2007年07月31日

日本の文化と歴史~暑中見舞いと中元

  この時期には暑中見舞いを出される方も多いと思います。私も毎年、多くの暑中見舞いの便りをいただきますが、年賀状とは異なり近況が詳しく記されていることが多く懐かしく感じています。本日で7月も最後になりますが、このままでは便りを書くタイミングを失しそうなので、これから時間を作り出していこうと思っています。
  ところで、この暑中見舞いというのは、本来『盆礼』といってお盆に親や親戚、仲人、恩師等お世話になった方を訪問し、心のこもった贈り物をする風習があり、これが簡略化されたと言われています。暑中見舞いを書くのは通常、一年で最も暑さが厳しいとされる「大暑(7月23日頃)」から「立秋(8月8日)」の前日、いわゆる土用の時期ですが、最近では「小暑(7月7日)」以降のケースも増えてきているようです。
  また、この時期に『お中元』を贈るという習慣もありますが、この中元というのはもともと中国の道教の習俗なのです。道教では上元(1月15日)・中元(7月15日)・下元(10月15日)を三元と定め、贖罪(しょくざい)する日とされていました。一方、わが国では古来より1年を二回に分けて、先祖の霊をお迎えし供養する『御霊(みたま)まつり』がありましたが、伝来した仏教の盂蘭盆会(うらぼんえ・7月15日)が重なり、夏にお中元として品物を贈るようになったようです。そして、今は中元という風習だけが残り上元や下元という言葉は全く聞かれなくなっています。
  私達が何気なく行なっていることもそのルーツを調べてみるとなかなか興味深いものです。
なお、これからまだまだ暑い日が続きますが、8月8日は暦の上では秋ということになります。暑中ではなく残暑になりますのでそれまでに暑中見舞いは書き上げたいものです。
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2007年07月30日

日本の文化と伝統~土用丑の日と鰻

  7月30日(月)は土用の丑の日となっており、この日には昔から鰻(うなぎ)を食する習慣があり、一説によると日本では3600万匹が消費されるとのことです。
  土用というと夏だと思いがちですが、実はそうではなく元は木・火・土・金・水という五行説を季節に割り振るということから来ているのです。即ち、春は木、夏は火、秋は金、冬は水ということになりますが、そうすると土はどの季節にも属さないことになります。それでは困るので、土はすべての季節に均等に存在するとこじつけて、それぞれの季節に入る前の18日間を土用としているのです。従って立春、立夏、立秋、立冬の前の18日間は土用ということになり、年間に4回の土用が存在することになります。今年は土用の入りは7月20日で土用の明けは立秋の前日である8月7日です。そして、夏土用の最初の丑の日が本日7月30日です。
  この日に鰻を食べる習慣が始まったのは、江戸時代末期であると言われています。平賀源内がさっぱり鰻が売れないと嘆く鰻屋の悩みを聞いて「本日土用の丑の日」という看板を掲げたところ、飛ぶように売れたということが伝わっています。当時災いは丑の方向から来ると信じられていたことと夏の暑さを乗り切るためにビタミンの豊富な鰻が良いということで瞬く間に定着したようです。
また、鰻の料理の仕方も関西と関東では全く違います。関西では腹を割いてそのまま焼きますが、関東では腹を割くことは切腹に通じるということで、背開きにして一旦蒸した上でたれをつけます。
  現在、日本では世界の鰻の半数を消費していますが、稚魚の輸出や有害物質の混入等のさまざまな問題が生じてきています。土用丑の日にあたって、鰻を食される方も多いと思いますが、このようなことも思い起こしていただきたいものです。
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2007年07月29日

全国高校ギター・マンドリンフェスティバル

  7月28日(土)、29日(日)の両日、大阪府立青少年会館文化ホールで高等学校ギター・マンドリンフェスティバルが開催されました。このフェスティバルは、朝日新聞社と社団法人全日本高等学校ギター・マンドリン音楽振興会が主催し、文部科学省・大阪府・大阪府教育委員会・大阪市・大阪市教育委員会・NHK大阪放送局・大阪21世紀協会・スペイン大使館・ドイツ連邦共和国総領事館・イタリア総領事館の後援で、毎年7月の最終の土・日曜日に開催されています。今年は実に37回目を迎え、全国から53校が出場しましたが、本校のギター・マンドリン部は第1回から連続出場しており、過去には優秀賞をはじめ、市長賞やドイツ賞やスペイン賞を受賞する等輝かしい成績を残しています。そして、何よりも誇れるのは数多くの学校の中で37回にわたって連続出場しているのは、全国で雲雀丘学園高等学校だけということです。
  本校は2日目に出場するということで、私も朝から応援に駆けつけましたが、10時前には既に会場はほぼ満員になっており、熱い熱気に包まれていました。
  本校の演奏曲目はG、デ、ミケーリ作曲 中野二郎編曲の『エジプトの幻影』第1・第3楽章でしたが、高校生と中学2・3年生38名が森龍彦さんの指揮の下、情感を込めて素晴らしい演奏を行ない、観客を大いに魅了しました。そして見事に優秀賞を受賞しました。このフェスティバルは高校3年生にとっては、6年間のクラブ活動の総決算であり、感激の涙を浮かべている生徒の姿も見られました。また、多くの保護者の皆さんも胸にこみ上げるものがあったのではないかと思います。
  『感動は努力の結晶』という言葉がありますが、これからの人生においても日々の研鑽を続けていって欲しいと思っています。
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2007年07月28日

