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2014年04月30日

H26体力測定・健康診断

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 4月もきょうで終わりです。国立天文台のデータでは、きょうの神戸地方の日の出は5時11分、日の入りが18時43分とあります。めっきり日が長くなりました。
 きょうは、全校生徒の体力測定と健康診断の日です。中学・高校時代は、個人差はあるものの成長が著しい時期です。数値を見て自分でも驚く時があるほどです。1年間の身体の成長の度合いや体力の変化などが測られます。現状の体力・健康状態を正しく把握しましょう。
 成長していればいいのですが、そうとばかりは限りません。気になるデータが文科省にあります。「平成25年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果・特徴(中学校)」です。それによりますと、明確な二極化がみられ、1週間の総運動時間が60分未満の生徒は、「男子が9.7%に対し、女子が29.9%であった」としています。また、その生徒のうち「男子の78.6%、女子の80.2%の運動時間が0分」だったそうです。全く運動しない女子が多くいるということになります。文科省は、体力水準が高かった昭和60年度を上回ることを目標にしていますが、「男女とも、1週間の総運動時間が420分以上の生徒は、420分未満の生徒に比べて到達率が高かった」としています。毎日継続しないとなかなかこの時間は上回れません。
 あすから5月、ますます日が長くなり運動に最適な季節になります。運動は、健康はもとより体力や知力にも大きく関係してきます。生活習慣の中に運動を位置づけることは老若男女を問わず重要な課題となっています。

2014年04月29日

国公立大学合格者の推移


 毎年大学入試が終わると週刊誌などで大学合格実績の記事が出されます。難関国公立大や難関私大に強い学校などの特集が組まれたりします。私立大学は一人で複数合格が可能ですから在籍者数を上回る大きな数字が出たりします。その点、国公立大学は原則一人一大学になりますので「受験に強い学校」の指標に使われたりします。ただし、各学校によって在籍者数(学校規模)が違いますので、合格者数だけでみると正しく実態を反映しているとはいえません。在籍者に対する既卒生(浪人)を含めた割合(在籍率)や現役だけの割合(現役率)が問題になってきます。
 上の左のグラフは、06年の高校改革前(09年卒業)から今春の卒業生までの国公立大学合格者を表したグラフです。在籍者に対する割合や現役の割合を折れ線グラフで示しています。07年の高校改革後(10年卒業、第一ステージ)も折れ線グラフは右肩上がりで推移しています。今春の卒業生(第二ステージ)は約30%が現役で合格しています。10年の第一ステージ1期生が約15%ですから倍になっています。
 また、棒グラフから現役の合格者で過去最高の合格者(浪人を含む)だった12年を超えていることも読み取れます。なお、右のグラフは、入学当時の在籍者数を表したものです。今年は、この6年間の中でも少ない卒業生でした。
 このグラフから、改革の進捗状況や現状の到達点を見ることができます。さらに、改革の途上、発展途上であることは、このグラフに表れていない、この後の入学者の状況をみれば分かります。

2014年04月28日

来年度高校募集に向けて


 2008年(平成20年)から始まる中学改革は来年度から一貫選抜(一貫)のみの募集となり、第三ステージに入ります。
 高校改革は中学改革に先立ち、07年よりスタートしました。始めは選抜特進(選特)が1、特進Ⅱが2、特進Ⅰが3の6クラスでした。第一ステージです。11年には中学改革1期生が高校に上がってきましたので特進Ⅰの募集をやめ、一貫2、選特2、特進3の7クラスになりました。現在の体制、第二ステージです。それが、今年度は一貫2、選特3、特進3と選特が1クラス増え8クラスとなっています。
 今年度(14年度)の高校募集は、選特95名、特進20名、一貫若干名の募集でした。それまでの選特45名募集から50名増やし、その分、特進を減らした募集としました。これは、高校の第三ステージ、一貫と選特のコースで構成することを見据えてのことです。来年度、中学が一貫のみの募集になるということは、遅くともその生徒が高校へ上がる時はそうなります。それまでの間、高校は選特のみの募集に近づけていく形となります。間もなく高校募集要項を発表することになります。受験を検討されている方は変更点の確認をよろしくお願いします。
 高校・中学にコース制を導入し、そのコースも進化させシンプルなコースに収束させてきています。「不易流行」の「不易」な部分は「創立の精神」、「流行」の部分は現状分析の上にたっての「学校改革」、と私は考えています。第三ステージが終着点ではありません。雲雀丘学園には、更に次のステージへと進化させていく改革の萌芽を育てる土壌ができています。

2014年04月27日

一貫選抜のみの募集となる中学入試


 来年度入試に向けての動きが始まっています。各地で行なわれています入試報告会に本校も参加していますが、本校単独で5月17日(土)西宮プレラホールにて「入試結果報告会&学園を知る会」を行ないます。昨年同様多くの方に参加していただければと考えています。
 中学入試と高校入試がありますが、この時期は中学入試の動きが高校入試の動きより早く、相談者の数も多い状況です。本校の来年度中学入試は一貫選抜のみの募集と大きく変更になります。そのことについての相談が多いように感じられます。
 08年にスタートした中学のコース制です。発足当時は一貫・発展各2クラス募集でしたが、11年から一貫2・発展3クラスとなり、13・14年と一貫3・発展2となりました。それが来年度は一貫のみとなります。コース制導入当初からコース制そのものが目的ではありませんでしたし、年々一貫の志願者の増加に伴い入学者も増えてきている経緯からすれば、これは当然の帰結と考えています。
 ここ数年、「本物の学び」の追求をめざし様々な取り組みを行なってきました。単一コースになれば、質の高い授業内容に基づくシンプルなカリキュラムを土台に、深い学びを目指す各種「ゼミ」が展開されるようにしたいと考えています。また、様々なスケールメリットも考えられます。
 今春、初めて一貫の卒業生(56期生)が出ました。進学実績では東大を始め多くの国公立大に合格しています。もちろん現役です。なにより、56期生の6年間の学園生活を振り返ってみて、このコースの導入は間違いではなかったと確信しています。

