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2012年02月29日

本年度最後の全校朝礼

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  2月29日(水)、体育館で本年度最後となる全校朝礼を行ないました。明日卒業式を迎える一部の高校3年生と高校2年生以下の生徒が体育館に集合しました。
  本当に一年の経つのは早いものです。高校2年生も1年後には大学受験に臨むことになりますし、各学年の生徒はそれぞれ進級することになります。そして、中学3年生は3月19日には卒業式を迎え、4月からは高校生になります。
  さて、振り返ると東日本大震災から間もなく一年が経過します。この震災ではかけがえのない命が一瞬のうちに失われてしまいました。将来、こんなことをしたい、このような人間になりたいと思っていた人達の夢を大震災は奪ってしまいました。あの時、生徒達は〝亡くなった人の分まで頑張ろう〟と思っていたのは間違いありません。しかし、1年経って、その気持ちが徐々に薄らいできているのかも知れません。今一度、1年前の自分自身を見つめ直して欲しいと思っています。
  本年度の入試においては、中学・高校共志願者は過去最高となり、中学は5倍、高校は9倍の倍率ということになりました。このように本校は兵庫・大阪の生徒にとって、入学したい学校の一つになっています。しかし、この学校を作っていくのは先生ではありません。一人ひとりの生徒が学校を代表しているという気持で行動していくことが必要です。いよいよ来週から学年最後の期末考査が始まりますが、この1年の集大成という気持ちで臨んで欲しいと思っています。
  

2012年02月28日

PTA3月総会の開催

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   《PTA新役員のメンバー》 
  2月28日(火)、PTA3月総会を開催し、新しい会長はじめ役員の選出を行ないました。池上会長が退任され、新会長には現副会長の金岡氏が就任されることになりました。新・旧会長からそれぞれご挨拶いただいた後、私から次のような話をしました。
  〝平素は本校の教育活動に対しまして、ご理解とご支援をいただき心より感謝しております。本年度もあと1か月ということになり、寒さの中にもようやく春の息吹が感じられるようになってきました。
  さて、この一年間を振り返ると、アラブ諸国における動乱、ニュージーランドに続いて東日本大震災と原発事故が発生、日本経済は超円高、タイの大洪水、ヨーロッパの財政危機などによって、輸出産業を中心に大きな経営の見直しを迫られることになりました。そして、ついに世界第3位の半導体メーカーであるエルピーダメモリーが会社再生法の適用を申請しました。ここ数年、少子化の影響もあり、私学を取り巻く環境も大きく変化してきています。そして、学校の二極化が進んできています。
  月日の経つのは早いもので、私もこの雲雀丘学園中高の校長の仕事も3月末で6年ということになります。この間、社会で役立つ人材を育てるという基本の考え方に立って、『入口を固める』『校内を固める』『出口を固める』という3つの切り口で良循環型の学校経営を進めてきています。本日は折角の機会ですので、少し順序を変えて『校内を固める』『入口を固める』『出口を固める』ということでお話しします。
 (Ⅰ)校内を固める
  ①学力の向上に関しては「コース制の見直し」を行ない、高校は一貫選抜、選抜特進、特進の3つのコースに再編しました。同時に「国公立対応型のカリキュラム」に変更しました。特進コースはⅠとⅡを統合したというより、特進Ⅰをなくしたというようにご理解ください。そして、現在、新しいシラバスの作成に取り組んでいます。そして、各学年で補習や強化勉強会、勉強合宿、センター模試等に取り組んでいます。また、〝授業を磨く〟を合言葉に相互授業参観や研究授業を行なっています。
  ②人間力の向上については、「さわやかな挨拶」、「キッチリした服装」、「ルール・マナーの順守」、「整理整頓」等の凡事徹底を図っています。また、遅刻をなくすということで、生徒指導部を中心に取り組んでいますが、無遅刻の生徒はほぼ7割に達しており、将来的には遅刻ゼロを目指しています。ただ、少し気を緩めると生活習慣が乱れることもあると思いますので、ご家庭でのご指導もよろしくお願いします。
  『高校の卒業式』は大学入試との関係を考慮し、本年度から3月1日に実施することにしました。282名全員の卒業生をお送りすることになります。
 (Ⅱ)入口を固める
  ①年が明けてからは『中学入試』を1月14・15日、18日の3回に分けて実施しました。志願者が全体で792名と過去最高になり、昨年比96名増、14%アップということになりました。この結果、入学手続き者も222名ということになっています。
  ②続いて『高校入試』を2月9日と17日の前期・後期の2回に分けて実施しました。志願者は過去最高の1036名ということになりました。前期日程では兵庫・大阪の中で最高の倍率になりました。その後、先週土曜日に専願者のガイダンスを行ない、84名が出席しました。これで、現在、中入生151名を合わせて235名が入学確定ということになります。公立高校の併願者が多いということもあり、公立高校の入試が終わった後、3月24日に入学者が確定します。 また、今年は中学・高校を通じて、国公立大学志向が顕著になってきています。
 (Ⅲ)出口を固める
  ①中学受験と同じ日に「大学入試センター試験」が実施されました。本校では高等学校の総決算として全員がセンター試験を受験しました。今年、特筆すべき事項としては、国公立の推薦入試に11名が合格しました。また、2年連続して、国公立の医学部医学科への合格を果たすことができした。
  現在、私立大学入試が行なわれ、順次合否の結果が出始めています。後ほど進路指導部長から発表があると思いますが、既に合格が判明している私学については、関関同立が今のところ175名になっています。最終的にはまだまだ積み上がると思いますが、今年は成績上位者の国公立大学志向が強いということもあって、三年前(111名)と一昨年(161名)の数字は上回りますが、昨年(246名)からは減少することになりそうです。また、国公立大学の2次試験に多数の生徒が受験しており、3月に入ると合否結果が判明しますが、何とか昨年を上回る実績を残したいと思っています。
  ②これまで何度も申し上げているとおり、大学進学が最終目的ではありません。しかし、高い目標を設定し、この目標を達成していくために努力していくという姿勢が大切です。そして、これが必ず社会に出た時に役に立つのは間違いないと思います。
 (Ⅳ)最後に
  現在、本校は〝学校改革の第二ステージ〟にあり、中学にコース制を導入した最初の学年が4月から「高校2年生」になり、平成25年には大学に進学することになります。この進学実績がどうなるか、注目されていますが、これが終着点ではありません。そのため、平成26年以降の〝第三ステージ〟に向けての戦略を作ろうとしています。
  本校の基本の考え方は、学校と家庭が連携して子どもを育てるという『共育』です。今後ともご支援、ご協力賜りますよう宜しくお願いします。