日本青年会議所のセミナーに参加して

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 7月28日(土)、大阪市立中央青年センター第一ホールにおいて、社団法人日本青年会議所 近畿地区 大阪ブロック協議会主催の“『日本の力教育』実践検討委員会 北地域セミナー”に出席しました。今回のテーマは『OMOIYARI あふれる心 〝日本の教育は我々が変える〟 我々Jayceeから変わる』です。
  開会の辞に続き、国歌とJCIソングの斉唱、JC宣言、綱領唱和が行なわれました。日本青年会議所は現在、日本全国各地714ヶ所に設置されていますが、それぞれが『奉仕』『修練』『友情』の信条のもと、地域との協働により「よりよい社会づくり」を目指して活動されており、加入資格は満20歳から満40歳となっています。
  このうち、大阪ブロック協議会では、本年度の大きな活動指針として≪子ども達の明るく夢ある将来のために≫というスローガンのもと教育問題に取り組まれています。〝まさしく子を持つ親世代である自分達が率先して現代の社会問題を徹底的に分析し、より良き提言を行なっていく。そのためには、一般論ではなく、まず自分達自身の問題として捉えることにより、自らの姿勢や行動を変えていきたい〟という熱い思いがベースになっています。
  私は講演の中で、今世界の動きや日本のおかれている状況を正しく把握すること、しっかりとした志を持つこと、『着眼大局、着手小局』という言葉があるが、まず一人ひとりが身近なことから始め、これら凡事の徹底をはかること等を訴えました。
  続いて池田、茨木、吹田、摂津、高槻、豊中、箕面の理事長から活動状況が発表されましたが、それぞれ地域に密着したきめ細かい活動を推進されていることがわかりました。最後にパネルディスカッションを行ない、3時間にわたるセミナーは終了しました。
  日々の仕事を持ちながら時間を作り出し、それぞれの地域においてさまざまな教育問題に取り組んでおられるメンバーの皆さんの姿を目の当たりにし、心強く感じると共に是非大阪から日本全体に向けて大きなうねりを起こして欲しいと思いました。

2007年07月27日

自学自習を基本に

  以前教育の仕事に携わっている方から「〝子どもに対して教え込む〟ということでは子どもは伸びない。子どもが自ら学習する姿勢にさせることが何よりも大切である。」ということを言われたことがありますが、まさにそのとおりだと思います。
  今回の勉強合宿においては単に教えるということだけではなく、半数は自学の時間を取り入れましたが、率直なところ生徒達の意識にはまだまだ大きな差があるようです。嫌々やっている者、解らないことがあればすぐに質問に来る者、自分自身で何とか理解しようと努めている者等さまざまですが、概して安易に答えを求めるという傾向は強いようです。すぐに答えが示されるとその時には解ったように思いがちですが、実際には自分のものになっていないことが多いのです。このため、何日か経って同じような問題に遭遇しても解けないということになりがちです。時々生徒達が質問に来るのを傍で見ていましたが、先生達は意識して最後まで教えず自分でもう一度調べるように指導されていたようです。
私は生徒達に〝教育というのは英語ではeducation と言うが、この意味は外に引っ張り出すことである。まず、皆さん自身が一方的に与えられるという意識ではなく、自分自身で学習し自分のものにするということが大切である。この勉強合宿において色々なことを学んだが、それを自分のものにするためには、このままではいけない。是非この後、自分自身でもう一度見直すことによって確実に自分のものにして欲しい。〟という話をしました。
  生徒達にとってこの勉強合宿が次なる飛躍に繋がってくれることを期待しています。

2007年07月26日

高校囲碁選手権大会で準優勝

 勉強合宿中のホテルに嬉しい知らせが届きました。7月24日、25日の両日、東京・市ケ谷の日本棋院会館で開催されていた「第31回全国高校囲碁選手権大会(毎日新聞社・日本棋院・全国高校囲碁連盟主催)」の女子団体戦において、兵庫県代表として出場していた本校は見事準優勝に輝きました。
 この大会は、各都道府県での予選を勝ち抜いた46の代表校が集い、まず8つのリーグに分かれて3試合を行い、トップの成績を収めたチームが決勝トーナメントに進むことになっています。
 本校は、予選リーグにおいて昨年度の優勝校である東京・豊島岡女子学園高校と対戦し、見事に勝利を収め決勝トーナメントに進出、その後も波に乗り強敵を次々と撃破し決勝まで勝ち上がりました。そして、決勝戦では熊本代表の熊本高校に1-2で敗退しました。
 また、引き続いて開催された個人戦でも男女1名ずつが参加し、3回対局を行いましたが、くじ運にも恵まれず残念ながら敗退しました。
 生徒達は、大会終了後勉強合宿に参加しましたが、クラスメートから健闘を称えられ「これからも研鑽を積み、来年度は今年以上の成績をあげたい。」と抱負を語っていました。大きな夢を持って大いにチャレンジして欲しいと思っています。
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2007年07月25日

それぞれの夏休み~高1勉強合宿

 7月25日(木)高校1年生の勉強合宿がスタートしました。
8時前に生徒達が校庭に集合、朝礼で私は「何でも良いから最低一つ、自分なりのテーマを持って取り組んでほしい。」という話をしました。この行事は、集団生活をしながら目標を持った学習の方法を学び、自学自習の学習習慣を身につけることを目的として毎年実施しています。
 内容は、数学・英語・国語の三教科を中心にした授業ですが、授業時間は通常とは異なり、それぞれ
90分となっています。
 また、毎日「自学」の時間を設け、宿題や自学自習を行い、更に終礼において1日の反省と翌日の予定を記入、そして最終日にはテストを行い、合宿全体を通じての反省を行うことになっています。初日は無事終了しましたが、生徒達は90分の授業に熱心に取り組んでいました。
 まだ、夏休みは始まったばかりですが、この合宿を通して学習に対する集中力を高めると共に、これを契機として規則正しい夏休みを送ってほしいと思っています。
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2007年07月24日