2014年04月26日

来年度入試に向け学園小で訴え

 もうすぐやってくる風薫る5月にふさわしいような爽やかな天気でした。きょうは多くの部活動の試合が計画されている日です。本校の食堂では、第38回全国高校囲碁選手権兵庫県大会が行なわれていました。その他各会場で行なわれている大会でも本校生が活躍していることと思います。多くの生徒が各種大会に参加しますので、きょうは臨時休業となっています。
 一方、学園小学校では授業参観とPTA総会が行なわれていました。毎年、この機会を利用して学園小学校の4年生から6年生までの保護者の方に、学園中学の現状や連絡入試について話をさせていただいています。特に来年度の中学入試は、今までの一貫と発展の2つのコースによる募集から一貫のみの募集へと変更になる年です。このことについてや連絡入試の持つ意味などについて話をさせていただきました。
 来年度の中学入試は募集人数が160名と従来と変更はありませんが、コースが一貫だけとなります。今年の前期A日程(300点満点)では一貫は187点、発展は180点と合格基準点の差は7点でした。これを例にとりますと来年度は最低点が7点アップするということになり難化します。また、学園小学校以外から受験される方にとっては、募集人数のうち学園小学校から何名入学するのかが気がかりなところだと思いますが、学園小学校の人数を確保して残りを他の小学校からの入学者にあてるということはしていません。設定した基準をクリアした受験者を合格とする姿勢は従来通りです。新しいステージに向け改革を進めていきます。多数の方が受験してくださるものと期待しています。

2014年04月25日

「May」

 「It is not always May」.一年中5月ではない。5月がまだ始まっていないのに、もう5月も終わりだというのではありません。連続TV小説「花子とアン」が滑り出し好調の視聴率だそうですが、その原作「アンのゆりかご〜村岡花子の生涯〜」(村岡理恵)の中に出てくる言葉です。花子の初恋の人が外交官としてヨーロッパに旅立ち、旅行先から送ってきた手紙の最後に書かれていた文です。「May」は「5月」のほかに「青春」という意味もあることに気づき、「もう青春時代は終わった」と告げた言葉だと悟り、花子は別れを決意します。花子こと村岡花子さんは、L・M・モンゴメリの「Anne of Green Gables」を翻訳し「赤毛のアン」として世に送り出した人です。
 5月が「May」なら4月は「April」。「April」の語源は「開く」。桜の花を始めユキヤナギ、コブシ、ツツジなど多くの花が開花し咲き誇る頃です。また、4月は「卯月」といいます。ウツギの白い花、卯(う)の花が咲くから「卯の花月=卯月」ですが、もとは旧暦4月の呼び名。「♪卯の花の 匂う垣根に 時鳥(ほととぎす) 早も来鳴きて 忍音(しのびね)もらす 夏は来ぬ」(佐佐木信綱作詞・小山作之助作曲)。新暦では4月下旬から6月上旬頃に当たりますので、「夏は来ぬ」となります。ちなみに、村岡花子は、この歌の作詞者佐佐木信綱に師事し短歌を学んでいます。
 もうすぐ「May」、夢や希望に満ち活力のみなぎる若い頃を意味する「青春」の5月がやってきます。

2014年04月24日

授業参観とPTA4月総会

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 きょうは今年度初めての授業参観とPTA総会が行なわれました。
 高3は日程の関係で模試を行なったので、授業参観は中1〜高2までの5学年での実施となりました。新年度早々です。クラスや授業の様子に関心が高く多数の参観者がありました。生徒の座席を少し密集させて参観される方のスペースを確保するなど工夫をした学年もありましたが、教室に入りきれず廊下からの参観となった所もあったようです。
 参観終了後、講堂でPTA総会が行なわれました。総会の冒頭に昨年度の役員の方に理事長よりの感謝状をお渡ししました。その後、議事に入り平成25年度の決算報告と平成26年度の予算案、PTA行事計画などが報告され承認されました。総会終了後、各種委員会がおこなわれ委員長の紹介と副委員長の選出、担当教員の紹介などがありました。
 授業参観に来られる方が多いのは言うまでもないことですが、近年PTA総会などの諸行事にも多くの方が参加していただいているように感じます。生徒数が多くなったこともありますが、参加者の割合が高くなっているようです。PTAは生徒の健やかな成長のため、保護者と教員が力を合わせ「共育・共学・共成」を実践するための組織、と私は考えています。大人のネットワークを構築する組織です。多くの方に参加していただければそれだけネットワークが広がることになります。今年度も多くの行事が計画されています。大人が生き生き楽しく活動する姿は必ずこどもに還元されることになると思います。

2014年04月23日

4.23避難訓練

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 本校は年間計画の中に火災と地震を想定した2回の避難訓練を入れています。きょうは火災を想定した一回目の避難訓練を行ないました。入学して間もない新入生に避難経路の確認の意味を込めたものです。
 8時33分「只今より避難訓練を実施します」との校内緊急放送とともに火災を知らせる警報が鳴り避難訓練が始まりました。朝のショートホームルームの時間ですので各担任の指示のもと校庭南側に避難しました。各階の防火戸が閉まる中、全校生徒と教職員を合わせて約1,600人が避難します。教室が校舎の何階にあるかによって時間が変わってきますが、だいたい5分から6分でクラスや学年の人数確認が終えています。なかなか整然として立派なものだと感じました。
 災害は何時やって来るか。想定できるものではありません。火災や地震、津波などどのようなものに遭遇するか分かりません。それぞれに対応の仕方も変わってきます。とっさにどのような行動をとれるかが問われることになります。特に学校など限られたスペースの中で大勢が生活しているところでは集団としての質が問われることになります。他者に対する働きかけなどを考慮した各自の行動が要求されます。日常の様子が災害と言った非日常の時に表れることになります。
 自然環境の中から引き起こされる災害は私たち人間の力で阻止することは出ないかもしれませんが、エキスパートエラーや集団の弱さからくる被害は食い止めなければなりません。きょうの青空のような清々しい気分になるような避難訓練でした。