2012年02月27日

生きがいのある人生を送る

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  松下幸之助氏の言葉に『この世は 生きがいの宝庫』というものがあります。「物事がうまく進まないと、人の心は腐りがち。〝つまらない。逃げ出したい〟といった気持ちもついつい生じてくる。しかし、一旦解決の糸口が見つかれば、問題であった障害が一転してやりがい、生きがいの素になることもある。その妙味をわきまえれば、生きがいが尽きることはまずあり得ない。」ということが示されています。
  これまでの自分自身の人生を振り返って見ても、何事も最初に自分の思った通りに進むことはまずありません。このようなことは長い一生の中でもごく稀なことではないでしょうか。通常は必ず、問題点が出て来るものです。大切なのはこの時にどういう姿勢をとるかということです。うまくいかなかったからといって、すっかり落ち込んでしまい、諦めてしまうということでは決して道は開けません。うまくいかなかった原因をしっかりと把握し分析することによって、新たな取り組みをスタートさせなければなりません。これで、成功すれば良いのですが、往々にして再びうまくいかないといったことも起ってきます。このようなことが、二度三度と繰り返されると、次第に失望感が広がってきます。しかし、幾多の試練を超えて得た成功体験は、その人の心にしっかりと刻み込まれ、大きな自信に繋がることになります。そして、更に高い目標に向かって挑戦する姿勢が身についてくることになります。この繰り返しが生きがいのある充実した人生に繋がるのです。また、松下幸之助氏は『僕には失敗はない。何故なら成功するまでやり続けるからだ。』という言葉も残しています。
  最近は、失敗を恐れてチャレンジしない。また、うまくいかないとすぐに諦めてしまうという傾向が目に付きますが、うまくいかない時は〝成長するためのチャンス〟であると前向きに考えて行動していきたいものです。  

2012年02月26日

国公立大学二次試験始まる

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  2月25日(土)から国公立大学の2次試験前期日程がスタートしました。前期日程は156大学530学部に26万7733人が出願しており、募集人員に対する倍率は3.4倍になりました。このうち、国立大学は20万8322人で志願率3.2倍、公立大学は5万9411人で志願率は4.1倍になっており、ほぼ昨年並みです。
  本校においては、これまで生徒達のきめ細かい進路実現のためにさまざまな取り組みを行なってきました。また、センター試験が終了してからも各大学の二次試験対策として補習を行なったり、小論文や面接等の指導を行なってきました。特に、志望動機や自己PRにおいて、自分なりの高い志をしっかりと伝えることができるように、先生方は粘り強く指導してきました。今回の二次試験においては、これらの努力の成果が試されるという意味では、学習の集大成ということになります。ここまで来ると、生徒達の力を信じるしかないのですが、先生方はまるで自分が受験するというような緊張した面持ちで落ち着かない時間を過ごしているようです。3月に入ると次々と各大学の合格発表が行なわれますが、全受験生の頑張りが素晴らしい結果に結びつくことを心より祈っています。

2012年02月25日

高校専願者ガイダンスの開催

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〈ガイダンス風景〉                  〈採寸〉
  2月25日(土)午後、この4月からの高等学校入学予定者に対するガイダンスを開催しました。今回は専願者対象ということで、選抜特進コース37名と特進コース47名の計84名全員が出席しました。
  最初に教頭から入学にあたって心がけて欲しいことを話しました。今年の本校の入試の状況は志願者倍率が9倍を超え、大阪・兵庫全体ではトップであり、この難関を皆さんは見事に突破してきたこと、新高校1年生は皆さんのような専願者と併願者、学園中学からの進学者で構成されるが、カリキュラムはすべて国公立対応型になっており、切磋琢磨して進路実現を目指して欲しいこと、将来の自分の姿を明確にして何に取り組むべきかを決めること、雲雀丘学園の建学の精神は〝親孝行な人は必ず立派になれる〟という孝道であり、中高の校是は「高志」「自律」「努力」であること、そして、入学までの今の時期にしっかりと高校生活の準備をすることが大切であり、入学式には一回り大きく成長した姿を見せて欲しい等です。続いて、生徒指導部長や教務部長から学校生活や学習面についての留意点を説明し、入学までの学習課題(宿題)をお渡ししました。そして、ガイダンス終了後には入学に必要な制服の採寸や運動靴、カバン、辞書等の購入をしていただきました。
  今日集合していただいた皆さんには、入試の際に面接させていただきましたが、将来国公立大学を目指したいという明確な目標を持っている人が多いように感じました。将来、社会で役立つためにどのような道に進めばよいのかということをしっかりと指導していきたいと思っています。
  

2012年02月24日

不況克服の心得十カ条

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  最近の世界各国の経済情勢を見ると、すべての地域で成長率に陰りが出てきており、不況と言える状況に陥っています。このような環境下にあっては、企業にとっても個人にとっても行動が萎縮しがちになってしまいます。〝ジャンプするためには一度しゃがまなければならない〟という言葉がありますが、このような時には右往左往するのではなく次なる飛躍を期して行動することが大切ではないかと思います。経営の神様と言われた松下幸之助氏は、ポイントを突いた短い言葉で『不況克服の心得十カ条』を記しています。以前にも紹介したかもしれませんが、これらは実に味わい深い言葉ですので、再度、掲載します。
  
    【不況克服の心得十カ条】
   第一条 「不況またよし」と考える
   第二条 原点に返って、志を堅持する
   第三条 再点検して、自らの力を正しくつかむ
   第四条 不退転の覚悟で取り組む
   第五条 旧来の慣習、慣行、常識を打ち破る
   第六条 時には一服して待つ
   第七条 人材育成に力を注ぐ
   第八条 「責任は我にあり」の自覚を
   第九条 打てば響く組織づくりを進める
   第十条 日頃からなすべきをなしておく

  この十か条をよく読み直してみると、単に不況時のみだけではなく、好況、不況を問わず、常に心がけておかなくてはならないことばかりです。これは最後(第十条)にあるように〝日頃からなすべきことをなしておく〟ということに集約されています。現在、本校では来年度に向けての経営計画づくりの検討に入っていますが、今一度、これらをしっかりと心に留めておきたいと思っています。

2012年02月23日

学校経営~戦略の構築は少人数で行なう

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  最近の世の中を見ているとあらゆる部門で二極化という現象が生じてきています。相次いで発表される企業の決算発表を見ても過去最高の利益を達成するところがある一方で、大幅な赤字を計上するところもあります。これは学校経営についても同じで、従来以上に学校間の格差は拡大してきていますが、この原因は激しく変化する環境への対応のスピードの差です。
  世の中の変化が小さく、すべての物事が安定的に流れている場合には部分的な修正を加えていくだけで大きな問題は生じません。そのためこういう状況が永年続いてきた分野では環境が変化してもこれまでと同じやり方を踏襲しようとします。「生徒数が激減する」「情報化やグローバル化が進展する」「企業の求める人材が変わってきている」といったことがわかっているにも関わらず、これまで思い切った手を打たず安易な方向に流れているところが目に付きます。そして、何か新しいことをやろうとしても〝金がない〟〝人がいない〟〝時間がない〟〝情報がない〟といった理由でなかなか前に進まないことが多いのです。この状態ではいつまで経っても学校改革は進みません。これを打破するためにはまず経営トップの〝自分達の学校は自らつくる〟という強い思いと他校にない独自の戦略が必要です。
  『戦略の失敗は戦術では補えない』という有名な言葉がありますが、今ほど戦略の重要性が問われる時代はないと思います。また、他校の良い点を学ぶという姿勢は大切ですが、他校のやり方をそっくり真似てもうまくいきません。他校にない特色を打ち出すという差別化戦略が必要なのです。そして、留意しなければならないのは、戦略構築は必ず経営のトップである校長と教頭を含めた少数のブレーンで行なうということです。衆知を集めなければと考えて、全員の意見を聴くとまとまりがつかなくなります。ビジョンと戦略はトップダウンで、経営計画と具体的な施策はボトムアップを中心に進めていくというのが基本です。