第3回慶應義塾大学連携講座の開催

  7月23日(月)、第3回目となる慶應義塾大学連携講座を開催しました。
今回の講師は井庭崇先生でテーマは〝共感を生むメカニズム 現代社会と物語〟です。生徒達には事前に自分の心に響いた3曲を選んで提出してもらいましたが、重複したのは二つの曲(一つは三人、もう一つは二人)だけで、ほとんどが一曲ずつという結果になりました。
  講義の前半は実際にこれまでヒットした歌を聞きながら、その歌詞の中に共感を引き出すさまざまな工夫があるということを学びました。ミクロ編(個人レベル)では、≪私達は歌詞のどのような点に共感し、作り手はどのようにそれを作り込んでいくか≫、そしてマクロ編(社会レベル)では、≪社会の中でヒットするものとそうでないものがあるが、そこにはどのような法則性があるのか。みんながなんとなく思ったり、感じたりしているのではないかということを書くと必ず大きな反響がある。聴き手に演出させるのりしろのある商品に仕上げることが大切である≫。 キイ・ワードは、「演出をゆだねる〝のりしろ〟」「抽象化と具体化の絶妙なバランス」「あいまいな気持を位置づける」「矛盾や葛藤に宿るリアリティ」といったものです。このように過去のヒット曲には聞き手が歌って欲しいことは何かが綿密に計算されており、時代をしっかりとつかんでいるというメガヒット黄金の法則があるようです。
  後半は、書籍の販売市場を例にとられ、日本に流通している書籍は12億冊以上で年間7万冊の新刊が発売されているが、この市場の特徴は上位のものは驚くほど売れるが、大部分のものは少しずつしか売れていないということである。分析すると、上位1.5% の銘柄の売上げ冊数が全体の約50%を占めている。逆の見方をすれば残りの98.5%の銘柄で50%ということになっており、今はロングテールが長くなっている。このように正規分布にならないベキ乗分布といわれるサンプルが数多く見られることがわかってきた。書籍や音楽の売上げだけではなく、自然界や社会においてもこういった現象が多く存在することが判ってきている。最後に学問と研究の違いを話され、3時間にわたる講義は終了しました。この講義は大学でも行なわれているとのことですが、生徒達も熱心に聞き入っていました。井庭先生には、暑い中にもかかわらず遠路本校までお越しいただき心より感謝しております。

2007年07月22日

日本の文化と歴史~相撲の由来

  7月22日(日)は大相撲名古屋場所の千秋楽でしたが、モンゴル出身の横綱朝青龍の優勝で幕を閉じました。
  わが国の国技と言われている相撲は、最近では残念なことに人気が低迷し、野球やサッカーやテニス等に主役を奪われていますが、古事記や日本書紀に登場するほど古い歴史を持っています。「すもう」の語源は争うという意味の「すまひ」が「すまふ」となったと言われており、古代には格闘技としての意味合いが強いものでした。その後平安時代には力のある男性が神前で天下泰平、子孫繁栄、五穀豊穣、大漁を祈り、その力を捧げる神事として確立しました。続いて鎌倉時代以降の武家社会には武道として奨励されることになり源頼朝や織田信長は度々上覧相撲を催しました。更に江戸時代には芸能や職業スポーツとして位置づけられ、今日の大相撲の基礎が築かれることになりました。
  世界には固有の格闘技を持つ民族が数多くありますが、相撲はこれらとは大きく異なる面を有しています。丸い円の土俵、着用するのはまわしのみ、髷(まげ)を結う等は独特のものですが、それ以上に天皇や皇太子等のロイヤル・ファミリーとの結びつきが強いのです。かつて天皇が神事祈願される相撲節会(すまいのせちえ)では、相撲が催されましたが、この際天皇は北側に座られることになっていました。東の横綱が最高位というのも天皇の左側に位置しているからであり、むこう正面が南というのもこの理由なのです。また、土俵の周りには青・白・赤・黒の房がありますが、これは、それぞれ東は青、西は白、南は赤、北は黒を示しているのです。
  高松塚古墳にもそれぞれの方角に青龍、白虎、朱雀、玄武の四神が祭られていますが、同じ考え方です。我々が日常何気なく接しているものの由来を辿るとそれなりのさまざまな意味があるものだと感じています。
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2007年07月21日

TPOをわきまえ充実した夏休みを

  本校では、7月21日から一ヶ月間の夏休みに入ることになりますが、夏休みを迎えるにあたって、全校朝礼で生徒達に二つのことを話しました。
  一つ目は、夏休みにあたって、何か一つでも良いから「これだけはやる」というものを絞り込んで徹底的に取り組む、ということです。中学1年生の人もいれば高校3年生の人もいるが、それぞれの学年の夏休みは一回しかない。徹底的に勉強する、部活動に打ち込む、旅行する等何でも良いから普段できないことをしっかりやって欲しい。「あれもしたい。これもしたい。」と迷っていると結局すべてが中途半端な形で終わってしまうことになりがちである。このようなことならないよう、一ヵ月後皆さん一人ひとりが「このことだけはやった。」と自信を持って言えるような充実した夏休みを送って欲しい。
  二つ目は、皆さんはこの休みにさまざまな経験をすると思うが、雲雀丘学園の生徒であると同時に中学生・高校生であり、また日本人であるということを忘れないで欲しい。そのためにはT(Time :時)P(Place :場所)O(Occasion :場合・ケース)をわきまえることが大切である。
  生徒達がTPOにふさわしい服装・行為・言葉づかいを心がけると共に充実した夏休みを過ごし、逞しく成長してくれることを期待しています。
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2007年07月20日