2014年04月22日

正常性バイアスとエキスパートエラー

 異常事態が起こっても「自分は大丈夫」とか「何とかなる」と心を平静に保とうとする働きは誰にでも備わったものだそうです。この働きがないと、日々の生活を送る中でチョットした変化や新しい出来事に過剰に反応したりしていると心が疲弊してしまうからです。災害心理学ではこれを「正常性バイアス」というそうです。
 ところが、実際に災害に直面した時に、この正常性バイアスの働きにより逃げ後れたり対応が遅れたりすることがあるようです。また、パニックにならないようにとの配慮のあまり、人々に状況を正しく伝えなかったり、平静を呼びかけて避難指示が遅れたりして事態を重大化してしまう「エキスパートエラー」もあるようです。事故や災害に対処するエキスパートといわれる安全管理者たちが犯す判断ミスのことです。
 「地震や火事に巻きこまれても多くの人々はパニックにならない」(「人はなぜ逃げおくれるのか」広瀬弘忠著 集英新書)。パニックは、「脱出は可能だという思いはあるが、安全は保障されていない」という状況下で「人々の間で相互のコミュニケーションが正常に成り立たなくなって」いて、我先にと競い合う中で発生しやすくなります。正確な現状認識と自分さえ良ければとする利己的行動ではなく、互いに力を合わせる共同行動で現場からの脱出を図らねばなりません。的確な指示を出すリーダーの存在も重要です。これらを踏まえて避難訓練を行なわなければなりません。

2014年04月21日

デッドポイントの先には

 長距離走において、デッドポイントというものがあるそうです。走り出したら間もなく一時的な酸素不足になり苦しくなる状態を指します。まだスタートしたばかりなのに、こんなに苦しくてこれから先のまだまだ長い距離を走れるだろうかと不安になったりします。これは、呼吸器や循環器の機能が長距離走に対応するまでに時間がかかることから起こる現象とされています。他の競技にも似たような現象があります。しかし、この苦しいデッドポイントはいつまでも続くものではく、体の諸機能が順応してくると苦しくなった後に体が軽くなってすいすい走れるような感覚、セカンドウィンド(第二呼吸)を味わうことができるといいます。
 新年度がスタートし、新たな気持ちで課題に取り組み新しい習慣を身に付けるべく努力を続けてきているなかで、生徒も私たち教員もちょうどデッドポイントに似たような症状を迎えているのが今頃の時期だと思います。新しい課題や取り組みは授業だけではありません。ゴールデンウィーク明けに行なわれる体育大会に向けての準備もあります。生徒数が増えたということもありますが、個々の生徒の活動する機会を多くする、中学校は中学生の手で企画・運営する、ということを考慮して中学と高校を分けて体育大会を実施することにしました。単に別々に開催するというだけでなく、今までの良さを継承しながら行なうということです。計画や準備に新たな課題がでてきます。部活動も新入部員を迎え新たな活動が展開されようとしているところです。デッドポイントの先のセカンドウインドはもうそこでしょう。

2014年04月20日

「葭始生(あしはじめてしょうず)」

 曇り空のうえに、時おり小雨がぱらつく、うすら寒い一日でした。きょうから「雨が降って百穀を潤す」という二十四節気の「穀雨(こくう)」、七十二候では「葭始生(あしはじめてしょうず)」です。野山に新芽、若葉が芽吹くとともに、水辺には「葭=葦・芦」が生え始める頃と言う意味でしょう。
 葦は河川の下流域や干潟に生育する植物です。多数の茎が水中に並び立ち多くの水生動物の住みかや隠れ家になり、浄化作用も持っています。葦簀(よしず)や茅葺き屋根の材料として使われるなど人間の生活にも深く関わりのある植物です。昔の大阪市の上町台地の西側には海岸線があり、入り江となり葦が広大な茂みをつくっていたようです。住之江や墨江、芦原橋はその名残が地名になったと聞いています。葦も有名で古くから歌に詠まれています。「難波潟 みじかき葦の ふしの間も あはでこの世(よ)を 過(す)ぐしてよとや」(伊勢)や「難波江の 葦のかりねの ひとよゆゑ みをつくしてや 恋ひわたるべき」(皇嘉門院別当)と百人一首にでてきます。また、「難波江や干潟の限り葦の角」は、正岡子規の俳句です。百数十年前に正岡子規が観た光景でしょう。今はビルが林立し当時を偲ぶ面影はどこにもありません。この間の都市の急激な変化が見てとれます。
 人類の進歩と都市化、これはある程度仕方ないことかもしれませんが、自然環境の保護や自然との調和とは必ずしも対立するものではないと思えます。

2014年04月19日

PTA新旧役員引き継ぎ会

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 新年度が動きだし軌道に乗り出しつつあります。その中の一つに、PTAの動きがあります。役員となる実行委員会のメンバーは昨年度の2月総会で選出されています。今は、新学期になり学級担任が各クラスの役員をお願いしているところです。
 きょうは平成25年度と26年度のPTA実行委員会の引き継ぎ会を行ないました。引き継ぎ会と言いましても、しきたりや活動の仕方の継承というよりも経験交流といった方がいいかもしれません。旧役員の方一人ひとりが1年間の活動を通して感じられたことを話してくださいました。多くの方に共通していることは、「役員をしたことによって学校の様子がよくわかるようになった」、「学年を超えて縦の関係ができ楽しく活動できた」、「子どもの目線ではなく、親の目線で学校のことが分かるようになった」などというもので「楽しかった」ということが共通していました。なかには「こどもから、役員をするようになってお母さん生き生きしているねと言われた」という微笑ましい報告もありました。旧役員の方の報告を聞かれ、新年度役員になられた方も一安心されたことと思います。PTAは大人のネットワークです。大人も楽しく学校の活動に参加することは、こどもにも良い影響を与えることは間違いないことです。
 その後、新旧の会長・副会長は学園の幼稚園・小学校・中高等学校のPTAの組織である学園PTA協議会に出席と、さしずめ、きょうは「PTAの日」といったところになったようです。