2012年02月22日

学校経営~学校経営計画と評価制度

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 最近、評価という言葉が頻繁にマスコミに登場するようになってきており、評価制度のあり方についての議論が活発に行なわれています。私も以前企業において人事関係の仕事に従事していたこともあって、これまで評価のあり方については色々と研究してきました。また、実際に事業経営を担当し、従業員の評価も行なう中で、人が人を評価することの難しさを身にしみて感じてきました。評価において最も大切なことは〝公平性〟と〝納得性〟です。この二つが曖昧なまま評価を行なうと、必ず問題が生じることになります。また、気をつけなければならないのは、評価することが目的化してしまうことです。評価は手段であって目的ではありません。そのためには、原点に戻って評価の目的は何かを明確にしておかなくてはなりません。
  今、あらゆる分野においては、さまざまな人事制度が導入されています。採用、昇格、昇進、異動、昇給・賞与等の給与、退職金、研修、福祉、表彰、懲戒、休暇等々です。これらの人事制度は何のためにあるのかと言えば、すべて経営をよくするためなのです。従業員のモティベーションを高めることによって経営が良化するこということにならなければ人事制度は形骸化しているということになります。このように考えると、評価制度についての第一義の目的は経営を良化させることであると言えます。
  従って、学校における評価のあり方も〝学校経営〟という観点と密接に結びついていなければなりません。言い換えると学校の経営計画がしっかりと策定されており、それが分掌や学年、教科に具体的な取り組みとして落とし込まれている。そして、これらの部門計画が更に個人レベルまで落とし込まれているということが大切なのです。学校全体の経営計画と部門別計画、個人別の計画が一気通貫になっていれば学校は間違いなく良い方に進むことになります。そのためにはそれぞれの計画の精度を高めることと目標設定の段階でのすり合わせが不可欠になってきます。分かりやすいように公立の場合を例にとって全体の流れを示しましたが、私立の場合もほぼ同様の流れになります。来年度に向けて学校経営計画の精度を高めると共に評価精度との連動をはかっていきたいと思っています。

2012年02月21日

学校経営活動の結晶~志願者数~

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  本年度も残すところ、40日になりました。現在、本校においては来年度に向けての学校経営計画の策定のつめを行なっていますが、大切なことは現状の課題をしっかりと洗い出すことです。そのためには、部門毎にキッチリとしたデータ分析が必要です。企業経営と異なり、学校については数値で表すことのできないものが数多くあるため、ともすると計画そのものが数値目標の入らない抽象的なものになっており、この結果、達成状況についても曖昧なままになってしまうことが多いのです。これでは、いつまで経っても課題が明確にならず、的確な手が打てないということになってしまいます。そのため、現在は分掌・学年・教科毎に客観的なデータに基づいて課題を抽出することをお願いしています。
  この一方で、管理職を中心に一段高い視点から学校トータルの経営を点検することにしています。つまり、中期計画の達成状況はどうなのか、「入口(生徒の確保)」 「出口(進学実績)」はどう推移してきているのか、といったことを分析し、経営の舵とりがうまくいっているかどうかをチェックしています。これは企業経営における売上高や利益額、資金の推移といったものに相当します。つまり、様々な経営活動をやってきた結果が集約されたものです。学校の場合には、これらに該当するのは「志願者数」と「進学実績」であり、言わば学校経営活動の結晶です。この様な見方をすると、高校と中学を合わせた志願者数は連続して増加してきており、全教職員の働きが報われたという結果になっています。これまで、私も色々な経験をしてきましたが、懸命に努力してもうまくいかなかったケースも数多くあります。現在の状況は多くの人達のご支援のお蔭であると心より感謝すると共に気を引き締めて教育活動の一層のレベルアップを図っていきたいと思っています。

2012年02月20日

国の借金と財政再建

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  財務省によると、現在国債や借入金などを合わせた国の債務残高、借金の総額は既に900兆円を超え、今年度末の時点では1年前に比べて99兆円増えて、1024兆1047億円となる見通しです。これはGDP比で見ると、財政危機に陥ったギリシャをはるかに上回る突出した金額ですが、日本が大きな財政危機に陥っていないのは、その約9割を国内の銀行等が個人の預貯金を経由して買っているからです。また、震災復興のための復興債の発行等、国の借金は今後もさらに膨らむのは確実な情勢です。このままでは、日本の借金の増加は雪だるま式に増加し歯止めが利かない状況に陥ってしまいます。それでは日本はこの先、いくらまで借金できるのかということが問題になりますが、上限の目安は日本人の家計の金融資産の総額約1400兆円ではないかと言われています。
 しかし、そう安心してばかりもできない理由が出てきています。実は国内の家計の総資産から住宅ローンなどの負債を差し引くと、“純資産”は約1100兆円しかないということです。そして、引き続く景気低迷のために貯蓄率は鈍化してきており、株や社債などのリスク資産も目減りしてきています。また、これらの金融資産の大半を保有しているのが高齢者であるため、今後は貯蓄を取り崩す動きが強まってきます。そうすると、いずれ近い将来には国の借金が家計の純資産を上回ってしまう可能性が出てきます。この結果、国債の国内消費のウェイトは減り、外国から借金する比率が増え、ギリシャと同様の状況になり、最悪の場合デフォルト(債務不履行)ということになってしまいます。
 現在、税と社会保障の一体改革が議論されていますが、社会保障の給付は維持して欲しい、税金は払いたくない、という〝つけの先送りの姿勢〟ではいつまで経っても課題は解決しません。また、公務員の人件費や国会議員の定数、公益法人の削減、公共事業の見直し等の支出も徹底的に抑制しなければなりません。要は痛みを伴う思い切った改革を断行しなければならないということです。更に、環境等の新たな産業の創出を行ない、雇用を確保し、税収を増やす政策も必要となってきます。どれを取り上げても簡単に解決できるものではありませんが、〝後世に負の遺産を引き継がない〟という強い姿勢が必要であると思っています。

2012年02月19日

エネルギーの現状を知る

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        《太陽光発電》              《風力発電》
  東日本大震災による原発事故は日本国民のエネルギーに関する意識を大きく変えることになりました。アンケート結果によると〝エネルギー政策についての考え方は大半が抜本的に見直さなければならない〟〝原子力発電については全廃が約2割、大きく削減(約3割)を含め7割を超える人が減らすべきである〟〝30年後の電力使用量が現在より増加すると考えている人は約1割しかない〟ということになっています。
  しかし、これは現在のエネルギー事情を十分考慮した上での答えではありません。まず、日本のエネルギー源別の発電電力量の割合をみると、火力発電が約7割を占め、次いで原子力(22.5%)、大規模水力(5.8%)となっています。そして、再生可能エネルギーは全体のたった3.2%に過ぎません。これは原子力発電を国のエネルギー政策の中心に位置づけてきた結果であり、あまりにも原子力発電のウェイトが大きくなりすぎてしまったため、簡単に代替エネルギーを確保することが難しい状況になってきているのです。
  仮に原子力の代替として、すべてを再生可能エネルギーに切り替えた場合のシミュレーションをすると、太陽光発電の場合には、パネル設置に要する面積は東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県を合計した広さ、また風力発電の場合には、四国の約1.2倍の広さが必要であり、これを短期間に達成することは容易ではありません。
  従って、これらの現実の姿を国民に分かりやすく説明した上で、エネルギー政策の中長期ビジョンを明示し、到達目標年度を決めて具体的な工程を作っていくことが大切であると思います
  明日から関西電力の高浜原発3号機が定期点検のために稼動を停止することになり、この結果国内54基ある原発のうち稼動するのはわずか2基ということになります。当面は天然ガス等によって火力発電所を再稼動させることになりますが、日本の電力事情が逼迫し、産業界や日常生活に影響が出るのは避けられません。また、地球温暖化ガスの増加という環境問題や貿易赤字といったことも生じることになります。自分の利害だけを考えるのではなく、少し大きな視点でエネルギー問題を捉えていきたいものです。