豊かさの反動~将来に対する夢や希望

  日本は戦後めざましい経済発展を遂げ、世界でも有数の恵まれた国になりましたが、随所に豊かさの反動が出てきているようです。
  今週、各学年ともクラス担任は生徒、保護者との懇談を実施していますが、校長室のドアを開けていることもあり、気軽に校長室に立ち寄られる保護者の方もおられます。本日も何人かの保護者の方とお話しましたが、「困っておられることは何ですか」という質問に対して、しばしば「なかなか目標が決まらない」とか「もう一つ学習に身が入らない」という答えが返ってきます。また、日常生徒達と話をしていても「今勉強していることが将来社会に出て役立つとは思えない」というような言葉が発せられることも少なからずあります。残念なことに、このような傾向は日本の中学、高校生の間に広がってきているようです。
  日本の教育研究機関が中学、高校生に対して意識調査をしていますが、このうちの代表的なものを紹介すると次のようになります。
   ①筑波大学研究グループが中学3年生を対象に調査
    『将来に対して大きな希望を持っているか』に対する肯定意見
       中国91%  韓国46%  日本29%
   ②日本青少年研究所が日・韓・米・仏の中学生、高校生を対象に調査
    『21世紀は希望に満ちた社会か』に対する肯定意見
       韓国70% フランス64% アメリカ36% 日本34%  
   ③日・米・中・韓の高校生を対象に調査
      『科学の進歩で人類はより幸福になれるか』に対する肯定意見
       中国81% アメリカ68% 韓国56% 日本35%
  いずれの調査にしても、日本の中学・高校生がいかに将来に対して悲観的な物の見方をしているかがわかります。
 これは単に子ども達だけの責任なのでしょうか。子どもは親の鏡、社会の鏡という言葉がありますが、反省すべき点が数多くあるように感じています。
何よりも我々大人が将来に対する自らの夢や希望を持ち、子ども達に語りかけていきたいものです。
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2007年07月18日

中学1年のアンケート結果を見て

  現在、本校においては開かれた学校づくりの一貫としてホームページを活用して、各学年をはじめ部活動、進路、入試・広報等に関する情報発信を行っています。特に中学1年生については、基本的な生活習慣の確立をはかるためには、学校と家庭との連携が大切であると考え、毎日ブログを更新しています。先日、中学1年生独自のアンケートを実施しましたが、この結果によると、ほぼ毎日ホームページを見ておられる方が70パーセント、見たことがある方は26パーセントであり、合計すると96パーセントという極めて高い数字になっています。また、日々の連絡帳や学校生活についての発信に対して、学校生活のことが良くわかるという答えも89パーセントにのぼっています。
  このアンケートでは生活習慣についての記録つけ、漢字・英語朝礼テストの実施、学習記録表への記入、学習計画表を活用した計画的な学習といったことも尋ねています。どの質問項目についても、それなりの効果が認められていますが、まだ定着していないものや効果が現れていないものもあるようです。
現在、本校においては、P(plan)-D(do)-C(check)-A(action)のサイクルをまわすことによって、教育活動の充実をはかっていこうとしています。計画して実施する。次にその状況を把握し課題を明確にする。その上で課題解決のための手を打っていく。このことを繰り返すことによって、計画の達成率を高めていくことが大切であると考えています。
  どのような小さなことでも中途半端で終わるのではなく着実にやりあげていくことでレベルアップをはかっていきたいものです。

2007年07月17日

松原教授をお迎えして

  7月17日(火)、大阪大学名誉教授である松原央氏をお迎えして、高校1年生を対象に「分子の進化」と題する講演をお願いしました。この講演は将来の大学進学を目指す生徒達に、大学の研究の一端や科学の奥深さを理解してもらうことを狙いとしています。
  同氏は「タンパク質の構造入門」や「蛋白質に残る生物進化の足跡」「生物進化と分子進化」等数々の研究成果を発表されています。
  本日の講演では、これまで自らが研究されてきた体験をまじえ、生命の誕生から今日に至るまでの生物の変遷という幅広い内容をスライドにより詳細にお話いただきました。お話の要旨は次の通りです。
地球上には“種”に分けると110を超える生物が存在している。地球の誕生は45~6億年前だが、その後10億年経って生命が生まれた。チャールズ・ダーウィンは5~6年かけて世界を回り、特にガラパゴス諸島の生物をつぶさに観察することにより、強いものが生き残るのではなく、環境の変化に対応できるものが生き残るという「種の起源」を著した。その後多くの研究が進み、生物の系統樹が作成されるようになってきた。幾多の変遷を経て魚類、両生類、爬虫類、鳥類、ほ乳類が誕生し、現在に至っているが、生物の細胞を取り出すと種によってタンパク質のアミノ酸の配列が変わっており、この配列が類似していると近い種であるということが解る。これらの配列を調べることによって分子の分岐が明らかになり、系統図を描くことによって、それぞれの生物が進んできた道を数的に表すことができる。
そして、「今地球環境が破壊され絶滅種が増え続けているが、一旦絶滅種に指定されるとなかなか元には戻れないものである。何よりも自然を大切にするという気持を持って欲しい。」という言葉で締めくくられました。
  専門的な内容が数多く含まれており、生徒達にとっては初めて見聞きする言葉もあったようですが、恐竜の卵の化石を見せていただく等興味深い講演になったのではないかと思っています。
  お忙しい中にもかかわらず、お越しいただいた松原教授に心からお礼を申し上げます。
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2007年07月16日

海の日の由来

  7月の第3月曜日は『海の日』ということで祝日になっているため、連休の方も多いと思いますが、まだ一般的にはなじみが薄いようです。
  この日は、海洋国家として広く日本国民に海への理解と関心を求めることを目的として制定され、「海の恩恵に感謝し海洋日本への繁栄を願う日」と定義されています。もともとは1876年に明治天皇が東北巡幸された後、7月20日に横浜港に入港されたことに因んで、1941年にこの日を「海の記念日」と定められたのが始まりです。その後近年になって、海の仕事に従事している関係者の間で海の記念日を祝日にしたいという運動が続けられ、1996年に7月20日が海の日に制定され、2003年(平成15年)からは第3月曜日ということになり、今日に至っています。また、7月1日から31日までは「海の月間」ということになっており、海の日を中心に全国各地においてさまざまなイベントが実施されるようになってきました。
  海は地球上の面積の約7割を占め、気温や季節変動に大きな影響を与えています。また、地球上の水分の97パーセントを占める海水は、ミネラルをはじめとする栄養・滋養に富み生物の連鎖に関連しています。今後は地球環境の保全という観点からも海の役割が一層高まるのは間違いありません。
  海の日にあたって、まさに我々生物の生命が誕生した母なる海について、考えてみたいものです。
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2007年07月14日