2014年04月18日

新学期も軌道に

 久しぶりの雨です。昨夜から降った雨が朝方まで残っていました。カエデやイチョウなどの新芽や開花したツツジなど草木にとって丁度いい雨でした。季節も「虹始見(にじはじめてあらわる)」。春になって、雨の後に虹が出始める頃です。
 新学期がスタートして十日ほどが経ちました。生徒会の対面式やクラブ紹介といった新入生歓迎の行事や高校のオリエンテーション合宿、中学の自然学舎といった宿泊行事も終わりました。授業も全ての科目が一巡し、高校1・2年生のブラッシュアップゼミの体験授業も始まっています。来週からはパワーアップゼミがスタートします。
 新入生のみならず、新学期は新しいクラス、新しい先生との出会いなど新しい環境での生活です。緊張感も伴い疲れが出てくる頃だと思います。特に新入生は、今までの学習とスタイルや内容なども違い戸惑いとともに頑張らねばという気持ちになっているのではないでしょうか。「勉強」が難しくなるので、部活動をどうしようかなど迷っている人もいるかもしれません。
 心身が成長し大きくなるにはエネルギーが必要です。今までできてきた以上のことをやり遂げようとするのですから、今ある力では負荷がかかります。できるかどうか不安に感じたり、「しんどいなあ」と思う気持ちは大きく成長しようと努力しているからこそ感じるものです。「二兎を追う者は一兎をも得ず」という諺がありますが、一兎だけを追っていては二兎を得ることはできませんし、一兎もおぼつかないかもしれません。新しい環境のもと新しい自分を創る努力が必要な時期です。新芽を芽吹かせ花を開花させ、やがて新緑を迎える如く。

2014年04月17日

海水温の変化が生態系を変える

 「関電、節電数値目標は回避へ 原発ゼロでも今夏余力3%」今朝の朝日新聞一面に出ている記事の見出しです。関電管内だけでなく、国内の原発は何れも再稼働されていません。原発のある周辺の海で変化が表れているようです。
 およそ2年前、福井新聞が「原発温排水利用の養殖魚冬越せず 高浜、運転停止での低水温が要因」という記事を掲載しました。「福井県高浜町の内浦湾で高浜原発の温排水を利用して養殖しているシマアジなど暖海性の魚介類の約3分の1が、今冬から春にかけて死んだことが県の調査で分かった。原発の運転停止によって温排水が止まり、冬場の海水温が下がったのが主な要因とみている」というものでした。シマアジ、カンパチは元来、九州や四国が本場の暖海性の魚です。県の調査では、内浦湾の表面海水温は運転停止後の2月下旬から3月中旬までは9.7~9.9℃で推移し、過去3年平均の11.8℃より約2℃低かったようです。
 一方、先週の土曜日(12日)にMBS「報道特集」というTV番組で、同じ高浜原発のある若狭湾の海を取材し、「原発停止後に南方系の生き物が消えて、現在は海藻の一種、ホンダワラが生い茂っていた。今目立つのは、サザエやムラサキウニなど冬の日本海ではよく見られる生き物たち」と伝えていました。原発稼働中にはサザエやムラサキウニはほとんど見られず、南方系のウニの仲間、ガンガゼがよく見られたそうですが、原発がすべて停止した2週間後には死んでいたそうです。「再稼働に賛成・反対と言う前に、原発が周囲の環境にどのような影響を与えるのか、もっと詳しく知る必要があると思います」と取材した記者は締めくくっていました。

2014年04月16日

魚貝類やサンゴへの影響

 地球温暖化による影響が気になるところです。気候変動など環境の変化は私たち人間よりむしろもっと小さな動植物の方が敏感に感じたり影響を受けたりします。その変化に注意を払っておかないと、私たちが気づいた時には手遅れということにもなりかねません。人間の活動によって排出されるCO2の一部は海洋が吸収してくれていました。が、そのことにより海洋酸性化という問題が起こっています。
 海洋酸性化が進むと、海洋のCO2を吸収する能力が低下します。吸収する能力が低下すると大気中に残るCO2の割合が増え地球温暖化の加速が懸念されます。また、酸性化は動植物プランクトンやサンゴ、貝類、甲殻類などの成長に影響を与え、海洋の生態系に大きな変化が起きる怖れがあります。
 さまざまな海の生物は、「海水中に多く含まれるカルシウムイオンと炭酸イオンから、水に溶けにくい炭酸カルシウムの骨格や殻を作っています」(気象庁、知識・解説)。それは、水素イオンの濃度が充分低いために炭酸カルシウムの飽和度が高くなっている環境下でのことです。海洋酸性化が進むと、海水中の水素イオンが増えます。そうすると水素イオンと炭酸イオンが結びつき炭酸イオンの濃度が下がります。炭酸イオンが少なくなればカルシウムイオンと結びついてできる炭酸カルシウムも少なくなり、サンゴや貝類、甲殻類は骨格や殻の形成が困難になります。また、酸性化はプランクトンの生息や繁殖に影響を与え、生態系に変化を及ぼします。「有用な水産資源の量に左右される水産業や、サンゴ礁等の海洋観光資源に依存する観光業などへの影響も懸念されます」(同)。