2012年02月18日

注目すべき新エネルギー~シェール・ガス

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《米エネルギー情報局(EIA)による主なシェールガス層の分布図》

  この度、大手商社の三菱商事がカナダ西部にある世界最大規模のガス田の開発と生産を行なう権利の40%を、カナダの資源会社から取得することで合意したというニュースが報道されました。このガス田の埋蔵量はおよそ7.2億トンと見込まれており、日本で消費されている天然ガスの9年分の量に相当するということです。三菱商事は更に、開発する費用も負担することにしており、投資額は合わせておよそ60億カナダドル(日本円にしておよそ4700億円)に上ります。
  近年、石油に代わる代替エネルギーの獲得を目指して、国家レベルや企業での動きが活発になってきています。その中で注目を浴びているのが、このシェールガス(shale gas)です。これはシェールという言葉からも分かるように、これまでのガス田から生産される天然ガスとは異なり、頁岩層から採取される天然ガスです。  
  既に、アメリカ合衆国では1990年代から新しい天然ガス資源として注目を集めてきましたが、従来のガス田よりも深い地中に存在するため採掘方法が難しいという課題があり、開発はあまり進んでいませんでした。しかし、採掘技術の飛躍的な向上と石油や天然ガスの価格高騰等により、その生産に弾みがつきつつあります。また、カナダ、ヨーロッパ、アジア、オーストラリアの潜在的シェールガス資源も注目され、2020年までに北米の天然ガス生産量のおよそ半分はシェールガスになり、更に世界でのシェールガス開発が進むとエネルギーの勢力分布が変わることも予想されています。

  日本では原発事故のあと、火力発電向けの天然ガスの需要が拡大しており、エネルギーの安定確保に向けて、さまざまな取り組みが行なわれていますが、歴史的な円高を強力な追い風として海外における資源分野への投資を拡大している商社の動きについても大いに注目していきたいものです。

2012年02月17日

高等学校B日程入試を終えて

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  2月17日(金)、高等学校B日程の入試を実施しました。B日程の入試は一般的に〝1.5次入試〟と呼ばれており、兵庫県ではすべての私学が実施するわけではありません。大阪府に隣接している私学についてのみ認められている制度で、本日が統一入試日ということになっています。大阪府の私学については多くの学校がこの1.5次入試を自由に実施していることを考えると、兵庫の私学については相当の規制がかかっていることになります。こういうこともあって、本日の志願者は44名(欠席1名)とA日程入試に比べると、ごく少ない人数ということになりました。従って、本日は中学・高校共通常通りの授業を実施し、学園の文化館視聴覚教室で筆記試験を行ないました。そして、選考会議を経て合格者を決定しました。
  これで、高等学校の入試はすべて終了することになりましたが、本年度はA・B合わせて1036名の方に志願していただき募集定員(115名)に対する競争倍率は初めて9倍を超えました。志願理由は色々ありますが、以前に比べて「大学への進学実績」「国公立大学への進学希望」「きめ細かな学力指導」「外部講師によるゼミ」「補習体制の充実」といった将来の進路に対する項目が増える一方で、本校の伝統である「孝道」や「人間力の向上」「社会で役立つ力の養成」といったこともあげられています。いずれにしても私学には建学の精神が脈々と流れています。本校は大学進学のみを目指す学校ではありませんが、最近の生徒の学習に対する取り組みを見ていると、かなりレベルが上がってきたのは間違いありません。多くの方に志願していただくということは、それだけ期待が大きいということです。これからも〝生徒の育成〟という視点に立って、一層の改革を進めていきたいと思っています。

2012年02月16日

注目すべき新エネルギー~メタンハイドレート

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メタンハイドレート
  我々日本人がしっかりと認識しておかなければならないのは、食料とエネルギーです。これまで何回かにわたって取り上げてきていますが、食料の自給率は39%、エネルギーの自給率は18%しかありません。これらは共に生活必需品であり、世界の人口が急増している中にあっては深刻な不足に陥る恐れがあります。貿易立国である日本はこれまで国際収支面での大きな黒字を確保してきました。そのため、多少国際価格が上昇しても何とかこれらを安定購入することができていました。しかし、製造業の輸出減少に伴い、貿易収支が恒常的に赤字になる危険性が出てきています。これを打破するためには従来の延長線上の考え方ではなく、全く新しい取り組みが必要になってきます。

  このような状況下にあって、昨日エネルギー資源についての新たな動きが伝えられました。これは次世代のエネルギー資源として期待されるメタンハイドレートの産出試験が始まったというものです。この産出試験が行われているのは、愛知・渥美半島の南方沖70kmの海域で、探査船「ちきゅう」によって、およそ1,000メートルの海底に4本の井戸を掘り、メタンハイドレートを分解してガスの採取を行なうことになっています。
  このメタンハイドレートは、メタンガスと水が結晶化した氷のような物質で、〝燃える氷〟と呼ばれています。日本近海にはオホーツク沖、十勝・日高沖、南海トラフ、四国沖等に大量に存在しており、国内の天然ガス消費量のおよそ100年分以上に相当する膨大な量が埋蔵されているとみられています。そのためこのメタンハイドレートを有効活用することが出来れば、日本はエネルギー資源を外国に頼らなくてよくなる日が来ると期待されています。また、世界全体のメタンハイドレード埋蔵量は原油埋蔵量の2倍とも推定されており、メタンハイドレートによる天然ガス資源量は在来型天然ガス枯渇時代の次世代を担えるだけの膨大な量にのぼるのは間違いないと考えられているのです。
  日本は国土面積においては世界で61番目ですが、まわりを海に囲まれているため、海洋面積は6番目です。この海洋こそが日本の最大の資源なのです。海洋にはまだまだ未開拓の部分が数多く残されています。メタンハイドレートを実用化するためには新しい技術改良や資金が必要ですが、世界をリードする再生エネルギーの開発に成功して欲しいと思っています。

2012年02月15日

川西市新任教員研修会の開催

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  2月14日(火)、川西市の新任教員25名を対象にした新任研修交流会において〝新任教員に期待すること〟というテーマで講演を行ないました。川西市は本校の位置する宝塚市に隣接していますが、同市の教育長が本学園理事会の監事ということもあって、お役に立てばということでお引き受けしました。
  今回の全体研修会は本年度3回目ということですが、それぞれの先生はこの一年間に取り組んできた実践と成果、課題、今後取り組みたいことをまとめており、事前に目を通しました。
  講演では、最初に日本や世界の現状について述べた後、グローバル化が進む中で、今日本は正念場を迎えていること、新技術が続々と生まれてきており将来やるべきテーマは数限りなくあること、大きな資源や広大な国土のない日本にとって、教育が最大のテーマであること等を話しました。そして、先生という仕事は子どもの人生を預かっていること、皆さんはゆるぎない志を持って取り組んで欲しいということを訴えました。
  気になったのは、新聞を読んでいる人が実に少ないということです。よく〝学校は閉じられた世界である〟とか、〝学校の常識は社会の非常識である〟といったことが言われますが、これは決して褒められた言葉ではありません。一人ひとりの教員が社会の動向をしっかりと把握し、自ら多くの人脈をつくり、学校の教育活動の内容を積極的に公開する等開かれた学校づくりを目指して欲しいものです。
  最後に〝教えることためには貪欲に学ぶこと〟が大切です。 日々たゆまぬ自己研鑽を続けて欲しいと思っています。 