異例の台風到来

  7月14日(土)、学校は通常通りの授業や模試を行ないましたが、台風4号の影響で、午後に開催する予定であった高校2年生の保護者集会は中止することになりました。
  近年、地球の温暖化に伴う異常気象が世界各地で次々と起きていますが、日本も例外ではないようです。7月に台風が日本列島に到来するのはごく稀なケースとのことですが、今回はこれがまさに現実になってしまいました。しかも、この台風4号は7月の観測史上最強の雨と風を兼ね備えています。この時期に発生する台風の進路は安定しにくく、中国大陸に向かっていくのが通常ですが、今回の台風は日本列島を縦断するという最悪のコースをとることになりました。この原因は太平洋高気圧の張り出しが弱いことや偏西風が強いということもありますが、台風が誕生する太平洋の南西部の海域の海水温が例年より1℃以上高く大量の水蒸気が発生しているからだと言われています。この台風が梅雨前線を刺激し、激しい降雨をもたらしていますが、この状況が続く限り、これからも台風が頻発するのは避けられそうにありません。そして、河川の氾濫や土砂災害、建物の崩壊等により、貴重な人命が失われたり、我々の生活が大きな打撃を受けることになってしまいます。このように物心両面にわたる損失ははかり知れないものがあります。
  これまでは天災であるから仕方がないというように思われてきましたが、天災を引き起こす原因は我々人間の方にある、言ってみれば人災であるという意識を全員が持ち身近な行動に繋げていくことが大切なのではないでしょうか。

2007年07月13日

日本での留学を終えて

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  7月13日(金)、約1年にわたる本校での留学を終えて帰国する2人の生徒とお話ししました。ティボー君はベルギーから、マリーナさんはフランスからの留学生です。2人は高校2年の国際科で勉強してきましたが、日本語の上達ぶりは目を見張るものがあります。先日は雨天のため、生憎全校朝礼ができませんでしたが、マイクを通して全校生に流暢な日本語で挨拶を行ないました。本日も教職員朝礼で原稿なしに立派なお礼の言葉を述べました。校長室では大部分が日本語での会話となりましたが、大抵の言葉は理解できるようになっていました。二人とも「日本に来て良かった。日本語も話せるようになったし、友達もたくさんできた。日本人は本当に親切だし、優しい。日本の食べ物では刺身や寿司、天ぷら等大好物になった。京都や奈良の寺院や神社は美しくて素晴らしい。是非もう一度、日本に来たい。」と話してくれました。私は日本人に対してアドバイスしてくれるとしたら、どういうことですかという質問をしました。これに対する答えは「日本人はシャイである。もっと自分自身をアピールした方が良い。」ということでした。帰国後、ティボー君は大学に進学することになっており、将来は語学の教師になりたい。マリーナさんは高校二年生として学校生活を送り、将来はティボー君と同様教師を目指したいとのことです。
私は二人に『心の絆を結ぶ』という言葉を贈りました。
  帰国後は是非、日本の国の良さを紹介していただくと共にベルギー、フランスと日本を結ぶ架け橋になって欲しいと思っています。

2007年07月12日

全力を尽くす

  7月12日(木)、出張から学校に帰ってしばらくすると、硬式野球部の顧問の先生から「2―6で負けました」という残念な知らせが届きました。今日は全国高校野球選手権兵庫県大会の一回戦が行なわれており、本校は明石球場で県立夢前高等学校と対戦しました。今年は戦力も充実しており練習量も豊富であると聞いていたので、内心初戦は突破してくれるものと期待していました。しかし、勝負というのは必ず勝つものがあれば負けるものがあります。昔から〝人事を尽くして天命を待つ〟という言葉があるように、勝負には常に時の運、つまり「つき」が左右するのも事実であり、一つのプレーを境に流れが変わるということもしばしばあります。選手達にとっては勝つか負けるかは雲泥の差であると思いますが、本校のクラブ活動の目的はプロの選手を育てることではなく、将来社会で役立つための人間力を養成することです。勝つことが必ずしも将来の成功に結びつくかどうかはわかりませんし、負けることが失敗に繋がるということもありません。
  大切なことは、目標に向かって「全力を尽くす」という姿勢であり、この姿勢がある限り、やるだけのことはやったという満足感や達成感を味わうことができ、間違いなく人間的な成長がはかれると思っています。
  硬式野球部員の皆さん、今日の敗戦にめげることなく胸を張って前進してください。

2007年07月11日

ドイツ・ヘルバルト校との交流

  本校では国際化がますます進展する中、将来グローバルな視野に立って活躍することができる人材の育成を目指し、さまざまな取り組みを行なっています。
この一環として二年に一度ドイツのヘルバルト校からの生徒の受け入れを行なっており、今年も10月13日から18日まで男子1名、女子7名、引率教師2名が来校されることになりました。
基本的に、これらの生徒達にはホームステイを通じて、日本の家庭や日常生活を体験してもらうことになっており、本校の生徒の皆さんのご家庭での受け入れの募集をお願いしました。日本ではホームステイの受け入れにあたって、大切なお客様であるという気持が強く、ホストスチューデントに対して一部屋を提供したり、特別な料理を準備しなければならないというように思われがちですが、そのような配慮は全く必要ありません。子ども達と同じ部屋で寝泊りさせ、普段家族が食べているものを出す等ありのままの生活を体験してもらうことにより、日本を理解してもらうことが大切なのです。これまで、ホームステイを引き受けていただいた保護者に対するアンケートでは好意的な回答が90パーセントを超えています。グローバル人材の最も重要な要件のひとつは異質なものを受け入れる柔軟性です。保護者の皆さんにおかれましては、折角の機会ですので、積極的にホームステイの受け入れをはかっていただきたいと思っています。
  なお、生徒達はドイツで日本語を習っていますので、少しは日本語を話すことができます。ホームステイを引き受けていただいても良いと思われるご家庭の生徒は13日(金)1時に職員室に集合してください。