2014年04月15日

待ったなしの地球温暖化対策

 国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」第3作業部会は、13日新たな報告書を公表しました。
 その内容は、世界の気温上昇を産業革命前と比べ2℃未満に抑える国際目標を達成するには、2050年までにCO2などの温室効果ガスを10年比40〜70%減らし、今世紀末にはほぼゼロにするとともに、エネルギー効率をより急速に改善すると同時にゼロカーボン及び低炭素エネルギーの供給比率を10年比3〜4倍に増やす必要があるとするものでした。
 また、過去40年間に人間の活動によって出されたとするCO2が、1750年から2010年までの累積排出量の半分を占めていると指摘。経済成長と人口増が大きな要因だと分析しています。特に最後の10年の排出増加量がより大きく、このまま放置すると今世紀末には産業革命前の水準と比べ世界平均地上気温が3.7〜4.8℃上昇するとしています。
 大気の温度上昇は地球表面の7割を占める海洋に影響を与えます。「過去50年間の地球温暖化の熱エネルギーの8割以上は海洋に吸収」(気象庁の知識・解説)されると共に、「人間活動によって放出されたCO2の約3分の1を海洋が吸収し」(同)、地球温暖化の進行をやわらげたり、大気中のCO2の濃度の上昇を抑える役割を担ってきましたが、そのことにより海洋温暖化や海洋酸性化といった新たな問題を引き起こしています。長期間にわたる気候変動や生態系の変化、海面水位の上昇などが懸念されます。地球温暖化対策は待ったなしの喫緊の課題です。

2014年04月14日

「文武不岐」

 7日の新入生の登校日には多くの部活動に参加する部員が新入生歓迎を兼ねて部活動の勧誘を行っていました。中学生対象のクラブ紹介は先週行われ、高校生を対象にしたものは今週行われます。中高時代に大きな影響を与える部活動です。どの部に入ろうか迷っている生徒も多くいるのではないでしょうか。これをやってみたいと思えるものに入部して活動して欲しいと思っています。
 ただ、勉強が忙しくなるので部活動をどうしようかと迷っている人がいるのも事実でしょう。「勉強と部活動は両立するか?」、これは昔からよく問題にされることです。
 雲雀丘学園の生徒は、昨年度のデータで中高全体で7割の生徒(5月1日現在の調査)が部活動に参加しています。部活動を頑張っている生徒は進学も頑張っています。文化部だけではありません。運動部のレギュラーとして活躍していた選手が京大・阪大などに現役で合格しています。部活動によって時間が取られることは事実ですが、部活動をやめて力を集中するという考え方は、守りに入っていて持てる力を伸ばそうとする考えではなく、結局力を伸ばすことになりません。科目を絞って学習しようとする考えも同じです。
 「文武不岐(ぶんぶふき)」。学問と武道は別物ではなく、学問を極め何が正しいかを知ることは、武道のきびしい修練を積み人として向上することに通じる。その逆も同じことをあらわすという言葉です。学問と武道とは一体となっている、勉強(文)と部活動(武)はわかれず(不岐)相乗効果もあると、私は考えています。

2014年04月13日

四月半ば

 中学1年生は自然学舎に出発しました。鉢伏高原にある宿舎のあたりは標高800mと高く、気温も低くゲレンデには雪が残っており、春はまだ遠い風景のようです。宿舎からは北側に鉢伏山(標高1221m)や高丸山(標高1070m)が、反対の南側には一段と高い氷ノ山(標高1,510m)が見えます。氷ノ山は兵庫県最高峰で、中国地方においても大山に次ぐ高い山です。例年、自然学舎を行なうこの時期には、雪に覆われた姿を見せています。今年も見せてくれていることだと思います。
 現地から元気に活動している様子が報告されてきています。学園歌の練習や集団行動の練習、クラス対抗の競技などを行なうことによってクラスの団結が強まり学年としての仲間意識が高まっていきます。自然学舎を終えた後の生徒の様子の変化が楽しみです。
 他学年は日曜日でほっと一息ついていることと思います。部活動に精を出している人もあるでしょう。しかし、日曜日は単なる休みではありません。休日を如何に活用するかは学習や部活動において非常に重要なテーマです。自分独自の課題に集中して重点的に取り組むことが休日の活用法です。まとまった学習時間の確保は必須条件です。是非、平日と休日の二本立ての学習スタイルを確立してほしいものです。また、生活のリズムを崩さないことも大切なことです。
 「1月は行く、2月は逃げる、3月は去る」。3月まではあっという間に過ぎたという感じですが、4月はまだ半分も過ぎていない、というほど日が過ぎるのが遅く感じます。新しい環境のもとで新しい取り組みを根付かせるために努力しているから、そう感じるのかもしれません。

2014年04月12日

新年度のスタートは・・・

 新学期がスタートして初めての週末を迎えました。新入生にとっては7日の月曜日からスタートしていますので、正味一週間が経過したことになります。あすの日曜日は少しリラックスできる日になるかもしれません。しかし、中学1年生はあすから自然学舎に出かけます。学校を離れて授業とは違った形態で活動することになります。お互いが協力し合って一つの課題に取り組む場面がたくさん出てきます。それらを通じて相互理解が進み新しい友達ができるきっかけになります。もう少し緊張が続くことになりますが、楽しい企画もありますので楽しんできてほしいと思っています。
 何事も始めが肝心です。心機一転みんなが頑張ろうとしている時だからこそ、その雰囲気やムードに乗って各自の頑張ろうとする気持ちも発揮し易くなり、新しく身につけたい習慣などが確立できます。新しい生活のスタイルも、2週間続ければ自分のものとなるでしょう。
 新入生は勿論ですが、進級した生徒も学年が変われば昨年経験した体育大会や文化祭等といった学校行事も取り組む内容や位置づけが変わってきます。高校生対象の「東大等見学会」や「ニュージーランド研修」、中高生対象の「サイエンスキャンプ」等の募集も始まりますが、これらも内容の変更を含め新しい位置づけで今年度実施されます。従来の延長線上で「こんなもんだ」と考えていてはいけません。
 新年度がスタートしたばかりです。だからこそ、今年度の目標に沿った内容で進んでいるのかどうかの点検が、個人や学級、学年、分掌など様々なところで必要になってきます。