2012年02月14日

需要を創造する

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 現在、日本では個人消費が低迷し、各業界においても何とか消費者の財布の紐を緩めようと躍起になっています。スーパーやデパート等に行くと、生活必需品については毎日のように特価やバーゲンが行われています。しかし、目の肥えた消費者は商品を吟味して購入するため、なかなか販売額を増加させることはできません。このような状況下にあって、多くの企業は新たな需要を創造するためにさまざまな販売策を編み出してきています。
  我々の身近にある2月のイベントと言えは、バレンタインデーと節分ですが、この2つにも企業の血の滲むような努力があります。バレンタインチョコレートを贈るという習慣は元々日本にはありませんでした。しかし、チョコレートメーカーの営業担当者が何とか販売を伸ばしたいという一心で、この日にチョコレートを贈る習慣を定着させ、ついに1960年代には「女性が心からチョコレートを贈ることによって男性に愛を告白する」ということに成功したのです。しかし、最近では女性が同姓の友達に贈る「友チョコ」や男性から女性に贈る「逆チョコ」が増えてきているため、メーカーは新たな対応を取るようになってきています。
  また、節分の日の〝恵方巻きの丸かじり〟もコンビニやデパート、スーパー業界の努力で定着しつつあります。更に、最近では年間に土用が4回あることから、夏だけではなくその他の季節の丑の日にも、鰻を食べる習慣をPRし始めています。
  これらは日本国内の例ですが、これからのグローバル社会においては、他の国の文化や習慣を日本に取り入れる、逆に日本のものを海外に展開するということが頻繁に起こってきます。 まさに、これからは広い視野で知恵を絞り出すことが大切な時代になってきているように感じています。
 

2012年02月13日

祝日制定の趣旨を知る

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  2月11日は〝元日〟〝成人の日〟に続いて三番目の祝日となる〝建国記念の日〟でしたが、若い人の中でこの日の趣旨を知っている人はほとんどいないと思います。
  この日はかつて『日本書紀』が伝える神武天皇(初代天皇)即位の日として、1872年(明治5年)に制定された「紀元節」でした。この紀元節には全国の神社で「紀元節祭」と呼ばれ祭事が催されていたほか、庶民の間でも「建国祭」として祭典が行われていました。しかし太平洋戦戦争後「紀元節を認めることにより、天皇を中心とする日本人の団結力が高まり、再び米国の脅威となるのではないか」というGHQの意向で、1948年(昭和23年)に紀元節は廃止されました。しかし、間もなく紀元節を復興させようという動きが高まりましたが、反対の動きもあって、なかなか実現できず、名称を「建国記念日」に変える等、9回にわたる法案の提出と廃案をくり返しました。そして、やっと20年の歳月を経て、1966年(昭和41年)に、名称に「の」を挿入し『建国記念の日』として国民の祝日に認められ、翌年から適用されることになりました。
  現在、世界の国々を見ても、ほとんどの国で建国記念日が制定されていますが、自分達が生まれ育った国の歴史を理解するということは大切です。神武天皇即位の年月は歴史上、科学的に根拠が薄弱であるという意見もありますが、日本の歴史を紐解くためには日本神話や伊勢神宮、天皇制というものを研究することが必要です。戦後、日本の神話についてはほとんど語られなくなりましたが、世界で神話が残っているのは、日本だけだと言われています。
  また、現在の日本の公定休日は15日ありますが、その基本となっているのは太平洋戦争後の昭和23年(1948年)に公布、施行された「国民の祝日に関する法律」(略して祝日法)です。その後、この『建国記念の日』や『敬老の日』『体育の日』が追加され、平成になって、これまでの天皇誕生日が『みどりの日』に、皇太子誕生日が『天皇誕生日』になり、更に平成8年には『海の日』が加えられました。
  最近、色々な場面で感じるのはあまりにも日本のことを知らない人が増えてきているということです。祝日についても、昔のように各家庭で日の丸を掲揚することもほとんど見かけなくなり、その制定の趣旨について語られることもなくなってしまいました。そのため、〝単に休む日が増えた〟という感覚で過ごす人が大半ではないかと思いますが、これらの制定の趣旨を知ることが大切なのではないかと思っています。
  
  

2012年02月12日

国公立大学の推薦入試に11名が合格

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  近年、大学入試の選抜方法は私立・国公立とも随分多様化してきています。最初私立大学は独自の入試と指定校推薦による入学者の確保を行なっていましたが、小論文や面接を中心とした『AO入試』やセンター試験を活用した入試を取り入れるようになってきました。一方、国公立大学はセンター試験後に筆記試験を行なうというのが一般的でしたが、最近は推薦入試を取り入れるところが増えてきました。
  本校においても、これらの動きに応じて推薦入試に関心を示す生徒が出てきましたが、一般教科の指導に比べ、一人ひとりの生徒に対して志望理由書や小論文、面接等を個別に指導していくことが必要になります。小論文については、ともすると国語の先生が指導に当たることが多いのですが、大切なことは美しい文章を書くことではなく、何を訴えたいのかという内容なのです。そのためには、指導する先生が、日本や世界の現状や社会の動向、企業活動や新たな技術等についてしっかりと捉えておかなければなりません。つまり、生徒以上に先生方が勉強しなければならないということになります。そのため、先生方は「小論文の書き方」についての講習を受け、自ら創意工夫を加える等相当磨きをかけられたようです。このような取り組みの成果が、徐々に合格実績という形になって表れてきました。まず、私立大学への推薦入試合格者が増え、3年前までは1~2名しか合格しなかった国公立の推薦入試にも一昨年、昨年は5名、そして、今年は11名が以下の大学に合格しました。
  ◇大阪大学 ◇神戸大学 ◇大阪府立大学(2) ◇島根大学 医学部医学科 ◇鳥取大学 ◇滋賀大学 ◇京都教育大学 ◇神戸市看護大学 ◇鹿児島大学 ◇兵庫県立大学
  特に、〝二桁合格〟という目標を達成できたこと、昨年に続いて国立大学の医学部医学科に合格者を出せたことは、指導してきた先生にとっても大いに励みになったと思います。これから国公立大学の前期入試を迎えますが、この勢いを持続して昨年を上回る結果を残して欲しいものです。 

