力〟を育てていくことが大切です。〝中学入試は親の入試〟と言われますが、保護者の皆さんに是非心していただきたいことは「目先のことではなく将来の進路はどうかという長い目で子どもの育成を考える。」「日本や世界が将来どのように変わっていくのかというトレンドをしっかりと把握しておく。」「子どもを過保護にしない。」という三つです。その後、中高としての具体的な取り組みと現在進めているコース制を軸とした学校改革の目指す姿、昨年度と今年度の中学入試の結果、本年度の大学進学実績、高校新校舎について説明しました。
  本校が目指しているのは単なる大学進学実績ではなく、「将来、社会で活躍する骨太のリーダーの育成」です。今は学校改革の途中ですが、お蔭様でこの3年間で合格基準は大幅に上がり、生徒達の学力伸張も顕著になってきています。また、部活動も活発で、顕著な成績を上げているクラブも増えてきています。
私達はともすると現在目に見えている学力だけに目を奪われがちですが、学力向上のポイントは、基本的な生活習慣と学習習慣にあるのは事実です。これらの正しい習慣を身につけておくということは、将来社会に出た時に必ず役立つことになりますので、家庭でのしっかりとした指導をお願いします。
  そして、最後に来年度の「連絡入試」についての詳細説明を行ないました。

  本日は、25分間という短い時間であり、十分な説明ができず、おわかりにくい点も数多くあったのではないかと思います。本校では、年間を通じて個別の進路相談に応じていますので、疑問な点があれば事前にご一報いただき、是非ご来校ください。そして、生徒達の授業や部活動の様子を直接自分の目で確認していただきますようお願いします。
  また、ホームページにより日々学校の状況をお伝えしていますので、これからも時々開いてみてください。