2014年04月11日

オリエンテーション合宿を終えて

 オリエンテーション合宿2日目を迎えました。昨夜は、大学生や大学院生の卒業生6名が駆けつけ、後輩たちに自身の経験を通して高校生活について感じていることなどを話してくれました。きょうは進路指導部長の講演から始まり、国語・数学・英語の教科から学習の仕方や考査、成績の付け方を含めた教科別オリエンテーションを行ないました。全体で行なうもの各コースに別れて行なうものと形態は様々ですが、内容は同じものです。
 生徒の様子を見ていると昨日ときょうの雰囲気は違ったように感じます。同じ行動をしている中にも違ったものを感じます。たった一日ですが一緒に行動することによって変化が表れてきているようです。新しい仲間の発見や相互理解が進んでくれているのではないかと期待しています。また、これから始まる高校生活についての夢や希望、展望などが芽生えるとともに「よし、やってやろう」という気持ちも芽生えてきたのではないかと思っています。
 「寝食を共にする」といわれます。同じ屋根の下で共同生活をして、同じ釜の飯を食うことを通じて仲間意識が芽生え、急速にお互いを知る相互理解が進みます。2日間同じ課題に挑戦しました。協力協同して課題に挑戦するということも経験しました。入学式、始業式、オリエンテーション合宿と息つく暇もなくスタートした高校生活だったかもしれません。その分、それぞれの中に59期生としての帰属意識が芽生えてきていると思います。342名という大所帯、今まで以上の可能性を期待させる59期生です。

2014年04月10日

高1オリエンテーション合宿

 高校一年生はオリエンテーション合宿です。昨年に引き続き神戸ベイシェラトンホテルで1泊2日の行程で行います。7日の登校日に始まり、8日入学式、9日対面式・始業式そしてオリエンテーション合宿と緊張の連続かもしれません。しかし、入学間もないこの時期に行うことの意義は大きいと考え、従来からこの時期に実施しています。
 高校一年生は、学園中学からの生徒が181名、高校から入学してきた生徒が161名となっています。人数は違うものの大体の比率は同じようなものです。様々な学校から入学してきた様々な経験やそれぞれの学校の文化や慣習を持った生徒が集まってきます。どれがどうということはないのですが、59期生として高校生活を送るうえで共通理解や気持ちを一つにする為には、早く共通の課題や目標を持って歩み出すことが大切だと考えているからです。学園中学生といえども、今までの延長線上で考えていては困ります。中学と高校は自ずと違うものです。そのことを理解し気持ちを切り替えることが大切だからです。だからといって、決して342名を同じ色に染め上げ、個性のない生徒にすることを考えているのではありません。一色に染め上げるのではなく、モザイク画のように一人ひとりがしっかり自分の色を輝かせ、59期生全体としてその学年の特徴やメッセージを発信してくれるようになることを望んでいます。それぞれの思いや願いを理解し合い、自分の生き方を模索する高校生活を送ってほしい。「如何に生きるかは、如何に学ぶか」です。そのスタートとしてオリエンテーション合宿が位置づけられています。

2014年04月09日

対面式・始業式

 校内にはまだ桜が残っています。校庭の芝生も青くなってきています。シンボルのメタセコイアも芽吹き始めています。中学棟の東にあるオオイチョウも芽吹いています。青く晴れ渡った空と春本番の陽気を感じる日差しです。
 昨日入学式を終えた新入生が、きょうは在校生と初めて対面することになります。生徒会役員のリードで、高校2・3年生が校庭の東側、中学2・3年生が校庭の西側に整列しています。新入生が入場する中央のスペースが空けられた隊形になっています。そこへ、中学1年生は中学棟から、高校1年生は中央階段からクラスごとに拍手で迎えられるなか入場してきました。生徒会代表の歓迎の挨拶の後、中学・高校の新入生代表が挨拶。その後、対面してお互いに「お願いします」のかけ声と共に礼をして対面式を終わり、始業式へと。始業式では今年度着任された先生から自己紹介をしていただきました。経験豊かな先生やフレッシュで熱意あふれる先生と逞しい限りです。
 239名と少ない卒業生ながら3割が国公立大学現役合格と奮闘した56期生と入れ替わりに342名の59期生が高校に、中学は卒業生とほぼ同数の184名の62期生が入学し、平成26年度は全校生徒が1500名を越え、クラス数は高校が22、中学が15、教職員も100名を越える大所帯となりました。高校1年生は明日からオリエンテーション合宿。週末には中学1年生が自然学舎へ出かけます。新しい生徒や先生の新しい力を生かし更に充実した年になるような感じがします。