2012年02月11日

高校前期入試を終えて

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              《現在のコース制の概要》
  
  2月11日(土)、〝建国記念の日〟の祝日ですが、昨日に続いて入学者選抜業務を行ないました。今回は受験者が1000名近いこともあって、採点がすべて終了するのは深夜になるのではないかと思っていましたが、全員の協力で何とか無事にデータ登録することができました。本日は朝から管理職と入試広報の主要メンバーが校長室に集まり、登録した基本データの分析を行ない選考案を作成しました。そして、午後からは全教員が出席して入学者選考会議を実施しました。
  会議では、全体の概要について私から説明した後、中学入試と同様、各教科から出題の意図や結果についての報告を行ないました。今回はコース制導入後6回目の入試ということになり、コース制は完全に定着したようです。また、年度別の採点結果については単純に比較することはできませんが、かなり難問を出題した割には、平均点は少ししか下がらず、受験者のレベルは年々確実に上がってきているようです。
  専願者の方には、面接を通じて志望動機をお聞きしましたが、進路実績が向上していることや学習環境が整っていること、しっかりと学習指導してもらえるといった意見が多かったように感じています。
  また、今回、本校を受験された皆さんの中には、これから兵庫や大阪の公立高校の受験に臨まれる方も多いと思います。今は精神的にも苦しいとは思いますが、自分が苦しい時には他の人も苦しいのです。このような厳しい状況の中で、成否を分けるのはいかに最後まで集中力を持続していけるかどうかにかかっています。そして、社会に出ると、この様な試練の場が次々と待ち受けています。そう考えると受験というのは人生における節づくりであるのは間違いありません。この経験はきっと将来役立つと思います。困難から逃げようとせず、受験を前向きに受け止めて目標達成に向けて全力を尽くして下さい。
  なお、合否の結果は、本日の夕方速達便で郵送させていただきましたので、遅くとも月曜日にはご自宅の方にお届けできる見込みです。インフルエンザが流行していますので、くれぐれも健康には留意して下さい。

2012年02月10日

高校A日程入試始まる

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  2月10日(金)、高等学校の前期入試が始まりました。教職員は7時過ぎにそれぞれの配置につき、続々と来校する受験生を出迎えました。今年の受験生は過去最高となる992名です。
  これまでの高校入試の志願者の推移を見ると、平成17年までは500名前後で推移していましたが、平成19年のコース制を柱とする学校改革がスタートしてからは増加傾向にあります。前期日程だけで見ると、平成20年715名、平成21年846名、平成22年には899名と連続して増加した後、昨年度862名と減少に転じました。
  高校入試に関しては大阪府と兵庫県の私学助成に対する施策の違いということもあって、大阪府に隣接する本校は非常に厳しい状況下におかれています。そのため、この1年間危機感を持って入試広報部員を中心に募集活動に注力してきました。また、それぞれの生徒の進路実現や学力向上、生活習慣作り等についても、きめ細かい指導を行なってきました。その結果、今年は前年を130名上回る志願者数になり、専願者数も増加しました。
  本日は午前中に国語・英語・理科、午後から社会・数学の筆記試験を実施した後、専願者に対する面接を実施しました。並行して、試験が終了した教科については直ちに採点を始め複数の目で再確認を行ない、点数をコンピュータに登録し集計しました。そして、万全を期すため再度読み合わせを行ない、これから合否の判定基準を作成する予定です。
  受験生の皆さんは大変お疲れになったことでしょう。どうか、今日はゆっくりと休養してください。
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2012年02月09日

明日の高校受験を控えて

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  2月9日(木)放課後、明日の高校入試(A日程)を控えて試験会場となる各教室やトイレ等の清掃、時計や放送の確認等を入念に行ないました。この1~2週間で急にインフルエンザの患者が増えており、体調を崩す受験生も出てきていることを考慮して特別教室も用意することにしました。また、明日の朝は冷え込みが予想されるため、阪急雲雀丘花屋敷駅から学校までの道路や受付での混雑も考慮した対策等も行ないました。
  本年度は平成19年度にコース制を導入してから6回目の入試ということになり、コース制の趣旨は完全に定着してきたようです。この結果、明日は過去最高の992名の方に受験していただくことになりました。現在、私学に対する助成策が各府県によって異なるため、大阪府に隣接する本校にとっては、大きなハンディを背負っての入試ということになりましたが、多くの方に受験していただいて本当に感謝しています。明日は学校の総力を結集して、快適な環境の下で受験していただけるようにしたいと思っています。 
    

中学朝礼~大切な土作り

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  2月8日(水)、中学校の全校朝礼を久しぶりに体育館で行ないました。職員朝礼を終えて、体育館へ行くと全員がキッチリと整列していて、気持よくスタートすることができました。いつものように何人かの生徒に賞状伝達した後、青森県でリンゴ農家を営んでおられる木村秋則さんの育てた〝奇跡のリンゴ〟の話をしました。
  〝木村さんがリンゴを無肥料・無農薬で栽培しようと考えたきっかけは20数年前、たまたま入った本屋にあった「自然農法論」という書物との出会いでした。この本には無肥料・無農薬で作った米のことが紹介されていました。木村さんは大きな衝撃を受け、この方法でリンゴを作りたいと思ったのです。そして、片っ端から農業関係の本を読みあさり、無肥料・無農薬のリンゴづくりを始めました。
  しかし、それは全く先の見えない無謀な挑戦の始まりでした。期待に反し、リンゴの木は初夏になると葉が黄ばみ落葉を始め、本来5月中旬に咲く花が9月に咲き、小梅のような実がなりましたが、これはまずくて全く食べられるものではありませんでした。それから7年間、花は咲かず害虫と病気との闘いに明け暮れる毎日で全くリンゴが採れず、子どもにノートを買ってあげることも出来なくなり、昼は自分のリンゴ園で作業をし、夜は弘前の繁華街で働くという生活を余儀なくされたのです。そして、世間からも変人扱いされ、全く生きる自信をなくした木村さんは自殺しようと思って岩木山に登ったのです。そこで、弘前の美しい夜景を眺めながら、しばらく佇み、しゃがんで土をすくってみました。すると、この土は畑とはぜんぜん違う匂いであり、畑の草は簡単に抜けてしまうのに、ここに生えている草は根っこが張っていて、力を入れて引っ張ってもなかなか抜けません。この土をじっくりと観察すると、掘っても土の中の温度が暖かく下がらないということが分かったのです。そこで、木村さんは大事なのは『土』だと確信し、土作りに注力することにしました。そして、ついにこの努力が実を結び、8年目に一本の木に7個の花が咲き、その翌年には畑一面にリンゴの白い花が咲き乱れました。こうした血の滲むような努力の結果、木村さんはついに無農薬のリンゴを完成させたのです。
  このエピソードから私は二つのことを学びました。一つはどのようなことにも諦めずにチャレンジし続けることの大切さです。そして、もう一つは植物を立派に育てるための土作りのポイントは人間の教育にも繋がるということです。教育環境を整え、お互いに助け合い、励ましながら学習する風土をしっかり作っていくことが何よりも大切であると思っています。〟
  あと2か月経つと中学3年生は高校生になり、中学1年生・2年生もそれぞれ進級します。悔いのないよう充実した学校生活を送ってくれることを心より願っています。

2012年02月08日

大学推薦入試の面接指導

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  この度、大阪大学の基礎工学部システム科学科の推薦入試に『K君』が合格したという嬉しいニュースが届きました。センター試験終了後、大学の入試が本格化してきましたが、国公立大学の中には、このようにセンター試験とAO入試を併用した形の推薦入試を実施する大学があります。
  現在、高校3年生の担任や進路指導部の先生を中心に受験校に応じた個別の指導を行なっており、私も時間の許す限り、面接等には加わるようにしています。実はこのK君についても入試の前日まで随分細かい点にわたって指導を行ないました。これが直接今回の結果に結びついたかどうかは分かりませんが、本人によると学校での面接の方が怖かったとのことです。そして、本番の面接は比較的落ち着いて、しっかりと質問に対する受け答えはできたとの報告を受けていました。
  このような指導をしていて感じるのは、何と言ってもコミュニケーション能力の大切さです。つまり、自分の考えていることをいかに分かりやすく相手に伝えていくかがポイントになります。本校では爽やかな挨拶やキッチリした服装や言葉遣い、整理整頓等の凡事徹底の重要性を常に訴えていますが、この様なことが身についているかどうかは面接の中で現われてくるものです。一緒に面接指導していた担任の先生も改めて「日常の姿勢が大切であるということを認識しました」と言っておられました。
  もう一つ感じるのは〝雲雀丘学園中・高校はどういう学校ですか〟という質問に対して、先生の面倒見が良いとか、先生と生徒の間が近いとか、生徒同士の仲が良いとか、環境に恵まれているといった答が返ってきますが、この答えは満足できるものではありません。私学の特徴は何と言っても創立の精神を中心とした明確な理念があるということです。本校の基本である「孝道」や「高志・自律・努力」「社会に役立つ」といったことを、自分の言葉で語ることができるかどうかです。これからもあらゆる機会を通じて、本校の特色を生徒達に訴えていくことが大切であると感じています。