2007年07月10日

自らの道を切り拓く

  間もなく夏休みに入りますが、さすがにこの時期になると高校三年生も自分の将来について真剣に考え始めたようです。私も機会ある毎に「将来は何になりたいのか」を問いかけるようにしていますが、明確な答えが返ってくる生徒は少ないようです。常々、上(将来)から物事を考えることの大切さを訴えていますが、本来大学の選択にあたっては〝何を勉強するのか〟が明確になっていなければなりません。仮に将来の夢が明確になっていなくても、人に言われたり何となく大学に行くという受身の姿勢は避けて欲しいものです。大学の関係者に聞くと、入学後勉強の意欲をなくしてしまう学生があまりにも多いが、彼らの大半は目標を持たずに入学してきているとのことです。
  本校においては先日、高校生対象の「大学合同説明会」や「1Day College-校内オープンキャンパス」を開催し、大学の入試担当者による大学の説明や教授・講師にさまざまなテーマの講義を行なっていただきました。また、担任や進路指導部の先生を中心に進路指導を行なっていますが、基本は自ら情報収集を行ない、自ら大学に足を運び、自らの目で確かめるという積極的な行動ではないかと思います。
  西洋の諺に『馬を湖の畔(ほとり)に連れて行くことはできても、水を飲ませせることはできない』というものがありますが、他人に依存するのではなく自らの道を切り拓くという姿勢を是非貫いて欲しいものです。

2007年07月09日

PTA親睦観劇鑑賞会

  7月9日(月)、保護者の皆さんと一緒に大阪松竹座で大歌舞伎『鳴神・橋弁慶・渡海屋大物浦』を鑑賞しました。これまではPTA活動の一環として、親睦バスツァーが行なわれていましたが、今年は趣向を変えて観劇鑑賞になりました。公演は関西歌舞伎の片岡仁左衛門を座長に東京から市川海老蔵を迎え、片岡孝太郎、片岡愛之助が次々と素晴らしい演技を披露され、大いに観衆を魅了しました。歌舞伎の鑑賞は初めてという保護者もおられたようですが、迫真の演技に感動され歌舞伎ファンになられた方も多かったのではないかと思います。私も久しぶりに歌舞伎という日本の伝統文化に触れることができ、心が洗われるような気持になりました。
  歌舞伎の歴史を紐解くと、16世紀末に出雲のお国という女性が「ややこ踊り」という子どもの踊りで人気を博し、1603年に歌舞伎踊りと名を改めたのが始まりです。また、歌舞伎という言葉のルーツは「傾く(かぶく)」からきており、常識を外れた型破りを意味していると言われています。その後、元禄、享保、天明、文化・文政を経て、女歌舞伎、若衆歌舞伎、野郎歌舞伎と形を変え、更に明治以降は新歌舞伎という形になって今日にいたっています。一時は衰退し消滅の危機に瀕したこともありましたが、今では日本の素晴らしい伝統として、世界からも注目を集めるようになっています。
  本校では、生徒達にもこのような日本の伝統的な歌舞伎や浄瑠璃を鑑賞する機会を設けていますが、これからますますグローバル化が進む中にあって、日本の文化に対する造詣を深めておくことが大切であると思っています。

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2007年07月08日

日本の伝統と文化~七夕の由来

  五節句は、1月を除いて3月、5月、7月、9月と奇数の数字が重なる日になっています。7月7日はこれらの一つである七夕(しちせき)ですが、日本では一般的に「たなばた」と呼ばれています。
現在の七夕は色々な伝説や行事が複合されて受け継がれてきたようです。古代の日本においては、先祖の霊を祭るために『棚機つ女(たなばたつめ)』といわれる女性が機(はた)で織った布を神におさめ、病気や災厄が起こらないように願っており、〝たなばた〟という呼び名はここから来ているようです。
  また、天帝の娘である織女(おりひめ)が牽牛(ひこぼし)と結婚したものの機織の仕事をしなくなったため、天帝の怒りに触れ川を隔てて別居させられることになり、その後一年に一度、天の川を渡って会うことを許されたという『織姫伝説』もあります。
  最近、全国的には短冊に願い事を書き笹竹に飾ることが一般的になっていますが、これも七夕から盆の間は農閑期にあたり、休養を取ると共に天災を祓う目的でそれぞれの家の軒先に紙を合わせた短冊を飾った笹を出したのが始まりであると言われています。この短冊は緑、紅、黄、白、黒の五色ですが、これも五行説に基づいているようです。中国や韓国にも七夕の行事はありますが、短冊等を笹に飾る風習は江戸時代から始まったもので、日本以外ではありません。
  五節句はそれぞれ季節の草や木に関連しており、季節に応じた植物で邪気を祓うことになっていますが、七夕では一般的にそうめんを食することが多いようです。
このように、色々な行事のルーツを知ることもなかなか興味深いものだと感じています。