2014年04月08日

中学校高等学校入学式



 中学校第62回、高等学校第59回入学式を大阪府立国際会議場(グランキューブ大阪メインホール)で行いました。中学184名、高校342名の新入生を迎えることができました。
 新入生の皆さんには次のことを考えてほしいと思っています。中学から高校にかけての6年間は心身ともに大きく成長する時期であり、「人は二度生まれる。一度は存在するために、二度目は生きるために」といわれることを。これはルソーの言葉です。「如何に生きるか」。これがこの時期の大きなテーマになります。他者と自己との違い、言い換えると自己の存在意義です。広く世界に目を向けると水、エネルギー、健康医療、農業、生物多様性、貧困など人類が抱える大きな課題があります。これらを直視して何を考え、どのような行動を起こすのか。「如何に生きるかは、如何に学ぶか」ということにつながるということです。
 また、「学び」は協力すること協同する事なしには成り立ちません。「学び」を通して心から信頼できる仲間を作ることができます。これは、待っていてはできません。自ら働きかけることが大切です。他者からの働きかけを待つ生き方ではなく、自らが働きかける生き方を目指してほしいということです。
 多くの新入生をギター・マンドリン部は受付ホールで歓迎の演奏で迎えてくれました。在校生を代表して中学生と高校生の代表が歓迎の言葉も述べてくれました。最後に吹奏楽部の歓迎の演奏など、多くの保護者とともに新入生の今後の活躍に期待する入学式を行えたと思っています。

2014年04月07日

新入生登校日

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 昨日とは打って変わり春らしい陽気に戻りました。強風にも負けず桜も花を残してくれています。きょうは新入生の登校日です。
 入学式は例年、午前中は中学、午後からは高校と学園講堂で行っていました。今年度、入学者が増えたこともあり、入学式を学外の会場を借りて実施することになりましたので、きょうの登校日が設定されました。運動部・文化部の部員が真新しい制服で登校してくる新入生を暖かく迎えていました。整備された校庭の芝生の上にクラス毎に集合し、担任の先生と初顔合わせです。その後、担任の先生の引率のもと校舎内に入りました。
 新入生は中学生が62期生、高校が59期生となります。記録によりますと、中学の1期生は男子29名、女子21名の計50名が、その中学生が卒業し、高校へ進学する時に男子55名、女子24名の計79名が入学したとあります。この60年の間に中学で約3倍、高校で約4倍を超える入学者を迎えるようになりました。この間の学園の発展の様子を思い浮かべると感慨深いものがあります。
 還暦とは、干支を意味する「暦」が「還=もどる」を意味します。干支は十干と十二支を組み合わせたもので60通りの組み合わせがあり、60年で生まれ年の干支に戻るところから「還暦」となります。今一度、創立の精神の原点に戻り「孝道」をベースに「人間力」と「学力」を備えた「社会で活躍するリーダー」の育成を目指し、大きく生まれ変わった雲雀丘学園中学・高等学校の船出となる入学式を、あす挙行します。

2014年04月06日

「ひさかたの光のどけき春の日に」

 真冬に逆戻りしたような寒い一日でした。おまけに風も強く、より一層寒く感じました。この風にも負けず桜の花が咲き続いています。もう少し頑張ってくれると期待しています。
 春の明るさや陽気を象徴する桜の開花ですが、この桜の花芽は、前年の夏に形成されるそうです。その後、晩秋にかけて休眠状態に入り、冬の低温にさらされることで眠りから覚め、春を迎え気温の上昇に伴って花芽は成長します。気温が急激に上がると花芽も急激に成長し開花します。秋から冬にかけての気温と春先の気温が大きく影響しています。季節の移り変わり、四季のある地域だからこそ美しく咲き、また、四季のある地域に似合うのが桜といえます。「パッと咲いて、パッと散る」と表現される桜ですが、開花のために半年以上も前から周到な準備をしているのです。
 物事を見る時に、私たちは結果や成果につい目が行ってしまいます。しかし、華々しい成果の背景には、それを導きだすための準備や訓練・練習などがあるはずです。おまけに、それはこうしたからすぐにこうなるといったものでもありません。その途中経過を分析的に観る目を持ち、成果や結果との因果関係を見つけ出せるようにしたいと、散り始めた桜を観ながら感じる次第です。
 「ひさかたの光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ」(紀友則)

2014年04月05日

週明けから新入生が登校

 新年度に向けて準備が整いました。校舎内の清掃は勿論のこと、入学式を含めた新入生を迎え入れる準備や新学年のクラスに対応した教室配置・新しい授業展開に対応する教室の整備などたくさんあります。校庭の芝生も新入生を迎え入れるべく新芽を出してきています。青々とした芝生の上で活動するためには肥料や砂入れ、地中に空気を入れるエアレーションなど定期的なメンテナンスが必要ですが、これも終わりました。
 いよいよ週明けから新入生が登校してきます。新中学1年生は志願者が638名と昨年より減ったもののレベルの高い入試となり、160名募集に対し入学者は184名と昨年とほぼ同数となりました。クラスも一貫選抜コース3クラス、発展コース2クラスとこれも昨年と同じです。一方、新高校1年生は過去最高の1,183名の志願者となり、約115名募集に対し入学者も過去最高の161名となりました。学園中学から181名が進学しますので、合計342名となります。一貫選抜2クラスは中学から進学する生徒で選抜特進3クラス、特進3クラスは中学から進学する生徒と高校から入学する生徒で構成されます。合計8クラスとなりました。選抜特進が3クラスになったのは今年が初めてです。中学15クラス、高校22クラスの計37クラス、1,500名を超える全校生徒で平成26年度がスタートします。
 きょうから二十四節気の「清明(せいめい)」です。暖かな春の日差しの中、桜の花が咲きほこり万物が清らかな明るさに輝く頃です。例年より早く咲いた桜も今が盛りと咲いています。この二三日の冷え込みも手伝って新入生が登校してくるまで頑張ってくれそうです。