2012年02月07日

部長主任会議の開催

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  2月6日(月)、本年度11回目(今年になって2回目)となる部長・主任会議を開催し、冒頭次のような話をしました。
1、今週末から、高校A日程の入試が始まる。お陰様で、中学受験に続いて、過去最高の志願者数となった。これは大変名誉なことであるが、注目されているということは、それだけ期待値が高いということになる。そのためには、今までと同じレベルのことをしていては駄目だし、小さなことをも逃してはいけない。一人ひとりが問題意識を持って取り組んでいってもらいたい。

2、“雲雀丘学園はどういう学校なのか”“何を目指しているのか”を自分の言葉で語れるようにして欲しい。「学校の方針だから」とか「校長がこう言っているから」と、そのまま伝えるだけでは理解は深まらない。ここにいる部長・主任の皆さんはこのことをしっかりと受け止め、先生や生徒に伝えていくことが大切である。

3、何度も言っているとおり、現在本校は第2ステージを迎えている。この到達年度は〝平成25年度〟であるが、まずこの第2ステージをキッチリ仕上げなければならない。そのためにはしっかりと現状を分析し、どこに問題があるのかを洗い出すこと、そして来年度の計画に反映させていくことが大切である。また、これと並行して平成26年以降の第3ステージのあるべき姿を構築していかなければならない。

4、現状の問題点だけを見て、とりあえずこうしようという対応型の取り組みでは抜本的な解決にはならない。将来のあるべき姿に向かって現状の課題解決をはかっていくことでなければ、いつまで経っても同じことの繰り返しになってしまう。〝将来の姿から物事を見る〟という姿勢が大切である。

5、来年度の学校経営計画の策定にあたって、これから課題を絞り込み、この課題解決のためにどういう体制でいくかを検討していくことになる。2月下旬に学年主任、分掌長、教科主任の人事を発表し、次いですべての人事を発表する予定である。
  今一度、気持ちを引き締めて取り組んでいきたいと思っています。

2012年02月06日

Unlearningの大切さを学ぶ

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  先日、コダック社の破綻や日本の電機各社のテレビ事業の見直しの例を取り上げましたが、過去の成功体験というのはなかなか捨てきれないものです。〝失敗は成功の母〟という言葉がありますが、〝成功は失敗の母〟でもあります。
  最近の企業経営を見ていると成功体験があったために大きな失敗をしているというケースが散見されます。これらの失敗の原因は時代の変化を読み違えていることがほとんどです。今の時代の特徴は、これまで10年かかって徐々に変化してきたことが1年で急激に変わるということです。以前、時代がゆっくりと流れている時には業界の順位というのはほとんど変わりませんでした。しかし、最近は1年で順位が急激に入れ替わるようになってきました。時代の変化が小さい時には概して成功を積み上げていくというやり方が有効であったように思いますが、大きく時代が変化している時には、何事を行なうにもスピードが要求されます。しかし、これは反面大きなリスクを伴うことになるのです。つまり、急ぐあまり誤った経営の意思決定を行なうと期待された成果は得られないばかりか、大きな投資が伴う場合には取り返しのつかないことになりかねません。
  過去にうまくいったという理由で同じ手を使いがちですが、このやり方ではうまくいかないことが多いのです。薄型テレビの大型投資等はまさにこの典型的なパターンです。自らの技術力を過信し、大量生産することによってコストを下げ、大きく販売を伸ばした過去の成功体験が今回の経営危機を招いたのです。経営にとっては、これまでの成功体験を忘れ去り、今一度原点に戻って考えるというUnlearningが大切であると痛感しています。過去のさまざまな例を見ても失敗の芽は成功の時に生まれやすいのです。
  現在、本校の経営は比較的うまくいっていると思いますが、これまでの成功体験を一旦白紙に戻して時代の変化とライバル校の動きをしっかりと読み取り、新たな施策を打ち出していきたいと思っています。
  
  

2012年02月05日

本年度最初のビーンズ研修会に参加して

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  2月5日(土)、ビーンズ研修会が開催されました。この会のメンバーは大阪府立高校・支援学校の現職校長、教頭およびOB校長と教育委員会の幹部となっています。現在大阪府の高校を取り巻く環境は教育条例等の動きもあって、全く予断を許さないものになっています。当日は中学入学予定者のガイダンスのため、当初は欠席の予定でしたが、色々なことについて意見交換したいとの思いで遅れて参加しました。第一部の最後に、私からこれまでの教育条例についての経緯を説明した後、第二部の懇談会の場では、出席者全員がそれぞれの思いを述べ合いました。各校ごとにさまざまな課題があるようですが、その中で懸命に学校づくりを進めておられるようです。
  〝皆さんはトップとして大変ご苦労をされていると思うが、課題が錯綜し混迷している時には今一度、原点に戻って、学校は何をするところなのかをしっかりと考えることが大切である。生徒を育てるという視点に立って、教育活動を展開して欲しい。公立は厳しい環境におかれているが、実は私立も同様であり二極化が進んでいる。現状に対して不満や不平を何回言っても問題は解決しない。こういう時こそ校長や教頭は志を持って元気を出して教育活動を推進して欲しい。〟
  このことは、私自身にも言えることであり、大きな環境変化の中で、前向きに行動していくことが必要であると思っています。

2012年02月04日

中学新入生ガイダンスの開催

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  2月4日(土)、午後2時から学園講堂で中学校の合格者を対象としたガイダンスを行ないました。本日は土曜日ということもあって、定刻の随分前から両親に連れられた生徒の皆さんが来校され、約1時間にわたり、これから中学に入学するまでの生活や準備することについての説明をさせていただきました。
 本校に入学するにあたっては、これまで相当ハードな受験勉強をしてきた人も多いと思います。入試の際には全員面接させていただきましたが、1週間の通塾の回数や学習時間を聞いて、小学校の生活を楽しむ余裕がないのではないかと感じました。今は入試の重圧から開放されて正直なところホッとしていると思いますが、これから中学に入学するまでの2カ月は中学生活を力強くスタートするための準備の期間として実に大切です。そのために本日、教頭や教務、生徒指導の先生から色々なことをお話しましたが、私からも入学される皆さんにメッセージを送ります。すべて難しいことではなく、誰でもできる簡単なことですが、この簡単なことをしっかりとやることが大切なのです。
一 正しい生活習慣を身につける
      早寝・早起き・朝ご飯
      約束・ルールを守る  
二 大きな声でしっかりと挨拶する
      おはようございます
      ありがとうございます
      しつれいしました
      すみません (ごめんなさい)
三 身のまわりを美しく
      きっちりした服装  掃除  整理整頓    
四 学校の授業を大切にする
      話をしっかりと聞く (さわがない)
      忘れ物をしない (教科書・参考書・ノート)
      提出物の期限を守る
五 人の嫌がることをしない (いじめは絶対に駄目)
   自分のしてほしいことを他人にしてあげる
  