2007年07月07日

中学校総合体育大会の開催

  7月7日(土)、宝塚市中学校総合体育大会が開催され、市のスポーツセンターや各中学に分かれて、各種競技が行なわれました。本校は、剣道、柔道、硬式テニス競技の会場校になっており、早朝から各中学の生徒が続々と来校し試合前の練習に汗を流していました。私は剣道競技の開会式に参加し、会場校を代表して「わが国には剣道、柔道、弓道、華道、茶道など道のつくものは数多くあるが、これらに共通するのは〝礼に始まり礼に終わる〟という言葉に代表される人格の形成である。皆さんも剣道を通じてしっかりと人間を磨いて欲しい。そして、挨拶、服装、ルール・マナー、整理、整頓、掃除といった簡単なことを着実にやるようになって欲しい。」ということを話しました。
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開会式の後、個人戦を観戦しましたが、本校の生徒は健闘し男女共優勝を果たしました。その後、テニスやバレーの会場を回りましたが、一方で本日は高校生を対象としたOne Day College(大学の教授による出前授業)が開催されていたため、十分に試合を観戦することができず残念に思いました。本大会は毎年夏休み前のこの時期に開催されていますが、優秀な成績を収めた学校や個人は7月21日(土)~24日(火)に開催される阪神大会への出場権を得ることができます。更に勝ち進むと兵庫県大会を経て近畿大会、8月17日(金)~25日(土)東北で開催される全国大会に出場することになります。
 運動クラブに所属する3年生にとっては中学生としての最後の大会です。本校には数多くの運動クラブがあり、顧問の先生方の指導のもと、日々練習に励んでいますが、今回は中学校の部活動の総決算ということになります。〝勝つために頑張る〟というのは大切ですが、勝敗の如何を問わずこれまでの練習の成果を思う存分発揮し、是非中学時代の良き思い出にしてくれることを願っています。

2007年07月06日

大学合同説明会の開催

  7月6日(金)午後、20大学・大学校に来校いただき、高校2年生・3年生を対象に合同の説明会を実施しました。この催しは今年で4回目を迎えますが、あらかじめ生徒達に参加の大学名を紹介し受講希望人数を確認した上で、大学毎に2回ずつ講演を行なっていただくことになっています。また、この説明会には希望される保護者の参加も認めています。講演の時間は40分ですが、途中で入れ替えを行なうため、生徒達は2つの大学の説明を聞くことができるようになっています。私も各説明会場を巡回しましたが、ほとんどの学校がプロジェクターやパソコン、DVD等のIT機器を活用して解りやすく説明していただいていました。現在、高校3年生は受験する大学・学部の絞り込みを行なっていますが、まだ最終決定にいたらない生徒も数多くおり、熱心に説明に聞き入っていました。第2回目が終わった後、各大学の担当者の皆さんに多目的ホールに移動していただき、個別相談会を実施しました。約1時間の予定でしたが、生徒が熱心に質問を続けるために時間を延長していただく大学もありました。個別相談会については高校1年生の中にも参加する生徒がおり、色々な大学の資料を袋一杯に詰め込んで持ち帰る姿も見受けられました。
  大学受験は人生の中でも大きな選択肢の中の一つであるのは間違いありません。最終の受験校を決めるにあたっては、今回の説明会を参考にすると共に実際に大学のキャンパスを訪問し、自分の目で確かめて欲しいと思っています。
  各大学の担当者の皆さんには、大変お世話になりました。心より感謝申し上げます。
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2007年07月05日

サントリー佐治社長をお迎えして

 本校では、年に数回「文化講演会」を開催していますが、7月4日(水)、サントリー株式会社佐治信忠社長にお越しいただき、高校生を対象に『「やってみなはれ」精神で未来にチャレンジ!』というテーマでお話をいただきました。
 佐治社長は高校生に話をされるのは今回が初めてということでしたが、一方的な講演ではなく、パワーポイントを活用され解りやすくお話をいただいたため、生徒達も興味深く聞き入っていました。タイムリーに写真やサントリーのCMを紹介されたり、生徒達に質問されたり、少年ジャンプに掲載され単行本は累計一億冊以上も売れた大ベストセラーの「スラムダンク」を紹介される等、実にバリエーションに富んだ充実した内容でした。
 話の中で、現在マリナーズで活躍しているイチロー選手が小学校6年生の時に書いた僕の夢という作文を紹介され、「プロ野球選手になる、ドラフト一位で契約金は一億以上」という夢を実現するために365日中360日練習する等、血の滲むような努力をしているから必ず夢は実現できると自信を持って断言しているが、これがイチロー選手のすごいところである。将来自分が達成したい夢が明確であればあるほど自分が何をしたいかがはっきりしてくる。そうすれば努力が苦痛でなく楽しく感じられるようになるということで、夢や目標を持つことの大切さを熱っぽく語りかけられました。
 しかし、全員がイチロー選手のように夢を持てるかどうかは疑問である。今大切なことは、それぞれの時期において何かに没頭すること、目の前の目標に向かってただひたすらに集中して打ち込むことである。それが自分の成長につながっていく。きっかけは何でも良い。失敗は怖くない。何回でもチャレンジできるのが若さの特権である。創造力で壁を乗り切り、自分らしさは自分で形づくっていこう。
 最後に本学園の創立の精神である「親孝行な人はどんなことでも立派にできる」という孝道に触れられ感謝の気持を持って、未来の自分を創るために「さぁ やってみなはれ」で締めくくられました。
 本日のお話をお聞きして、間違いなく生徒達は勇気づけられチャレンジすることの大切さを感じたことでしょう。
佐治社長には大変ご多用中にもかかわりませず、貴重なお時間をおとりいただき心より感謝申し上げます。
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2007年07月03日