2014年04月04日

雲雀丘杯囲碁大会

H26.4.4%20%285%29.jpg きょう、本校の食堂で小学校低学年から中学生までの棋士が参加して雲雀丘杯囲碁大会が行なわれました。この大会は、本校の囲碁将棋部が囲碁の普及をかね初心者から有段者までが楽しく参加できる大会を計画したいとの思いで企画・運営したものでした。日本棋院関西総本部や関西棋院など多くの方の協力を得て開催の運びとなりました。大会は有段者の部、級位者の部に分かれてトーナメントで勝敗を競いました。トーナメント以外にも交流対局や「雲雀丘学園の部員に挑戦!」コーナー、日本棋院関西総本部のプロ棋士による初心者教室、指導碁も行なわれました。
 「交剣知愛(こうけんちあい)」という言葉があります。「剣を交えて、愛おしむを知る」、剣道を通じてお互いに理解し合い人間的向上をはかることを教えた言葉です。あの人ともう一度試合や稽古をしたいという気持ちになれるような試合や稽古をしなさいという教えです。「礼に始まり、礼に終わる」も同様。勝負に拘るあまり勝ったからと言って相手のことも考えずに喜びを前面に出す態度をとったり、負けたからと言って不機嫌や不遜な態度をとらないということです。相手の立場に立って考えることや思いやりの心を持つ人間として成長していくことが大切にされています。囲碁も「礼に始まり、礼に終わる」対局マナーを大切にされています。勝敗や技量の向上だけが目的ではなく人間的成長を目的としているところが共通しているように思いました。
 慣れないこともあり不手際もあったと思いますが、この小さな大会が「白黒の石を交えて、愛おしむを知る」場になってくれればと願っているところです。

2014年04月03日

「Tsunami」

 日本時間2日午前8時頃、南米チリ沖で発生した大きな地震が引き起こした津波が日本に到達するとして心配されていました。大事に至らず、津波注意報は3日午後6時に解除されました。
 チリ地震による津波といえば、1960年チリ南部でマグニチュード9.5という観測史上最大の超巨大地震による津波があります。平均時速750kmという高速で太平洋を横断し,22時間半後日本列島の沿岸に達し、北海道から沖縄に至る太平洋岸のほぼ全域に被害をもたらしました。
 「津」は港、船着き場などの意味があります。この「津」を襲う波で「津波」となったと言われています。1946年4月1日、アリューシャン列島で大地震があり津波が発生しハワイに大きな被害を与えました。その時ハワイの日系移民が「Tsunami」という語を使いそれが広まったとされています。その後、米国は地震警戒システムをつくった時、その組織を「Pacific Tsunami Warning Center(太平洋津波警報センター)」という名称にしました。「Tsunami(津波)」という語がそのまま使われ、国際語になっていったようです。
 津波は地震や火山活動などによる海底地形の急変により生じる大量の海水の塊の運動です。進む速度は海底の深さが関係し、入り江や港など海底が浅いところでは速度が遅く波高が高くなります。高波や高潮とは発生の仕組みもエネルギーの大きさも違います。津波の恐ろしさは3年前の東日本大震災の記憶も生々しいところです。正しい情報の入手と高台への避難、今のところ有効な対策はこれしかないようです。

2014年04月02日

PISA問題解決能力調査

 経済協力開発機構(OECD)は1日、15歳対象の2012年国際学習到達度調査(PISA)で、解き方がすぐには分からない「問題解決能力」の結果を発表しました。日本はテストを受けた44カ国中3位でした。
 問題解決能力以外の3分野、数学的リテラシー(7位)、読解力(4位)、科学的リテラシー(4位)は昨年12月に結果が公表されています。問題解決能力の得点と3分野の得点との相関を見ると、42カ国で数学的リテラシーとの関係が強いとでていました。日本も同様の傾向でしたが、相関係数の値を比較すると39 番目と低くなっています。
 生徒への意識調査では、5項目の内「困難な問題に直面すると、すぐに諦める」、「難しい問題は後回しにする」、「すべてが完璧になるまで課題をやり続ける」、「問題に直面したとき、期待されている以上の成果を出す」の4項目が最下位で「取り組み始めた課題にはいつまでも関心を持つ」が下から2番目となり、「問題解決における忍耐力」の自己評価が参加国中最下位となっています。同じく「問題解決における柔軟性」を問う調査では、「ある事実を他の事実と結びつけることは、簡単にできる」、「物事の意義を求める」、「多くの情報を扱うことができる」、「物事の理解は早いほうだ」、「複雑な問題を解くのが好きだ」の5つの項目すべてで、柔軟性があると考えている生徒の割合が参加44カ国の中で最も小さくなっています。
 3位だと喜べない、多くの課題を提起している調査結果でした。

2014年04月01日

合同職員会議

H26.4.1.jpg 青く晴れた空に桜が綺麗に映えています。きょうは平成26年度の幕開けを飾る雲雀丘学園合同職員会議です。雲雀丘学園と中山台の2つの幼稚園と小学校、中高等学校の全教職員が学園講堂に一堂に会して行われました。
 長年勤続された方の表彰や業績表彰が行われ、常務理事の学園基本方針の発表に続き中高等学校、小学校と各校種ごとの発表に移り最後に各校種の代表から抱負の発表を行いました。校種が違えば直面する課題や力点の置き方に違いがあったりしますが、基本は創立の精神に基づいて雲雀丘学園としてどのような園児、児童、生徒を育てるかということで同じことです。また、それぞれの校種や子どもの抱えている課題や特徴などを直接担当しているものから報告を受け共通理解した上で、それぞれ担当している校種の取り組みに反映させることができます。幼稚園から高校まで持つ学園としての強みです。その後、各校種に別れて職員会議、再度集合して情報交換会と懇親会と中味の濃い一日となりました。
 今年度は、中高等学校にとって改革の第三ステージの中味を内外に発信する大切な年になります。カリキュラムの検討、指導内容や方法も含めた授業改革も必要になってきます。「本物の学び」に象徴される「学び」の進化・発展、自ら学びを追究する生徒の育成です。「先施の心」、先ず施す、相手からの働きかけを待つのではなく、自分から働きかける、先ず気のついたものが実践する事が大切だという言葉です。教職員自らの「学び」や自己変革に取り組む姿勢、これが生徒の「学び」に対する姿勢を変えていく力になると考えています。