  中学生になると小学生の時とは異なり、〝自分のことは自分でやる〟ということが必要になってきます。しかし、間違ってはいけないのは自分の思ったとおりに好き勝手にやるということではありません。
本校の基本の考え方は家庭と学校の連携による〝共育〟と全員が学ぶという〝共学〟です。保護者の皆さんは、この考え方をご理解いただき、何卒ご支援ご協力賜りますようお願いします。

2012年02月03日

バングラデシュへの道

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  高校時代の友人で、現在『岡本内科こどもクリニック』の院長である岡本新悟氏がいます。先日彼から「バングラデシュへの道」と題する小冊子が届けられました。これによると、この度バングラデシュという国の無医村に入院施設のある病院を作り、昨年奥さんと共にその病院の開院披露と外来患者の診療を行なった後、ノーベル平和賞を受賞されたムハマド・ユヌス教授と会談してきたとのことです。
  バングラデシュという国は、インドに隣接していており、人口は1億4200万人で、世界では7番目に多く、人口密度は都市国家を除くと最も高くなっています。しかし、経済的には、1人当たりのGDPが580$(約46000円)と極めて低く貧困国の1つにあげられています。
  岡本氏は、6年前奈良県立医科大学に勤務していた時、このバングラデシュから1人のレザという名の医師を迎えました。彼はチッタゴン大学を卒業し、公立病院で勤務した後、留学生として日本にやってきました。実に真面目で優秀で、細やかな気遣いのできる好青年でした。彼が4年間の留学を終えて帰国する時に、相談があるということで、岡本君に話しかけてきました。「バングラデシュでは、医者の資格を持っている人は、高い報酬でアラブ諸国に招聘され、それを家族に送金しているそうです。実は自分もサウジアラビアから招聘されているが、何とか地元で貧しい人のために、医療活動を続けたい。そのために病院を建てたいので、建設費を貸して欲しいということでした。この話を聞いて、心を打たれた岡本氏は、間もなく大学の定年を迎えることもあって、奥さんに内緒で自分の退職金を使って、「岡本海外医療援助基金」を創設し病院を作ることを約束しました。そして、昨年ついにこの青年の夢が実現したのです。しかし、貧しい患者の中には医療費が払えない人がたくさんいます。この人達を無料で診療するということになると、病院の経営が成り立ちません。そこで、岡本氏は病院に隣接した土地を購入し、そこにマンゴーの木を植えることにしたのです。そしてお金の払えない患者さんには、このマンゴー園で診療費の代わりに労働奉仕をしてもらうことにしました。このマンゴーを収穫して販売することにより、その収入で病院を経営していこうというものです。更にこの事業が軌道に乗れば、貯えたお金を使って次の病院を建設するという壮大な計画です。そのためにはマンゴーの木をたくさん植えなくてはなりません。現在、彼はその基金を集めるために、多くの人に働きかけを行なっています。
  これからも毎年この病院を訪問するそうですが、グローバルな観点から世界の人々が共に助け合うというモデルになることを祈りつつ、この素晴らしい支援活動の場を広げていきたいと感じています。

http://www.okamotomedicalfund.org/  

2012年02月02日

節分を明日に控えて 

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  2月2日(火)、今週になって日本各地に寒波が到来し、雪による事故も報道されています。本日も早朝の登校指導をしましたが、寒風吹きすさぶ中、生徒達は元気に登校してきました。何気なく見上げると、この寒さにも耐えて学園の桜がしっかりと蕾をつけています。今週末には立春を迎えますが、その前日である明日は節分です。この日には「豆まき」や「恵方巻のまるかぶり」をする家庭も多いと思いますが、節分の意味を知らない人も多いようなので紹介します。
  日本には春夏秋冬という四つの季節があるため立春・立夏・立秋・立冬の前日を季節の分かれ目ということで「節分」と呼んでいました。ところが、旧暦では立春が新年の始まりと考えられていたことから次第に「節分」と言えば春の節分を指すことになったのです。この考えかたに立つと節分は大晦日ということになり、その年の邪気を祓うということで、さまざまな行事が行なわれています。そして、この代表的なものが豆まきです。
  豆まきの行事は平安時代から始まったようですが、「鬼は外、福は内」という大きな掛け声で豆をまき、その豆を自分の年齢に一つ加えた数だけ食べると無病息災になると言われています。そして、北東の方向は鬼が出入りするということから〝鬼門〟と呼ばれています。十二支は時間と方位を示すものですが、この鬼門という呼び方にも、この十二支の考え方がかかわっています。つまり東北というのは丑(うし)と寅(とら)の間にあたる艮(うしとら)にあたります。鬼は想像上の生き物ですが、鬼は牛の角を持ち虎皮のパンツをはいていると言われています。 また、鬼退治に出かける桃太郎伝説を見ても家来となるのは〝猿〟〝キジ(鳥)〟〝犬〟であり、これらは鬼門(東北)の反対の方角に位置しているのです。
  このように、日本には1年の節目にあたってさまざまな行事がありますが、常に邪気を払う、身を清める、神に感謝するといったことが盛り込まれています。 昨今、グローバル人材の育成ということが話題に上るようになってきましたが、日本人としての伝統や文化、精神といったものをしっかりと身につけておくことが大切であると思っています。

2012年02月01日

平成24年度学校経営計画の策定

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 2月1日(水)、新しい年になって既に1か月が経過し、今日から2月に入りました。現在、私立の中学・高校においては、中学入試が終わり、ほぼ来年度の入学者が確定し、引き続き2月10日からの高校入試に向けて準備を進めています。本校でも昨日、前期日程の入学願書受付を終了しましたが、志願者は992名と過去最高になりました。これはひとえに皆様のご支援のお蔭であると心より感謝しています。また、並行して各大学の入試がスタートし、高校3年生は合格を目指して懸命に取り組んでいます。そして、先生方も何とか生徒が希望する進路を実現させたいという思いで、通常の授業以外に入試対策として「特別講習」や「面談指導」等に注力しています。
  このように、各先生は相当ハードな勤務をこなしていますが、この時期に絶対検討しておかなければならないのは『平成24年度の学校経営計画づくり』です。この中には教育内容をどうするかということは勿論、カネと人をどうするかという『予算計画』と『人事計画』も含まれます。また、来年度の学校計画を検討する際には、中期の視点を取り入れ着地点を明確にしておくことが必要です。そうしないと単年度ベースの取り組みになってしまい、最終の姿を描くことはできません。これから新年度に向けてのステップは、まず「全体の学校経営計画を作る」、次に「学年主任や分掌長、教科主任を任命する」、続いて「部門毎の計画を作る」、そして最後に「各人の目標を設定する」ということになります。
  経営の質を高めていくためには1つの目標に向って、それぞれの仕事が繋がっており、教職員の協力体制が築かれていなければなりません。言い換えると、個人レベルではなく組織で動くということが必要なのです。従って今一度、学校のビジョンやあるべき姿を明確にして、衆知を集めた全員経営を推進していきたいと思っています。