誤った子育て指針

  本校では年3回、定期的に中学と高校別にPTA学級委員会を開催しています。
昨日(7月2日)は、中学1年~3年の学級委員の皆さんに集まっていただき、第2回の委員会を行ないましたが、冒頭の挨拶で私は次のような話をしました。
  『本年度の高校改革に続いて来年度から中学校の改革をスタートさせるが、この基本の考え方は
〝社会で活躍するリーダーの育成〟という創立の精神の体現化であり、きめ細かい進路の実現をはかっていこうとするものである。また、日頃から申し上げているとおり、子どもの育成のためには家庭と学校が連携していく「共育」という考え方が何よりも大切である。皆さんが家庭で子どもと接する際に、是非留意していただきたいのは、「子どもの目線で対処する。そのためには大人の論理を押しつけない。」という誤った指針を避けるということである。何故ならこの指針は、か弱い子どもの人権を横暴な大人から保護する立派な考え方であると受け止められがちであるが、決して良い結果を招くことになりません。
  まず、家庭で子どもの望むようにしてあげると、子どもは王子様、王女様になってしまいます。そして、何でも自分の思いどおりになると錯覚するようになります。ところが一旦家を出ると集団の中で生活していかなければなりません。当然、特別扱いされることなく、全員が平等な扱いを受けることになります。「期限どおりに宿題を提出しなさい」「服装をきっちりしなさい」「しっかり掃除しなさい」といった自らが望んでいないことには素直に従うことができず、抵抗を示すようになります。
それぞれの家庭において、是は是、非は非、つまり〝正しいこと〟と〝間違っていること〟をしっかり教えこんでいただきたい。』
  その後、学校行事の説明や学級懇談会の報告、意見交換を行ないました。これからもこのような機会を通じて、保護者の皆さんと積極的なコミュニケーションをはかっていきたいと思っています。

2007年07月02日

継続は力なり ~50年の伝統

 月日の経つのは早いもので、新年度が始まって4か月目を迎えました。高校にコース制を導入し、毎週土曜を授業日にする等の改革を進めてきましたが、生徒達も徐々にペースがつかめてきたようです。
本日は7月に入って最初の授業日でしたが、生徒達は早朝指導をしている私の前を元気に通り過ぎていきました。英単語テストに備えて、参考書やプリントや独自で作成した単語帳を見ている者、お互いに質問をし合っている者等の姿が見られました。通常英語を使っている人達にとって、最も親しみにくく難しいと感じる言語は日本語とアラビア語だと言われています。逆の見方をすれば、日本人にとっては他の国の人よりも英語をマスターするためには大きな努力が必要なのかも知れません。語学の力を高めるためには何と言っても語彙力を増やすことが大切ですが、これには日々の積み重ねしかありません。
 本校においては、英語力の向上を目指すことを目的として前・後期毎に年2回英単語テストを実施していますが、最もベテランの先生に尋ねても、本校に来た時には既に行なわれていたという答えが返ってきました。英単語テストは漢字テストと共に学校創立以来実に50年以上の歴史を有しているのは間違いないようです。
〝継続は力なり〟という言葉がありますが、この二つのテストは本校の素晴らしい伝統になっています。基礎・基本を大切にするという意味からも、この素晴らしい伝統を守っていって欲しいものです。
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2007年07月01日

成功の連鎖~篠原悌三氏をお招きして

  昨日(6月30日)、NPO「GREEN SOLUTIONS」理事長で地域の「雲雀丘山手緑化推進委員会」の委員長である篠原悌三さんに来校いただき、本校生徒会とインターアクトクラブ主催の講演会を行ないました。
  篠原さんは、昨年の地域清掃をご縁に「荘川桜」をご寄贈していただく等、以前の校長通信でも何度か紹介させていただいている方です。この篠原さんが、先日、ネパール国から「クリエーション アワーズ」という賞を日本人で初めて受賞されたということで、是非、本校でお話を聴かせてくださいとお願いし、今回の講演会が実現することになりました。当日は、本校インターアクトクラブと交流のある百合学院インターアクトクラブの生徒もお招きしました。インターアクトクラブ顧問からの紹介の後、以前に篠原さんが出演されたテレビの録画を拝見し、その後、ご本人からパワーポイントを用いて非常に示唆に富んだ体験談を詳しく分かりやすくお話していただきました。
  熱帯地方で行なわれている焼畑農業は、ほんのわずかな耕地を得るために非常に広い範囲の森林を焼いてしまうため、雑草が生えて熱帯雨林の樹木の種子が発芽できないという現状や日本では想像できない貧困の状況、その中で「1本切ったら、10本植える」という方法で森林を活かしている国があること、木を植えるだけではなく、木を植える人を育てるため、アジア各国で学校設立の援助をしていること、学校設立にあたってはその国のその地域の人達の自立的運営を支援するため、工事に参加してもらい、自分達が学校の建設に参画したという意識を持ってもらうことなど、実に多くのお話を紹介していただきました。
  篠原さんはこの活動を行なうにあたって、定年退職後、東京大学を受験され研究生として各国の調査にあたられたそうですが、「本気で努力すれば大抵のことはできる」という力強いメッセージをいただきました。本気で努力すれば必ず自分のものとなる、また本気で努力していれば必ず誰か助けてくれる人が現れ、思いが実現する。そして、成功した時は、なぜ、成功したのかをしっかり考えることにより更なる成功に結び付けるということも話されました。
  現在、篠原さんは、主として地域の緑化活動とアジアの植樹活動に注力されています。「ACT LOCALY-TRY GROBALY」-地域で成功したことを世界で試してみる、そして、世界で成功したことをもう一度、地域に持ち帰る。これを繰り返すことで、成功の質が上がっていくという「成功の連鎖」は私たち教育に携わる者にとっても大きな示唆を含んでいるように感じました。小さな成功体験を積み重ねることにより、生徒達が自信を持ち、安定した自立へと向かっていくことが何よりも大切であると思っています。
  地域との活動とともに、篠原さんとのご縁を今後とも大切にしていきたいと考えております。篠原さん、どうもありがとうございました。
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